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3,魔法の練習が始まりました。
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シドという王宮の魔術師が私の魔法の先生になった。
長い銀の髪を後ろで束ねており、切れ長で紫の瞳。長身で細身の彼は冷たい印象を与える。
飛翔魔法の使い手はかなり貴重らしいから、きっととても優秀な人なのだろう。
授業は8時から10時の2時間。
この人の貴重な時間をもらっているんだ。失望させないようにがんばらなくては!
飛翔魔法をマスターすること、そして基本的な生活魔法や防衛、攻撃魔法を使えるようにすることが目標だ。
魔法なんてゲームの中だけの世界だと思っていたから、実際に使えるようになることにわくわくしていた。
そう意気込んでいたものの、飛翔魔法は上級魔法のようでその前に色々覚えることがあるみたいだ。
基本飛ばして上級魔法なんて、私よくやりきったな。しかも嵐の中だったし。
それでも無謀だと怒られてしまった。魔力のコントロールがめちゃくちゃで力業で飛翔魔法を使ったから、あんなに全身が痛くなってしまったみたいだ。
「自分の能力値を正確に知っておくことはとても大切なのです。」
まずは鑑定魔法を教えてもらうことになった。鑑定魔法とはその名の通りであるが、人でも魔物でも自分よりもレベルの高い者に使うと弾かれたり、鑑定できても一部しか見ることはできないらしい。
でも、これは植物や無機物にも使えるので何かと便利な魔法である。
誰かにステータスを見られた時の事を考えて、自分のステータスを秘匿にすることもできるようだ。
確かにこの魔法を一番最初に学ぶのはとても意義があるな。
それから身を護るための防御に関する魔法や、怪我をした時や毒を盛られた時のための回復魔法等を教えてもらう。攻撃魔法はこれらができてから。
まずは防御魔法と簡単な生活魔法。これができるようになったら攻撃魔法を教えてくれるようだ。
あとは魔力量を増やすためのやり方を教えてもらう。
魔力量はギリギリまで魔力を使うと、翌日少しだけ増えるようだ。具体的には5~10程度。
ちなみに私の現在の魔力量は1200程だ。
同年代の貴族の平均は500~1000なので、少し多い。
魔法の授業は午前中なので、午前中に魔力をギリギリまで使ってしまうと午後授業をまともに受けることができない。
だから魔力を少し残して寝る前にギリギリまで使う、という作戦で魔力量を上げていくつもりだ。
毎日続ければ単純に計算すると、1年で2000位は魔力量が上がる。
初日の今日は魔力のコントロールについても教えてもらった。これも毎日訓練をすることが必要みたいだ。
息をするように魔法を使えるようになりたい。簡単な魔法なら無詠唱でできるようになりたいな。考えているとどんどんハードルが高くなってしまう。
「はい、では今日はここまで。初日にしてはがんばりましたね。いい線いってると思いますよ。では、また明日。」
「はい。ありがとうございました!」
授業後の魔力量は100程度まで減っていた。
その日、寝る前に部屋にあるものに片っ端から鑑定魔法を使ってみた。
もちろん魔力量を確認しながら。
自分の魔力量が10を切ったところで意識が遠のいた。
翌朝、鑑定すると魔力量が6増えていた。
鑑定を使い、魔力量が可視化できたことでモチベーションが上がる。とりあえず毎日続けて魔力量1万を目指そう!
◆
この日から私の生活は変わった。
魔法だけではなく、読み書きや算術、歴史や地理などの家庭教師をつけてもらった。
その他にマナーレッスンとピアノのレッスン、ダンスのレッスンも受けることにした。
6歳にして自ら英才教育を望んだのである。前世では恵まれた環境にいながらもちゃんと勉強しなかったことをとても後悔していたから、今世では後悔したくない。
それに子供の頃身に着けたものは、忘れないと思うから。
そして、私にはずっと気になっていることがひとつある。
それはメイドたちの手荒れだ。
公爵令嬢となった私の生活はメイドたちの仕事の元に成り立っている。毎日綺麗な洋服を着て、清潔なお風呂で入浴をし、部屋が清潔に保たれていて、ご飯も出てくる。その生活は決して当たり前ではない事を私は知っている。
庭に咲き誇る美しい花々も決して当たり前ではないのだ。
魔法ではない。全て人の手によって保たれているのだ。
お母様のことで私が辛かったとき、私よりも多くの時を過ごしたメイドが辛くなかったはずはない。
メイドたちはお母様ととても仲が良かった。
それなのに私をずっと励ましてくれていた。優しい言葉をかけてずっと側にいてくれていた。
そんなメイド達の手荒れがひどいのが最近とても気になるのだ。
聞いてみると、どうやらこの世界にハンドクリームはないらしく、あっても高級でなかなか手に入れることができないようだ。
もしハンドクリームを作ったら、喜んで使ってくれるかな?
