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第2話
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そして冒頭に繋がる。
同じ牢屋の中に入っている人達は前からいるのか
平然と俺が来たのを見つめている。
俺は恐怖と戸惑いがあったがそんなことを考える暇があるなら
すぐにでも家に帰りたかった。
「あ…の、」
俺が声をかけると1人の男の子
ふっとこちらに目線を寄越し首を横に振った。
「家に帰るなんて諦めた方がいいよ。」
「ぇ…」
「俺たちは君が来る2日前に来たけどずっとこの状態。」
「…。」
俺は言葉に詰まった。
「でも、もしかしたら、人が来る可能性は…。」
「あると思うよ。きっと僕達、オークション会場用だから。」
「オークション…って。」
「そう。人身売買。それに君オメガでしょ?」
「そうだけど…なんで。」
「ここにいる俺達もそうなの。だからオメガを見つけて攫って売る。
さらにその中でも獣人は珍しいからね」
「………。」
「ま、今は色々考えずに待った方が良い。」
俺は壁に背をつけストンと座り込み時が過ぎるのを待った。
気づいたら俺は床に転がり寝ていた。
「おはよう。」
「おはよう。ってあれ、人が。」
「うん。人が来てここに居た子達を連れていった。あの子達は人間だったから
先に売買されたんでしょ。」
「残る俺たちは獣人…。」
「高い値が着くだろうね。」
「怖くないん?」
「怖くはない。なんならラッキーとまで思ってるよ。
僕の家はクズの親父しか居なくて…ね。」
「そっか。あ、そうだ名前教えてよ。」
「名前?」
「うん。ここでた時にさ、また会えたら呼びたいじゃん。」
「ははっ、無事に生きてればね。」
「っ!」
「そんな怯えなくったって僕達は臓器を売るより生きたままの方が
高いんだから、死なないよ。」
「そっか…。」
「猫。」
「猫。異国の人だったんだ。」
「そうだよ。名前だけね。生まれてから育ったのはここ。」
「そうなんだ。」
「きみは?」
「ジュネ。」
「ジュネか。ふふっ。良いね。こうして名前を呼び会うのは。」
「うんっ!」
そうして猫と楽しく会話をしていると一人の男が牢屋前に姿を現した。
「ほら、お前達。やっと出番だ。出てこい。」
「っ、」
俺はその男が差し出す手が怖くて仕方がなかった。
「ぁ、猫!」
「ん?早く行こ。」
猫は平然と男の手を取り牢屋の外に出た。
俺もその後を追うようにして牢屋から出た。
「今お前たちが身につけているその服は捨てろよ。」
「はい。」
「…。」
俺は黙っていることしか出来なかった。これから来る恐怖に足がもつれそうだ。
「ここで服を脱いで待っていろ。体の汚れはこのタオルで拭いておけよ。」
「猫…。」
「不安?」
「うん。」
「まぁ、今ここで考えても仕方がないよ。
ここで買ってもらえれば外に行ける。その時に考えないと。」
「そうだね」
俺たちが服を脱ぎ、体を拭き終わる頃再び呼ばれ次にはオークション会場に
姿を現していた。
同じ牢屋の中に入っている人達は前からいるのか
平然と俺が来たのを見つめている。
俺は恐怖と戸惑いがあったがそんなことを考える暇があるなら
すぐにでも家に帰りたかった。
「あ…の、」
俺が声をかけると1人の男の子
ふっとこちらに目線を寄越し首を横に振った。
「家に帰るなんて諦めた方がいいよ。」
「ぇ…」
「俺たちは君が来る2日前に来たけどずっとこの状態。」
「…。」
俺は言葉に詰まった。
「でも、もしかしたら、人が来る可能性は…。」
「あると思うよ。きっと僕達、オークション会場用だから。」
「オークション…って。」
「そう。人身売買。それに君オメガでしょ?」
「そうだけど…なんで。」
「ここにいる俺達もそうなの。だからオメガを見つけて攫って売る。
さらにその中でも獣人は珍しいからね」
「………。」
「ま、今は色々考えずに待った方が良い。」
俺は壁に背をつけストンと座り込み時が過ぎるのを待った。
気づいたら俺は床に転がり寝ていた。
「おはよう。」
「おはよう。ってあれ、人が。」
「うん。人が来てここに居た子達を連れていった。あの子達は人間だったから
先に売買されたんでしょ。」
「残る俺たちは獣人…。」
「高い値が着くだろうね。」
「怖くないん?」
「怖くはない。なんならラッキーとまで思ってるよ。
僕の家はクズの親父しか居なくて…ね。」
「そっか。あ、そうだ名前教えてよ。」
「名前?」
「うん。ここでた時にさ、また会えたら呼びたいじゃん。」
「ははっ、無事に生きてればね。」
「っ!」
「そんな怯えなくったって僕達は臓器を売るより生きたままの方が
高いんだから、死なないよ。」
「そっか…。」
「猫。」
「猫。異国の人だったんだ。」
「そうだよ。名前だけね。生まれてから育ったのはここ。」
「そうなんだ。」
「きみは?」
「ジュネ。」
「ジュネか。ふふっ。良いね。こうして名前を呼び会うのは。」
「うんっ!」
そうして猫と楽しく会話をしていると一人の男が牢屋前に姿を現した。
「ほら、お前達。やっと出番だ。出てこい。」
「っ、」
俺はその男が差し出す手が怖くて仕方がなかった。
「ぁ、猫!」
「ん?早く行こ。」
猫は平然と男の手を取り牢屋の外に出た。
俺もその後を追うようにして牢屋から出た。
「今お前たちが身につけているその服は捨てろよ。」
「はい。」
「…。」
俺は黙っていることしか出来なかった。これから来る恐怖に足がもつれそうだ。
「ここで服を脱いで待っていろ。体の汚れはこのタオルで拭いておけよ。」
「猫…。」
「不安?」
「うん。」
「まぁ、今ここで考えても仕方がないよ。
ここで買ってもらえれば外に行ける。その時に考えないと。」
「そうだね」
俺たちが服を脱ぎ、体を拭き終わる頃再び呼ばれ次にはオークション会場に
姿を現していた。
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