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薄いお腹
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ガッチャンと重い扉が閉まった。
静まり帰る部屋。
私は彼の顔が見れずにいた。
「何か飲む?まだワインもあるし冷蔵庫になんでもあるから好きなの、飲んでいいよ」
「ありがと」
彼は洗面所で顔だか手を洗っているのだろうか。心地よい水音が聞こえた。
冷蔵庫から水を見つけてコップに入れて勢いよくゴクリと飲んだ。
喉が乾いてたんだ。
広い部屋を落ち着いて眺めた。
こんな広い最上階の部屋で大きな窓で夜景の見れる部屋。
机の上には次の曲なのか、メモ書きだらけの楽譜がバサリと置かれファンクラブの会報と自分達が表紙の音楽雑誌が付箋がついた状態で無造作に散乱していた。
私と住む世界が違いすぎる。
相手は今音楽業界を騒がせている人気ロックバンドのボーカルなんだ。
それを目の当たりにしたかのようで自分がここにいていいのかとさえ思った。
火遊びなんていいところだ。ここで一夜の過ちが始まったら私は絶対火傷する。火傷じゃすまないかもしれない。
そんな私の気持ちを待つ事もせず、突然目の前に手が見えたと思ったら背後から彼に抱きしめられた。
彼の腕が胸にあたって自分の鼓動が聞こえる。
力が強い。
手を引かれた時もそうだった。この人は力がすごく強い。
きつく抱きしめられ、それはもうここから逃げられない事をあたかも思わせるように強く抱きしめられた。
「く、くるしい」
「ごめん」
そう言うと手を離して私を自分の方に向かせて頭をそっと撫でた。
セクシーな目で私を見つめる。
そう。この人はこうゆう目を私にする。
私の目の奥底から見ているような、でも透明感がある。色っぽい眼差しだ。
「痛かった?」
「・・大丈夫」
髪を優しく耳にかけてくれたと思ったらそのまま手が耳に触れそっとキスをした。
優しいキスだった。手足や腰の力がゆるゆると抜けていくかのような、そんなキスだった。
キスを重ねていたらそのまま舌が入って来た。でもそれが気持ち良くて彼のキスを受け止めていた。
「ん」
キスが気持ち良いなんて初めての事だった。呼吸を忘れるようなキスをした。
「ベッド、行こうよ」
キスに酔ってうつろな状態のまま言われた時にはもうベッドに倒れ込んでいた。
倒れ込む瞬間に私の頭をおさえていた事に気づいた。
優しい手、だと思った。
美咲と話した、男はセックスするまでは優しいって話のくだりを思い出した。
抱き合ったまま続くキスにお互いの服の擦れ合う音が妙に生々しく聞こえる。荒くなっていく息遣いには自分が自分じゃないような気がするくらいで、やたらと興奮した。
ドキンドキンと彼の心臓の音が分かる。
この人も、ドキドキしているんだ。
起き上がると私の顔の真上でユラユラとカラーリングを重ねた不健康そうな彼の髪が揺れた。
「今日、寝てないんだった」
「・・わたしも」
ワンピースのボタンがポツンポツンと開けられていく。
彼のキスは続いた。
しだいに首から鎖骨へキスは続く。私の左腕に彼の右手がつたって手を繋いでいた。優しい手が私の心のネジを許しはじめているのが分かった。
ブラが外されて胸が露わになった時つい恥ずかしくて腕で顔を隠した。
「顔、見せてよ」
腕を掴まれて顔が見えた時恥ずかしくて顔を横にそむけた。
「・・なんで?」
「顔、見たいよ」
彼は私の胸にキスをした。
「・・あ」
部屋に響く。
中学の頃興味本位でAVを見た。やらせなんじゃないかと思うセックスの映像だったけど、愛撫に感じて出る声は本能のものなんじゃないかと思った。
現に意識してないのに、自然とあふれ出る自分の声に改めてびっくりする。
お腹を触りながら下着を脱がした時、彼がTシャツを脱いだ。
暗がりでも分かる、無駄のないキレイな身体だと思った。
ベルトの音がしてカチャンカチャンと脱いでいく。
素肌と素肌が重なった時私は彼にしがみついた。
肌が気持ち良い。
人の肌ってこんなに気持ち良かったっけ?
