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14 本命チョコあげる相手いないだけでこんな扱いか
しおりを挟む「バレンタイン?」
「あら、雅ちゃん知りませんの?」
いや、さすがにその意味は知ってるよ。そっかそっか。もうそんな時期か。
私に甘いお兄様もお父様もことあるごとに様々なスイーツを買ってくる。
最近ではご自分も食べたいのか2人分。その度自分の分はないのかと言い争っている。何でも私と2人で楽しみたいんですって。……家族にモテてもなあ。
結局私が半分あげると言うと、それは雅に悪いからと渋々もう一方を2人で分けている。……初めから3人分買ってくればいいのに。
そんなこんなで、私の家には常にお菓子が転がっている。チョコレートだってその例外じゃない。
そういえば、去年も一昨年もこの時期やたらチョコレート菓子が多かった気がする。お兄様もチョコレートをたくさん貰っていたし。……ん? お兄様麗氷男子だから男子校ですよね? まさか殿方から? いやいや、普通に麗氷や麗氷女子の子に貰ったんだろうな。大人気じゃないですかお兄様。さすが私のお兄様。
「……わたしも、誰かにあげたいなぁ」
思わず本音がこぼれる。1人称がわたくしからわたしになってしまったことに自分では気づけないくらいには無意識だった。
「えっ!? わたくし達にはくれませんの!?」
「私はあげるよ、雅と桜子に」
「……ふ、2人ともっ!」
う、嬉しい。どうやら私の発言を勘違いしたらしい2人は落ち込んだり拗ねたりしている。可愛いなあ。うちのクラスでもダントツこの2人が可愛い気がする。友達っていう贔屓目を抜いても普通に美少女だし。
「両親にお兄様、赤也に桜子ちゃんに葵ちゃんには渡すつもりですわ! ……だけど、本命で渡す相手はいませんの。せっかくなら家族以外の殿方に渡してみたいものですが」
そう、最初から2人には渡す気だったのだ。むしろ渡す気満々だったよ? でもそうじゃないんだ。私が言ってるのは本命チョコのことだ。
もうこの際好きな人じゃなくていいからさ、男の子にチョコを渡したという事実だけでも欲しい! なんか青春してるって感じがしてとっても素敵だもの! イベント好きとしては、乗っかるなら全力で乗っかって行きたい!
「赤也くんは?」
「赤也は弟ですもの。家族だからノーカンですわ」
葵ちゃんに可哀想なものを見る目で見られた。え、なんでよ。ちょっ、桜子ちゃんまでお可哀想に……なんて言わないでよ。
本命チョコあげる相手いないだけでこんな扱いか。2人ともひどいわ。
めちゃくちゃ惨めだ。どうやら2人は本命がいるらしい。葵ちゃんは、多分白川くんだろうな。桜子ちゃんまで本命いたなんて初耳だぞ! 相手は誰ですの! しつこく尋ねたら雅ちゃんですよって誤魔化された。くすん。言ってくれたっていいじゃないか。私達友達でしょ?
「立花チョコ渡す相手いないの?」
「ええ、そうなんですの」
「じゃあ俺にちょうだいよ」
「……えぇ!?」
前の席の前野くんんん! ほ、本気ですか! 私の本命チョコが欲しいんですか! 嬉しいけど、は、恥ずかしいなあ。えへへ。
「俺チョコ好きだし、義理でいいからちょうだいよ」
で、ですよね~! そういえば前野くんってそういう人だった。男女ともにフランクで、他意はない。フラグクラッシャーですわね。……ただのチョコ目当てか。一瞬でもときめいた自分が恥ずかしい。
「わかりましたわ! 友チョコですけど、気持ち的には本命に渡すつもりで選びますわね」
前野くんは他にも声をかけていた。よっぽどチョコが好きなんだな。いっそ清々しいよ。
まあこれで私もさ、チョコ買う時に本命ですかって聞かれた時に、ええ、まあって言っても嘘にはならないよね。
赤也とかお兄様だけだと家族にあげるだけなのに見栄張っちゃったって恥ずかしくなるけど、家族以外にも男の子にあげるんだって思うと全然気持ちが違うよ。チョコが食べたい男の子と見栄っ張りな女の子。これぞ需要と供給! あ~、バレンタインが楽しみ!
