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15,楽しいお茶会
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ニコニコしながらクリスお兄様が話しかけてくる。
「 エリィ、今日は何してたの?」
「いつも通りですよ。本を読んだりしてたの」
人前では魔法を使えることは伏せた方が良いと言われているので、当たり障りのないことを言っておく。
「エリィは本当に頑張り屋さんだね。何の本を読んでたのかな?」
「植物の本ですよ。」
植物や薬学の本は、既に何度も読んでいる。このまま続けていたら、内容を暗記できるんじゃないかと思っている。
「植物が好きなのですか?」
とカイル様。
この方も植物が好きなのかしら?
「えぇ、植物には癒やされますし」
「エリィはお花が好きだもんね。エリィが庭園にいると花の妖精みたいだよ!」
「ふふっ、お兄様言い過ぎですわ。」
サンルームへ移動した私達に、アンナが紅茶を持ってくる。
「ありがとう。ねぇアンナ。申し訳ないんだけど私の部屋からアレ持ってきてくれない?」
「承知しました。」
人のいる前ではアンナともこの国の言語で会話をする。
「エリィ、アレって何?」
クリスお兄様はアレが気になっている様子だ。
「ふふっ。きてからのお楽しみですわ。」
すぐにアンナは液体の入った瓶を3本持ってきた。
これは先日作ったハーブチンキだ。
ハーブチンキとは、ドライハーブをアルコール度数の高いウォッカやエタノール、精製水との混合液に浸すことで有効成分を抽出した濃縮液のことである。
薄めてスキンケアに使ってもいいし、入浴時にも利用できる。このようにお茶に入れることもできる。
簡単に作れるし保存期間も長いという、とっても素敵なアイテムなのだ。
ラベンダーは濃い茶、ローズマリーは濃い緑、カモミールはオレンジっぽい色に仕上がっている。
何も知らない人が見ると得体の知れない液体でこわいだろうな。
「これは?」
お兄様たちも不審そうな顔をしている。可愛い。
「これはこうするんですよ。」
紅茶にローズマリーのチンキを2.3 滴垂らすと良い香りが広がってくる。
軽く混ぜて飲む。
「うん、美味しい。」
満足のいく仕上がりだ。
きっとクリスお兄様は好きだと思うから、試してみてほしいな。
「スッキリとした爽やかな香りが嫌いでなければ、お兄様とカイル様もいかがですか?」
「いい香りがするね。やってみようかな。」
「えぇ是非。」
「俺もやってみよう。」
一口飲んだ紅茶の中に、チンキを入れて混ぜた紅茶を飲むと二人は顔を合わせる。
「美味しい!さっきの紅茶が全然違う紅茶になった。面白いね、これ!」
「気に入ってもらえてよかった。カイル様はいかがですか?」
「とっても美味しいです。今まで飲んだことのない味だ。スッキリしていて飲みやすいですね。」
「よかった。安心しましたわ。」
笑いながらそう言うとカイル様には視線を逸らされてしまった。
「…?」
うーん、前世では男友達がいなかったからいまいち距離感がわからないわね。
「ところでエリィこれはなんなんだい?」
クリスお兄様は気になって仕方がないという感じだ。
「これはローズマリーで作った製剤なのです。」
「「製剤?」」
クリスお兄様とカイル様が綺麗にハモったわ。
チンキといってもわからないと思って製剤という言葉を使ったけど、それも馴染みがなさそうだった。
それもそうか、騎士だものね。と一人納得し説明する。
「製剤とは、ハーブに含まれている有効成分を使いやすい形に加工したもののことです。ハーブをアルコールに一定期間浸しておくことで、製剤を作ることができるのです。」
「へぇ、、なんだかよくわからないけど身体に良さそうだね?」
よくわからないと言いつつ身体に良さそうなんて言えてしまうクリスお兄様が可愛いすぎる。
「そうなのです。ローズマリーには記憶力や集中力を高める作用もあるのですよ。しかも細胞の老化を防止する抗酸化作用があるので「若返りのハーブ」とも呼ばれているのです。」
「エリィは十分若いと思うけどね。。」
気になるとこそこなの?
