妹に全てくれてやります。でも自暴自棄じゃないですわ。私は復讐を果たします!

アホアホセブン

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前話のジェームスの口調と一部文章を変更しました。
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次の日、学園の廊下を歩いていると後ろからふいに声を掛けられた。

「ちょっといいかな。」

振り向くと、茶髪で背の高い、かなり甘めの顔立ちをした男子学生が立っていた。昨日ヴァイオレットと話していた生徒会役員のジェームス様だ。

突然呼び止められてキョトンとした顔をしていると、ジェームス様はこれは申し訳ないと小声で言い、流麗な手つきでアリシアの左の手を取り指先にちゅっと口付けた。
周りで見ていた女子学生がきゃーという声をあげる。

「驚かせてごめんね。初めまして、かな。可愛いお嬢さん。僕の名前はジェームス・ブレイク。以後お見知り置きを。」

そう言ってジェームス様は片目でウィンクをした。
また何処かできゃーと声がした。

アリシアが目を白黒させて固まっていると、ヴァイオレットが後ろからすごい勢いでカツカツと歩いてきてジェームスとアリシアの間に割って入った。眉間に盛大にシワを寄せて美人が台無しだ。

というか、ジェームス様。優秀だって聞いてたから真面目キャラかと思ってたけど、結構チャラい?


「アリシアは純情なの。汚すような真似、やめて貰えます?」

「汚すなんて人聞きが悪いな。僕は2学年トップの優秀で可愛いお嬢さんに挨拶していただけだよ。」

ヴァイオレットが少し苛立ってるのに対して、ジェームス様は涼しい顔だ。

うーん。昨日はわからなかったけど、2人は知り合い、なのかしら。ヴァイオレットに熱心に生徒会へ勧誘してるだけかと思ってたけど、そうでないような。
なんだか微妙な距離感。

「とにかく、アリシアにちょっかい掛けないで!」

ヴァイオレットはジェームス様にそう言い放つとアリシアの腕を取って歩きだした。

「大丈夫?アリシア。あの女たらしの変な菌に侵されてない?」

「菌って・・ジェームス様に失礼じゃない。何か昨日から変よヴァイオレット。」

普段のヴァイオレットと違う様子にアリシアは昨日感じたのと同じ違和感を感じる。

「ねえ、ヴァイオレットはジェームス様と知り合いなの?」

ふと出たアリシアの問いに、ヴァイオレットはしばらく押し黙って、教室に着く直前にポロリと言った。


「・・私の、婚約者候補よ。」

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