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祭
少年は思い込みを解いた(絵有)
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聖堂前の広場には、多くの家族連れが居た。祭の出し物に飽きてきて、今日は武術大会もないから、昨日までより多くの人が集まっているようだった。
こんな中で歌うなんて嫌だなと思ったけど、約束してしまった事は仕方がない。いつ歌い始めるのかと気にしてか、トールがそわそわしている。リンドがあまり構ってもらえなくて不満そうだ。
わざとゆっくり弦の調整をしていたら、にこにこしたアイラスが隣に座った。
「それを奏でて歌うのは、久しぶりだネ」
「そういえば、そうだね。最近いろんな事があったから」
先月討伐戦に参加して、戻ってからしばらく廃人だったらしいし、意識を取り戻したら叙勲式が行われ、その後二人が立て続けに風邪をひいた。それが先週の事だ。
風邪をひく前の夜を思い出して、手が止まった。あの時アイラスはロムの事が好きだと言っていた。でも彼女には、そういった素振りが全く見られない。寝たふりをしているうちにそのまま寝てしまって、その時に見た夢だったのかもしれないと思い始めていた。
——アイラスが、好きだ。
それはロムの中で、すでに否定のしようがない事実だった。だから、願望を夢に見ただけなのだと思う。現実だったら、どんなにかいいのに。
その想いは到底口に出せそうになかった。言ったところで、彼女を困らせるだけだし、幸せにする自信もない。もう少し大人になったら、自分に自信を持てるようになるんだろうか。今は全く想像ができなかった。
もたもたしていて、他の人に取られたらどうしよう。
例えば——ザラムとかに。
一瞬頭に浮かんだイメージをあわてて打ち消したが、不安は消えなかった。ザラムに手を握られて、顔を赤くしたアイラスを思い出して、ますます重苦しい気持ちになった。
ザラムは少なくとも自分よりは落ち着いていて、歳の割に大人だと思う。苛立ちをぶつけても機嫌を損ねたりせず、冷静な反応が返ってくる。そのことにより、自分だけがますます苛立っていた。
それに彼は外見も良い。肌は透けるように白く、髪はアイラスと同じ漆黒で、とても美しい。対して自分の髪は日に焼けたような薄い色で、あまり綺麗だとは思えなかった。
ザラムは顔立ちも整っていて、自分の顔には醜い傷痕がある。無意識に、右目のそれに触れた。
「今朝も触ってたよネ。痛むノ?」
アイラスの声に、我に返った。最近よく考え込んでしまう。
「そんな事ないよ。ちょっと、気になっただけ」
「その傷痕って……」
アイラスが傷痕の事を話題にするのは初めてだった。やっぱり嫌なんだろうか。
「かっこいいよネ!」
「え……?」
「男らしいって感じがするヨ。すごく、かっこいい」
想定と真逆の言葉をかけられて、ロムは面食らった。裏表のない笑顔は疑う余地がなかったが、内容が内容だけに信じられなかった。
「え……え?」
「ロムは、その傷痕が嫌なノ?」
「う、ん……醜いかなって、思って……」
「えー? それは無いヨ。私は好きだな。それも含めて、ロムって感じがする」
それは、自分の嫌な部分も認めてくれているような気がした。
アイラスはいつもそうだ。悪い部分を否定しない。自分は自分のままでいいんだと思わせてくれる。
もちろん直せるところは直した方がいい。でもこの傷痕のように、直せない部分まで気にしなくていいと教えてくれる。それを嫌悪する必要はないのだと。
「ありがとう。嘘でも嬉しい」
「嘘じゃないヨー!」
別に疑っているわけではない。自分では、やっぱり醜いと思う。ただ、アイラスはそう思っていないとわかった。他の誰にどう思われようと彼女が嫌っていないなら、もう気にしないようにしようと思った。
「まだ歌わんのか?」
「あ、ごめん」
トールがしびれを切らして話しかけてきた。弦の調整はとっくに終わっていた。これ以上は伸ばせないと思い、諦めて歌い始めた。
広場の端に座っていたが、遮るものがない屋外では、ロムの歌声は広場の隅々まで響き渡った。
リンドがハーモニーを合わせてきた。高く美しい、鈴のような声だった。意外な特技を知って驚いた。いや、元が鳥なのだから、意外でもないだろうか。
人々が動きを止め、こちらを注目している。しなくていいんだけど。
その中にホークの姿を見つけ、ロムはうんざりした。一曲終えると、ホークは引率している子供達を引き連れてロムに近づいてきた。
「こんな人が多いところで歌うなんて、珍しいね。度胸が据わってきたかな?」
