ジャグラック デリュージョン!

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2章 ハッピーイースター!

【第9話】7月7日 16時00分

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金成の家を出て、家に帰って少しだけ寝ることにした。火継は俺が金成の家で一泊してきたものだと思っていたらしく「次はちゃんとメッセージを入れておくように」とお叱りの言葉が書かれた紙がにぎり飯に添えて置いてあった。

いつもの塩にぎりかと思いきや、齧ったら中から焼きタラコが出てきてぶったまげた。火継の昇進はどうやら嘘ではなかったようだ。

昨日はただ誕生日を祝われただけで、大したことはしてないはずなのに、何だか身体が酷く疲れていてベッドに横になっただけでよく眠れた。

寝ている時、ぼんやりと昔の夢を見ていた。

俺の父親が犯罪者になった時、本当に色んな嫌がらせを受けた。郵便ポストに生ゴミが詰まってたり、家の塀に落書きされたり、学校でも机に暴言を書かれたりして、本当に世の中クソだなと思った。

「とーちゃんたちと喧嘩した!家出するから咲凪も来いよ!」

金成の父親も母親も、金成ともう友達やらないでくれと直接言ってきたから、もう仲良くできねえのかって落ち込んでたら、金成がデカいリュック背負って家まで乗り込んできた。

リュックには山盛りのお菓子が入ってて、それを見て金成のことを心底尊敬したんだ。反骨精神みたいなものとか、意志の強さとか、何より情に厚いと思った。

「分かった!オレたちでミカイのチを見つけて秘密基地作ってやろうぜ!オレたちの友情はかんたんには敗れないぞ!」

俺も死んだ母親の財布を盗んで、金成と一緒に家出した。あの時、もう財布の中身はほとんど残ってなくて、500円玉と小銭が少しだけ入っていたのを覚えている。お札の方が価値があるとは知らなくて、デカくてピカピカの500円玉があれば、何でも手に入るんだと思っていた。

お菓子と500円玉を持った俺たちは最強だと思った。金成とならいつかすげー軍事基地みたいなのを作って、嫌がらせしてくるような悪党をこらしめるヒーローになれるって信じていた。

結局500円玉だけじゃ遠くへ行けないし、2人で頑張って歩き続けても隣町が限界だった。子供が2人だけで放浪していたら目立つもんで、次の日には俺たちは警察に保護されて、俺は火継に、金成は両親にこっぴどく叱られたっけ。

でも、楽しかったな。大変だったし、苦しかったような気もするけど、何より楽しかったんだ。俺の中で、金成との関係はあの日のままなのだ。

一緒に戦えるバディ。人生サバイバルに欠かせない存在。

口には出さないけど、本当に大事だと思っている。大事だから、変わりたくなかった。

「いつかお前の隣が私じゃなくて、もっと可愛くて女の子らしい女の子が歩くんだって思ったらさ…耐えらんない…」

懐かしい夢の途中で、そう言って泣いている金成の声が聞こえた気がして目が覚めた。ベッドの上で大の字になったまま、俺は汚らしい木製の天井を見つめる。

扇風機が虫の羽音みたいな音を立てながら首を回す。十年以上使っているそれは限界が近いのか、バルバルバルと縦にも横にも激しく振動していてやかましい。

身体中にまとわりつく寝汗が気持ち悪い。額の汗を手の甲で拭ってから、俺は起き上がってため息を吐く。

あれは本当に夢だったんだろうか。夢だったなら、さっさと忘れてしまいたかった。

俺の想像していた金成はあんなことを言ったりしない。俺たちは唯一無二なんだから、お互い特別だって分かってるはずだから、そんな立ち位置気にしたりしないはずだ。

男同士みたいでいいじゃないか。気兼ねしない。変なことで揉めたりしない。付き合って3日で別れるクラスメイトみたいに俺たちはならない。不変がいい。

俺はシャワーを浴びて寝汗を流すと、適当な服に着替えて近所のコンビニに向かう。夕日でオレンジ色に染まった道路を歩く。バイトが始まる。めんどくせえな。

「おはよーございまーす」

「藤村くん、おはよう!」

コンビニの自動ドアを潜ると、俺の1つ前の時間帯で働いている女性が手を振った。彼女は大学生だとかで、年下であることを理由に俺のことをよく可愛がってくれる。

茶色がかかったサラサラのストレートの髪の毛、キラキラ光る目元のメイクに長いまつ毛。彼女も恐らく、綺麗な人だ。彼女にして写メ撮って、クラスメイトに見せたら自慢出来るレベル。

俺はロッカールームに入って制服に着替えると、時間まで部屋の隅に置かれたパイプ椅子に腰掛けて出番を待つ。今日も廃棄処分の飯、貰えたりしないかな。どうせならハンバーグとかがいいな。