単純にメイド達の役に立ちたい、喜ぶ顔が見たいと思った。
ハンドクリームを作ったことはないけど、どうやって作るかは知っている。
ミツロウ、オイル、精油。最低限この3つがあればできるはずだ。
まずはこの3つを手に入れよう、そう思いメイドに聞いてみる。
「ねぇエミリー、お買い物がしたいのだけど街へ行ってもいい?」
エミリーは生まれた時から世話をしてくれる専属メイドの1人だ。メイド長の子で10代の可愛らしい女の子だ。
「申し訳ございません、お嬢様を外に出すことは禁じられているのです。」
「…やっぱりそうよね。じゃあどうすれば買えるかしら?」
「よろしければ私が買ってきましょうか。」
「本当?いいの?」
「はい。何を買ってくればよろしいですか?」
「えっとね、ミツロウとオイルと精油がほしいの!」
「すみません、ミツロウとはなんでしょうか?」
「あれ?じゃあ精油は知ってる?」
「すみません、存じ上げません。」
「あら、、、そうなの。」
うーん、どうしよう。いきなり躓いた。
というか、この世界に養蜂場ってあるのかな?
この世界の文明はかなり遅れているように見えるけど、実際どのくらいなんだろう。
◆
「お父様、この辺に養蜂場はありますか?」
「養蜂場?」
「蜂蜜とか作る工場みたいな。」
「あぁ、確かマガン領にあったな。」
マガン領は広大な敷地を持つ我がリフレイン家が治める領内にあり、叔父にあたるマガン侯爵に任せている地らしい。
確かここからもそんなに遠くはなかったはず。そんなに近くにあったことに嬉しさを感じる。
「本当に?是非行ってみたいのですが!!」
「でも外は危険だから……」
勢いで言ってはみたものの、やはりお父様は乗り気ではない様子だ。それはそうだろう、つい先日あんな事があったばかりなのだから。少し焦ってしまった事に後悔した。
「…そうですよね、あんな事があった後ですし。わかりましたわお父様。変な事を言ってごめんなさい。」
お父様が心配する気持ちはよくわかるし、家族を悲しませたくはない。
ミツロウは折を見てまた頼もう。
せめて屋敷を出られるようになってからまた考えよう。
目的ができた。
この世界にはないハンドクリームを浸透させること。
前世の私はアロマの香りが好きで、そういえばアロマ検定も持っていた。実は前世の私は所謂女子力が高かったのである。
できればこの国だけではなく他国にも広めたいな。
だってそうすればその国にしかない花や薬草でいろいろ作れるかもしれないじゃない?
夢は広がるわね。
そうと決まれば勉強しよう!
まずはこの世界のハーブや薬学の知識を蓄えよう。今の私は圧倒的に知識が足りない。
それから私は植物や薬学の本を読み漁った。
せっかくなら薬学博士の称号も得てみたい。
学ぶならばとことん突き詰めたいタチなのだ。
薬学博士となるためには王立学園で学ぶ必要があることがわかった。
一つ目はこの資格を得ることが目標だ。
そしてもう一つは他国の言語を学ぶこと。
まずはこの世界共通言語であるリシェ語からだ。前世では語学は得意ではなかったけど、今は6歳児。この脳なら頑張れば数年で日常会話ができるようになれるはず。
そうだ、より早く上達するために語学の話せるメイドを専属にしてもらおう。それで日常会話もその言語で話すようにすればいいわ!
