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お祝い
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「ひろこ!」
美咲は満面の笑みでホテルの部屋に入ってきた。
「美咲!久しぶりー!」
がっしりと受け止めて美咲と抱き合った。美咲の優しい香りがどこか懐かしくて目を瞑っていた。
「可愛い子の友達もやっぱり可愛いんだね。美咲ちゃんっていうの?」
「あ、はじめまして。幼稚園からひろこと一緒の遠野美咲です。」
「幼稚園から!俺達もそうだよ」
感じの良い聖司さんの言葉に 照れた様子ですこぶる目をキラキラ輝かせて美咲は自己紹介をした。
「すごい!すごい!本物!動いてる!」
「当たり前でしょ!美咲落ち着いてよー!」
「ひろこ友達いないと思ってた。いるんじゃん」
「いるわよ!」
ケンがまた無表情でつっかかる。
リハーサル終わりに東京行きを美咲に告げると新幹線で大阪に飛んで来てくれた。
「美咲ちゃんはじめまして」
「キャー!HARUさん!本物だー!」
美咲の興奮は止まらない。
いつもの大阪ロイヤルホテルの一室で簡単な大阪公演の決起会と合わせて私の東京行きのお祝いをしてくれる事になった。
ツアー中なのに、申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、みんながお祝いしてくれた。
「ひろこちゃん東京進出おめでとー!そしてそして大阪公演がんばりましょー!」
メンバーやスタッフにまざって一緒に乾杯をした。
「ひろこ、よく頑張ったよ」
美咲は私にシャンパンで乾杯した。
「ひろこちゃん東京カムバックおめでとうございます」
「あ、山ちゃん!」
「山ちゃんがんばれー!」
無駄な応援を誰かがするもなんせひろこファンを公言する山ちゃんは照れながら言った。
「山ちゃんっていつからひろこのファンなの?」
優希があたしと山ちゃんの間を割って入ってきたかと思ったら即座に質問した。
「ワンナイ、第一回目から」
「え、ワンナイ初回から?それすごい」
もしかしたらTV初出演したワンナイ第一回目からのファンという事は本当にファン第一号かもしれない。
「ファン歴長いじゃん」
「そうです」
一同みんなびっくりする。
「その時局の敷地内にあるTスタジオで仕事してて、隙を見て出待ちしてました。」
「まじで?!」
みんなは絶句する。
「山ちゃんひろこちゃんのどこが好きなの?」
「全部!ワンナイで全身映った時足の指もかわいかった!」
「おーすげー」
「筋金入りのファンなんだな」
ケンは自分のマネージャーの発言にお腹を抱えて大笑いしていた。
「山ちゃん、気持ち分かるわ」
春の言葉にまたみんなが笑う。
「ひろこは幸せなんだね」
美咲は私にそっと言った。
「うん。よくしてもらってるよ」
東京行きが決まりまだ実感がない。ふわふわとしてる。
「今日の夜、うち泊まるでしょ?」
「え、せっかくHARUさんいるんだからあたしはその辺のビジネスホテルに泊まるわ」
気を使わせる美咲に申し訳ない気持ちでうちに泊まりなよと言った。
「ひろこ、今日は美咲ちゃんとこの部屋で泊まりなよ。俺聖司の部屋で寝るから」
春にも気を使わせてなんだか申し訳ない。
「春いいよ。春はここで寝て。うちに帰るから」
「HARUさんひろこと久々なんでしょ?私お邪魔できません。本当に私はいいです」
更に気を使う美咲。
「今日から1週間も大阪いるんだから大丈夫」
「当たり前だろ、春。残りの日々はずっとひろこちゃんのマンション通うんだろ?」
「もう東京帰るんだからこれからは毎日一緒だもんな~春がうらやましいわ」
また誰かのひやかしが聞こえる。
そんな春やメンバーに甘えて美咲とこの部屋で泊まる事にした。
「なんか本当、ひろこよくしてもらってるね。大阪行ってから心配してたのよ。でも今日来てHARUさんに会って安心した」
美咲と飲み会で散らかった残骸も気にせずソファーに転がり残ったお酒を2人で飲んだ。
「みんな、元気にしてる?」
「変わらないよ。みんな。歩はいっそうチャラついたけど」
くすくす笑って夜景を見た。
慶はどうしてるの?
