14 / 71
恋人でいること
しおりを挟む
関西限定のひろこが表紙の週刊誌をAmazonで買ったら女優の菊田恵が表紙の関東版が届いた。
山ちゃんはどこで入手したのか関西版のひろこの表紙の方を持っていた。
「なんで菊田恵が表紙なの?」
俺が買いたいのは安藤ひろこが表紙の方だ。買った時はちゃんと関西版で画像もひろこが表紙だったのに。
菊田恵の雑誌をケンに渡してAmazonにアッキーに言って問い合わせてもらったら関西版は完売したと言う。
週刊誌だから重版はない訳で。
ストレートヘアに赤いボディコン。
表紙のひろこは斜めに写っていて、めづらしく結いてない髪とアンニュイな雰囲気が色っぽくて可愛くて。俺はどうしても欲しかった。
「多分プレミアついたかもなー」
山ちゃんは嬉しそうに言う。俺だってほしいのに。
翌日諦めきれなくて、ヤフオクを見たら450円の雑誌が1万円の値がついて取引されててビックリした。
「春!」
新潟に着いて、温泉上がりの浴衣姿のひろこを見てドキっとした。
1ヶ月ぶり。
寝てない上に年末の慌ただしさでヘトヘトに疲れているハズなのに俺はひろこを見たら俄然元気になった。
「どこ見てんのー」
濡れた胸元がまた色っぽくてみんなに会わせたくないとさえ思ってしまう。
宴会場に入ると俺が手を引くひろこを見てスタッフ達は冷やかした。
「あれ?春?女連れ?」
「春ー!そのかわいい子誰だよ?」
「あ!大阪放送の!」
みんなの前で女を連れてくるなんて初めての事だ。
とりわけ男同士の仕事仲間で彼女がいてもみんな紹介しないしこういった輪に連れてくるような事もしない。
「何?春の彼女?」
「そうだよ」
ひろこだから俺は連れてきた。みんなに紹介したくて、ひろこが俺の彼女なんだと知ってもらいたくて。
「ひろこって言うんだ。だからみんな手、出さないでね」
一瞬場内はしーんとした。
でも次の瞬間お祝いモードになった。
よく考えたら周りにひろこが彼女だと分かってもらいたかった俺のエゴだったと思う。ひろこを無理矢理連れてきちゃったのかな、なんて罪悪感はあった。
「わ、寒い。やっぱ戻ろう」
浴衣姿でちょっと庭に出たけど寒すぎてすぐ室内に入ると部屋には行儀よく二人分の布団が敷かれていた。
旅館、浴衣、布団、目の前にはひろこ。
旅館を貸切にした手前、みんなウロウロと部屋は行きたい放題。
セックスしたいが今したら野郎ばかりの連中が覗くに決まっている。
俺は心を鬼にして今日はしないと決めた。
「春、今日はありがとう」
「いつになく素直だね」
「また連れて来てほしいから」
そんなひろこの言葉に安堵した。無垢なひろこの笑い顔を見て心が穏やかになるどころかもっともっと好きに歯車がかかりそうになってついひろこの頬をつねった。
まさかひろこはハワイに行くとは思っていないだろう。電気を消してひとつの布団に二人で入ってひろこを抱きしめた。
「残りの休み、予定何かあるの?」
「ないよ。あ、部屋の大掃除かな。」
ギュッと抱きしめてキスをした。
「成人式、どこか行こうよ」
「どこ行くの?」
「ハワイ」
丸2日寝てない自分はやっとひろこを胸に眠れた。
今年初めての睡眠だ。
普通の恋人同士って何をするから恋人になるのだろう。