「そんなんじゃないです。ザラムに頼まれて……。こんなに人が多いとわかってたら、断ってました」
「周り、関係ない。歌え」
「もう歌わない。一曲歌ったんだから約束は守っただろ」
「ザラムはロムと同じシンの出身だったね? 知り合いだったのかい?」
「俺は知らなかったけど、ザラムは俺の事知ってたみたいです」
「それは歌で? 仕事で?」
「両方」
「ほう……」
「何か気にある事があるんですか?」
「いや、何でもないよ。邪魔をしたね」
ホーク達が立ち去り、リンドがトールの手を引いて遊具の方へ行き、アイラスがそれを追いかけて行った。
ザラムと二人になったので、ホークの疑問が気になって聞いてみた。
「ザラムは、なんで俺の事……俺の歌を知ってたの? どこで会った?」
「オレ、戦、手伝ってた」
当時シンは内戦で、東西に分かれて戦をしていた。どちらにも多くの魔法使いが雇われ、戦は魔法に頼るものになっていた。ロムを含む『人狼』は戦場では役に立たないので、魔法使いの暗殺を命じられていた。ロムも多くの魔法使いを殺した。
「どっちに居たの? 俺は西だったけど」
「東」
「じゃあ、俺はザラムを殺してたかもしれないのか……」
「逆。ロム、殺すよう、頼まれた」
「暗殺? 俺と同じだね」
「その時、歌、聴いた」
暗殺なら、夜の可能性が高い。夜に歌うなら、母に対して聴かせていた時に違いない。
「……歌の後、見た?」
「見えない」
「あ、ああ、そうだよね。じゃあ……」
「声、聞いた」
行為の声を聞いたのか。思い出すと、寒気がして身体が震えた。
「ロム、泣いてた」
「え……」
「今、笑ってる。良い」
またザラムが大人びた表情で笑った。それでやっと、彼は決してバカにしているわけじゃないと気が付いた。過去のロムを知っていたから、今の様子を見て喜んでくれたのだとわかった。それを自分は、歪んだ目で見てしまっていた。
「ごめん……」
「謝る、オレの方。あの時、助け、られなかった」
「殺しに来た相手を助けるとか、無理でしょ。しかも敵地で……」
「でも、良くない」
「うん、ありがとう……」
「礼、なぜ?」
「うん……」
ザラムは訳がわからないという顔をした。でもその意味を正確に伝えるのは照れ臭かった。
「明日、手、抜くな?」
すっかり意気消沈してしまった自分を心配していた。だから顔を上げて、強く言った。
「わかってるよ」
今日、ザラムと話ができて良かった。明日はきっと、迷いのない気持ちで戦える。
こんな中で歌うなんて嫌だなと思ったけど、約束してしまった事は仕方がない。いつ歌い始めるのかと気にしてか、トールがそわそわしている。リンドがあまり構ってもらえなくて不満そうだ。
わざとゆっくり弦の調整をしていたら、にこにこしたアイラスが隣に座った。
「それを奏でて歌うのは、久しぶりだネ」
「そういえば、そうだね。最近いろんな事があったから」
先月討伐戦に参加して、戻ってからしばらく廃人だったらしいし、意識を取り戻したら叙勲式が行われ、その後二人が立て続けに風邪をひいた。それが先週の事だ。
風邪をひく前の夜を思い出して、手が止まった。あの時アイラスはロムの事が好きだと言っていた。でも彼女には、そういった素振りが全く見られない。寝たふりをしているうちにそのまま寝てしまって、その時に見た夢だったのかもしれないと思い始めていた。
——アイラスが、好きだ。
それはロムの中で、すでに否定のしようがない事実だった。だから、願望を夢に見ただけなのだと思う。現実だったら、どんなにかいいのに。
その想いは到底口に出せそうになかった。言ったところで、彼女を困らせるだけだし、幸せにする自信もない。もう少し大人になったら、自分に自信を持てるようになるんだろうか。今は全く想像ができなかった。
もたもたしていて、他の人に取られたらどうしよう。
例えば——ザラムとかに。
一瞬頭に浮かんだイメージをあわてて打ち消したが、不安は消えなかった。ザラムに手を握られて、顔を赤くしたアイラスを思い出して、ますます重苦しい気持ちになった。
ザラムは少なくとも自分よりは落ち着いていて、歳の割に大人だと思う。苛立ちをぶつけても機嫌を損ねたりせず、冷静な反応が返ってくる。そのことにより、自分だけがますます苛立っていた。
それに彼は外見も良い。肌は透けるように白く、髪はアイラスと同じ漆黒で、とても美しい。対して自分の髪は日に焼けたような薄い色で、あまり綺麗だとは思えなかった。
ザラムは顔立ちも整っていて、自分の顔には醜い傷痕がある。無意識に、右目のそれに触れた。
「今朝も触ってたよネ。痛むノ?」
アイラスの声に、我に返った。最近よく考え込んでしまう。
「そんな事ないよ。ちょっと、気になっただけ」