時間が来て、先程の大学生と入れ替わろうとレジに出る。彼女はレジの金に間違いがないか、コイントレーと睨めっこしていた。

「お疲れ様でーす。途中ッスか?あと俺やっときますよ」

どうせ暇だし。とは口に出さずに笑うと、彼女はコイントレーから目を離さずに笑った。

「この後、用事ないからアタシやるよ!ありがとう!」

「そーなんすか?じゃあ、お言葉に甘えて…?」

別に甘えたいわけじゃないが、本人がやりたいなら俺が口出しすんのも変な話だ。あまり客入りのないコンビニの店内を眺めながら、俺は今日の仕事について考える。

品出しもこの人がいる日は大体終わってる。だとしたら、あとは深夜にトイレ掃除するとかエロ本のDVD盗まれないように本を縛るとかか…。今日も暇だな。

「あのさ…藤村くんって彼女いたりする…?」

不意にコイントレーにお金を並べていた大学生が言う。何の話かと振り返った俺に、彼女は照れたように笑った。

「あっ、えっと…深い意味はないんだけど…」

「彼女いないッスよ」

俺の答えで彼女は顔を上げる。垂れ目がちな大きな瞳、小動物みたいで可愛いと思う。

可愛いと思うけど、それ以外に何の感情もない。

「彼女作る気もないんスよ。好きな子が出来なくて!俺、一生童貞かもしんねー!」

「何それ、面白いこと言うんだね」

ゲラゲラと笑う俺に、大学生は少しだけ残念そうに笑った。

彼女はそのままレジの数字が合ってることを確認したら、別れの挨拶をして帰って行った。クラスメイトだったら、あの告白をOKしたんだろうか。童貞卒業の可能性はワンチャンあっただろうし、食いつくのかもしれない。

そういうのは俺だってめちゃくちゃ興味あるし、スケベなこと何も妄想しないかって言われたらするけど、彼女とかってなんかピンとこない。よく分からん。もしかすると、俺って今人生初のモテ期を迎えてるのかもしれないが。

金成は男臭くて、可愛いかって言われたらクラスメイトたちが言う可愛いからは結構遠い。みんなが欲しがる彼女像とはかけ離れている。でも、俺の中で一番好きな奴って金成なんだよな。男女どちらの枠に入れてもオンリーワンのナンバーワン。

昨日の夢なのかよく分からない金成に、俺は何て言うべきだったんだろう。本人が知らないってんなら、考える必要なんかないのかもしれないが、ぐるぐるとそんな思考が巡り続ける。

金成がメスゴリラでもオスゴリラでも、一緒にいれたらそれで良かった。でも、男扱いしといた方が予防線になるから、ずっと男扱いしてきたのはあると思う。

金成はどんな気持ちで俺のこと好きだって言ったんだろ。いや、言われてないのかもしれんけど。

えっ、金成が言ってないなら別にモテてなくね?いや、1人でもモテてんのか…俺、モテないしな。

ダラダラと適当にレジを捌いて時間を潰す。時間は深夜2時を回る。

もう7月8日か。日付ってなんで深夜に変わるんだろな。

すっかり人がはけた店内を見回し、誰もいないのを確認して俺はレジのゴミをまとめる。40リットルパンパンのゴミ袋を三つ、両手に抱えて店の外へ出る。駐車場の脇にゴミを入れておく倉庫がある。そこにこうして時間を見計らって捨てに行くのもいつものルーティンだ。

倉庫の重たい扉を肩で開き、ゴミ袋を投げ捨てる。手を叩いてゴミを落としながら、再び倉庫を閉めていると店の方へ駆け込んでいく人影が目に入る。

やべえ、客来ちゃったかな。俺は慌ててその影を追うように店へと走った。

飽きるほど聞いた店のチャイムと共に自動ドアが開く。そこに広がっていた異様な光景に俺は首を傾げる。

全く見たこともない男性がレジの中にいる。同僚ならすれ違ったことくらいありそうなものだが、そんな記憶が欠片もないし、なんなら男は慌ただしくレジの中の札束を引っ張り出している最中だ。

「あー…どちら様?」

念の為、お伺いしてみる。お客さん…ではなさそうだが、オーナーとかだったら顔は知らない。オーナーってこんな雑に金持ってくのかはわからんけど、一概に犯罪って決めつけるのも悪い。

