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序 1
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「アリシア・ニーダム、今日この場をもってお前と婚約破棄する!そして私は、ここにいるケイト・ニーダムと婚約することを宣言する!」
卒業パーティー会場でそう高らかと宣言したのは、顔は良いけど前からちょっとオツムが弱いと思っていた私の婚約者である公爵令息チャールズ・ピカリング様。
鼻の穴が膨らんで、金色の柔らかい前髪の隙間からオデコがぴかっと光ってるわ。うん、生え際の後退が早そうな光り具合。
その隣にいるのは、胸と態度だけはやたらとデカい、やっぱり少しオツムの弱い妹のケイト。チャールズ様の腕に自慢の胸をぎゅうぎゅう押し当てて勝ち誇った顔をしてる。チャールズ様は胸をむぎゅっと押し当てられる度に、本人は気づかれてないと思っているけど鼻のしたがやに下がってるのがわかるわ。ゲスい。キモっ。
「なぜ婚約破棄されたかわかるか、この陰湿な卑怯者め!この美しくか弱いケイトに嫉妬し、嫌がらせの限りを尽くしてきたのはわかっているんだぞ!かわいそうに、こんなに心優しい妹に深い心の傷を負わせるなんて。この責任はとって貰うぞ。」
「チャールズ様・・!私、ずっと辛かったんですの。けれど、ケイトはチャールズ様のお傍にいられるだけで幸せですわ・・!」
「ああ、なんてけなげなケイト!それに比べお前と言う女は!」
ケイトはウソ泣きと虚言を吐きながらさらにチャールズ様の腕に胸を押し当てた。16歳にもなって自分のことを名前で呼ぶなっ。
本当なんて馬鹿馬鹿しい茶番なのかしら。
「承知いたしました。チャールズ様の仰せのままに。本日中にでも両家に承認を得れますよう手配いたしますわ。では私は中座させていただきますので、ごきげんよう。チャールズ様。」
私は一息に話すと、くるりと2人に背中を向けそのままスタスタとパーティー会場の出口へと歩いて行く。
「なっ!卑怯者め、まだ話は終わってないぞ!!おいっ!待てよっアリシアっ!!」
「えっ?!お姉さま??えっ?えっ?」
いかにもお前を断罪してやるぞ的な雰囲気を醸し出して上からモノを言いまくっていたチャールズ様とケイトはあっけにとられていた。
特にいつも私のモノを欲しがっては略奪していくケイトは、チャールズ様を奪って私が悔しがると思っていたのだろう。私の態度に驚いて、「えっ」しか声がでないらしい。
ざわつく会場を気にも留めず、私は会場を後にした。
さあ、復讐の始まりですわよ!!
卒業パーティー会場でそう高らかと宣言したのは、顔は良いけど前からちょっとオツムが弱いと思っていた私の婚約者である公爵令息チャールズ・ピカリング様。
鼻の穴が膨らんで、金色の柔らかい前髪の隙間からオデコがぴかっと光ってるわ。うん、生え際の後退が早そうな光り具合。
その隣にいるのは、胸と態度だけはやたらとデカい、やっぱり少しオツムの弱い妹のケイト。チャールズ様の腕に自慢の胸をぎゅうぎゅう押し当てて勝ち誇った顔をしてる。チャールズ様は胸をむぎゅっと押し当てられる度に、本人は気づかれてないと思っているけど鼻のしたがやに下がってるのがわかるわ。ゲスい。キモっ。
「なぜ婚約破棄されたかわかるか、この陰湿な卑怯者め!この美しくか弱いケイトに嫉妬し、嫌がらせの限りを尽くしてきたのはわかっているんだぞ!かわいそうに、こんなに心優しい妹に深い心の傷を負わせるなんて。この責任はとって貰うぞ。」
「チャールズ様・・!私、ずっと辛かったんですの。けれど、ケイトはチャールズ様のお傍にいられるだけで幸せですわ・・!」
「ああ、なんてけなげなケイト!それに比べお前と言う女は!」
ケイトはウソ泣きと虚言を吐きながらさらにチャールズ様の腕に胸を押し当てた。16歳にもなって自分のことを名前で呼ぶなっ。
本当なんて馬鹿馬鹿しい茶番なのかしら。
「承知いたしました。チャールズ様の仰せのままに。本日中にでも両家に承認を得れますよう手配いたしますわ。では私は中座させていただきますので、ごきげんよう。チャールズ様。」
私は一息に話すと、くるりと2人に背中を向けそのままスタスタとパーティー会場の出口へと歩いて行く。
「なっ!卑怯者め、まだ話は終わってないぞ!!おいっ!待てよっアリシアっ!!」
「えっ?!お姉さま??えっ?えっ?」
いかにもお前を断罪してやるぞ的な雰囲気を醸し出して上からモノを言いまくっていたチャールズ様とケイトはあっけにとられていた。
特にいつも私のモノを欲しがっては略奪していくケイトは、チャールズ様を奪って私が悔しがると思っていたのだろう。私の態度に驚いて、「えっ」しか声がでないらしい。
ざわつく会場を気にも留めず、私は会場を後にした。
さあ、復讐の始まりですわよ!!
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