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酒が好き
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「ひろこ、スカート短いよな」
仕事帰りに俺のマンションでみんなで打ち合わせをしてバラけて帰ったところでなんとなくケンが残っていた。
2人で缶ビールを空けてたらひろこの愛車紹介番組第一回目が放送された。
画面のひろこは短いスカートも特に気にせず共演者達と笑い合っていた。
ひろこに好意を寄せる中山くんはひろこに質問したりして満面の笑みだった。
ひろこもひろこで可愛く映っていた。
「水着で出るよりいいじゃん。年頃の娘を持つ親みたいな事言うなよ」
ケンが隣でTVを見てたけど、俺を見て笑っていた。
「親の方がいいよ。一生離れてかないんだし」
「親じゃなくて恋人だからセックスできるんだぞ?」
「そりゃそうだけどさ」
久々、ケンからタバコをもらって1本吸った。
ピロリロピロリロ
ケンのスマホが鳴ってケンはスマホを取り出した。
「お、元気ー?」
「あ、春?うん。そうだね。うん。」
ケンが俺の話しをしてる、と思って電話が終わった後ケンがため息をついていた。
「俺の知ってる人?」
「ヒデちゃんだよ。ヒデちゃんが今入ってるバンドのギタリストのヨージって分かる?ヨージがひろこに会いたがってんだって。春と付き合ってるのかの確認だったよ。」
またか。
ヨージはウワサでめちゃくちゃ女に手が早いと聞いた事がある。
もういっその事大々的にひろこと付き合ってるとみんな知ってくれないのかと思った。
「やっぱりひろこ監禁した方がいいんじゃないか?こりゃ外歩いただけで拉致られるんじゃないか?」
「遊井さんいれば大丈夫だよ。」
俺はそんなことを言っていたけど内心気が気じゃなかった。
もう時計は2時を回るところでケンが帰ると言う。
本当は今日もひろこのマンションに行きたかったけど、帰りが12時を過ぎていたからやめたけど、今からでも会いに行きたかった。心のどこかで会えない苛立ちを抱えている自分がいた。
もう、病気なんじゃないかと思った。
「宅配ボックスまで送るよ。今日まだ見てないんだ」
「送ってくれるなんて彼氏みたいだな。ひろこにもいつもそう言うのか?」
「ひろこは家まで送るよ。危ないじゃん」
「それで泊まって朝まで一緒か。今日は行かないの?」
「0時過ぎちゃったから行かないよ。」
俺はケンを1階まで見送った。
宅配ボックスの中にAmazonから雑誌が届いていた。その場でビリッと開けたらひろこが表紙の週刊アサヒが届いていた。
この表紙の撮影の前日にひろこを抱いていた。中で出した日だ。
「・・・」
薄い腹に俺の精液が入ってた時だと思うと表紙のひろこを見てなぜかまた安心感が湧いてきた。
「あ、こんばんは。」
ハッとして顔を上げると田中剛が立っていた。
「あ、どうも」
俺が会釈すると田中剛が俺の手に持つ週刊アサヒを見つめていた。
するとカバンから全く同じひろこが表紙の週刊アサヒを俺に見せてきた。
「同じですね。」
俺たちは一緒にエレベーターに乗った。
「HARUさん、何階ですか?」
「22階です。田中さんは?」
「21階です。なんだ、近いですね」
「今度うちに遊びに来てくださいよ。飲みましょうよ。」
「嬉しいです。いつでも行きますよ。うちにも来てくださいよ。なんなら今からでも歓迎ですよ!」
そんな会話をしていたら、田中剛のマンションで飲み会となっていた。
「ええええええええ!春くんの彼女って安藤ひろこなの?!えええええええええ」
深夜は3時になるところで大声を張り上げた。