聞こうと思ったけど美咲が心配するからやめておいた。
変わらないって事はきっとまだ彼女とも付き合ってるんだ。
でもこの大阪での生活で自分は変わった。
変わったよ、慶。
窓ガラスの隙間に紺色の携帯が落ちていた。SOULのステッカーが貼ってあった。
「あたし、携帯渡してくるわ。」
髪の毛が乱れているのを直しながら部屋を出た。
1つ下の階の部屋だと聖司さんが言っていた。聖司さんの部屋へ階段を降り廊下を歩くが4部屋ある部屋のどれが聖司さんの部屋か分からない。と思ったら春がタイミングよく部屋からでてきた。
「あ、春!よかった」
携帯を片手に駆け寄ると春は笑って抱きしめてきた。
「俺に会いたかったの?」
「ち、違う!携帯の忘れ物!」
「なんだ」
疲れからきてるのかまだほろ酔い気分なのかのろけた様子がおかしかった。
「あ、これ聖司の仕事携帯だ。渡しとくよ。ありがとう」
「私の方こそ今日はありがとう」
会場でのサプライズ、遊井さんからの気を使ってくれた報告。仕事は遊井さんと二人三脚でやってきた。でも心を支えてくれたのは春なの。感謝してもしきれなかった。
「遊井さんと男の約束したからね」
春は私の乱れた髪の毛を治してくれながら言った。
「男の約束?」
意味は分からなかったけど妙に安堵して春に自分から抱きついたら春は一瞬キスをした。
「続きは明日の夜ね」
いつもの春らしいセリフ。
「明日会わなかったとしても東京でこれからはいつも会えるね」
あたしは多分今、ものすごくしあわせな顔をしていると思う。それは春があたしを見つめる顔を見ると分かった。
「ひろこ、やったじゃん」
抱き締められると春の体温が染みて心と体が幸せを感じる温もりを知る。
愛し合うってきっとお互いの体温を感じあう事なんだ。
美咲は満面の笑みでホテルの部屋に入ってきた。
「美咲!久しぶりー!」
がっしりと受け止めて美咲と抱き合った。美咲の優しい香りがどこか懐かしくて目を瞑っていた。
「可愛い子の友達もやっぱり可愛いんだね。美咲ちゃんっていうの?」
「あ、はじめまして。幼稚園からひろこと一緒の遠野美咲です。」
「幼稚園から!俺達もそうだよ」
感じの良い聖司さんの言葉に 照れた様子ですこぶる目をキラキラ輝かせて美咲は自己紹介をした。
「すごい!すごい!本物!動いてる!」
「当たり前でしょ!美咲落ち着いてよー!」
「ひろこ友達いないと思ってた。いるんじゃん」
「いるわよ!」
ケンがまた無表情でつっかかる。
リハーサル終わりに東京行きを美咲に告げると新幹線で大阪に飛んで来てくれた。
「美咲ちゃんはじめまして」
「キャー!HARUさん!本物だー!」
美咲の興奮は止まらない。
いつもの大阪ロイヤルホテルの一室で簡単な大阪公演の決起会と合わせて私の東京行きのお祝いをしてくれる事になった。
ツアー中なのに、申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、みんながお祝いしてくれた。
「ひろこちゃん東京進出おめでとー!そしてそして大阪公演がんばりましょー!」
メンバーやスタッフにまざって一緒に乾杯をした。
「ひろこ、よく頑張ったよ」
美咲は私にシャンパンで乾杯した。
「ひろこちゃん東京カムバックおめでとうございます」
「あ、山ちゃん!」
「山ちゃんがんばれー!」
無駄な応援を誰かがするもなんせひろこファンを公言する山ちゃんは照れながら言った。
「山ちゃんっていつからひろこのファンなの?」
優希があたしと山ちゃんの間を割って入ってきたかと思ったら即座に質問した。
「ワンナイ、第一回目から」
「え、ワンナイ初回から?それすごい」
もしかしたらTV初出演したワンナイ第一回目からのファンという事は本当にファン第一号かもしれない。