「その傷痕って……」
アイラスが傷痕の事を話題にするのは初めてだった。やっぱり嫌なんだろうか。
「かっこいいよネ!」
「え……?」
「男らしいって感じがするヨ。すごく、かっこいい」
想定と真逆の言葉をかけられて、ロムは面食らった。裏表のない笑顔は疑う余地がなかったが、内容が内容だけに信じられなかった。
「え……え?」
「ロムは、その傷痕が嫌なノ?」
「う、ん……醜いかなって、思って……」
「えー? それは無いヨ。私は好きだな。それも含めて、ロムって感じがする」
それは、自分の嫌な部分も認めてくれているような気がした。
アイラスはいつもそうだ。悪い部分を否定しない。自分は自分のままでいいんだと思わせてくれる。
もちろん直せるところは直した方がいい。でもこの傷痕のように、直せない部分まで気にしなくていいと教えてくれる。それを嫌悪する必要はないのだと。
「ありがとう。嘘でも嬉しい」
「嘘じゃないヨー!」
別に疑っているわけではない。自分では、やっぱり醜いと思う。ただ、アイラスはそう思っていないとわかった。他の誰にどう思われようと彼女が嫌っていないなら、もう気にしないようにしようと思った。
「まだ歌わんのか?」
「あ、ごめん」
トールがしびれを切らして話しかけてきた。弦の調整はとっくに終わっていた。これ以上は伸ばせないと思い、諦めて歌い始めた。
広場の端に座っていたが、遮るものがない屋外では、ロムの歌声は広場の隅々まで響き渡った。
リンドがハーモニーを合わせてきた。高く美しい、鈴のような声だった。意外な特技を知って驚いた。いや、元が鳥なのだから、意外でもないだろうか。
人々が動きを止め、こちらを注目している。しなくていいんだけど。
その中にホークの姿を見つけ、ロムはうんざりした。一曲終えると、ホークは引率している子供達を引き連れてロムに近づいてきた。
「こんな人が多いところで歌うなんて、珍しいね。度胸が据わってきたかな?」
「そんなんじゃないです。ザラムに頼まれて……。こんなに人が多いとわかってたら、断ってました」
「周り、関係ない。歌え」
「もう歌わない。一曲歌ったんだから約束は守っただろ」
「ザラムはロムと同じシンの出身だったね? 知り合いだったのかい?」
「俺は知らなかったけど、ザラムは俺の事知ってたみたいです」
「それは歌で? 仕事で?」
「両方」
「ほう……」
「何か気にある事があるんですか?」
「いや、何でもないよ。邪魔をしたね」
ホーク達が立ち去り、リンドがトールの手を引いて遊具の方へ行き、アイラスがそれを追いかけて行った。
ザラムと二人になったので、ホークの疑問が気になって聞いてみた。
「ザラムは、なんで俺の事……俺の歌を知ってたの? どこで会った?」
「オレ、戦、手伝ってた」
当時シンは内戦で、東西に分かれて戦をしていた。どちらにも多くの魔法使いが雇われ、戦は魔法に頼るものになっていた。ロムを含む『人狼』は戦場では役に立たないので、魔法使いの暗殺を命じられていた。ロムも多くの魔法使いを殺した。
「どっちに居たの? 俺は西だったけど」
「東」
「じゃあ、俺はザラムを殺してたかもしれないのか……」
「逆。ロム、殺すよう、頼まれた」
「暗殺? 俺と同じだね」
「その時、歌、聴いた」
暗殺なら、夜の可能性が高い。夜に歌うなら、母に対して聴かせていた時に違いない。
「……歌の後、見た?」
「見えない」
「あ、ああ、そうだよね。じゃあ……」
「声、聞いた」
行為の声を聞いたのか。思い出すと、寒気がして身体が震えた。
「ロム、泣いてた」
「え……」
「今、笑ってる。良い」
またザラムが大人びた表情で笑った。それでやっと、彼は決してバカにしているわけじゃないと気が付いた。過去のロムを知っていたから、今の様子を見て喜んでくれたのだとわかった。それを自分は、歪んだ目で見てしまっていた。
「ごめん……」
「謝る、オレの方。あの時、助け、られなかった」
「殺しに来た相手を助けるとか、無理でしょ。しかも敵地で……」
「でも、良くない」
「うん、ありがとう……」
「礼、なぜ?」
「うん……」
ザラムは訳がわからないという顔をした。でもその意味を正確に伝えるのは照れ臭かった。
「明日、手、抜くな?」
すっかり意気消沈してしまった自分を心配していた。だから顔を上げて、強く言った。
「わかってるよ」
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2021/8/21 改めて投稿し直しました。
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