「立花さんチョコ渡す相手いないんだって~?」
「……西門くん」
何でそれをあなたが。そう尋ねる前に、西門黄泉に「オレの情報網をなめないでよね~」と言われた。
軽く教室を見回すとサッと顔を背けた人が数人いた。おそらく彼らだ。おい、いくら西門黄泉に頼まれたからって、クラスメイトを売るなよ!
「さっみし~ねぇ」
いや、もう寂しくないし。前野くんという救世主のおかげで私だって渡す相手出来たし。そりゃ、西門黄泉はきっと山ほどチョコレートを女の子達から貰うんだろうけどさ。
「……なんですか? わたくしを嘲笑いに来たんですか?」
「『あざわらう』? よくわかんないけど可哀想な子だなあって」
むっかぁ~! さすがにカチンときた! 大体黄泉に関係ないじゃないか。さっさと用件を言って帰ってくれ。しっしっ。
「で、今日は何のご用ですか?」
「今日はねぇ、国語の教科書~」
西門黄泉は非常にめんどくさい男だ。
毎日何かしら忘れ物をしては私に借りに来る。それこそ最初は断っていたのだが、教科書も貸してくれないなんて冷たい人だと喚き散らされたので、今では抵抗せずに貸している。
黄泉の戯言を本気にして私が冷たい人間だと思われたら一体どう責任をとってくれるんだ。とは決して本人には言わないけど。だってどうせ婚約してあげるよって返事が返ってくるし。怖いよ。婚約を迫ってくる小学生。
「あとね、チョコの予約でもしとこうかなぁって」
「は?」
何言ってんだこの男は。思わず私も口をあんぐり開けっぱなしにしてしまったよ。
「……西門くんって案外モテませんのね。バレンタインにご自分でチョコレートを予約するだなんて」
私に可哀想とかさんざん言っておいて、自分の方が可哀想な子じゃないか。ぷぷっ。
「ちっがーうっ! キミに!」
「……わたくしに? わたくしショコラティエではありませんけど」
「だからぁ~、キミの! 本命チョコの! 予約! ……いちいち言わせないでよ!」
「……えええぇぇぇ」
「何でちょっと引き気味なの」
そりゃ引くでしょ。さっきまで可哀想だって言っていた相手に本命チョコを強請るなんて。どういう神経してるんだ? というか、好きでもない人からチョコ貰って嬉しいか?
「いや、別に同情なら結構ですから。前野くんに渡しますし」
「前野? いや、誰だよ」
「あら、知りません? わたくしの前の席の前野くんですわ」
「いや、知らないし! オレらクラス違うし! このオレにチョコレートちょうだいって言われてるのに何で全然嬉しそうじゃないの! むしろ迷惑そうなの!」
「……いや、普通の反応ですよ」
今1番可哀想なのは前野くんだ。黄泉には知らないとか言われるし。うちのクラスでは人気者だけど、学年全体では認知度低いみたいね。頑張れ前野くん。私は応援してるよ。
「もういいっ! 立花さんに意地悪されたって花ちゃんおじ様に言いつけてやる!」
「……ちょっ、お父様を持ち出すのは卑怯ですわ!」
そんなことされたら絶対お母様に怒られるっ! せっかくのチャンスを無駄にするなとか、お母様の言いそうなことだ。
お母様のことは大好きだけど、未だに私の恋愛結婚には反対しているから、黄泉と関わりがあるとか余計なことは知られたくない。
それにお父様にもチョコの1つや2つあげようよってたしなめられる! それはめちゃくちゃめんどくさい!
「ふーんだっ! もうしーらないっ!」
どうやら西門黄泉はご立腹のようだ。仕方ないなあ、もう!
「……ああ、もう。わかりましたよ。義理でいいならあげますわ」
「義理? 本命の間違いでしょ」
「それはありえませんし、わたくし別に友達でもありませんから、友チョコでもないですしね。うん、義理ですわね」
「え、友達じゃないの?」
今度は黄泉が口をあんぐり開ける番だった。え、私何かおかしなこと言った?
「? ええ、まあ知り合い程度の仲ですわね」
むしろいいように利用されて、一方的に搾取されてるからね。知り合い以下かも。パシリのがまだ近いな。本当に不本意だけど。
「キミってさぁ、オレの気を引きたくて素っ気ないのかと思ってたけど……まさか本気でオレに興味ない?」
本当、さっきから何言ってんだこの男は。随分とポジティブだなあ。私好きな人にはもっと優しいからね? こんだけ興味ないって態度に示してるのに、約半年間全く伝わってなかったのか! びっくりだよ!