「ファン歴長いじゃん」
「そうです」
一同みんなびっくりする。
「その時局の敷地内にあるTスタジオで仕事してて、隙を見て出待ちしてました。」
「まじで?!」
みんなは絶句する。
「山ちゃんひろこちゃんのどこが好きなの?」
「全部!ワンナイで全身映った時足の指もかわいかった!」
「おーすげー」
「筋金入りのファンなんだな」
ケンは自分のマネージャーの発言にお腹を抱えて大笑いしていた。
「山ちゃん、気持ち分かるわ」
春の言葉にまたみんなが笑う。
「ひろこは幸せなんだね」
美咲は私にそっと言った。
「うん。よくしてもらってるよ」
東京行きが決まりまだ実感がない。ふわふわとしてる。
「今日の夜、うち泊まるでしょ?」
「え、せっかくHARUさんいるんだからあたしはその辺のビジネスホテルに泊まるわ」
気を使わせる美咲に申し訳ない気持ちでうちに泊まりなよと言った。
「ひろこ、今日は美咲ちゃんとこの部屋で泊まりなよ。俺聖司の部屋で寝るから」
春にも気を使わせてなんだか申し訳ない。
「春いいよ。春はここで寝て。うちに帰るから」
「HARUさんひろこと久々なんでしょ?私お邪魔できません。本当に私はいいです」
更に気を使う美咲。
「今日から1週間も大阪いるんだから大丈夫」
「当たり前だろ、春。残りの日々はずっとひろこちゃんのマンション通うんだろ?」
「もう東京帰るんだからこれからは毎日一緒だもんな~春がうらやましいわ」
また誰かのひやかしが聞こえる。
そんな春やメンバーに甘えて美咲とこの部屋で泊まる事にした。
「なんか本当、ひろこよくしてもらってるね。大阪行ってから心配してたのよ。でも今日来てHARUさんに会って安心した」
美咲と飲み会で散らかった残骸も気にせずソファーに転がり残ったお酒を2人で飲んだ。
「みんな、元気にしてる?」
「変わらないよ。みんな。歩はいっそうチャラついたけど」
くすくす笑って夜景を見た。
慶はどうしてるの?
聞こうと思ったけど美咲が心配するからやめておいた。
変わらないって事はきっとまだ彼女とも付き合ってるんだ。
でもこの大阪での生活で自分は変わった。
変わったよ、慶。
窓ガラスの隙間に紺色の携帯が落ちていた。SOULのステッカーが貼ってあった。
「あたし、携帯渡してくるわ。」
髪の毛が乱れているのを直しながら部屋を出た。
1つ下の階の部屋だと聖司さんが言っていた。聖司さんの部屋へ階段を降り廊下を歩くが4部屋ある部屋のどれが聖司さんの部屋か分からない。と思ったら春がタイミングよく部屋からでてきた。
「あ、春!よかった」
携帯を片手に駆け寄ると春は笑って抱きしめてきた。
「俺に会いたかったの?」
「ち、違う!携帯の忘れ物!」
「なんだ」
疲れからきてるのかまだほろ酔い気分なのかのろけた様子がおかしかった。
「あ、これ聖司の仕事携帯だ。渡しとくよ。ありがとう」
「私の方こそ今日はありがとう」
会場でのサプライズ、遊井さんからの気を使ってくれた報告。仕事は遊井さんと二人三脚でやってきた。でも心を支えてくれたのは春なの。感謝してもしきれなかった。
「遊井さんと男の約束したからね」
春は私の乱れた髪の毛を治してくれながら言った。
「男の約束?」
意味は分からなかったけど妙に安堵して春に自分から抱きついたら春は一瞬キスをした。
「続きは明日の夜ね」
いつもの春らしいセリフ。
「明日会わなかったとしても東京でこれからはいつも会えるね」
あたしは多分今、ものすごくしあわせな顔をしていると思う。それは春があたしを見つめる顔を見ると分かった。
「ひろこ、やったじゃん」
抱き締められると春の体温が染みて心と体が幸せを感じる温もりを知る。
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