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第1話
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「汚ねぇ!コイツゲロ吐きやがった!」
「おぇっ…ぅう…」
「どーしてくれんだよ!服にテメェのゲロかかったんだけど?」
「ごめんな…さぃ…ごめんなさい…ぅ。」
僕は今いじめを受けています。
酷すぎるほどのいじめを…でも、助けてくれる人はいません。
担任は見て見ぬふりで…
まわりのみんな助けたら自分が危ないと知っているから助けてくれません。
親は数年前に事故で死んで…今はおばさんの所で生活させて
貰っています。でも、おばさんは僕に嫌がらせばかりします。
イライラした時におばさんは食べていたカップ麺を投げつけてきました。
機嫌がよくても僕が顔を出すと露骨に嫌そうな顔をします。
助けてくれる人なんていません。
なので、僕は今日死のうと思います。
ーー
明るい…。痛くない?
「っ!はぁ…はぁ…はぁ…。」
「うぉ!突然起き上がった。大丈夫か?お前。」
「…?わっ…!食べられるっ!」
「食べねぇよ。混乱してんのか?」
僕の目の前にいたのは虎…みたいな人?
いや、耳がある…。コスプレとかじゃなさそう…。
「人の子?獣人じゃぁ無さそうだな…。」
獣人…?なんなんだ…。
しかもどこだ、ここ…。森の中…でも日本じゃない。
「お前…名前は?」
「涼泉…海です。」
「スズミ…カイ。お前親は?」
「いないです。」
「とりあえずカイ家に来いよ。
色々混乱してるだろうし、休めるとこも必要だろ?」
「い、いえ、お邪魔になりますし…」
「ならない、ならない。安心しろ。食ったりもしねぇから
家に来て一晩でも泊まってけ、
この森今は安全だが、夜は何があるか分かんねぇからな」
「っ…。じゃあ一晩だけお邪魔します。」
「おう!ならここから3キロも走れば家だから。」
「さ、3キロも…?」
「ん?あぁ、カイは人の子だったか。なら背中に乗れすぐ着く。」
「えっ…。」
「ほら、乗れ。日が沈むのは早いぞ。」
「は、はい。」
ーーー。
「着いたぞ。」
「お、お邪魔します。」
広い…しかも家具がデカい…。身長デカいもんな…。僕小人なみじゃない…これ。
「おかえり。レクト。おや?そちらの小さな子は…。珍しい…人の子ですか。」
「あぁ。狩りに行って居たら道端で倒れてたんだ。一晩泊まらせてやることにしたから。」
「お邪魔します…。」
「ふふっ。では、2階の部屋を使って下さい。
家具は少し大きいかもしれませんが…。」
「お気遣いありがとう…ございます。」
「気にしないで下さい。あぁそうだ。自己紹介が送れました。
こちらがレクト。私はレアト、と言います。」
「涼泉海です。宜しくお願いします。」
「こちらこそ。」
「レアト…!腹減った。」
「では、早速ご飯にしますか。」
「頂きます。」カチャッ…
り、量が多い。これ全部…牛の肉?虎は肉食だけど…量がとにかく多いな…。
「……。」ŧ‹”ŧ‹”
「お、お口に合いませんでしたか?」
「い、いえ、その食事中に喋る習慣がなくて…。」
「そうなのか!?」
「…ウチだけだと思います。」
「なぁ、カイ。その…聞いていいのか分からないけど
お前両親いないって言ってたよな?どうやって生活してたんだ?」
「ぁ、叔母の家で。」
「お祖母様は厳しい方だったんですか?」
「厳しい…と言うか。暴力的でした。」
「おや、それは、すみません。答えずらいことを言わせてしまったようで…」
「いえ、大丈夫です。実は僕…自殺して死んだはずだったんです。
でも、起きたらここにいて…。」
「そりぁ、災難と言っていいのか…幸せと言っていいのかって感じだな。」
「最初は驚きましたけど…その、今は初めて普通に会話出来る相手
がいるだけで幸せです。」
「海さんは頑張ったんですね。」
「えっ…。」
僕は両親が死んでから褒められたことがなかった。久しく聞いた言葉。
「おい!レアト泣き出しちまったじゃねえか!」
「っ…うぅ。」
「!すいません。また私気に触るようなことを…。」
「ぐすっ…いえ、その嬉しくて…頑張ったって言ってもらえて…嬉しくて。」
そこから僕は2人に抱きしめられ余計に涙が溢れた。
暖かい。優しい。嬉しい。
そう思いながら泣いた…泣きつかれるくらい…。
「おやおや、寝てしまいましたか。」
「寝室運ぶか…。」
「レクト…流石に身体くらいは拭いてあげた方が良いのでは?」
「…そうだよな。んじゃあ、桶に湯入れてタオルも持ってきて。」
「はい。」
「よし。服脱がせるか…。よいしょっ………
って…アザだらけじゃねぇか。」
「持ってきましたよ。」
「レアト、こいつアザだらけなんだけど…殴られたって感じのアザだよな?」
「っ…薬も持ってきます。拭いてあげててください。」
ーー
「はぁ…酷かったな。ありゃ。」
レクトとレアトは海を寝室へ運んだ後酒を飲みながら海のことについて
話していた。
「あれは…酷いアザでしたね。古いものから新しいものまで…。
可哀想に…。」
「暫くは安静にさせといた方が良さそうだな。」
「えぇ。それに栄養失調です。
痩せすぎ…食への関心もあまりなさそうでしたし。」
「ありゃ、相当だろうな…。」
「全くです。」
「おぇっ…ぅう…」
「どーしてくれんだよ!服にテメェのゲロかかったんだけど?」
「ごめんな…さぃ…ごめんなさい…ぅ。」
僕は今いじめを受けています。
酷すぎるほどのいじめを…でも、助けてくれる人はいません。
担任は見て見ぬふりで…
まわりのみんな助けたら自分が危ないと知っているから助けてくれません。
親は数年前に事故で死んで…今はおばさんの所で生活させて
貰っています。でも、おばさんは僕に嫌がらせばかりします。
イライラした時におばさんは食べていたカップ麺を投げつけてきました。
機嫌がよくても僕が顔を出すと露骨に嫌そうな顔をします。
助けてくれる人なんていません。
なので、僕は今日死のうと思います。
ーー
明るい…。痛くない?
