双子の獣人に溺愛されています。

檮木 蓮

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第4話

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「なぁ、こんなに探してもいねぇっておかしくないか…?」

「もしかしたらぐるぐるお互いに回ってて会えないのかもしれませんし…。
街の人に見てないか聞いてみましょう。」



「そうですか…ありがとうございます。」

『あ、でも、そんな感じでフード被った小さな男の子。
お爺さんと一緒に路地裏に行ったのを見たよ。』

「え!本当ですか!?」

『あぁ。フードは確か黒で青で刺繍がされてたよ。』

「その子です!」

『おや、そうなのかい。そこの路地に入っていったのは見たけど
あの時間帯は人が多すぎて入ったとこしか見てないよ。』

「ありがとうございます。」

「レクト!海さんと老人が路地裏に入るのを見たと言う人が居ました!」

「まじか!とりあえず路地裏に入ってみよう。」

「えぇ、老人が誰なのかも気になりますしね…。」


「っ…はぁ。居ねぇな…。この辺から微かにカイの匂いがするのに…。」

「まさか…誘拐…?」

「な、なわけねぇだろ。」

「その可能性は否定できません…。とりあえず知り合いの警察に尋ねます。」

『はい、もしもし。』

「もしもし。レアトです。」

『あぁ、レアトさん!どうしたんですか?』

「実は私たちの家に住んでいた子供が居なくなってしまって…。」

『どこで居なくなったんですか?』

「カルミ大通りです。
露店の人に話を聞いたらその子と老人が路地裏に入っていったと…」

『あぁ…。カルミ大通り…ですか。』

「なにか心当たりがあるんですか?」

『実は…最近カルミ大通りでの誘拐事件が多発していて…。
同一犯だと踏んでて今捜査しているんです…。その事件目撃者はみんな
路地裏に入っていった、でもその先は人が混んでてわからなかったって。』

「それって…。」

『大規模に行われている誘拐…。まぁ密売とかオークションとかに
出す品をカルミ大通りに探しに来る奴が結構いて…。』

「これはここだけの話なんですが…実は私達の家にいた子供,人の子でして。」

『それは、また…。厄介ですね…。
その老人が連れ去った理由が密売目的なのか愛玩目的なのか…。
すぐに捜査します。では明日そちらに派遣を寄越します。
その子と共に再びカルミ大通りに行ってください。』

「分かりました。」

『犯人がかかれば居場所を直ぐにつきとめられます。
ですが…レアトさんのとこの子供を攫った犯人の場所へ行かない可能性も
あります。そこはご了承願いたいです。』

「大丈夫です。ですが明日いい結果になる事を祈っています。」


「レアト…警察どうだって?」

「早速明日から動いてくれるそうです。」

「おぉ、そうか。それは早くて助かるな…。」

「レクトとりあえず今日は帰りましょう。きっと明日いい結果になりますよ…」

「あぁ。」

ーー
コンコンッ!

「はい。」

「どうも!シクマ警察署から来ました!セイカです!」

「よろしくお願いします。どうぞ、中に。」

「ありがとうございます。」


「えぇっと、じゃあ、今日の作戦をお話しますね。
まず、今日昨日と同じ時間帯に行きます!
そこで人混みが起きたら僕ははぐれますから、レアトさんとレクトさんは
近くに僕達捜査員のアジトがありますからそこでの待機お願いします。」

「はい。」

「そして、無事その老人と所へ辿り着けたら僕がアジトへ連絡を入れます。
ですので、その時カイさんを見つけた場合もお知らせします。カイさんは
人間だとお聞きしました。簡単にで良いので容姿のご説明お願いできますか?」

「あぁ、えっと、カイは長めの黒髪で肌が白い。
そんで…目は青みがかった黒。背は小さめだ。」

「ふんふん。了解です。おっと、時間が…そろそろ向かいましょうか。」

「えぇ。」「おう。」

ーー

「人が多くなってきましたね…では指定された場所へお願いします。
良き報告ができるよう頑張ってきます。では。」

確かにこんなに人が突然多くなると小さな子供は簡単に流されるな…。

「わっ!」

こんなに都合よく路地裏に流されるなんて。
これ…人混みの中で子供の品定めをしてたんだ…。集団で誘拐するなんて
下劣だ…。

『おやおや、お嬢さん迷子かね?』

「…。僕…お買い物してたら…みんなとはぐれちゃったの。」

『そりゃ大変じゃの…みんなの元へ連れて行ってあげようか。
ここの土地勘は誰よりも優れておるからな。』

「え!本当?連れてってくれるの?ありがとう、おじちゃん。」

『構わんよ…。ほらこっちだ。おいで。』


「ここ静かだね。ほんとにみんなの元に行けるの?」

『ここは本当に静かで人も通らないからな。大丈夫みんなの元へ行けるよ。』


「わっ!なに!?やだ!おじちゃん!助けて!」

ーー
あの後麻袋みたいなのを被せられて…1時間くらい車移動だったな…。

きっとレアトさんが言っていたのはこの人で間違いないみたい…。
と言うか…これ目隠しされてるだけで手枷も足枷も付けられていない。
みんな連れてこられたら怖くて動けないから何も縛るものがないんだ。

ガチャ…
「誰…?」

『ワシじゃよ。助けに来たぞ。』

「おじちゃん!助けに来てくれたの!」

『勿論…さぁ出口へ行こう…。けど出るまで目隠しは取れないからな…』

「なんで…?」

『………。』

「おじちゃん?」


ここは…ベッド…?まさか…誘拐してオークションに出すんじゃなくて…
自分の性処理道具に……?

「おじちゃん…僕目隠し怖い…。」

『そうか、では外してやろう…でも抵抗しようとしちゃダメだぞ。』

「?うん。」


「おじちゃん!」ギュッ!

『どうしたんだ。突然抱きついたりなんかして…』

「怖かった…ぐすっ…うぇぇん。」

『よしよし。』

「うぇぇん。」
おっし。背中に小型スタンガンを…えいっ!

ドサッ…。

はぁ…早く探さないと…。
と言っても探す範囲な狭そう…。

まずは、ここの部屋で1番怪しいこの扉…

ガチャ…!

「わっ…!」

「っとと。君は…カイくん?」

「ぇ、はい。そうです。」

「おぉ!1発ビンゴ!連絡しないと!
もしもし!カイくん見つけました!ここの場所は恐らく森の廃墟です。
外に出て詳しく見たいと思います!」

「あの…?」

「えっと、僕はシクマ警察署から来たセイカ…です!
あなたのご主人さん達から捜索願いが出され潜入捜索に来ました!

「レクトとレアト…?」

「はい!そうです。では早速お外へ出ましょう。起き上がると面倒です。
ここの鍵の場所知っていますか?」

「ぁ…えっとこれです。」

「おぉ!所有済みでしたか。よい…しょっと!」

「ここに一時的に監禁しておきますので…安心してください!
もう大丈夫ですからね。」ガチャンッ!

「ありがとうございます…!」

「よし!じゃあ行きましょうか!」
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