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Another world
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天と地の箱庭に還ろう。
三匹の蟲となって。
最後の一匹があの楽園で生きるのだ――
タケルが意識を取り戻し最初に感じたのは痛みだった。
(痛い……口の中、気持ち悪い)
全身が打ち付けたように痛む。
足が、ズキズキと筋肉を内側から裂くような、ひどい痛みを訴えていた。
「ぅぇっ」
口内が砂だらけで、不快のままにタケルは唾を吐き出した。
朦朧とした意識のままに目を開ける。
水底にいるような滲む視界に――赤い影が映った。
タケルがこの世界で最初に目にしたものがそれだ。
(月……?)
赤い月を見上げながら、ゆっくりと起き上がると、身体の痛みが潮が引くように消えていき、頭の中をクリアになっていく。
「ぁ、なに……」
家族や友人に「寝ているか起きているかわからない」と言われるほどの、細い糸目(いとめ)を見開いて彼は世界を視認する。
「どこだよ、ココ」
藍色に染まる天には大きな赤い満月がかかり、その下にはどこまでも続く黄土色の荒野が広がっていた。
そこがタケルのこの世界におけるスタート地点だった。
砂まみれで所々ほつれた学生服。
誕生日に買ってもらった新しいアディダスのシューズ。
そして左足。
――それが彼の、異世界での初期装備。
「……サイ?」
ハッと周囲を見回した。
「サイ?」
一瞬前まで一緒に学校からの道を歩いていた親友の名前を呼んでも、ぽつねんと1人転がる荒野には返事をしてくれる相手はいない。
「サイ?! はあ? 嘘だろ……どこだ、サイ!」
ただ乾いた風だけが無情にもタケルに【一人】であることを告げてくる。
乾いた荒野、抜けるような宵の紺碧、地平に押しつぶされた果実のように滲む太陽と、毒々しいまでの赤に染まる満月がタケル嘲笑う。
こんな世界を彼は知らない。
「ここ異世界……?」
――Best answer! Welcome to another world!!!
タケルが混乱のなか、答えの返ってこない正解を導き出したとき、足元が鳴動し、ゴォォォと地面が鳴った。
「んだっ……?!」
慌てて飛びのく。
そう、文字通り。
「は、ああぁああ?!」
ジェットコースターのような感覚と、流れる景色。
地面を蹴ったタケルの身体は、何故かきりもみ状態で宙へと投げ出されていた。
(なんなん?! なんなん?!)
回転する世界と混乱に翻弄されながら、タケルの目は見下ろした。
ぼろぼろと崩れていく大地、上がる砂柱。
タケルが倒れていた、まさにその場所、その地中から、巨大な触手が数十本飛び出しているのを。
突如としてうねり生えた化け物にゾッと背筋が凍る。
「ぅぁああああああ!」
絶叫を喉から走らせながら、タケルの身体は空中約10メートルから地面に叩きつけられ、無様に荒野の上を転がっていった。
「痛っ……なに、なんなん? あれ、なに……」
潰れた蛙のように地べたに這いつくばりながら少年は得体のしれないピンクがかった触手を見上げる。
「モンスター……?」
疑問符に応えるように銃声がターンッと響きわたった。
耳元をヒュンヒュンと風切りが横切っていく。
「うわっ?!」
地面に横たわるタケルの後方から、銃と縄のついた弓を射る集団が触手に向かって駆けていく。
「ちょっ、やめっ、いてっ! 踏むなっ!」
20人ほどの集団に飲まれながらタケルは頭を抱えて身を護りながらも、突如として始まった狂宴に息を飲む。突如としてあらわれた銃と弓矢を持つ集団が、地面から生え、うごめく触手を襲っているからだ
