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ケイトはすこぶる不機嫌だった。
今日は、ケイトにとって楽しい1日になるはずだった。
地味な姉には似合わないから貰ってあげた、ピカリング家から贈られた素敵なドレスを着て、チャールズと学園のカフェテリアでランチ。
最近はチャールズだけでなく、この国の王子であるイザークや高位貴族のボールやゴッグも昼食に加わり、周りからも注目されて本当に気分が良い。
「ああ、ケイト、君はなんて美しいんだ・・。今ここで君の手を離したら(胸の感触が)消えてしまいそうだ。(胸の感触が)消えないようにずっと掴んでいよう。」By チャールズ
「ケイト、私の月の女神。君の(胸の)輝きはいつでも僕を優しく包むよ。」By イザーク
「ああ、なんで君ともっと早く出逢わなかったんだ。こんなにも僕の心を揺さぶる君の(胸の)美しさが憎いよ。」By ボール
「俺の剣はお前(の胸)に捧げるっっ!!」By ゴッグ
あんなにお金と地位のある家のイケメンたちが皆口々に私の美しさを褒め称える。それを聞いた周りのブスな負け犬たちが僻んで睨んでくるのが最高に快感なのだ。
私は世界で1番可愛い女。1番注目される女。この世のイケメンの視線は全て私のもの。
今日のランチもそうなる筈だった。
「チャールズ様ぁ。イザーク様、ボール様、ゴッグ様も!今日もお逢いできてケイト嬉しい~!」
いつもどおりカフェテリアで一番高い特別ランチを頼み、テーブルの誰よりも先にランチプレートの肉を3切れまとめて口にほおばる。
貴方に奢って貰った食事をたくさん美味しく食べてますってアピールよ!
なんて私は気遣いが出来て礼儀正しいのかしら。
周りに座っていた女子生徒たちがそんなケイトの食事の様を見て眉を顰める。
「見たこともない食べ方で新鮮だ、ケイト。」
「ハハハ。童心に帰った気持ちだよ。」
「大口開けても君は綺麗だよ。」
「そうだな、荒ぶる馬のような素晴らしい食べっぷりだ!」
「ほほ、嫌ですわ~!そんなに褒めても何も出ませんわよ。」
イケメンたちの称賛の声に私は敢えて謙遜してみせたわ。だって淑女ですもの。
そんな私中心の楽しいランチの終盤、私と話してる最中にイケメンたちが4人とも一斉に同じ方向に視線を向けたの。
何なの?この私から視線を外すなんて。
何かあるのかしらと思いチラリと見ると地味な服装の女が歩いていたわ。
はっ?みんなあの女を見てるの??一体どんな顔した女なのよっ!
そう思ってその女の顔を見ると、澄んだ水色の理知的な瞳に雪のような白い肌、その肌に色を添える薔薇の頬とピンクの艶やかな唇、そして美しい亜麻色の髪が日の光を浴びて輝いていた。
ま、まあまあね。っ私にはかなり劣るけどっ。
けど、なんか、見たことあるわね・・ていうかもの凄く知った顔なような・・・。
って!!まさかアリシアお姉様?!
いつの間にあんなに綺麗、、じゃなくて悪目立ちする様になったの!?可愛い妹の邪魔するなんて!アリシアお姉様のくせに生意気よ!!!
4人の視線がケイトから外れたのは結局その一瞬だけだったが、ケイトの楽しいランチはケチがついて終わった。
「私より目立つなんて許さないわ。お姉様は一生地味じゃなくちゃいけないのよ。」
そう呟くと、ケイトはアリシアの部屋にツカツカと入って行った。
ーーーーーーーーーーーーー
※学園内のカフェにケイトが良く出入りしていますが、学園生からの紹介状のある外部者は、入って食事ができるカフェになっています。
今日は、ケイトにとって楽しい1日になるはずだった。
地味な姉には似合わないから貰ってあげた、ピカリング家から贈られた素敵なドレスを着て、チャールズと学園のカフェテリアでランチ。
最近はチャールズだけでなく、この国の王子であるイザークや高位貴族のボールやゴッグも昼食に加わり、周りからも注目されて本当に気分が良い。
「ああ、ケイト、君はなんて美しいんだ・・。今ここで君の手を離したら(胸の感触が)消えてしまいそうだ。(胸の感触が)消えないようにずっと掴んでいよう。」By チャールズ
「ケイト、私の月の女神。君の(胸の)輝きはいつでも僕を優しく包むよ。」By イザーク
「ああ、なんで君ともっと早く出逢わなかったんだ。こんなにも僕の心を揺さぶる君の(胸の)美しさが憎いよ。」By ボール
「俺の剣はお前(の胸)に捧げるっっ!!」By ゴッグ
あんなにお金と地位のある家のイケメンたちが皆口々に私の美しさを褒め称える。それを聞いた周りのブスな負け犬たちが僻んで睨んでくるのが最高に快感なのだ。
私は世界で1番可愛い女。1番注目される女。この世のイケメンの視線は全て私のもの。
今日のランチもそうなる筈だった。
「チャールズ様ぁ。イザーク様、ボール様、ゴッグ様も!今日もお逢いできてケイト嬉しい~!」
いつもどおりカフェテリアで一番高い特別ランチを頼み、テーブルの誰よりも先にランチプレートの肉を3切れまとめて口にほおばる。
貴方に奢って貰った食事をたくさん美味しく食べてますってアピールよ!
なんて私は気遣いが出来て礼儀正しいのかしら。
周りに座っていた女子生徒たちがそんなケイトの食事の様を見て眉を顰める。
「見たこともない食べ方で新鮮だ、ケイト。」
「ハハハ。童心に帰った気持ちだよ。」
「大口開けても君は綺麗だよ。」
「そうだな、荒ぶる馬のような素晴らしい食べっぷりだ!」
「ほほ、嫌ですわ~!そんなに褒めても何も出ませんわよ。」
イケメンたちの称賛の声に私は敢えて謙遜してみせたわ。だって淑女ですもの。
そんな私中心の楽しいランチの終盤、私と話してる最中にイケメンたちが4人とも一斉に同じ方向に視線を向けたの。
何なの?この私から視線を外すなんて。
何かあるのかしらと思いチラリと見ると地味な服装の女が歩いていたわ。
はっ?みんなあの女を見てるの??一体どんな顔した女なのよっ!
そう思ってその女の顔を見ると、澄んだ水色の理知的な瞳に雪のような白い肌、その肌に色を添える薔薇の頬とピンクの艶やかな唇、そして美しい亜麻色の髪が日の光を浴びて輝いていた。
ま、まあまあね。っ私にはかなり劣るけどっ。
けど、なんか、見たことあるわね・・ていうかもの凄く知った顔なような・・・。
って!!まさかアリシアお姉様?!
いつの間にあんなに綺麗、、じゃなくて悪目立ちする様になったの!?可愛い妹の邪魔するなんて!アリシアお姉様のくせに生意気よ!!!
4人の視線がケイトから外れたのは結局その一瞬だけだったが、ケイトの楽しいランチはケチがついて終わった。
「私より目立つなんて許さないわ。お姉様は一生地味じゃなくちゃいけないのよ。」
そう呟くと、ケイトはアリシアの部屋にツカツカと入って行った。
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※学園内のカフェにケイトが良く出入りしていますが、学園生からの紹介状のある外部者は、入って食事ができるカフェになっています。
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