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第8話
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最初俺に説明されたのは砂漠で転がっていた記憶喪失の子供を拾った…とだけ。
可愛い子だった。
珍しい黒髪黒目の男の子は驚きで目を丸くして俺を見つめていた。
名前はリクトと言うらしい。
俺は恋に落ちた。
レファも同じらしい。普段なら薬で治癒してやったあと返していたのに
この子に限っては薬代やらなんやらで強制的に住まわすことになった。
その後父へも説明して部屋を用意し使用人として雇った。
レイトも恋に落ちたのだろう。レイトは自室のベッドに人を入れたことが
無かったのにリクトを抱き枕代わりにしていたと執事から聞いた。
胸が苦しかった。俺がまだ出来ていないことをリクトは先にしたのだから。
そんな生活が数日続いたある日。
差別のないパーティ。平民から貴族までが集まるパーティの日に
起きた…。
リクトの部屋で知らない男とリクト…。
リクトの顔には言わずとも分かる其れが着いていた。
一気に吐き気と怒りが込み上げ…気づいたら殴っていた。
最初リクトは平気といった顔をしていたが、レファとレイトが
心配の声をかけるとボロボロと大きな瞳から涙を零し始めた。
見ていてとても可哀想だったが、俺の心の底には欲情した俺がいた。
リクト!リクト!リクト!
3人で追いかけ回した結果怒られた。
リクトは格闘技を習うと俺たちに宣言した。
宣言通り次の日にはファズーナから格闘技を習っていた。
リクトが格闘技を習い始めた日から窓越しに眺めていたけど
才能がないのか…ちっとも上達していない。
変わらない日常の中、兄からの命令なのかファズーナに向けて矢が放たれた。
ファズーナは当然の如く避けた…。始末すべき対象のファズーナは
しぶといと言うべきか何度も襲われているのに死なない。
流石地下育ちと言ったところなのか…。
そんなことをボーっと考えているといつの間にか2人は姿を消していた。
使用人達に居場所を聞くと図書館に居るという…。
何を調べる気なのか…。
図書館の扉に手をかけようとすると
執事がファズーナを連れて出てきた。執事の様子からして
あの子をリクトに教えたのだろう。
別に俺は構わないんだけど…。
さてさて…。リクトは俺たちの気持ちに気づいてないのか…
色々鈍すぎる…って事で今日はレイトと手を組んで
同情心を芽生えさせよう作戦をすることにした。
作戦はこうだ。
レイトを探させる
↓
レイト母とレイトの姿を目撃
↓
レイト母ヒステリックを起こす。
↓
レイトパニックになる。
と言う作戦のはずだった。
なのに、レイトは作戦と違うことをした。リクトにキスをしたのだ。
本来であればパニックになったレイトを落ち着かせながら
オロオロするリクトを俺が発見し…という作戦のはずだった。
リクトはキスされたことに戸惑ったのかその場で硬直したまんまだった。
レイトは嬉しそうに俺の方へ走ってきたけど内心少し怒っていた。
けれど作戦は失敗したもののリクトの心には何かが芽生えたような気がした
から結果オーライということにしておく。
可愛い子だった。
珍しい黒髪黒目の男の子は驚きで目を丸くして俺を見つめていた。
名前はリクトと言うらしい。
俺は恋に落ちた。
レファも同じらしい。普段なら薬で治癒してやったあと返していたのに
この子に限っては薬代やらなんやらで強制的に住まわすことになった。
その後父へも説明して部屋を用意し使用人として雇った。
レイトも恋に落ちたのだろう。レイトは自室のベッドに人を入れたことが
無かったのにリクトを抱き枕代わりにしていたと執事から聞いた。
胸が苦しかった。俺がまだ出来ていないことをリクトは先にしたのだから。
そんな生活が数日続いたある日。
差別のないパーティ。平民から貴族までが集まるパーティの日に
起きた…。
リクトの部屋で知らない男とリクト…。
リクトの顔には言わずとも分かる其れが着いていた。
一気に吐き気と怒りが込み上げ…気づいたら殴っていた。
最初リクトは平気といった顔をしていたが、レファとレイトが
心配の声をかけるとボロボロと大きな瞳から涙を零し始めた。
見ていてとても可哀想だったが、俺の心の底には欲情した俺がいた。
リクト!リクト!リクト!
3人で追いかけ回した結果怒られた。
リクトは格闘技を習うと俺たちに宣言した。
宣言通り次の日にはファズーナから格闘技を習っていた。
リクトが格闘技を習い始めた日から窓越しに眺めていたけど
才能がないのか…ちっとも上達していない。
変わらない日常の中、兄からの命令なのかファズーナに向けて矢が放たれた。
ファズーナは当然の如く避けた…。始末すべき対象のファズーナは
しぶといと言うべきか何度も襲われているのに死なない。
流石地下育ちと言ったところなのか…。
そんなことをボーっと考えているといつの間にか2人は姿を消していた。
使用人達に居場所を聞くと図書館に居るという…。
何を調べる気なのか…。
図書館の扉に手をかけようとすると
執事がファズーナを連れて出てきた。執事の様子からして
あの子をリクトに教えたのだろう。
別に俺は構わないんだけど…。
さてさて…。リクトは俺たちの気持ちに気づいてないのか…
色々鈍すぎる…って事で今日はレイトと手を組んで
同情心を芽生えさせよう作戦をすることにした。
作戦はこうだ。
レイトを探させる
↓
レイト母とレイトの姿を目撃
↓
レイト母ヒステリックを起こす。
↓
レイトパニックになる。
と言う作戦のはずだった。
なのに、レイトは作戦と違うことをした。リクトにキスをしたのだ。
本来であればパニックになったレイトを落ち着かせながら
オロオロするリクトを俺が発見し…という作戦のはずだった。
リクトはキスされたことに戸惑ったのかその場で硬直したまんまだった。
レイトは嬉しそうに俺の方へ走ってきたけど内心少し怒っていた。
けれど作戦は失敗したもののリクトの心には何かが芽生えたような気がした
から結果オーライということにしておく。
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