彼の手に唇に敏感になっている自分がいた。
まるで手探りで私の気持ちの良いところを探すような。
その手が妙に優しい、と思った。
指がゆっくり私の中に入ってくる。
既にすごく濡れているだろう自分が恥ずかしくなってきた。
濡れてるって分かる音が部屋中に聞こえて、余計恥ずかしくて目を瞑った。
彼の指が私の中でどこかなぞるように触れた瞬間お腹がぎゅっと苦しくなる程の快楽が走った。
「あんっ」
「ここ、気持ちいい?」
かすれた声で耳元で私に言う。
体の中の、多分すごく気持ちのいいところを彼は知っているかのように私の体に触れる。
こんな事ははじめてだった。
体が快感に耐えきれなくてのけぞるなんて経験した事がなかった。セックスなんてただ肌のぬくもりを感じる事で満足感を得ていたからだ。本当に気持ちが良いのなんてもっと大人になってから味わうものだと思っていた。
「もっと、していい?」
「声、すごいでちゃいそう」
「聞かせてよ」
セックスって、こうやって気持ちの良いところを探る行為なんだって思った。
彼の堅くなったものがゆっくり私の身体に入ってきた。私達はひとつになった。
お互いの恥骨がわかるくらい、全部入ったと分かった時、彼がキスをした。
そのキスが妙に長くて、身体を預けてって言われているみたいだった。
彼が私の中で動くと、もう何もかもがどうでもよくなった。
「あっあっあんっ」
私の中で擦れるたびに高揚して声が響く。
彼が動くと同時にベッドがミシミシと音がする。その音がやらしくて妙に興奮した。
胸を愛撫されながら、彼の振動にまた快楽が襲うようにやってくる。
私の気持ちのいいところに彼のが擦れるとたまらなくなって私は彼を感じていた。
この人はなんで私の気持ちの良いところが分かるんだろう。
年上の男の人ってこんなに色々知っているの?なんて思いながら、私は意識が朦朧とするかのように感じていた。
「あ、あんっああっ」
目の前がチカチカと真っ白になった気がした時お腹の上で熱を帯びた精液が流れ出た。
お互いがぐったりベッドに倒れ込んで彼はティシュで私のお腹の精液を拭った。
それがくすぐったくてひゃっと言ったら口にキスをしてまた胸にキスをした。
私は呼吸を整えながらも火照った身体はまだ彼が欲しくなるくらいの衝動に駆られていた。
「なんで、お腹こんなに薄いの?」
彼は横で寝ながら私のお腹を触る。
「そうかな」
「うん。薄い。臓器入ってるの?」
「・・・入ってます」
恥ずかしくて背を向けたら腕を引っ張られた。
「こっち、向いてよ」
真剣な顔になった。
前髪の隙間から私を見つめる目が色っぽい。
「嬉しかったよ。夢中になってくれたから」
「夢中?私が?」
「うん」
私の前髪をそっと触っている。彼はそのまま私を抱きしめた。暖かい彼の胸の中。
するとそのまますーっと眠りついた。
どれだけ時間が経ったのだろう。
目を覚ましたらまだ辺りは暗かった。
時計は4時を過ぎていた。
彼は私を抱きしめたままの体勢だった。
そっとベッドから起き上がり落ちている下着と服を身につけて鞄を持った。
彼の寝顔を少し見た。
キレイな寝顔だった。
普通ドラマとかだと手紙を書いて置いて帰るものだなと思い一瞬紙とペンを探したけどやめた。
何を書くの?
そしたら彼はどんな顔で読むの?
