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第2話
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「おはようございます。って…誰もいない…?」
僕が起きた時はまだ朝の6時…。
微かにコーヒの匂いが残ってる…。少し前まで居たのかな。
外に出ようかとも思ったけど、体が少しだるい…。
「んっ…」
「ただいま…あれ、カイ起きてたのか。
すまんな買い出しに行ってたんだ…って大丈夫か?」
「頭が…痛いっ…。」
「おいおい…大丈夫かよ。ソファまで歩けるか…?」
「っ…うぅ。」
「無理そうだな…。よいしょっ…と。ここで休んでろ。
レアトが帰ったら診てもらうから。」
「ただいま戻りました。」
「あ!やっと帰ってきた。カイが頭痛いって寝込んじまって…。」
「おや、それは大変ですね。海さんはどこに。」
「そこのソファで今寝てる。ついさっき痛みが少し引いたみたいで…。」
「これは…偏頭痛ですね。」
「偏頭痛…?」
「えぇ、頭の片側に起きる頭痛で吐き気や身体のだるさなどが主な症状です。
なるべく音も立てない方が良いでしょ。今部屋から薬を持ってきますので
2回で寝かせてあげていてください。」
「分かった。」
ーー
「ふぅ…さっきよりもいい顔色になってる…。」
「えぇ、そうですね…。偏頭痛はとても辛いですから、」
「てか、朝飯食ってねぇな…。」
「すっかり忘れていました…。今の時刻は…9時半ですね。
まだ朝食には間に合います。下に降りて食べましょうか…。」
ーー
「うっ…んん。」
「おっ…起きたか。大丈夫か?」
「はい…。大丈夫です。心配をお掛けして…すいません。」
「謝らなくていい。それより腹減ってないか?
今,丁度昼飯作ってるところなんだ。食欲あったら下、降りてこいよ。」
「はい。」
「海さん。もう体調は大丈夫なんですか?」
「はい。大丈夫です。あと、お薬ありがとうございます。」
「気にしないで下さい。そうだ。これ。
また偏頭痛が起きた時に使って下さい。」
「ありがとうございます。」
「レアトは医者で薬剤師だからな。何かまたあったらレアトに言うと良い。」
「はい。」
「よし!飯にすっか!」
ーー
「ふぅ…腹太った~!カイは本当少食だな。」
「ぁ…はい。食べたらすぐお腹太っちゃって。」
「そんなんじゃぁ、またぶっ倒れちまうぞ?」
「これどうぞ。ビタミン剤です。錠剤が嫌なら点滴も,うてますよ。」
「いえ、錠剤で大丈夫です。」
ビタミン剤…お医者さんってことは栄養失調のこともバレてたんだ…。
「じゃあ、ご飯も食べましたし…買い出しに行きましょう。」
「買い出し…?」
「あぁ、カイも洋服が必要だろ?それに、その他にも必要なもんとか…。」
「外の事も知っていただきたいので嫌でなければ是非。」
「は、はい。」
「では、海さんはとりあえず着替えましょうか…。」
「だな。ダボダボ過ぎてそれじゃあ外歩けねぇからな。」
ーー
「うん。とても似合っています。朝家に帰ってくる前SALE品で売られていて
取り敢えずの品には良いかと思って買ってきたんです。」
「似合ってんな!あ、そうだ。あれ持ってこねぇと。」
「あれ?」
「えぇ、フードです。この世界で人間が居るなんて知られたら
どこに売り飛ばされるか分かりませんから。」
「おし!これ被ってろよ。街に出たら絶対に脱いだらダメだからな。」
「はい。」
「では、行きましょうか。」
ーー
「わぁ…凄い!屋台がいっぱい…」
「ふふっ。ここはいつも露店が並んでいるんです。
面白いものも沢山ありますよ。」
『そこのお嬢ちゃん!こっちにゃ、可愛い髪飾りが沢山あるぞ!
見てってくれよ!』
『お嬢ちゃん、お嬢ちゃん!うちには美味しい果物たっくさん置いてるよ~』
「カイはモテモテだなぁ。こんな人混みじゃぁ迷子になっちまう。
早く服屋に行こう。」
レクトは僕に手を差し出した。握ってもいいのだろうか…そう悩んでると
人がドッと流れ込んできた。
「わっ!!」
「あっ…カイ!」
「海さん!!」
「あれ…どこに…行って。」
僕が流されたのは人気の無い通路だった…。大通りとは違いシンとしていて
少し肌寒い…。
『おやおや、お嬢さん迷子かね?』
「へ…?ぁ、い、いえ大丈夫です。」
『そう遠慮せずともお友達の元へ連れて行って差し上げますよ。
やはり…こんな老いぼれは信用できませんかな…?』
「いえ、そんな。」
『では、手を。直ぐにお友達の場所へ連れて行って差し上げますからね。』
「ありがとうございます…。」
なんだか、流されてしまった…。でもこんな優しいお爺さんの言うことだ…。
きっとレクトとレアトの場所まで連れていってくれるはず…。
「あ、あの…すいません。
なんだか大通りから離れて言っているような気がするんですけど…」
人の声が遠くなっていく…。
『大通りはまだ人で溢れかえっていますからな…その大通りに小さなお嬢さんとこんなジジィが入ったらまたハグれてしまいますぞ。こちらの方が人も少なく
安全ですからな。』
「は、はぁ。」
『もうすぐ細道に入りますからな…
そこを抜けたらすぐお友達の場所へ着きますよ。』
「……。」
『ここは本当に静かで人も通りません。だからこんな風に人攫いがいても
誰も…気づきません。』
「え…?わっ!やだ!離して…っ!」
『人の子なんてまた珍しいものが迷い込んだものですな…。』
僕が起きた時はまだ朝の6時…。
微かにコーヒの匂いが残ってる…。少し前まで居たのかな。
外に出ようかとも思ったけど、体が少しだるい…。
「んっ…」
「ただいま…あれ、カイ起きてたのか。
すまんな買い出しに行ってたんだ…って大丈夫か?」
「頭が…痛いっ…。」
「おいおい…大丈夫かよ。ソファまで歩けるか…?」
「っ…うぅ。」
「無理そうだな…。よいしょっ…と。ここで休んでろ。
レアトが帰ったら診てもらうから。」
「ただいま戻りました。」
「あ!やっと帰ってきた。カイが頭痛いって寝込んじまって…。」
「おや、それは大変ですね。海さんはどこに。」
「そこのソファで今寝てる。ついさっき痛みが少し引いたみたいで…。」
「これは…偏頭痛ですね。」
「偏頭痛…?」
「えぇ、頭の片側に起きる頭痛で吐き気や身体のだるさなどが主な症状です。
なるべく音も立てない方が良いでしょ。今部屋から薬を持ってきますので
2回で寝かせてあげていてください。」
「分かった。」
ーー
「ふぅ…さっきよりもいい顔色になってる…。」
「えぇ、そうですね…。偏頭痛はとても辛いですから、」
「てか、朝飯食ってねぇな…。」
「すっかり忘れていました…。今の時刻は…9時半ですね。
まだ朝食には間に合います。下に降りて食べましょうか…。」
ーー
「うっ…んん。」
「おっ…起きたか。大丈夫か?」
「はい…。大丈夫です。心配をお掛けして…すいません。」
「謝らなくていい。それより腹減ってないか?
