の後で。

ロキ

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それでも暮らしは続く。

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「ぐっ。」
ペチャペチャ、ポチャン。静寂の中に赤色の雫が垂れる。そこには息が上がりハァハァうるさくしてる俺と、一つの息も切れていない男が立っている。
息も切れていない男は勇者である。勇者というより狂人で天才だ。これまで戦闘で一回も息を切らしたことがない。(俺は毎回切れている。)何よりうまいのが剣術である。まるで流体の如く、サラサラと切る。もう切ってるのか流れてるのかわからない。
そんなこと言ってる俺も、実はすごいのである。国の大会で、最年少優勝の銃撃手である。どんなタイプの銃も百発百中で、当てることができる。まぁ、よく言えばそれだけなのである。イカれてるほどの体力もない。俺と勇者というか狂人はチームを組んで魔王討伐を依頼された。
そして、一週間足らずで魔王城を攻略し、魔王を倒した。これまで一世紀も攻略されなかった魔王城を一週間足らずでだ。イカれてる。
魔王は倒され、横たわっている。勇者は上を向いている。
「さて、帰るか。」勇者はポツリといい、ドアへと向かっていく。
案外さらっとしている。まぁ、凡人にはわからないものだろう。俺は銃のマガジンを一応変え、腰にしまい、ドアへ向かった。
ドアの外はガランとしていた。あたりは暗く、灯り用の松明だけがゆらゆらしている。外は夜になっており、街の方の明かりが煌々と、光っている。魔王城から出ると、俺は肩の力が抜けた。疲れが一気に広がり、体中の細胞が悶絶している。
俺はこのとき「疲れ」しか考えていなかった。
あいつはあんなことを考えていたことも知らずに。
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