いつもは刑事ドラマでシリアスな刑事役を演じてるとは思えないほどのリアクションだった。
「剛くん、声大きい。今3時!!」
気がついたらお互い「くん」付けで呼び合い、酒好きだったようでお互いビールを飲み散らかしていた。
遊井さんもそうだけど、酒って本当交流ツールだと思う。
だから俺は酒が好きだ。
「うらやましい。。安藤ひろこちゃんと?本当うらやましい。きっかけは?!きっかけは何だったの?!春くん会うなり押し倒したりとかしたの?!」
「俺、ずっと好きで。まぁ俺から強引に迫った、かな。」
「強引?!やっぱり押し倒したの?!」
目を血走らせ興奮しながら剛くんは言ったと思ったらソファーに置かれたクッションをギュッと抱きしめてため息をついた。
「俺、これ持ってるよ」
そう言うと棚からあの関西限定の完売になったひろこが表紙の雑誌を出してきた。
「あ、それ!俺買えなくて欲しかったやつだ!」
「俺はオークションで15000円でゲットしたよ。これ、めちゃくちゃ可愛いよね?表情とかサイコー!ギネスに認定されると思ったよ」
「この口と目のバランスがこれいいんですよね。いいなー俺も欲しかった!」
2人で夜中3時、ゲラゲラ笑いながらなんだか陽気になっていた。
「でもさ、これ関東版は菊田恵ちゃんが表紙でしょ?Amazonで買ったら菊田恵ちゃんの方が届いたよ。」
「春くんも?実は俺もそうなんだよ。安藤ひろこの表紙の方Amazonで買ったらめぐめぐが表紙の方がきちゃって。」
「だって剛くん菊田恵ちゃんと付き合ってるんでしょ?ならいいじゃない。」
「・・・これ、めぐめぐには言えないんだけどさ。めぐめぐが表紙の方を安藤ひろこじゃないからがっかりして持ってたらめぐめぐに現場で声かけられて。それから交際が始まったという。。」
「あ、そうなの?」
俺は意外な表紙の出会いにそんな事もあるんだと聞いていた。
「俺、安藤ひろこちゃんの大ファンだったんだよ。どこかで出会えればいいなってマネージャーにも相談しててさ。したらめぐめぐが現れて今は付き合ってるしもちろん幸せだけど、まだ安藤ひろこちゃんが好きだよ。だから春くんがうらやましい」
「・・・」
ここにも、ひろこのファンがいた。
「俳優業界でもファン多いよ。大阪にいた頃もひろこちゃんは音楽番組しか出てないからみんな出会う機会ないからって話してたこともあったよ。もう彼氏いるかな、と思ったらまさか春くんが彼氏だなんて本当ビックリしたよ。」
「剛くん。早いもの勝ちだから」
俺は真剣に言った。これだけは分かっててほしかった。
「はぁ。春くんにもう完敗。春くんは罪な男だよ。本当罪だよ。安藤ひろこちゃんと付き合えるなんて。どこかで償った方がいいよ。」
そう言うとやけ酒のごとく缶ビールを飲み干した。
どこかで聞いた事がある話しだと思ったら、あの沖縄の占い師と言い方こそ違うけど同じ事を言っていると思った。
「いつもどこで会ってるの?春くんち来てるの?うらやましー!抱きしめてキスとかできてああー!うらやましい!!夜は?夜はどおなの?!あー想像しただけで春くんずるいよ!」
「剛くん騒ぎすぎ!!」
剛くんはひろこの話になるも酔いも深くなってオヤジくさく質問ばかりしてきたけど、俺は妙に心を開いていた。
「今度、ラジオ呼ぶねー」
「春くん、またのもーねー」
もうお互いベロンベロンで朝の4時に解散した。
同じマンションに友達がいると、聖司と大ちゃんが言ってたけど飲む時すぐ帰れて楽だと言っていた。
すぐ帰れる楽さと、何よりミュージシャンではないフィールドの芸能人の友達というのが初めてで純粋に嬉しかった。
階段を登って自分の部屋に向かった。
「たんたんたららん たんたんたらら」
急にメロディが湧いてきて鼻歌を歌っていた。
「結婚 結婚 しようよ 絶対」