仕事帰り一緒に帰ったり旅行行ったり買い物行ったり、記念日に外食?お互いの家を行き来して泊まってセックスして。あとは季節のイベントとか?夏は祭りや海行って冬はクリスマスに正月。
今まで彼女が切れる事もなかったのに、恋人って言うのは何をするから恋人、付き合ってるって言われるようになるんだっけ?と、幼稚な事だけどひろこと恋人でいるには周りに付き合ってるんだって思われるには何をすればいいのかずっと俺は考えていた。
「ゆうきオシャレー!そのウェアどこで買ったの?」
「CMやったスポーツメーカーで買ったんだよ。くれなかった。これ社販だよ!?」
「社販はないよな。俺ももらえると思ってたのに。」
ゲレンデに着くと優希と五十嵐とひろこが笑いあっていた。
もうすっかりメンバーやスタッフとも溶け込んでいて、俺はそれは嬉しかった。
「ひろこ、こっち」
「うん」
他の人とどんなに話して盛り上がってても、ひろこは俺が呼ぶとすぐ俺の元に来た。それがたまらなく男心をくすぐった。
「スノボー何年ぶり?」
「最後に行ったの高2だから、3年ぶり!」
手を取り合ってひろこと一緒にリフトに乗った。
どんどん足元が積雪の地面から離れていって、変わる雪景色を2人で見ていた。
「気持ちいいー」
少し目を閉じて冷たい空気を受けて景色を眺めているひろこに、やっぱり旅行っていいなと思いながら。
「セックスとどっちが気持ちいい?」
俺がイタズラに言うとひろこは瞬きをして動揺した顔をしたけどすぐに笑い出した。
「春のエッチ」
その笑った顔がイルカみたいな目をして可愛く笑った。
気がついたらひろこにキスしていた。キスするつもりなんてなかったのに。
ひろこのニット帽が気がついたら風で飛んでいった。
お互いそんな事も気にせずキスしていた。
その時、今までしてきた恋愛と全然違う事に気づいた。
外でキスなんてした事ない。
キスなんて2人だけの密室だけでするものだと思ってた。
こんな落ちたら怖いリフトの上でキスしたくなるとか聞いた事ない。
無意識だった。
それと同時にいつでもキスできるのが恋人なんだと思った。
ひろこはゆっくりゆっくりとS字を描きながら白銀のゲレンデを滑って行った。
「春、さっきリフトでキスしてたでしょ?」
ゴーグルを装着してひろこの後を追おうとしていた俺に聖司が口を押さえてボソッと言ってきた。
「見てたの?」
「見てたも何も真後ろで、山ちゃんと思いっきり見てたよ」
俺は恥ずかしくなったけど、そんな事はもう気にならなかった。
「ドラマ見てるみたいだった。帽子飛んでってもキスしてて。ちょっとあのシーン見てたら歌できそうだわ」
聖司は目をつぶってメロディを奏でていた。
「俺、ひろこの後滑ろ」
ケンがまた気合いの入った新品のボードでひろこを追いかけた。
人見知りのケンまでもがひろこと溶け込んでいた。
ふもとの方で滑っているひろこが転んだのが遠く見えて俺は追いかけた。
「春!ひどいのよ。ケンが雪を投げるの!」
追いつくとひろこは怒っていた。
転んで雪まみれになったひろこを抱き起こして雪を払った。
雪を被ったひろこはケンに雪を投げられたからか、ベソかいてそうな膨れっ面をしていた。
それが可愛くて、俺は目を細めた。
本当に、俺の彼女なんだよな?
