双子の獣人に溺愛されています。

檮木 蓮

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第9話

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「ねぇ、海。気晴らしにどこか行きませんか?」

「え?」
行きたいところ…。
実は前々から水族館に行ってみたいと思っていた。

「最近、気分が落ち込み気味のようなので気分転換になればと思って。」

「ぁ、なら…水族館に行ってみたい」

「水族館ですか。良いですね。 
あしたはレクトも仕事お休みなので明日行きましょう。」

「うん!」

というか水族館なんてあるんだ…。あれはダメもとで言ってみたものの
本当にあるなんて…人間の世界と変わらないのかな…?
ってことは学校もある…?

「ねぇレアト…。この世界には学校ってある?」

「えぇ、勿論。ですが義務では無いです。」

「へぇ…そうなんだ。レアトとレクトは学校行ってたの?」

「えぇ、私は医師の学校に行きたかったので学校というのは
必要事項でした。レクトも専門校にまで行きました。」

「専門校?どんなところ?」

「調理を専門にしてるところです。」

「ぁ、じゃあレクトの職業ってご飯屋さんに務めてるって事?」

「大まかに話すとそうです。」

「ねぇ、なんでみんなレクトの職業はぐらかすの?」

「はぐらかす…というより伏せておいた方が良いので。」

「ふーん。」

明らかにおかしい。変わった仕事なのかな?でも、調理を専門にしてる学校に
行ったなら飲食系の仕事に務めてる…ってことなのか?

ーー

「おかえり。レクト。」

「ただいま。カイ」

「おかえりなさい。今夕食作っていますから先にお風呂どうぞ。」

「あぁ。」

「ねぇ、レクト。どこかで怪我した?」
「ん?」

「血…ついてる。ここ。」

「ぇ!ぁ…あぁ~帰り道にちょっとな。」

「お風呂でちゃんと洗ってきてね。出てきたら絆創膏貼ってあげるから」

「おぉ。じゃ、入ってくるわ。」

ーーレクトsideーー

危ねぇ…。きちんと確認すべきだった。

俺の仕事はいわゆる解体業者。
解体ってのは罪を犯した人間を解体して、俺たちはそれを食す。

この世界で罪人は骨の1本ですらも存在を許されない。
しかし、俺たちが食す事で存在を許される。全く変わった話だ。
なんで俺がこんな変わった仕事につき 辞めないのかと言うと、
最初は興味本位で始めた仕事だった。親からは大反対。
やるなら縁を切ると言われたくらい。でも俺はやりたかった、
だから親とも縁を切った。仕事を初めて1年程俺は友人を食べた。

友人…いや、親友。あいつは人を殺めた。親だ。ネグレクトだった親を殺した。
あいつを食べるとなった時震えが止まらなかった。
仕事だから…仕事だからと何度も思いながら口に運んだ。
アイツの肉は美味かった。
自分でもおかしいと思った。親友を食べて美味しいと感じることが。

トントン…

「レクト。ご飯できたよー。」

「おう。」
 
この話はまた次に話そうと思う。
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