心の中で思わずツッコミを入れてしまう。
「アンナたちにも試飲してもらっているのですが、効果はあるようですよ。肌がキレイになったとか、朝スッキリ起きられるようになったと言ってくれてとても嬉しいのです。」
「なるほど。」
と頷くクリスお兄様と、ぽかんとした表情のカイル様。
「こっちの瓶はなに?」
とクリスお兄様が聞いてくる。興味持ってもらえると私も嬉しい。
「これはまた別の種類なんです。二杯目はこのどちらかを試してみましょう?」
「ちなみにこちらはラベンダーで作ったものです。
ラベンダーには鎮静効果やリラックス効果もあるのですよ。」
ラベンダーチンキの蓋を開けると、甘くて華やかな香りが広がる。
「すごい甘いくていい香りだ。」
「ふふっ。でも実際にハーブティーとして飲むと甘さは控えめなんですよ。おもしろいでしょう?」
「香りは甘いのに不思議だね。」
「香りを楽しみたい場合はルームスプレーにしてもいいですし、入浴する時に入れるのもおすすめですよ。」
とカイル様にも話しかけると、今度はとても嬉しそうに微笑んでくれた。
良かった、間違ってなかったみたい。
「こちらはカモミールです。カモミールもとても万能なハーブなのですよ。」
カモミールチンキの蓋を開けると、リンゴのようなフルーティーな香りが広がる。
「わぁ!すごくいい香りだ!これもお茶に入れると味が変わるの?」
「カモミールにはタンニンが含まれているので少し苦味があります。タンニンは高温のお湯で入れると沢山溶けてしまうので、紅茶が少し温くなってから入れると苦味もあまり感じずに美味しく飲めますよ。」
とざっくりした説明をすると、カイル様は少し驚いているご様子。
「随分詳しいですね。初めて聞くことばかりだ。」
「本を読んでいますので。それにこういったハーブを使ってやってみたいことがあるのです。」
「そうなの?」
「これ以上一体なにを?」
「それはまだ秘密ですわ」
「そっか残念。じゃあいずれ教えてね。」
「はい、もちろんです」
この後、結局3つ全てのチンキを試してみたところ、カモミールが満場一致の人気だった。
「 エリィ、今日は何してたの?」
「いつも通りですよ。本を読んだりしてたの」
人前では魔法を使えることは伏せた方が良いと言われているので、当たり障りのないことを言っておく。
「エリィは本当に頑張り屋さんだね。何の本を読んでたのかな?」
「植物の本ですよ。」
植物や薬学の本は、既に何度も読んでいる。このまま続けていたら、内容を暗記できるんじゃないかと思っている。
「植物が好きなのですか?」
とカイル様。
この方も植物が好きなのかしら?
「えぇ、植物には癒やされますし」
「エリィはお花が好きだもんね。エリィが庭園にいると花の妖精みたいだよ!」
「ふふっ、お兄様言い過ぎですわ。」
サンルームへ移動した私達に、アンナが紅茶を持ってくる。
「ありがとう。ねぇアンナ。申し訳ないんだけど私の部屋からアレ持ってきてくれない?」
「承知しました。」
人のいる前ではアンナともこの国の言語で会話をする。
「エリィ、アレって何?」
クリスお兄様はアレが気になっている様子だ。
「ふふっ。きてからのお楽しみですわ。」
すぐにアンナは液体の入った瓶を3本持ってきた。
これは先日作ったハーブチンキだ。
ハーブチンキとは、ドライハーブをアルコール度数の高いウォッカやエタノール、精製水との混合液に浸すことで有効成分を抽出した濃縮液のことである。
薄めてスキンケアに使ってもいいし、入浴時にも利用できる。このようにお茶に入れることもできる。
簡単に作れるし保存期間も長いという、とっても素敵なアイテムなのだ。
ラベンダーは濃い茶、ローズマリーは濃い緑、カモミールはオレンジっぽい色に仕上がっている。
何も知らない人が見ると得体の知れない液体でこわいだろうな。
「これは?」
お兄様たちも不審そうな顔をしている。可愛い。
「これはこうするんですよ。」
紅茶にローズマリーのチンキを2.3 滴垂らすと良い香りが広がってくる。
軽く混ぜて飲む。
「うん、美味しい。」
満足のいく仕上がりだ。