「なんなんさ……これ」
ゆっくりとタケルは身を起こした。
雄叫びを上げながら触手を引きちぎっていく人間の集団と、鳴り響く銃声が信じられず、本能的に後ずさりをして……
「ぉわっ?!」
こけた。
足がもつれたわけでもないのに。
(なんか、さっきから)
身体がおかしい。
特に足だ。
左足。
まるで、心臓がもう一つそこにあるかのように脈打っている……気がした。
「ああああああああーーー!!」
銃声の中で誰かの絶叫が響き渡ってタケルは顔を上げた。
触手を襲っていた人間の一人が、暴れる触手にからめとられ、身体をバキバキと折られている。
花が咲くように赤が弾け、飛び散った。
鮮烈な色と目の前で行われた唐突のグロテスクに、タケルの腰がカクンと抜けおち、地面に尻もちをつく。
「えっ……ええ?」
脳が理解するのを拒絶しているにも拘わらず、身体はガクガクと震え、冷や汗がドバリと流れ落ちていく。
ここから逃げろと告げる生存本能が、常識という電波妨害によって受信を阻まれている、その間にも、地面から生える触手のモンスターは、人間たちを締め上げ、千切り、ただの肉塊にしていく。
仲間が死んでいくことにも構わず、人間たちは触手を襲うことをやめなかった。
「ぅわ、無理。ちょっ、タンマ、無理……無理無理無理無理!」
恐怖におののきながら、腰砕けになった手足をもたつかせるタケルの身体をナニかが掴む。
「ぬあっ?!」
襲い来る人の群れをかき分け這い寄った触手の一本がタケルを捕らえた。
「ちょっと待ってって言っ……」
そのまま地面を引きづられ、宙づりにされる。
真近く見ると、触手にはピンク色の毛がびっしりと生えていて、その毛がタケルのウゾウゾと動きまわり、巻き付くタケルの右足を舐めた。
生理的な嫌悪が脳天にビリビリと走る。
触手の毛がなにをしようとしているのか分かった。
タケルの血を吸おうとしているのだ。
あたかも食事をするように――
「やめろおお!!!!」
偶然だった。
逆さに吊り上げられ、自由が利かない身体で見たこともない生き物相手に、絶叫して身悶えさせた左足。
それが偶然、彼を吊り上げる触手の一部を蹴った。
パァアァッン、とはじける触手。
偶然に振り回した左足の圧は、横一線にあった触手すべてを破れ裂く。
(は?)
――はあああああああ?!
悲鳴とも歓声ともつかない声が人間達から上がるなか、タケルは驚愕に細い目を見開きながら、また地面に落下した。
(俺? 俺ぇ???)
身体を打ち付けた痛みに顔をしかめながら、タケルは身を起こして自分の左足を凝視する。慣れ親しんだ自分の左足が、青い煙のようなものを纏っていた。
タケルの蹴りの衝撃で、すべての触手がちぎれたモンスターは、しびれたように痙攣し、砂煙を上げて倒れこんだ。
朦々と立ち上がる砂の中で、タケルは陽炎のような青い煙が揺れる左足を見つめ続けた。
(燃えて……いや、なんも熱くない、でも……)
自分の身体が何か違う。
強烈な違和感。
ふっと青い煙が消えた。
「あれ? え? どうなった? ん? 」
「おい」
警戒がむき出しの声と、撃鉄を起こす音にタケルは弾かれたように顔を上げた。
触手から生き残った人間たちが、タケルを取り囲むようにに銃や弓矢を構えている。
1人の男が冷や汗をかきながら尋ねた。
「お前は人間か? それともヒトガタか?」
「ヒトガ……え、なにそれ? ひっ?!」
弓の弦がキリキリ張りつめる音に怯え、タケルは身をすくませた、叫ぶ。
「に、にににににに人間です! 俺は、ただの人畜無害の人間です!!!!」
さあ、さあ、さあ!