俺の声に男がピタッと動きを止める。油がささっていない人形のようにギシギシと顔を上げると、男はやつれた顔で歯を見せて笑った。

「か、金を寄越せ…」

「えー…オーナーさん?お店関係者の方?俺、週二の夜勤バイトだから、あんま知らな…」

「うるせえ!金を寄越せ!近寄んな!近寄ったらぶっ殺すぞ!」

俺の言葉を遮るように男は唾を飛ばしながら怒鳴り散らすと、右手に握ったアイスピックを振り回す。

「おう…」

これはガチの強盗かもしれない。俺は両手を上げて降参の意思を示す。

アイスピックか…あれを蹴り落とせれば勝てそうだな。でも、刃物は武器なしだと防ぎようがないから、慎重にやらないと痛い目見そうだ。

「いいか!近寄んなよ!一歩も近づくな!」

「分かった、分かった。好きなだけ持ってけよ」

俺が首を横に振ると、男は血走った目で再びレジを漁り始める。よく見れば男はレジの札束をズボンのポケットにねじ込んでいる。普通、強盗するぞ!って来るならカバンの一つでも持って来そうなものだが、それをしないくらい急に来たのだろう。

コンビニって夜中にふら~っと寄るものではあるが、そんな軽いノリで強盗しないで欲しいもんだ。

男の視線がレジに釘付けなのを見て、気づかれないように横歩きで距離を詰める。すぐにタックルが仕掛けられる距離まで詰めたら勝ちだ。アイスピック以外、金成に比べたら何の脅威でもない。

「金だ…金があれば薬も酒も変える…これで俺の未来は明るいぞ…」

ブツブツと涎を垂らしながら男が呟く。彼の濁った目は焦点が定まっておらず、手も震えている。

これだけ集中力が散漫なら、俺のことなんか眼中にないだろう。

ジリジリと距離を詰め、ダッシュで懐へと走り出す。レジのカウンターを蹴って飛び越える。俺の動きに目を見開く男に、俺は間髪入れずに肩を掴んで頭突きをする。

「ぐあ…っ!」

俺が悲痛な声をあげて後退する。それを見計らって後ろ蹴りでアイスピックを持った男の手を狙い撃ちする。右手が開かれ、アイスピックが遠くへと飛んだ。

カラカラと地面を滑り、バグった針時計みたいに回転するアイスピックを見て俺は思わず笑う。これは勝った。

「お前の時代、終わったな!牢屋できっちり償ってきなあ!」

金成の家で読んでいた漫画のヒーローがよく使う決めゼリフを半分くらいパクって男の右手を掴みあげ、膝裏を蹴飛ばす。男は床に膝をつき、静かになったの見ていると、鼻の穴が広がりそうなくらいの興奮と快感が胸に湧き上がる。

決まった…俺、今めちゃくちゃカッコイイ。人生で一番輝いてる。間違いねえ。

俺は男を捕まえたまま、レジ下の防犯ブザーのボタンを押す。あとは警察が来るまで、どうやってこの男を捕まえておくかだ。

そんなことを考えていると、ブスリと何かが足を貫通したような感覚がした。どこからか入ってきた蛾が一匹、バサバサと下から飛び立ち、視界の端を飛んでいった。

「…金をよこせ」

男が左手に握ったアイスピックで俺の足を刺して笑う。ダクダクと漏れ出す血液と、焼けるような痛みは何故か既視感があった。

夢の中で金成に抱きしめられた、身体中に穴が空いていた時と同じような痛みだ。

「なんで…」

アイスピックは確かに取り上げたはずだ。俺はレジの向こうに転がしたはずのアイスピックの位置を確認する。しかし、そこには変わらずにアイスピックは落ちたままだ。

コイツ、アイスピックを複数持ち歩いていたのか?酒を買うような感覚でフラッと強盗しに来たくせに?妙なところ用意周到にするのはやめて頂きたい。

俺は慌てて男の左手を蹴りあげる。アイスピックが再び宙を舞い、男の手から離れるが、俺の手から逃れた男は足にしがみつく。続けざまに同じ足に痛みが走った。

「金が必要なんだよ!近づくなって言ったよな?お、お前が悪いんだよ!俺は最初にけ、警告した!殺すってなあ!」

男は笑いながらいつの間にか取り出した三本目のアイスピックで同じ足を何度も突き刺す。脳みそが痛覚を認識すると、それは酷い痛みだった。電気が走るようなビリビリとした未知の痛みに悲鳴を上げる。

「いっ…てえなあっ!くっそ!やめろ!離せ!」

男の頭を掴み上げて2度目の頭突きをいれるが、片足が踏ん張れなくて力が入らない。頭突きを食らった男は笑いながら俺の腹にアイスピックを突き刺した。

蛾や蝶が店内に舞う。一体どこから発生しているのか分からないが、ガサガサと羽音がうるさい。

腹に刺傷があると、こんなに動けなくなるのかと思うほど力が抜ける。よろけて壁際に背中から倒れ込む俺に、男は愉快そうにアイスピックを振り上げた。

「うああっ!ぐぎっ…!」

男は俺の身体を滅多刺しにする。アイスピックなんて、そんな致命傷にするのが難しい物で何度も何度も刺されるなんてたまったもんじゃない。悲鳴を上げようが、止めようとしようが、手も何もかもアイスピックで突き刺されて返される。