私はそっと部屋を出てエレベーターに乗った。
また、1階にどんどん降りる様は夢から覚めるようだった。
身体がまだ熱を帯びているかのようで、思い返しただけでドキドキした。
あんなセックス初めてだ。
セックスなんて高校生の頃付き合った彼氏と経験してきた。あの頃とのセックスとは訳が違った。
あんなに気持ちが湧き上がるような経験はなかった。
静まり帰る部屋。
私は彼の顔が見れずにいた。
「何か飲む?まだワインもあるし冷蔵庫になんでもあるから好きなの、飲んでいいよ」
「ありがと」
彼は洗面所で顔だか手を洗っているのだろうか。心地よい水音が聞こえた。
冷蔵庫から水を見つけてコップに入れて勢いよくゴクリと飲んだ。
喉が乾いてたんだ。
広い部屋を落ち着いて眺めた。
こんな広い最上階の部屋で大きな窓で夜景の見れる部屋。
机の上には次の曲なのか、メモ書きだらけの楽譜がバサリと置かれファンクラブの会報と自分達が表紙の音楽雑誌が付箋がついた状態で無造作に散乱していた。
私と住む世界が違いすぎる。
相手は今音楽業界を騒がせている人気ロックバンドのボーカルなんだ。
それを目の当たりにしたかのようで自分がここにいていいのかとさえ思った。
火遊びなんていいところだ。ここで一夜の過ちが始まったら私は絶対火傷する。火傷じゃすまないかもしれない。
そんな私の気持ちを待つ事もせず、突然目の前に手が見えたと思ったら背後から彼に抱きしめられた。
彼の腕が胸にあたって自分の鼓動が聞こえる。
力が強い。
手を引かれた時もそうだった。この人は力がすごく強い。
きつく抱きしめられ、それはもうここから逃げられない事をあたかも思わせるように強く抱きしめられた。
「く、くるしい」
「ごめん」
そう言うと手を離して私を自分の方に向かせて頭をそっと撫でた。
セクシーな目で私を見つめる。
そう。この人はこうゆう目を私にする。
私の目の奥底から見ているような、でも透明感がある。色っぽい眼差しだ。
「痛かった?」
「・・大丈夫」
髪を優しく耳にかけてくれたと思ったらそのまま手が耳に触れそっとキスをした。
優しいキスだった。手足や腰の力がゆるゆると抜けていくかのような、そんなキスだった。
キスを重ねていたらそのまま舌が入って来た。でもそれが気持ち良くて彼のキスを受け止めていた。
「ん」
キスが気持ち良いなんて初めての事だった。呼吸を忘れるようなキスをした。
「ベッド、行こうよ」
キスに酔ってうつろな状態のまま言われた時にはもうベッドに倒れ込んでいた。
倒れ込む瞬間に私の頭をおさえていた事に気づいた。
優しい手、だと思った。
美咲と話した、男はセックスするまでは優しいって話のくだりを思い出した。
抱き合ったまま続くキスにお互いの服の擦れ合う音が妙に生々しく聞こえる。荒くなっていく息遣いには自分が自分じゃないような気がするくらいで、やたらと興奮した。
ドキンドキンと彼の心臓の音が分かる。
この人も、ドキドキしているんだ。
起き上がると私の顔の真上でユラユラとカラーリングを重ねた不健康そうな彼の髪が揺れた。
「今日、寝てないんだった」
「・・わたしも」
ワンピースのボタンがポツンポツンと開けられていく。
彼のキスは続いた。
しだいに首から鎖骨へキスは続く。私の左腕に彼の右手がつたって手を繋いでいた。優しい手が私の心のネジを許しはじめているのが分かった。
ブラが外されて胸が露わになった時つい恥ずかしくて腕で顔を隠した。
「顔、見せてよ」
腕を掴まれて顔が見えた時恥ずかしくて顔を横にそむけた。
「・・なんで?」
「顔、見たいよ」
彼は私の胸にキスをした。
「・・あ」
部屋に響く。
中学の頃興味本位でAVを見た。やらせなんじゃないかと思うセックスの映像だったけど、愛撫に感じて出る声は本能のものなんじゃないかと思った。
現に意識してないのに、自然とあふれ出る自分の声に改めてびっくりする。
お腹を触りながら下着を脱がした時、彼がTシャツを脱いだ。
暗がりでも分かる、無駄のないキレイな身体だと思った。
ベルトの音がしてカチャンカチャンと脱いでいく。
素肌と素肌が重なった時私は彼にしがみついた。
肌が気持ち良い。
人の肌ってこんなに気持ち良かったっけ?