早速お父様に頼んでみると、その一週間後にはアンナというメイドがきた。
それから私はなにかにとりつかれたように午前中は魔法の練習、午後はひたすら勉強や読書をするという生活をしていた。
長い銀の髪を後ろで束ねており、切れ長で紫の瞳。長身で細身の彼は冷たい印象を与える。
飛翔魔法の使い手はかなり貴重らしいから、きっととても優秀な人なのだろう。
授業は8時から10時の2時間。
この人の貴重な時間をもらっているんだ。失望させないようにがんばらなくては!
飛翔魔法をマスターすること、そして基本的な生活魔法や防衛、攻撃魔法を使えるようにすることが目標だ。
魔法なんてゲームの中だけの世界だと思っていたから、実際に使えるようになることにわくわくしていた。
そう意気込んでいたものの、飛翔魔法は上級魔法のようでその前に色々覚えることがあるみたいだ。
基本飛ばして上級魔法なんて、私よくやりきったな。しかも嵐の中だったし。
それでも無謀だと怒られてしまった。魔力のコントロールがめちゃくちゃで力業で飛翔魔法を使ったから、あんなに全身が痛くなってしまったみたいだ。
「自分の能力値を正確に知っておくことはとても大切なのです。」
まずは鑑定魔法を教えてもらうことになった。鑑定魔法とはその名の通りであるが、人でも魔物でも自分よりもレベルの高い者に使うと弾かれたり、鑑定できても一部しか見ることはできないらしい。
でも、これは植物や無機物にも使えるので何かと便利な魔法である。
誰かにステータスを見られた時の事を考えて、自分のステータスを秘匿にすることもできるようだ。
確かにこの魔法を一番最初に学ぶのはとても意義があるな。
それから身を護るための防御に関する魔法や、怪我をした時や毒を盛られた時のための回復魔法等を教えてもらう。攻撃魔法はこれらができてから。
まずは防御魔法と簡単な生活魔法。これができるようになったら攻撃魔法を教えてくれるようだ。
あとは魔力量を増やすためのやり方を教えてもらう。
魔力量はギリギリまで魔力を使うと、翌日少しだけ増えるようだ。具体的には5~10程度。
ちなみに私の現在の魔力量は1200程だ。
同年代の貴族の平均は500~1000なので、少し多い。
魔法の授業は午前中なので、午前中に魔力をギリギリまで使ってしまうと午後授業をまともに受けることができない。
だから魔力を少し残して寝る前にギリギリまで使う、という作戦で魔力量を上げていくつもりだ。
毎日続ければ単純に計算すると、1年で2000位は魔力量が上がる。
初日の今日は魔力のコントロールについても教えてもらった。これも毎日訓練をすることが必要みたいだ。
息をするように魔法を使えるようになりたい。簡単な魔法なら無詠唱でできるようになりたいな。考えているとどんどんハードルが高くなってしまう。
「はい、では今日はここまで。初日にしてはがんばりましたね。いい線いってると思いますよ。では、また明日。」
「はい。ありがとうございました!」
授業後の魔力量は100程度まで減っていた。
その日、寝る前に部屋にあるものに片っ端から鑑定魔法を使ってみた。
もちろん魔力量を確認しながら。
自分の魔力量が10を切ったところで意識が遠のいた。
翌朝、鑑定すると魔力量が6増えていた。
鑑定を使い、魔力量が可視化できたことでモチベーションが上がる。とりあえず毎日続けて魔力量1万を目指そう!
◆
この日から私の生活は変わった。
魔法だけではなく、読み書きや算術、歴史や地理などの家庭教師をつけてもらった。
その他にマナーレッスンとピアノのレッスン、ダンスのレッスンも受けることにした。
6歳にして自ら英才教育を望んだのである。前世では恵まれた環境にいながらもちゃんと勉強しなかったことをとても後悔していたから、今世では後悔したくない。
それに子供の頃身に着けたものは、忘れないと思うから。
そして、私にはずっと気になっていることがひとつある。
それはメイドたちの手荒れだ。
公爵令嬢となった私の生活はメイドたちの仕事の元に成り立っている。毎日綺麗な洋服を着て、清潔なお風呂で入浴をし、部屋が清潔に保たれていて、ご飯も出てくる。その生活は決して当たり前ではない事を私は知っている。
庭に咲き誇る美しい花々も決して当たり前ではないのだ。
魔法ではない。全て人の手によって保たれているのだ。
お母様のことで私が辛かったとき、私よりも多くの時を過ごしたメイドが辛くなかったはずはない。
メイドたちはお母様ととても仲が良かった。
それなのに私をずっと励ましてくれていた。優しい言葉をかけてずっと側にいてくれていた。
そんなメイド達の手荒れがひどいのが最近とても気になるのだ。
聞いてみると、どうやらこの世界にハンドクリームはないらしく、あっても高級でなかなか手に入れることができないようだ。
もしハンドクリームを作ったら、喜んで使ってくれるかな?