そのうち感覚が麻痺してきて、ボワーと身体中に鳥肌が立つような熱だけが残る。身体中から血がダクダクと溢れて、酸欠で叫ぶのもしんどくなってきた。

「ど、どうだ…俺の言うこと聞かないから…こうなるんだ」

アイスピックで刺す方も疲れたのか、震える腕をおさえながら男が肩で息をしながら俺の顔を覗き込む。

天井には恐ろしい数の蛾や蝶がいて、蛍光灯や防犯カメラなどの光に所狭しと群がっている。もはや薄暗くすらある店内で、男は俺の背中の服を掴んでズルズルとレジの外へと引きずり出した。

あーあ、ちょっと前まで俺最高にかっこよかったのにな…鞄はないのに、アイスピックだけ3本持ってくるのは想像できんかった。

引きずられて俺の血液が地面に太い線を引く。そこに惹かれるように蛾が集まる。吸血する蛾なんているのかな、なんてぼんやりとする頭で考えた。

「なんだよ咲凪、負けちまったのかあ?」

回らない思考の中に飛び込んできた聞き慣れた声に力を振り絞って首を捻る。金成の声によく似ていた気がするが、今は深夜二時過ぎだ。こんな時間に自宅から離れたコンビニまで金成が来るとは思えない。

「真のヒーローは遅れてやってくるんだよ」

いるはずのない金成が気配もなく俺たち2人の傍で得意げな顔で仁王立ちしていた。さっきまで絶対いなかったような気がする。俺は幻覚でも見ているような気持ちで目を瞬かせた。

「かんなり…?」

「なっ、なんだお前!」

男は金成にアイスピックを向けるがそれを金成は腰を落とし、低い姿勢のままサンバのような独特のステップを踏む。その妙な動きから突然の上段蹴りを繰り出す。

蹴りは男の顎に綺麗に入り、彼は白目を向いて背後に吹き飛ぶように倒れた。

「お前の時代、終わったな…!」

本日二度目の決めゼリフだ。考えてること全部同じかよ。俺は腹に力を入れずに息を漏らすように笑った。

「それ…死亡フラグになる時あるから、気を付けとけ…?」

「何言ってんだよ、咲凪はそんなんで死なねーだろ?」

金成には仰向けで倒れた俺の頭のそばにしゃがむと髪をかき分けるようにわしゃわしゃと撫で回す。眼前に広がるのは、白いレースのパンツではなくホットパンツだ。安心するような、残念なような気持ちで俺は喉を鳴らして笑う。

「いや、さすがに滅多刺しが…すぎんだろ…」

何回刺されたのか、もう数えるのもダルいくらい刺されたと思う。内臓がどうなってるのかとか考えたくもない。

不意に俺の血に群がっていた蛾や蝶が飛び立つ。それらは突然、俺の怪我へ群がるように集まってくる。さすがにその恐ろしい光景に俺は目を見開く。

吸血されんのか?虫に?そんな死に方はゾッとする。身体を強ばらせる俺を金成は宥めるように額を優しくポンポンと叩いた。

「大丈夫だから、そんなビビんなよ」

俺を見下ろして笑う金成の口から八重歯が覗く。犬のようなその人懐こい笑顔が妙な安心感を運んでくる。

ワラワラと群がる蛾たちは俺の身体に溶け込むように入り込み、馴染んでいく。侵食される、というよりも再生に近いだろうか。みるみる痛みが減り、呼吸が楽になる。驚いたことに刺された服まで再生する。全ての蛾が店内から姿を消す頃には、俺の身体はすっかり元通りになった。

「なんだこれ…」

こんな能力、普通の人間が持っているもんだろうか。さっきまで穴だらけだった自分の腹を摩り、服を捲る。それでも傷跡一つないのだ。

「回復能力みたいなもんじゃね?やったな!」

「そんな適当な感じでお前、俺に大丈夫とか言ったんか?すげー肝座ってんじゃん」

元から金成は脳筋っぽいが、ますます脳筋に拍車が掛かっている発言に俺は笑う。

「えーだって咲凪が死ぬわけねえもん!お前強いし!」

屈託ない笑みを浮かべる金成はちょっと可愛かった。そうやって純粋なリスペクトを向けられて嬉しくないわけがない。だって、金成は俺の師匠だ。

まあ、あのカポエラの変なステップは個人的に真似したくないが…。

「サンキュー、助かったよ」

俺が金成に拳を向けると、金成も拳を作って俺の拳にぶつけた。

喧嘩に明け暮れていた中学以来だが、昔はよくこれをやった。金成が覚えていてくれたことが嬉しい。久しぶりにぶつけ合った金成の拳は、昔に比べて随分と小さくなったような気がした。
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