始まりだラッキーボーイ。
キミの賽はゴキゲンに投げられた。
レベルはマイナス、称号もない。
愛と勇気と正義は敵となりキミの命を脅かす。
頼みの綱はその左足。
イージーモードのはずだよ。
三人の中では一番ね。
三匹の蟲となって。
最後の一匹があの楽園で生きるのだ――
タケルが意識を取り戻し最初に感じたのは痛みだった。
(痛い……口の中、気持ち悪い)
全身が打ち付けたように痛む。
足が、ズキズキと筋肉を内側から裂くような、ひどい痛みを訴えていた。
「ぅぇっ」
口内が砂だらけで、不快のままにタケルは唾を吐き出した。
朦朧とした意識のままに目を開ける。
水底にいるような滲む視界に――赤い影が映った。
タケルがこの世界で最初に目にしたものがそれだ。
(月……?)
赤い月を見上げながら、ゆっくりと起き上がると、身体の痛みが潮が引くように消えていき、頭の中をクリアになっていく。
「ぁ、なに……」
家族や友人に「寝ているか起きているかわからない」と言われるほどの、細い糸目(いとめ)を見開いて彼は世界を視認する。
「どこだよ、ココ」
藍色に染まる天には大きな赤い満月がかかり、その下にはどこまでも続く黄土色の荒野が広がっていた。
そこがタケルのこの世界におけるスタート地点だった。
砂まみれで所々ほつれた学生服。
誕生日に買ってもらった新しいアディダスのシューズ。
そして左足。
――それが彼の、異世界での初期装備。
「……サイ?」
ハッと周囲を見回した。
「サイ?」
一瞬前まで一緒に学校からの道を歩いていた親友の名前を呼んでも、ぽつねんと1人転がる荒野には返事をしてくれる相手はいない。
「サイ?! はあ? 嘘だろ……どこだ、サイ!」
ただ乾いた風だけが無情にもタケルに【一人】であることを告げてくる。
乾いた荒野、抜けるような宵の紺碧、地平に押しつぶされた果実のように滲む太陽と、毒々しいまでの赤に染まる満月がタケル嘲笑う。
こんな世界を彼は知らない。
「ここ異世界……?」
――Best answer! Welcome to another world!!!
タケルが混乱のなか、答えの返ってこない正解を導き出したとき、足元が鳴動し、ゴォォォと地面が鳴った。
「んだっ……?!」
慌てて飛びのく。
そう、文字通り。
「は、ああぁああ?!」
ジェットコースターのような感覚と、流れる景色。
地面を蹴ったタケルの身体は、何故かきりもみ状態で宙へと投げ出されていた。
(なんなん?! なんなん?!)
回転する世界と混乱に翻弄されながら、タケルの目は見下ろした。
ぼろぼろと崩れていく大地、上がる砂柱。
タケルが倒れていた、まさにその場所、その地中から、巨大な触手が数十本飛び出しているのを。
突如としてうねり生えた化け物にゾッと背筋が凍る。
「ぅぁああああああ!」
絶叫を喉から走らせながら、タケルの身体は空中約10メートルから地面に叩きつけられ、無様に荒野の上を転がっていった。
「痛っ……なに、なんなん? あれ、なに……」
潰れた蛙のように地べたに這いつくばりながら少年は得体のしれないピンクがかった触手を見上げる。
「モンスター……?」
疑問符に応えるように銃声がターンッと響きわたった。
耳元をヒュンヒュンと風切りが横切っていく。
「うわっ?!」
地面に横たわるタケルの後方から、銃と縄のついた弓を射る集団が触手に向かって駆けていく。
「ちょっ、やめっ、いてっ! 踏むなっ!」
20人ほどの集団に飲まれながらタケルは頭を抱えて身を護りながらも、突如として始まった狂宴に息を飲む。突如としてあらわれた銃と弓矢を持つ集団が、地面から生え、うごめく触手を襲っているからだ
「なんなんさ……これ」
ゆっくりとタケルは身を起こした。