彼の手に唇に敏感になっている自分がいた。
まるで手探りで私の気持ちの良いところを探すような。
その手が妙に優しい、と思った。
指がゆっくり私の中に入ってくる。
既にすごく濡れているだろう自分が恥ずかしくなってきた。
濡れてるって分かる音が部屋中に聞こえて、余計恥ずかしくて目を瞑った。
彼の指が私の中でどこかなぞるように触れた瞬間お腹がぎゅっと苦しくなる程の快楽が走った。
「あんっ」
「ここ、気持ちいい?」
かすれた声で耳元で私に言う。
体の中の、多分すごく気持ちのいいところを彼は知っているかのように私の体に触れる。
こんな事ははじめてだった。
体が快感に耐えきれなくてのけぞるなんて経験した事がなかった。セックスなんてただ肌のぬくもりを感じる事で満足感を得ていたからだ。本当に気持ちが良いのなんてもっと大人になってから味わうものだと思っていた。
「もっと、していい?」
「声、すごいでちゃいそう」
「聞かせてよ」
セックスって、こうやって気持ちの良いところを探る行為なんだって思った。
彼の堅くなったものがゆっくり私の身体に入ってきた。私達はひとつになった。
お互いの恥骨がわかるくらい、全部入ったと分かった時、彼がキスをした。
そのキスが妙に長くて、身体を預けてって言われているみたいだった。
彼が私の中で動くと、もう何もかもがどうでもよくなった。
「あっあっあんっ」
私の中で擦れるたびに高揚して声が響く。
彼が動くと同時にベッドがミシミシと音がする。その音がやらしくて妙に興奮した。
胸を愛撫されながら、彼の振動にまた快楽が襲うようにやってくる。
私の気持ちのいいところに彼のが擦れるとたまらなくなって私は彼を感じていた。
この人はなんで私の気持ちの良いところが分かるんだろう。
年上の男の人ってこんなに色々知っているの?なんて思いながら、私は意識が朦朧とするかのように感じていた。
「あ、あんっああっ」
目の前がチカチカと真っ白になった気がした時お腹の上で熱を帯びた精液が流れ出た。
お互いがぐったりベッドに倒れ込んで彼はティシュで私のお腹の精液を拭った。
それがくすぐったくてひゃっと言ったら口にキスをしてまた胸にキスをした。
私は呼吸を整えながらも火照った身体はまだ彼が欲しくなるくらいの衝動に駆られていた。
「なんで、お腹こんなに薄いの?」
彼は横で寝ながら私のお腹を触る。
「そうかな」
「うん。薄い。臓器入ってるの?」
「・・・入ってます」
恥ずかしくて背を向けたら腕を引っ張られた。
「こっち、向いてよ」
真剣な顔になった。
前髪の隙間から私を見つめる目が色っぽい。
「嬉しかったよ。夢中になってくれたから」
「夢中?私が?」
「うん」
私の前髪をそっと触っている。彼はそのまま私を抱きしめた。暖かい彼の胸の中。
するとそのまますーっと眠りついた。
どれだけ時間が経ったのだろう。
目を覚ましたらまだ辺りは暗かった。
時計は4時を過ぎていた。
彼は私を抱きしめたままの体勢だった。
そっとベッドから起き上がり落ちている下着と服を身につけて鞄を持った。
彼の寝顔を少し見た。
キレイな寝顔だった。
普通ドラマとかだと手紙を書いて置いて帰るものだなと思い一瞬紙とペンを探したけどやめた。
何を書くの?
そしたら彼はどんな顔で読むの?
私はそっと部屋を出てエレベーターに乗った。
また、1階にどんどん降りる様は夢から覚めるようだった。
身体がまだ熱を帯びているかのようで、思い返しただけでドキドキした。
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