今,丁度昼飯作ってるところなんだ。食欲あったら下、降りてこいよ。」
「はい。」
「海さん。もう体調は大丈夫なんですか?」
「はい。大丈夫です。あと、お薬ありがとうございます。」
「気にしないで下さい。そうだ。これ。
また偏頭痛が起きた時に使って下さい。」
「ありがとうございます。」
「レアトは医者で薬剤師だからな。何かまたあったらレアトに言うと良い。」
「はい。」
「よし!飯にすっか!」
ーー
「ふぅ…腹太った~!カイは本当少食だな。」
「ぁ…はい。食べたらすぐお腹太っちゃって。」
「そんなんじゃぁ、またぶっ倒れちまうぞ?」
「これどうぞ。ビタミン剤です。錠剤が嫌なら点滴も,うてますよ。」
「いえ、錠剤で大丈夫です。」
ビタミン剤…お医者さんってことは栄養失調のこともバレてたんだ…。
「じゃあ、ご飯も食べましたし…買い出しに行きましょう。」
「買い出し…?」
「あぁ、カイも洋服が必要だろ?それに、その他にも必要なもんとか…。」
「外の事も知っていただきたいので嫌でなければ是非。」
「は、はい。」
「では、海さんはとりあえず着替えましょうか…。」
「だな。ダボダボ過ぎてそれじゃあ外歩けねぇからな。」
ーー
「うん。とても似合っています。朝家に帰ってくる前SALE品で売られていて
取り敢えずの品には良いかと思って買ってきたんです。」
「似合ってんな!あ、そうだ。あれ持ってこねぇと。」
「あれ?」
「えぇ、フードです。この世界で人間が居るなんて知られたら
どこに売り飛ばされるか分かりませんから。」
「おし!これ被ってろよ。街に出たら絶対に脱いだらダメだからな。」
「はい。」
「では、行きましょうか。」
ーー
「わぁ…凄い!屋台がいっぱい…」
「ふふっ。ここはいつも露店が並んでいるんです。
面白いものも沢山ありますよ。」
『そこのお嬢ちゃん!こっちにゃ、可愛い髪飾りが沢山あるぞ!
見てってくれよ!』
『お嬢ちゃん、お嬢ちゃん!うちには美味しい果物たっくさん置いてるよ~』
「カイはモテモテだなぁ。こんな人混みじゃぁ迷子になっちまう。
早く服屋に行こう。」
レクトは僕に手を差し出した。握ってもいいのだろうか…そう悩んでると
人がドッと流れ込んできた。
「わっ!!」
「あっ…カイ!」
「海さん!!」
「あれ…どこに…行って。」
僕が流されたのは人気の無い通路だった…。大通りとは違いシンとしていて
少し肌寒い…。
『おやおや、お嬢さん迷子かね?』
「へ…?ぁ、い、いえ大丈夫です。」
『そう遠慮せずともお友達の元へ連れて行って差し上げますよ。
やはり…こんな老いぼれは信用できませんかな…?』
「いえ、そんな。」
『では、手を。直ぐにお友達の場所へ連れて行って差し上げますからね。』
「ありがとうございます…。」
なんだか、流されてしまった…。でもこんな優しいお爺さんの言うことだ…。
きっとレクトとレアトの場所まで連れていってくれるはず…。
「あ、あの…すいません。
なんだか大通りから離れて言っているような気がするんですけど…」
人の声が遠くなっていく…。
『大通りはまだ人で溢れかえっていますからな…その大通りに小さなお嬢さんとこんなジジィが入ったらまたハグれてしまいますぞ。こちらの方が人も少なく
安全ですからな。』
「は、はぁ。」
『もうすぐ細道に入りますからな…
そこを抜けたらすぐお友達の場所へ着きますよ。』
「……。」
『ここは本当に静かで人も通りません。だからこんな風に人攫いがいても
誰も…気づきません。』
「え…?わっ!やだ!離して…っ!」
『人の子なんてまた珍しいものが迷い込んだものですな…。』
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