きっとクリスお兄様は好きだと思うから、試してみてほしいな。
「スッキリとした爽やかな香りが嫌いでなければ、お兄様とカイル様もいかがですか?」
「いい香りがするね。やってみようかな。」
「えぇ是非。」
「俺もやってみよう。」
一口飲んだ紅茶の中に、チンキを入れて混ぜた紅茶を飲むと二人は顔を合わせる。
「美味しい!さっきの紅茶が全然違う紅茶になった。面白いね、これ!」
「気に入ってもらえてよかった。カイル様はいかがですか?」
「とっても美味しいです。今まで飲んだことのない味だ。スッキリしていて飲みやすいですね。」
「よかった。安心しましたわ。」
笑いながらそう言うとカイル様には視線を逸らされてしまった。
「…?」
うーん、前世では男友達がいなかったからいまいち距離感がわからないわね。
「ところでエリィこれはなんなんだい?」
クリスお兄様は気になって仕方がないという感じだ。
「これはローズマリーで作った製剤なのです。」
「「製剤?」」
クリスお兄様とカイル様が綺麗にハモったわ。
チンキといってもわからないと思って製剤という言葉を使ったけど、それも馴染みがなさそうだった。
それもそうか、騎士だものね。と一人納得し説明する。
「製剤とは、ハーブに含まれている有効成分を使いやすい形に加工したもののことです。ハーブをアルコールに一定期間浸しておくことで、製剤を作ることができるのです。」
「へぇ、、なんだかよくわからないけど身体に良さそうだね?」
よくわからないと言いつつ身体に良さそうなんて言えてしまうクリスお兄様が可愛いすぎる。
「そうなのです。ローズマリーには記憶力や集中力を高める作用もあるのですよ。しかも細胞の老化を防止する抗酸化作用があるので「若返りのハーブ」とも呼ばれているのです。」
「エリィは十分若いと思うけどね。。」
気になるとこそこなの?
心の中で思わずツッコミを入れてしまう。
「アンナたちにも試飲してもらっているのですが、効果はあるようですよ。肌がキレイになったとか、朝スッキリ起きられるようになったと言ってくれてとても嬉しいのです。」
「なるほど。」
と頷くクリスお兄様と、ぽかんとした表情のカイル様。
「こっちの瓶はなに?」
とクリスお兄様が聞いてくる。興味持ってもらえると私も嬉しい。
「これはまた別の種類なんです。二杯目はこのどちらかを試してみましょう?」
「ちなみにこちらはラベンダーで作ったものです。
ラベンダーには鎮静効果やリラックス効果もあるのですよ。」
ラベンダーチンキの蓋を開けると、甘くて華やかな香りが広がる。
「すごい甘いくていい香りだ。」
「ふふっ。でも実際にハーブティーとして飲むと甘さは控えめなんですよ。おもしろいでしょう?」
「香りは甘いのに不思議だね。」
「香りを楽しみたい場合はルームスプレーにしてもいいですし、入浴する時に入れるのもおすすめですよ。」
とカイル様にも話しかけると、今度はとても嬉しそうに微笑んでくれた。
良かった、間違ってなかったみたい。
「こちらはカモミールです。カモミールもとても万能なハーブなのですよ。」
カモミールチンキの蓋を開けると、リンゴのようなフルーティーな香りが広がる。
「わぁ!すごくいい香りだ!これもお茶に入れると味が変わるの?」
「カモミールにはタンニンが含まれているので少し苦味があります。タンニンは高温のお湯で入れると沢山溶けてしまうので、紅茶が少し温くなってから入れると苦味もあまり感じずに美味しく飲めますよ。」
とざっくりした説明をすると、カイル様は少し驚いているご様子。
「随分詳しいですね。初めて聞くことばかりだ。」
「本を読んでいますので。それにこういったハーブを使ってやってみたいことがあるのです。」
「そうなの?」
「これ以上一体なにを?」
「それはまだ秘密ですわ」
「そっか残念。じゃあいずれ教えてね。」
「はい、もちろんです」
この後、結局3つ全てのチンキを試してみたところ、カモミールが満場一致の人気だった。
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