酔っぱらいながらなんとなく自分の想いをそのメロディに乗せて歌っていた。
仕事帰りに俺のマンションでみんなで打ち合わせをしてバラけて帰ったところでなんとなくケンが残っていた。
2人で缶ビールを空けてたらひろこの愛車紹介番組第一回目が放送された。
画面のひろこは短いスカートも特に気にせず共演者達と笑い合っていた。
ひろこに好意を寄せる中山くんはひろこに質問したりして満面の笑みだった。
ひろこもひろこで可愛く映っていた。
「水着で出るよりいいじゃん。年頃の娘を持つ親みたいな事言うなよ」
ケンが隣でTVを見てたけど、俺を見て笑っていた。
「親の方がいいよ。一生離れてかないんだし」
「親じゃなくて恋人だからセックスできるんだぞ?」
「そりゃそうだけどさ」
久々、ケンからタバコをもらって1本吸った。
ピロリロピロリロ
ケンのスマホが鳴ってケンはスマホを取り出した。
「お、元気ー?」
「あ、春?うん。そうだね。うん。」
ケンが俺の話しをしてる、と思って電話が終わった後ケンがため息をついていた。
「俺の知ってる人?」
「ヒデちゃんだよ。ヒデちゃんが今入ってるバンドのギタリストのヨージって分かる?ヨージがひろこに会いたがってんだって。春と付き合ってるのかの確認だったよ。」
またか。
ヨージはウワサでめちゃくちゃ女に手が早いと聞いた事がある。
もういっその事大々的にひろこと付き合ってるとみんな知ってくれないのかと思った。
「やっぱりひろこ監禁した方がいいんじゃないか?こりゃ外歩いただけで拉致られるんじゃないか?」
「遊井さんいれば大丈夫だよ。」
俺はそんなことを言っていたけど内心気が気じゃなかった。
もう時計は2時を回るところでケンが帰ると言う。
本当は今日もひろこのマンションに行きたかったけど、帰りが12時を過ぎていたからやめたけど、今からでも会いに行きたかった。心のどこかで会えない苛立ちを抱えている自分がいた。
もう、病気なんじゃないかと思った。
「宅配ボックスまで送るよ。今日まだ見てないんだ」
「送ってくれるなんて彼氏みたいだな。ひろこにもいつもそう言うのか?」
「ひろこは家まで送るよ。危ないじゃん」
「それで泊まって朝まで一緒か。今日は行かないの?」
「0時過ぎちゃったから行かないよ。」
俺はケンを1階まで見送った。
宅配ボックスの中にAmazonから雑誌が届いていた。その場でビリッと開けたらひろこが表紙の週刊アサヒが届いていた。
この表紙の撮影の前日にひろこを抱いていた。中で出した日だ。
「・・・」
薄い腹に俺の精液が入ってた時だと思うと表紙のひろこを見てなぜかまた安心感が湧いてきた。
「あ、こんばんは。」
ハッとして顔を上げると田中剛が立っていた。
「あ、どうも」
俺が会釈すると田中剛が俺の手に持つ週刊アサヒを見つめていた。
するとカバンから全く同じひろこが表紙の週刊アサヒを俺に見せてきた。
「同じですね。」
俺たちは一緒にエレベーターに乗った。
「HARUさん、何階ですか?」
「22階です。田中さんは?」
「21階です。なんだ、近いですね」
「今度うちに遊びに来てくださいよ。飲みましょうよ。」
「嬉しいです。いつでも行きますよ。うちにも来てくださいよ。なんなら今からでも歓迎ですよ!」
そんな会話をしていたら、田中剛のマンションで飲み会となっていた。
「ええええええええ!春くんの彼女って安藤ひろこなの?!えええええええええ」
深夜は3時になるところで大声を張り上げた。
いつもは刑事ドラマでシリアスな刑事役を演じてるとは思えないほどのリアクションだった。
「剛くん、声大きい。今3時!!」
気がついたらお互い「くん」付けで呼び合い、酒好きだったようでお互いビールを飲み散らかしていた。
