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第3話
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会場に行く前、猫に言われた。
「ジュネ、君は君が思うよりとても高嶺の存在だと思うよ。」
あの言葉の意味は分からない。
けど俺は目の前で高額な値が上がっているのを知っている。
「1億っ!!」
「さぁ、1億が出ました!」
「1億5000!」
「2億っ!」
「おっとここで声がストップしました!2億で決まりでしょうか」
「5。」
静まった会場に1つの声が響いた。
「5億。」
「ぇ。」
俺の戸惑いの声は会場のざわめきに消されていった。
「で、では、5億で落札です!」
俺は会場から下ろされ外に出る準備がされていた。
「あ、猫。」
「やったね。ジュネ。次は僕…か。なんだか怖くなってきちゃった。」
猫は小刻みに震えながら会場に上がって行った。
すると、5分もしないうちに会場から降りてきて俺に抱きついてきた。
「ど…うしよう。ジュネ…。」
「猫?」
「ほら、何してるさっさと用意していくぞ!」
「猫!」
「ジュネ!」
猫とはすぐに引き離され俺は荷物を持って外に出た。
外に出るとさっきの男が車の中でタバコを吸っていた。
こちらに目をやり、俺の存在に気づくと火を消し降りてきた。
「こちらが商品でございます。」
「あぁ。」
「…。」
「ありがとうございました。また新しく迎えたくなりましたら、是非家を。」
俺を外まで連れてきた人は深深と頭を下げていた。
「おい。何をボサっと立っている。早く行くぞ。」
「ぁ。」
待たせていることに気づき、すぐ車に乗った。
車は約一時間ほど走り1つの屋敷に着いた。
「お帰りなさい!ニーナ!」
「ユン、その呼び方は辞めろ。」
「ごめんね?って何買ってきてんのさ!」
「獣人。」
「見たら分かるよ!…どうも。僕はユン。きみは?」
「ジュネ…。」
「そっか!よろしくね。ねぇ主君。この子のお世話係僕がやりたい。」
「別に構わないが…珍しいな。」
「うん!僕でも不思議に思うよ、」
「俺は部屋に戻っているから風呂と部屋。よろしくな。」
「うん!」
男はコツコツと音を立てながら部屋へと入っていった。
「ねぇ。きみ。ニーナにいくらで買われたの?」
「ぇ…。」
目つきが変わりユンは俺の事をじっと見ていた。
「早く。答えて。」
「ご、億。」
「5億…?」
「うん。」
「そう。分かった。お風呂行こっか」
目つきが元に戻りユンは俺を風呂へと案内した。
なんなんだろう…最初にユンを見た時も思ったけど、ニーナに偉く
固執しているような。
「ここがお風呂。基本的には朝と夜に使えるから」
「うん。」
「じゃ、荷物を君の部屋に置きに行ってくるから適当に入ってて。」
「はぁ…」
ユンが風呂場から出ていった後くたっとその場に座り込んだ。
全身の力が抜け少し震えている。
「お風呂…入らないと。ぁ…れ?」
「ジュネ、君は君が思うよりとても高嶺の存在だと思うよ。」
あの言葉の意味は分からない。
けど俺は目の前で高額な値が上がっているのを知っている。
「1億っ!!」
「さぁ、1億が出ました!」
「1億5000!」
「2億っ!」
「おっとここで声がストップしました!2億で決まりでしょうか」
「5。」
静まった会場に1つの声が響いた。
「5億。」
「ぇ。」
俺の戸惑いの声は会場のざわめきに消されていった。
「で、では、5億で落札です!」
俺は会場から下ろされ外に出る準備がされていた。
「あ、猫。」
「やったね。ジュネ。次は僕…か。なんだか怖くなってきちゃった。」
猫は小刻みに震えながら会場に上がって行った。
すると、5分もしないうちに会場から降りてきて俺に抱きついてきた。
「ど…うしよう。ジュネ…。」
「猫?」
「ほら、何してるさっさと用意していくぞ!」
「猫!」
「ジュネ!」
猫とはすぐに引き離され俺は荷物を持って外に出た。
外に出るとさっきの男が車の中でタバコを吸っていた。
こちらに目をやり、俺の存在に気づくと火を消し降りてきた。
「こちらが商品でございます。」
「あぁ。」
「…。」
「ありがとうございました。また新しく迎えたくなりましたら、是非家を。」
俺を外まで連れてきた人は深深と頭を下げていた。
「おい。何をボサっと立っている。早く行くぞ。」
「ぁ。」
待たせていることに気づき、すぐ車に乗った。
車は約一時間ほど走り1つの屋敷に着いた。
「お帰りなさい!ニーナ!」
「ユン、その呼び方は辞めろ。」
「ごめんね?って何買ってきてんのさ!」
「獣人。」
「見たら分かるよ!…どうも。僕はユン。きみは?」
「ジュネ…。」
「そっか!よろしくね。ねぇ主君。この子のお世話係僕がやりたい。」
「別に構わないが…珍しいな。」
「うん!僕でも不思議に思うよ、」
「俺は部屋に戻っているから風呂と部屋。よろしくな。」
「うん!」
男はコツコツと音を立てながら部屋へと入っていった。
「ねぇ。きみ。ニーナにいくらで買われたの?」
「ぇ…。」
目つきが変わりユンは俺の事をじっと見ていた。
「早く。答えて。」
「ご、億。」
「5億…?」
「うん。」
「そう。分かった。お風呂行こっか」
目つきが元に戻りユンは俺を風呂へと案内した。
なんなんだろう…最初にユンを見た時も思ったけど、ニーナに偉く
固執しているような。
「ここがお風呂。基本的には朝と夜に使えるから」
「うん。」
「じゃ、荷物を君の部屋に置きに行ってくるから適当に入ってて。」
「はぁ…」
ユンが風呂場から出ていった後くたっとその場に座り込んだ。
全身の力が抜け少し震えている。
「お風呂…入らないと。ぁ…れ?」
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