「っ!はぁ…はぁ…はぁ…。」
「うぉ!突然起き上がった。大丈夫か?お前。」
「…?わっ…!食べられるっ!」
「食べねぇよ。混乱してんのか?」
僕の目の前にいたのは虎…みたいな人?
いや、耳がある…。コスプレとかじゃなさそう…。
「人の子?獣人じゃぁ無さそうだな…。」
獣人…?なんなんだ…。
しかもどこだ、ここ…。森の中…でも日本じゃない。
「お前…名前は?」
「涼泉…海です。」
「スズミ…カイ。お前親は?」
「いないです。」
「とりあえずカイ家に来いよ。
色々混乱してるだろうし、休めるとこも必要だろ?」
「い、いえ、お邪魔になりますし…」
「ならない、ならない。安心しろ。食ったりもしねぇから
家に来て一晩でも泊まってけ、
この森今は安全だが、夜は何があるか分かんねぇからな」
「っ…。じゃあ一晩だけお邪魔します。」
「おう!ならここから3キロも走れば家だから。」
「さ、3キロも…?」
「ん?あぁ、カイは人の子だったか。なら背中に乗れすぐ着く。」
「えっ…。」
「ほら、乗れ。日が沈むのは早いぞ。」
「は、はい。」
ーーー。
「着いたぞ。」
「お、お邪魔します。」
広い…しかも家具がデカい…。身長デカいもんな…。僕小人なみじゃない…これ。
「おかえり。レクト。おや?そちらの小さな子は…。珍しい…人の子ですか。」
「あぁ。狩りに行って居たら道端で倒れてたんだ。一晩泊まらせてやることにしたから。」
「お邪魔します…。」
「ふふっ。では、2階の部屋を使って下さい。
家具は少し大きいかもしれませんが…。」
「お気遣いありがとう…ございます。」
「気にしないで下さい。あぁそうだ。自己紹介が送れました。
こちらがレクト。私はレアト、と言います。」
「涼泉海です。宜しくお願いします。」
「こちらこそ。」
「レアト…!腹減った。」
「では、早速ご飯にしますか。」
「頂きます。」カチャッ…
り、量が多い。これ全部…牛の肉?虎は肉食だけど…量がとにかく多いな…。
「……。」ŧ‹”ŧ‹”
「お、お口に合いませんでしたか?」
「い、いえ、その食事中に喋る習慣がなくて…。」
「そうなのか!?」
「…ウチだけだと思います。」
「なぁ、カイ。その…聞いていいのか分からないけど
お前両親いないって言ってたよな?どうやって生活してたんだ?」
「ぁ、叔母の家で。」
「お祖母様は厳しい方だったんですか?」
「厳しい…と言うか。暴力的でした。」
「おや、それは、すみません。答えずらいことを言わせてしまったようで…」
「いえ、大丈夫です。実は僕…自殺して死んだはずだったんです。
でも、起きたらここにいて…。」
「そりぁ、災難と言っていいのか…幸せと言っていいのかって感じだな。」
「最初は驚きましたけど…その、今は初めて普通に会話出来る相手
がいるだけで幸せです。」
「海さんは頑張ったんですね。」
「えっ…。」
僕は両親が死んでから褒められたことがなかった。久しく聞いた言葉。
「おい!レアト泣き出しちまったじゃねえか!」
「っ…うぅ。」
「!すいません。また私気に触るようなことを…。」
「ぐすっ…いえ、その嬉しくて…頑張ったって言ってもらえて…嬉しくて。」
そこから僕は2人に抱きしめられ余計に涙が溢れた。
暖かい。優しい。嬉しい。
そう思いながら泣いた…泣きつかれるくらい…。
「おやおや、寝てしまいましたか。」
「寝室運ぶか…。」
「レクト…流石に身体くらいは拭いてあげた方が良いのでは?」
「…そうだよな。んじゃあ、桶に湯入れてタオルも持ってきて。」
「はい。」
「よし。服脱がせるか…。よいしょっ………
って…アザだらけじゃねぇか。」
「持ってきましたよ。」
「レアト、こいつアザだらけなんだけど…殴られたって感じのアザだよな?」
「っ…薬も持ってきます。拭いてあげててください。」
ーー
「はぁ…酷かったな。ありゃ。」
レクトとレアトは海を寝室へ運んだ後酒を飲みながら海のことについて
話していた。
「あれは…酷いアザでしたね。古いものから新しいものまで…。
可哀想に…。」
「暫くは安静にさせといた方が良さそうだな。」
「えぇ。それに栄養失調です。
痩せすぎ…食への関心もあまりなさそうでしたし。」
「ありゃ、相当だろうな…。」
「全くです。」
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