遊井さんもそうだけど、酒って本当交流ツールだと思う。
だから俺は酒が好きだ。
「うらやましい。。安藤ひろこちゃんと?本当うらやましい。きっかけは?!きっかけは何だったの?!春くん会うなり押し倒したりとかしたの?!」
「俺、ずっと好きで。まぁ俺から強引に迫った、かな。」
「強引?!やっぱり押し倒したの?!」
目を血走らせ興奮しながら剛くんは言ったと思ったらソファーに置かれたクッションをギュッと抱きしめてため息をついた。
「俺、これ持ってるよ」
そう言うと棚からあの関西限定の完売になったひろこが表紙の雑誌を出してきた。
「あ、それ!俺買えなくて欲しかったやつだ!」
「俺はオークションで15000円でゲットしたよ。これ、めちゃくちゃ可愛いよね?表情とかサイコー!ギネスに認定されると思ったよ」
「この口と目のバランスがこれいいんですよね。いいなー俺も欲しかった!」
2人で夜中3時、ゲラゲラ笑いながらなんだか陽気になっていた。
「でもさ、これ関東版は菊田恵ちゃんが表紙でしょ?Amazonで買ったら菊田恵ちゃんの方が届いたよ。」
「春くんも?実は俺もそうなんだよ。安藤ひろこの表紙の方Amazonで買ったらめぐめぐが表紙の方がきちゃって。」
「だって剛くん菊田恵ちゃんと付き合ってるんでしょ?ならいいじゃない。」
「・・・これ、めぐめぐには言えないんだけどさ。めぐめぐが表紙の方を安藤ひろこじゃないからがっかりして持ってたらめぐめぐに現場で声かけられて。それから交際が始まったという。。」
「あ、そうなの?」
俺は意外な表紙の出会いにそんな事もあるんだと聞いていた。
「俺、安藤ひろこちゃんの大ファンだったんだよ。どこかで出会えればいいなってマネージャーにも相談しててさ。したらめぐめぐが現れて今は付き合ってるしもちろん幸せだけど、まだ安藤ひろこちゃんが好きだよ。だから春くんがうらやましい」
「・・・」
ここにも、ひろこのファンがいた。
「俳優業界でもファン多いよ。大阪にいた頃もひろこちゃんは音楽番組しか出てないからみんな出会う機会ないからって話してたこともあったよ。もう彼氏いるかな、と思ったらまさか春くんが彼氏だなんて本当ビックリしたよ。」
「剛くん。早いもの勝ちだから」
俺は真剣に言った。これだけは分かっててほしかった。
「はぁ。春くんにもう完敗。春くんは罪な男だよ。本当罪だよ。安藤ひろこちゃんと付き合えるなんて。どこかで償った方がいいよ。」
そう言うとやけ酒のごとく缶ビールを飲み干した。
どこかで聞いた事がある話しだと思ったら、あの沖縄の占い師と言い方こそ違うけど同じ事を言っていると思った。
「いつもどこで会ってるの?春くんち来てるの?うらやましー!抱きしめてキスとかできてああー!うらやましい!!夜は?夜はどおなの?!あー想像しただけで春くんずるいよ!」
「剛くん騒ぎすぎ!!」
剛くんはひろこの話になるも酔いも深くなってオヤジくさく質問ばかりしてきたけど、俺は妙に心を開いていた。
「今度、ラジオ呼ぶねー」
「春くん、またのもーねー」
もうお互いベロンベロンで朝の4時に解散した。
同じマンションに友達がいると、聖司と大ちゃんが言ってたけど飲む時すぐ帰れて楽だと言っていた。
すぐ帰れる楽さと、何よりミュージシャンではないフィールドの芸能人の友達というのが初めてで純粋に嬉しかった。
階段を登って自分の部屋に向かった。
「たんたんたららん たんたんたらら」
急にメロディが湧いてきて鼻歌を歌っていた。
「結婚 結婚 しようよ 絶対」
酔っぱらいながらなんとなく自分の想いをそのメロディに乗せて歌っていた。
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