キスもしてるし、身体も知ってるし、こうやって俺のところにいるし。
未だに信じられない自分がいた。
「もっと、人のいないところまで行ってみようよ」
ひろこが立ち上がって気を取り直したのか俺を見て笑った。
「・・うん」
人のいないところまで。どこまでも行くよ。ひろことなら、どこまでも行きたいよ。
ひろこはハワイに行く事は何も触れてこなかった。
多分夢と勘違いしていたのかもしれない。
大阪と東京、離れていても心はつながっている。とは思っても会いたくてもすぐには会えない身分だからこそ、忙しい体を削ってでもひろこと恋人らしくしていたかった。
「着いたら、電話して。」
「うん」
ひろこと別れた後、俺はメールした。
ハワイに行くための4日間もらうために。
山ちゃんはどこで入手したのか関西版のひろこの表紙の方を持っていた。
「なんで菊田恵が表紙なの?」
俺が買いたいのは安藤ひろこが表紙の方だ。買った時はちゃんと関西版で画像もひろこが表紙だったのに。
菊田恵の雑誌をケンに渡してAmazonにアッキーに言って問い合わせてもらったら関西版は完売したと言う。
週刊誌だから重版はない訳で。
ストレートヘアに赤いボディコン。
表紙のひろこは斜めに写っていて、めづらしく結いてない髪とアンニュイな雰囲気が色っぽくて可愛くて。俺はどうしても欲しかった。
「多分プレミアついたかもなー」
山ちゃんは嬉しそうに言う。俺だってほしいのに。
翌日諦めきれなくて、ヤフオクを見たら450円の雑誌が1万円の値がついて取引されててビックリした。
「春!」
新潟に着いて、温泉上がりの浴衣姿のひろこを見てドキっとした。
1ヶ月ぶり。
寝てない上に年末の慌ただしさでヘトヘトに疲れているハズなのに俺はひろこを見たら俄然元気になった。
「どこ見てんのー」
濡れた胸元がまた色っぽくてみんなに会わせたくないとさえ思ってしまう。
宴会場に入ると俺が手を引くひろこを見てスタッフ達は冷やかした。
「あれ?春?女連れ?」
「春ー!そのかわいい子誰だよ?」
「あ!大阪放送の!」
みんなの前で女を連れてくるなんて初めての事だ。
とりわけ男同士の仕事仲間で彼女がいてもみんな紹介しないしこういった輪に連れてくるような事もしない。
「何?春の彼女?」
「そうだよ」
ひろこだから俺は連れてきた。みんなに紹介したくて、ひろこが俺の彼女なんだと知ってもらいたくて。
「ひろこって言うんだ。だからみんな手、出さないでね」
一瞬場内はしーんとした。
でも次の瞬間お祝いモードになった。
よく考えたら周りにひろこが彼女だと分かってもらいたかった俺のエゴだったと思う。ひろこを無理矢理連れてきちゃったのかな、なんて罪悪感はあった。
「わ、寒い。やっぱ戻ろう」
浴衣姿でちょっと庭に出たけど寒すぎてすぐ室内に入ると部屋には行儀よく二人分の布団が敷かれていた。
旅館、浴衣、布団、目の前にはひろこ。
旅館を貸切にした手前、みんなウロウロと部屋は行きたい放題。
セックスしたいが今したら野郎ばかりの連中が覗くに決まっている。
俺は心を鬼にして今日はしないと決めた。
「春、今日はありがとう」
「いつになく素直だね」
「また連れて来てほしいから」
そんなひろこの言葉に安堵した。無垢なひろこの笑い顔を見て心が穏やかになるどころかもっともっと好きに歯車がかかりそうになってついひろこの頬をつねった。
まさかひろこはハワイに行くとは思っていないだろう。電気を消してひとつの布団に二人で入ってひろこを抱きしめた。
「残りの休み、予定何かあるの?」
「ないよ。あ、部屋の大掃除かな。」
ギュッと抱きしめてキスをした。
「成人式、どこか行こうよ」
「どこ行くの?」
「ハワイ」
丸2日寝てない自分はやっとひろこを胸に眠れた。
今年初めての睡眠だ。
普通の恋人同士って何をするから恋人になるのだろう。
仕事帰り一緒に帰ったり旅行行ったり買い物行ったり、記念日に外食?お互いの家を行き来して泊まってセックスして。あとは季節のイベントとか?夏は祭りや海行って冬はクリスマスに正月。
