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グレンヴィル公爵マクシミリアン。
現国王コンラッド2世の異母弟。前国王の2番目の王妃との間に生まれる。
母であるグレタ前王妃は国の北に位置する隣国の王女で、その美しい容姿は母譲りである。
知恵の神の加護を授かり、わずか3歳の時に10人の話を同時に聞き、それぞれに明快な解答をした。
15歳の時に起こった隣国との戦争を、圧倒的に不利な戦況から数十名という極めて少数の兵を率い平定。
長年懸案だった両国間の問題を解決に導き講和条約の締結に至る。
現行の新制度、新技術は、、、、
「知恵の神様の加護なんだ!」
アリシアは借りてきた本を捲りながら嬉しそうに独り言ちた。
王弟の本を前に読んだ時は、盛りすぎの王族讃歌かと思ってかなり適当に読み飛ばし記憶にほとんど残らなかった。
けど興味を持って読んでみると、知恵の神の加護からくるものだと読み取れる部分が随所にある。
「知恵が天啓のように突然与えられるのかしら?それとも知識の蓄積量が人並み外れて多いのかしら。興味深いわ。」
アリシアの想像がどんどん膨らんでいく。
「ああ、やっぱり実際お話してみたい。理事長が授業に来てくださることを望むわ。・・・知識の蓄積量がすごいって言えばマックスさんね。」
ふとボサボサ髪の瓶底眼鏡が思い浮かんでアリシアはふふっと笑う。
王弟は、本を読む限りカリスマ性のある冷静沈着な策謀家のイメージだ。対してマックスさんは頭の良さに全ての能力がいってしまったようなポワっとした世捨て人タイプ。
「名前は似てるかもしれないけど、外見も性格もきっと正反対ね。」
アリシアは緩んだ顔でそう呟いて本を閉じた。
理事長の存在を知ってからというもの、アリシアは以前よりまた少し明るくなった。
本で読んだだけで、まだはっきり姿を見たわけでも話したわけでもないけれど、なんだか味方が出来たような気持ちになったのだ。
それに最近、ヴァイオレットから辺境伯領の白粉とリップをプレゼントされ、毎日学園で薄化粧をするようになってから周りの反応が少し変わった気がしている。気のせいかもしれないけれど。
あれだけ嫌だった加護の授業も、まだ少し抵抗はあるけれど受けても良いかなと思えるようになった。
そんなアリシアの良い変化を見逃さない人がいた。
そう、なんでも欲しがる例のあの人である。
「何なのかしら、最近。お姉様が明るいのって何だかムカつくのよね。」
現国王コンラッド2世の異母弟。前国王の2番目の王妃との間に生まれる。
母であるグレタ前王妃は国の北に位置する隣国の王女で、その美しい容姿は母譲りである。
知恵の神の加護を授かり、わずか3歳の時に10人の話を同時に聞き、それぞれに明快な解答をした。
15歳の時に起こった隣国との戦争を、圧倒的に不利な戦況から数十名という極めて少数の兵を率い平定。
長年懸案だった両国間の問題を解決に導き講和条約の締結に至る。
現行の新制度、新技術は、、、、
「知恵の神様の加護なんだ!」
アリシアは借りてきた本を捲りながら嬉しそうに独り言ちた。
王弟の本を前に読んだ時は、盛りすぎの王族讃歌かと思ってかなり適当に読み飛ばし記憶にほとんど残らなかった。
けど興味を持って読んでみると、知恵の神の加護からくるものだと読み取れる部分が随所にある。
「知恵が天啓のように突然与えられるのかしら?それとも知識の蓄積量が人並み外れて多いのかしら。興味深いわ。」
アリシアの想像がどんどん膨らんでいく。
「ああ、やっぱり実際お話してみたい。理事長が授業に来てくださることを望むわ。・・・知識の蓄積量がすごいって言えばマックスさんね。」
ふとボサボサ髪の瓶底眼鏡が思い浮かんでアリシアはふふっと笑う。
王弟は、本を読む限りカリスマ性のある冷静沈着な策謀家のイメージだ。対してマックスさんは頭の良さに全ての能力がいってしまったようなポワっとした世捨て人タイプ。
「名前は似てるかもしれないけど、外見も性格もきっと正反対ね。」
アリシアは緩んだ顔でそう呟いて本を閉じた。
理事長の存在を知ってからというもの、アリシアは以前よりまた少し明るくなった。
本で読んだだけで、まだはっきり姿を見たわけでも話したわけでもないけれど、なんだか味方が出来たような気持ちになったのだ。
それに最近、ヴァイオレットから辺境伯領の白粉とリップをプレゼントされ、毎日学園で薄化粧をするようになってから周りの反応が少し変わった気がしている。気のせいかもしれないけれど。
あれだけ嫌だった加護の授業も、まだ少し抵抗はあるけれど受けても良いかなと思えるようになった。
そんなアリシアの良い変化を見逃さない人がいた。
そう、なんでも欲しがる例のあの人である。
「何なのかしら、最近。お姉様が明るいのって何だかムカつくのよね。」
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