単純にメイド達の役に立ちたい、喜ぶ顔が見たいと思った。
ハンドクリームを作ったことはないけど、どうやって作るかは知っている。
ミツロウ、オイル、精油。最低限この3つがあればできるはずだ。
まずはこの3つを手に入れよう、そう思いメイドに聞いてみる。
「ねぇエミリー、お買い物がしたいのだけど街へ行ってもいい?」
エミリーは生まれた時から世話をしてくれる専属メイドの1人だ。メイド長の子で10代の可愛らしい女の子だ。
「申し訳ございません、お嬢様を外に出すことは禁じられているのです。」
「…やっぱりそうよね。じゃあどうすれば買えるかしら?」
「よろしければ私が買ってきましょうか。」
「本当?いいの?」
「はい。何を買ってくればよろしいですか?」
「えっとね、ミツロウとオイルと精油がほしいの!」
「すみません、ミツロウとはなんでしょうか?」
「あれ?じゃあ精油は知ってる?」
「すみません、存じ上げません。」
「あら、、、そうなの。」
うーん、どうしよう。いきなり躓いた。
というか、この世界に養蜂場ってあるのかな?
この世界の文明はかなり遅れているように見えるけど、実際どのくらいなんだろう。
◆
「お父様、この辺に養蜂場はありますか?」
「養蜂場?」
「蜂蜜とか作る工場みたいな。」
「あぁ、確かマガン領にあったな。」
マガン領は広大な敷地を持つ我がリフレイン家が治める領内にあり、叔父にあたるマガン侯爵に任せている地らしい。
確かここからもそんなに遠くはなかったはず。そんなに近くにあったことに嬉しさを感じる。
「本当に?是非行ってみたいのですが!!」
「でも外は危険だから……」
勢いで言ってはみたものの、やはりお父様は乗り気ではない様子だ。それはそうだろう、つい先日あんな事があったばかりなのだから。少し焦ってしまった事に後悔した。
「…そうですよね、あんな事があった後ですし。わかりましたわお父様。変な事を言ってごめんなさい。」
お父様が心配する気持ちはよくわかるし、家族を悲しませたくはない。
ミツロウは折を見てまた頼もう。
せめて屋敷を出られるようになってからまた考えよう。
目的ができた。
この世界にはないハンドクリームを浸透させること。
前世の私はアロマの香りが好きで、そういえばアロマ検定も持っていた。実は前世の私は所謂女子力が高かったのである。
できればこの国だけではなく他国にも広めたいな。
だってそうすればその国にしかない花や薬草でいろいろ作れるかもしれないじゃない?
夢は広がるわね。
そうと決まれば勉強しよう!
まずはこの世界のハーブや薬学の知識を蓄えよう。今の私は圧倒的に知識が足りない。
それから私は植物や薬学の本を読み漁った。
せっかくなら薬学博士の称号も得てみたい。
学ぶならばとことん突き詰めたいタチなのだ。
薬学博士となるためには王立学園で学ぶ必要があることがわかった。
一つ目はこの資格を得ることが目標だ。
そしてもう一つは他国の言語を学ぶこと。
まずはこの世界共通言語であるリシェ語からだ。前世では語学は得意ではなかったけど、今は6歳児。この脳なら頑張れば数年で日常会話ができるようになれるはず。
そうだ、より早く上達するために語学の話せるメイドを専属にしてもらおう。それで日常会話もその言語で話すようにすればいいわ!
早速お父様に頼んでみると、その一週間後にはアンナというメイドがきた。
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