今まで彼女が切れる事もなかったのに、恋人って言うのは何をするから恋人、付き合ってるって言われるようになるんだっけ?と、幼稚な事だけどひろこと恋人でいるには周りに付き合ってるんだって思われるには何をすればいいのかずっと俺は考えていた。
「ゆうきオシャレー!そのウェアどこで買ったの?」
「CMやったスポーツメーカーで買ったんだよ。くれなかった。これ社販だよ!?」
「社販はないよな。俺ももらえると思ってたのに。」
ゲレンデに着くと優希と五十嵐とひろこが笑いあっていた。
もうすっかりメンバーやスタッフとも溶け込んでいて、俺はそれは嬉しかった。
「ひろこ、こっち」
「うん」
他の人とどんなに話して盛り上がってても、ひろこは俺が呼ぶとすぐ俺の元に来た。それがたまらなく男心をくすぐった。
「スノボー何年ぶり?」
「最後に行ったの高2だから、3年ぶり!」
手を取り合ってひろこと一緒にリフトに乗った。
どんどん足元が積雪の地面から離れていって、変わる雪景色を2人で見ていた。
「気持ちいいー」
少し目を閉じて冷たい空気を受けて景色を眺めているひろこに、やっぱり旅行っていいなと思いながら。
「セックスとどっちが気持ちいい?」
俺がイタズラに言うとひろこは瞬きをして動揺した顔をしたけどすぐに笑い出した。
「春のエッチ」
その笑った顔がイルカみたいな目をして可愛く笑った。
気がついたらひろこにキスしていた。キスするつもりなんてなかったのに。
ひろこのニット帽が気がついたら風で飛んでいった。
お互いそんな事も気にせずキスしていた。
その時、今までしてきた恋愛と全然違う事に気づいた。
外でキスなんてした事ない。
キスなんて2人だけの密室だけでするものだと思ってた。
こんな落ちたら怖いリフトの上でキスしたくなるとか聞いた事ない。
無意識だった。
それと同時にいつでもキスできるのが恋人なんだと思った。
ひろこはゆっくりゆっくりとS字を描きながら白銀のゲレンデを滑って行った。
「春、さっきリフトでキスしてたでしょ?」
ゴーグルを装着してひろこの後を追おうとしていた俺に聖司が口を押さえてボソッと言ってきた。
「見てたの?」
「見てたも何も真後ろで、山ちゃんと思いっきり見てたよ」
俺は恥ずかしくなったけど、そんな事はもう気にならなかった。
「ドラマ見てるみたいだった。帽子飛んでってもキスしてて。ちょっとあのシーン見てたら歌できそうだわ」
聖司は目をつぶってメロディを奏でていた。
「俺、ひろこの後滑ろ」
ケンがまた気合いの入った新品のボードでひろこを追いかけた。
人見知りのケンまでもがひろこと溶け込んでいた。
ふもとの方で滑っているひろこが転んだのが遠く見えて俺は追いかけた。
「春!ひどいのよ。ケンが雪を投げるの!」
追いつくとひろこは怒っていた。
転んで雪まみれになったひろこを抱き起こして雪を払った。
雪を被ったひろこはケンに雪を投げられたからか、ベソかいてそうな膨れっ面をしていた。
それが可愛くて、俺は目を細めた。
本当に、俺の彼女なんだよな?
キスもしてるし、身体も知ってるし、こうやって俺のところにいるし。
未だに信じられない自分がいた。
「もっと、人のいないところまで行ってみようよ」
ひろこが立ち上がって気を取り直したのか俺を見て笑った。
「・・うん」
人のいないところまで。どこまでも行くよ。ひろことなら、どこまでも行きたいよ。
ひろこはハワイに行く事は何も触れてこなかった。
多分夢と勘違いしていたのかもしれない。
大阪と東京、離れていても心はつながっている。とは思っても会いたくてもすぐには会えない身分だからこそ、忙しい体を削ってでもひろこと恋人らしくしていたかった。
「着いたら、電話して。」
「うん」
ひろこと別れた後、俺はメールした。
ハワイに行くための4日間もらうために。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる