転生場所は嫌われ所

あぎ

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千鶴の全て

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『千鶴の全て』


「千鶴、飲み行こうよ」

長年の付き合いである友人から、そう、メールが届く。
この友人はもうすぐ結婚、祝伝をあげる

「す、ま、な、い、が、い、け、な、い、っと、、。」

俺の名前は松岡千鶴。19歳。ブラックな会社にかれこれ2年間は務めている

成人式を数ヵ月後に待ち望む、ただの一般男性だ。世間では無くなってしまったと言われる『ホワイトルーム現象』を再度実行するプロジェクトが開始され、俺たちはその尻拭いの日々。

ブラックとはいえ、週休はあるので、まだホワイトに近い、グレーな会社だ。

「ホワイトルーム現象、、、か。」

そんなことを呟くと、ピコン!っと音が鳴る。ケータイを開くと

「まぁ、千鶴も忙しいよな、、ごめんな!ほかのやつ誘うわ!」

ごめん、と絵文字まで着いて、ほんと、優しいやつだ

確かこの友人には可愛らしい弟がいたはず。確か、二つ下の。
この友人とは幼なじみだったので、弟くんとも沢山喋った
可愛い子で、いい子で、懐いてくれていた。

「可愛いあの子に会いたいなぁ」

軽口を叩きながら早く帰れるのを楽しみに、ルンルンと歩いていた
でも、白く眩い光が俺の目を指す
そして、助けて、という声すら聞こえる

「、、、ホワイトルーム現象、、ってか?!」

声のする方に走ると、そこに居たのは、友人の、、

「ちずる、、くん、たすけ、、て、」

弟だったんだ







彼を引きずる白い光を俺は退治してやると、蹴ったりしたが、意味なんてなかった

「大丈夫か?智樹くん!大丈夫、俺が助けるからっ、、!」

友人の弟、基智樹君は痛いんだ、痛いんだよ、、、と泣いている

引っ張ろう、と、腕を出して!と言うと、彼は素直に腕を出す

「ふんぬぅ!!!」

俺は力いっぱい引っ張ると、彼はスポンっと白い光から抜けた。、、、と思った

「千鶴くん!ありがと、、、!」

うん、と言いかけた途端、俺は、吸い込まれた。それを何故か追うように智樹くんも、一緒に吸い込まれた


それは、ホワイトルーム現象はみたかったけど、こういうことじゃ、無い。


ああ、成人式で友人と写真を撮りたかったのに
なんで、運命は俺に厳しいんだよ。

もう、消えたい
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