雄叫びを上げながら触手を引きちぎっていく人間の集団と、鳴り響く銃声が信じられず、本能的に後ずさりをして……
「ぉわっ?!」
こけた。
足がもつれたわけでもないのに。
(なんか、さっきから)
身体がおかしい。
特に足だ。
左足。
まるで、心臓がもう一つそこにあるかのように脈打っている……気がした。
「ああああああああーーー!!」
銃声の中で誰かの絶叫が響き渡ってタケルは顔を上げた。
触手を襲っていた人間の一人が、暴れる触手にからめとられ、身体をバキバキと折られている。
花が咲くように赤が弾け、飛び散った。
鮮烈な色と目の前で行われた唐突のグロテスクに、タケルの腰がカクンと抜けおち、地面に尻もちをつく。
「えっ……ええ?」
脳が理解するのを拒絶しているにも拘わらず、身体はガクガクと震え、冷や汗がドバリと流れ落ちていく。
ここから逃げろと告げる生存本能が、常識という電波妨害によって受信を阻まれている、その間にも、地面から生える触手のモンスターは、人間たちを締め上げ、千切り、ただの肉塊にしていく。
仲間が死んでいくことにも構わず、人間たちは触手を襲うことをやめなかった。
「ぅわ、無理。ちょっ、タンマ、無理……無理無理無理無理!」
恐怖におののきながら、腰砕けになった手足をもたつかせるタケルの身体をナニかが掴む。
「ぬあっ?!」
襲い来る人の群れをかき分け這い寄った触手の一本がタケルを捕らえた。
「ちょっと待ってって言っ……」
そのまま地面を引きづられ、宙づりにされる。
真近く見ると、触手にはピンク色の毛がびっしりと生えていて、その毛がタケルのウゾウゾと動きまわり、巻き付くタケルの右足を舐めた。
生理的な嫌悪が脳天にビリビリと走る。
触手の毛がなにをしようとしているのか分かった。
タケルの血を吸おうとしているのだ。
あたかも食事をするように――
「やめろおお!!!!」
偶然だった。
逆さに吊り上げられ、自由が利かない身体で見たこともない生き物相手に、絶叫して身悶えさせた左足。
それが偶然、彼を吊り上げる触手の一部を蹴った。
パァアァッン、とはじける触手。
偶然に振り回した左足の圧は、横一線にあった触手すべてを破れ裂く。
(は?)
――はあああああああ?!
悲鳴とも歓声ともつかない声が人間達から上がるなか、タケルは驚愕に細い目を見開きながら、また地面に落下した。
(俺? 俺ぇ???)
身体を打ち付けた痛みに顔をしかめながら、タケルは身を起こして自分の左足を凝視する。慣れ親しんだ自分の左足が、青い煙のようなものを纏っていた。
タケルの蹴りの衝撃で、すべての触手がちぎれたモンスターは、しびれたように痙攣し、砂煙を上げて倒れこんだ。
朦々と立ち上がる砂の中で、タケルは陽炎のような青い煙が揺れる左足を見つめ続けた。
(燃えて……いや、なんも熱くない、でも……)
自分の身体が何か違う。
強烈な違和感。
ふっと青い煙が消えた。
「あれ? え? どうなった? ん? 」
「おい」
警戒がむき出しの声と、撃鉄を起こす音にタケルは弾かれたように顔を上げた。
触手から生き残った人間たちが、タケルを取り囲むようにに銃や弓矢を構えている。
1人の男が冷や汗をかきながら尋ねた。
「お前は人間か? それともヒトガタか?」
「ヒトガ……え、なにそれ? ひっ?!」
弓の弦がキリキリ張りつめる音に怯え、タケルは身をすくませた、叫ぶ。
「に、にににににに人間です! 俺は、ただの人畜無害の人間です!!!!」
さあ、さあ、さあ!
始まりだラッキーボーイ。
キミの賽はゴキゲンに投げられた。
レベルはマイナス、称号もない。
愛と勇気と正義は敵となりキミの命を脅かす。
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