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21歳の誕生日
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約束通り、8月5日の朝8時半に部屋のインターフォンが鳴った。
部屋着のワンピース姿で扉を開けるとサングラスを外しながら金髪になった春が立っていた。夢じゃない。本物だ。あの、韓国街で会った6月以来だ。
「おはよう。」
私が言うと扉を急いで閉めて鍵をガチャリと鋭い音をたててかけた。
「あ、いたかったー」
彼はスニーカーを脱ぎながらすぐさま私を抱きしめた。
「もー無理しなくていいのに」
いつものように私をきつく抱きしめてすぐにキスをした。
「21歳おめでとう」
「ありがと」
私を見つめる目が優しい。安心さえ覚える笑顔に私も笑顔になった。
金髪姿は初めて見たけど、いつもの変わらない笑顔だった。
「すごい、髪の色」
私が前髪に触れるとその毛はもうパサパサで人形の軋んだ毛のようだった。
「俺の髪、すんごい、傷んでるでしょ」
「うん。髪パッサパサ」
「心も傷んでるんだよ」
「なんで?」
「ひろこに会えてないから」
そのまま玄関先でキスをした。磁石のようにくっつく私達はそのままキスを重ねた。
唇を重ねる音が続く。そのまま私の首に痛くなるほどのキスをした。彼の右手がワンピースの下から入って私の背中を触る。左手が胸に触れた。ワンピースの生地越しでも彼の手の温もりが鮮明に感じられて、私のブランと下がっていたはずの両手は気がついたら彼の背中に手をまわしていた。
春の右手が私の下着の中に入る。立ってはいられないくらい私はすでに感じていた。
「・・していい?」
「お誕生日だから?」
ベッドの上で私のワンピースを脱がした。カーテンは閉めているから暗いけど、隙間から微かに朝の日差しが入ってくる。朝からエッチな事をしてると思うと余計ドキドキしていた。下着を脱がしなら彼もTシャツを脱いだ。無造作にベッドの下に重なる2人の衣服に恋人なんだなと思う。
お互いの素肌が重なりあって、彼のキスは続いた。唇から首、胸、お腹。私の身体中にキスをする。キスされた箇所は熱を持ち熱く火照りさえ覚えていく。
荒くなる息遣いにもっと気持ちよくなりたいと思いながら。
その時インターフォンが鳴った。
起き上がって出る気にはならなかった。彼も同じで気にせず私達はお互いを求め合った。
頭に手を回すとパサついた髪が私の指に振れる。大好きな感触だった。私の胸に痛くなるようなキスをした。また大きな色の濃い跡ができる。でもその時の痛みとは真逆に私の胸を優しく吸った。
「あっ」
自分の身体の中がどんどん濡れていくのが分かる。早くもっと気持ちよくなりたいと思ってる自分がいる。
「・・色っぽい、顔してる」
「春がエッチだから」
「久々、だからやばいよ。俺。」
「・・いっぱいして」
固くなった彼のモノが私の中に深く入った。
「あっ」
すぐに、奥の子宮近くにぶつかったのが分かった。
「あんっ」
なんでこの人は私の気持ちの良いところが分かるのだろうと思うくらい私は感じていた。擦れる感触に私の身体が揺れる。ギシギシと鳴るベッドの音と彼の奥まで突く動きを感じ取って余計興奮した。
「毎日、ひろことしたい、」
「・・それ、無理だよ」
「じゃあ、東京戻って来たら毎日しよ、」
毎日セックスしたら。
どうなるんだろう。人間の身体って毎日セックスしてもいいの?
朦朧とする意識の中で子宮がうずくように感じている。何度も気持ちの良いところを突かれてお腹ギュッと締め付けられるような快感が走った。
「春、やだ。あっ」
汗ばんだ彼の背中に手をまわしていた。
頭の中が真っ白になるような快感に達するたびにずっとこの人とセックスしたいと思う。
「あっ」
今日で21歳だ。20歳はこの人に身体を預けてぐっと大人になった気がする。21歳もこの人の元で私は女になるんだ。
「21歳も、約束して。」
「何?」
「俺だけ、好きでいて。」
私のお腹の上は熱い精液でひたひたになった。
荒い息遣いを落ち着かせながら時計を見ると9時45分になっていた。
「ひろこ、急いで服着て!」
終わった後のんびり話す時間もなく私達は急いで服を着た。
唾液で濡れた身体も気にする事なくそのまま下着をつけてワンピースを着た。
春はサングラスをして私達は走ってマンションを出るとすぐに目の前のタクシーに乗り込んだ。
「梅田阪急前までお願いします!」
お互いセックス後の息遣いそのままでも春は車内で私の手を繋いでいた。
「家、出るまでに5分かからなかったよね」
「でも春、時間ないよ。このまま新幹線乗りなよ。」
「ひろこのプレゼント、買ってないよ」
そう言うと私の首元にそっと触れた。
「また、跡になってる?」
「うん。すごいよ、これ」
「すごいよじゃないよ。自分でつけたんじゃない」
サングラス越しに笑っているから私は頬をつねった。
梅田の阪急前に着くと時計は10時ちょうどだった。
デパート1階にプラダが開いた瞬間だった。春は私の手を引いて店内にすぐ入った。
「欲しいの、選んで。」
手を離して私の肩を2回叩いた。店内に行儀よく並ぶ靴に私は瞬きをした。
「えーどうしよう。」
上下黒いスーツの女性店員が笑顔ですぐさま寄って来た。
目の前にあるメタリックなヒールに目が行った。
「これ、37サイズありますか?」
笑顔で頷くとすぐに棚から37サイズの箱を持って来てくれた。
「すいません。この店の37サイズ、全部ください。」
横から言う彼の言葉に私と店員は目が点になっていたと思う。
「ごめん。もう行くからこれで買って。」
春はカードを渡してきたと思ったら私の前髪を触って店を出て行ってしまった。呆気にとられたけどそんなカードを預かって勝手に買い物をする勇気なんてない。私は走って店を出て追いかけた。
「春!困るよ」
ちょうどデパートから外に出ようと扉に手をかけていた。
私を見ると手を止めてサングラス越しに私を見つめている。
「いいから。買ってよ」
「・・・」
私が無言でいると腕を引き寄せて抱きしめた。
「ハッピバースデーひろこ、愛してるよ」
耳元でハスキーな声で囁いた。
愛してる、なんてはじめて言われた言葉だった。
21歳も私はこの人の元で女でいるんだ。
部屋着のワンピース姿で扉を開けるとサングラスを外しながら金髪になった春が立っていた。夢じゃない。本物だ。あの、韓国街で会った6月以来だ。
「おはよう。」
私が言うと扉を急いで閉めて鍵をガチャリと鋭い音をたててかけた。
「あ、いたかったー」
彼はスニーカーを脱ぎながらすぐさま私を抱きしめた。
「もー無理しなくていいのに」
いつものように私をきつく抱きしめてすぐにキスをした。
「21歳おめでとう」
「ありがと」
私を見つめる目が優しい。安心さえ覚える笑顔に私も笑顔になった。
金髪姿は初めて見たけど、いつもの変わらない笑顔だった。
「すごい、髪の色」
私が前髪に触れるとその毛はもうパサパサで人形の軋んだ毛のようだった。
「俺の髪、すんごい、傷んでるでしょ」
「うん。髪パッサパサ」
「心も傷んでるんだよ」
「なんで?」
「ひろこに会えてないから」
そのまま玄関先でキスをした。磁石のようにくっつく私達はそのままキスを重ねた。
唇を重ねる音が続く。そのまま私の首に痛くなるほどのキスをした。彼の右手がワンピースの下から入って私の背中を触る。左手が胸に触れた。ワンピースの生地越しでも彼の手の温もりが鮮明に感じられて、私のブランと下がっていたはずの両手は気がついたら彼の背中に手をまわしていた。
春の右手が私の下着の中に入る。立ってはいられないくらい私はすでに感じていた。
「・・していい?」
「お誕生日だから?」
ベッドの上で私のワンピースを脱がした。カーテンは閉めているから暗いけど、隙間から微かに朝の日差しが入ってくる。朝からエッチな事をしてると思うと余計ドキドキしていた。下着を脱がしなら彼もTシャツを脱いだ。無造作にベッドの下に重なる2人の衣服に恋人なんだなと思う。
お互いの素肌が重なりあって、彼のキスは続いた。唇から首、胸、お腹。私の身体中にキスをする。キスされた箇所は熱を持ち熱く火照りさえ覚えていく。
荒くなる息遣いにもっと気持ちよくなりたいと思いながら。
その時インターフォンが鳴った。
起き上がって出る気にはならなかった。彼も同じで気にせず私達はお互いを求め合った。
頭に手を回すとパサついた髪が私の指に振れる。大好きな感触だった。私の胸に痛くなるようなキスをした。また大きな色の濃い跡ができる。でもその時の痛みとは真逆に私の胸を優しく吸った。
「あっ」
自分の身体の中がどんどん濡れていくのが分かる。早くもっと気持ちよくなりたいと思ってる自分がいる。
「・・色っぽい、顔してる」
「春がエッチだから」
「久々、だからやばいよ。俺。」
「・・いっぱいして」
固くなった彼のモノが私の中に深く入った。
「あっ」
すぐに、奥の子宮近くにぶつかったのが分かった。
「あんっ」
なんでこの人は私の気持ちの良いところが分かるのだろうと思うくらい私は感じていた。擦れる感触に私の身体が揺れる。ギシギシと鳴るベッドの音と彼の奥まで突く動きを感じ取って余計興奮した。
「毎日、ひろことしたい、」
「・・それ、無理だよ」
「じゃあ、東京戻って来たら毎日しよ、」
毎日セックスしたら。
どうなるんだろう。人間の身体って毎日セックスしてもいいの?
朦朧とする意識の中で子宮がうずくように感じている。何度も気持ちの良いところを突かれてお腹ギュッと締め付けられるような快感が走った。
「春、やだ。あっ」
汗ばんだ彼の背中に手をまわしていた。
頭の中が真っ白になるような快感に達するたびにずっとこの人とセックスしたいと思う。
「あっ」
今日で21歳だ。20歳はこの人に身体を預けてぐっと大人になった気がする。21歳もこの人の元で私は女になるんだ。
「21歳も、約束して。」
「何?」
「俺だけ、好きでいて。」
私のお腹の上は熱い精液でひたひたになった。
荒い息遣いを落ち着かせながら時計を見ると9時45分になっていた。
「ひろこ、急いで服着て!」
終わった後のんびり話す時間もなく私達は急いで服を着た。
唾液で濡れた身体も気にする事なくそのまま下着をつけてワンピースを着た。
春はサングラスをして私達は走ってマンションを出るとすぐに目の前のタクシーに乗り込んだ。
「梅田阪急前までお願いします!」
お互いセックス後の息遣いそのままでも春は車内で私の手を繋いでいた。
「家、出るまでに5分かからなかったよね」
「でも春、時間ないよ。このまま新幹線乗りなよ。」
「ひろこのプレゼント、買ってないよ」
そう言うと私の首元にそっと触れた。
「また、跡になってる?」
「うん。すごいよ、これ」
「すごいよじゃないよ。自分でつけたんじゃない」
サングラス越しに笑っているから私は頬をつねった。
梅田の阪急前に着くと時計は10時ちょうどだった。
デパート1階にプラダが開いた瞬間だった。春は私の手を引いて店内にすぐ入った。
「欲しいの、選んで。」
手を離して私の肩を2回叩いた。店内に行儀よく並ぶ靴に私は瞬きをした。
「えーどうしよう。」
上下黒いスーツの女性店員が笑顔ですぐさま寄って来た。
目の前にあるメタリックなヒールに目が行った。
「これ、37サイズありますか?」
笑顔で頷くとすぐに棚から37サイズの箱を持って来てくれた。
「すいません。この店の37サイズ、全部ください。」
横から言う彼の言葉に私と店員は目が点になっていたと思う。
「ごめん。もう行くからこれで買って。」
春はカードを渡してきたと思ったら私の前髪を触って店を出て行ってしまった。呆気にとられたけどそんなカードを預かって勝手に買い物をする勇気なんてない。私は走って店を出て追いかけた。
「春!困るよ」
ちょうどデパートから外に出ようと扉に手をかけていた。
私を見ると手を止めてサングラス越しに私を見つめている。
「いいから。買ってよ」
「・・・」
私が無言でいると腕を引き寄せて抱きしめた。
「ハッピバースデーひろこ、愛してるよ」
耳元でハスキーな声で囁いた。
愛してる、なんてはじめて言われた言葉だった。
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