***
さっそく買いに行こうと思ったら、私1人じゃ心配だから赤也が付いてきてくれるらしい。ちゃんとお付きの人がいるから平気なんだけどな。
赤也が手を引っ張ってくれるのがなんだか可愛かったから、まあいいか!
バレンタインの成り行きを赤也に話したら苦笑いされてしまった。見栄っ張りな姉でごめんよ。赤也にもちゃんとチョコあげるから許しておくれ。
「赤也はどんなチョコ欲しい?」
「何でもいいよ」
それが1番困るんだよな~。
お兄様もお父様も、前野くんもみんなそう言う。気を遣って言ってくれてるんだろうけど、むしろ具体的に言ってくれた方がこちらとしてはありがたいんだよなぁ。黄泉にはついでだからみんなと同じでいいかなって思って聞かなかった。
「本当に何でもいいんだよ。姉さんがくれる物なら何でも」
我が弟ながら、優しいなぁー! 弟じゃなかったら、絶対赤也のこと好きになってたよ。最近こういうところお兄様に似てきたんじゃないかしら。
でもそれじゃあ結局何がいいかわからないんだよな~。
「そうだな……強いて言うなら──」
私が少し困った顔をしたら、ちゃんと案を出してくれた。やっぱり赤也は優しい。そういうところ好きだなあ。
思ったよりも混んでいたせいで赤也とはぐれてしまった。互いにお付きの人とははぐれていないのでチョコを買う分には不自由を感じないけれど。
連絡したところ、赤也はこの人混みを抜けることに成功したようだ。私は未だに1番混雑したお店の前でもみくちゃにされている。
「こっちですわ」
「え、うわぁ!」
グイグイと手を引っ張られなんとか脱出することが出来た。少し強引だったけど、おかげで新鮮な空気を吸える。正直人に揉まれすぎて気持ち悪くなりそうだったんだ。
「ありがとう……ござい、ます」
「いえ、わたくしこそごめんなさい。困ってそうに見えたから、つい」
思わず息をのんだ。今まで出会った同じ年頃の子の中で、ダントツに可愛い。美の女神アフロディーテも地団駄をふみそうなくらい圧倒的な可愛さ。
はにかむ顔をこれまた愛らしい。思わず立ちくらみを起こしそうになる。可愛すぎるとそれだけで強い力になる。可愛さの暴力。今まさにボコボコにされてます私。
「大丈夫ですか?」
「ちょっと人混みに酔ってしまったみたいで……」
さすがにあなたの美しさにあてられたなんて言えない。初対面でこんな美少女に変な人だと思われるのは辛い。とても辛い。彼女はお兄さんとここに来ていて、この人混みのせいではぐれてしまったらしい。
「どなたか大切な方に渡されるんですか?」
「ええ、まあ」
さっそく聞かれた時にスマートに返事が出来たよ。ありがとう前野くん。
うん、嘘は言ってないものね。家族も友人も大切な人には違いないし。
でも、「まぁ、素敵!」とはしゃぐ美少女は絶対勘違いしてるよね。そうなるように仕向けたのは私だけどね。
「ここのチョコレート」
さっきの混んでた店を彼女が指さす。
「わたくしのお兄様が大好きですの」
へえー、美少女もおすすめらしい。これだけ人気があるってことはきっとそれなりに美味しいということだろう。
「せっかくだから見てみますね」
「ええ! お兄様、喜んで下さるといいですわね」
「え? ええ、そうですわね」
あれ、私この子に兄がいるって言ったかな?
それを聞く前に私の携帯は震え出す。彼女もお兄様から連絡がきたようで、どちらからともなくお別れした。
***
「急に走り出すから心配した」
「ごめんなさいお兄様。ずっとお会いしたかったあの方がいらっしゃったので、つい」
「あの方って、……もしかして『立花雅』? あんなどんくさい女の何がいいんだか」
「まあ、お兄様! 雅さまと、もうお会いになっていたんですか!? 羨ましいっ! どうしてわたくしに言って下さらなかったんですか!」
「……そういう反応することがわかってたからだよ。どうせ来年麗氷に入学するんだからそのうちお前も顔を合わせるだろ、瑠璃」
「それもそうですわね、真白お兄様」
私が2年に進級してから、彼女とはすぐに再会することになるんだけど、この時の私は目の前のバレンタインに浮かれていた。
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