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番外編
デート終わったら抱くからと言われた志野の反応
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「デート終わったら抱くから」
香水斗に言われて僕は目を大きく開く。なんて言ったんだ、この男は。それで、なぜデート前に抱くとか言う。これから、どうデートをやり過ごしたらいいのかわからなくなったじゃないか。
何も言わないでいる僕の表情を観察するかのように、香水斗は顔を覗き込んでくる。
「こっち見んな」
香水斗の顔を押しやると、クスクスと笑い声が聞こえてくる。
「抱かれるのを想像して期待しちゃうか」
香水斗は僕の髪の毛をくしゃっとして、先に進んだ。今日のデートは香水ショップ巡り。休日だが仕事を兼ねているようなデート。そして、デートの後が……
ボン、と一気に顔が赤くなったような気がした。
「俺がオススメしてた香水つけてきたご褒美な」
香水斗が言う通りオススメしてもらってつけている香りはサヴォン系の香りだ。今まで気に入った匂いがなく、縁がなかったのだが香水斗がオススメしてくれたこの香水だけは相性がよくて気に入っている。
しばらく続いた自粛気分から気持ちを外の世界に後押ししてくれる香り。香水斗が言うには今までにない新名香らしい。男女問わずつけていると好印象な香りだ。
「ご、ご褒美って……」
「その香水、嗅がせて」
香水斗は僕の肩を引き寄せた。香水は近づかないと匂わない程度につけている。だから、香水斗の行動は至極自然なのだが、今の僕は変に意識をしてしまった。また心臓の音が早くなっていく。
「やっぱ、啓明から嗅ぐのはいいな」
香水斗との距離が近くなったことで、今度は香水斗から香水の匂いがした。途端、香水斗と再会した時と同じように下半身が痛くなってくる。
「香水斗、嵌めたな」
僕がこうすると勃つのがわかっていて、香水斗は香水の匂いを嗅いだのだろう。
「意識してるところを観察するのも楽しいと思ったが、待てなかった」
念入りに立てたはずの予定は香水斗によって崩された。
***
「あ……あ、あ……あぁぁ……んっ」
勢いよく快感を放ち、意識が飛びそうになる、背後から抱きしめられながら、僕はまた射精した。吐き出した精は香水斗の手のひらに飛散している。
生々しい脈動をなかで感じながら、キュッと股を引き締める。すると、今度は気を失うかというほど強く打ちつけられ、香水斗が射精した。
なかをかき混ぜるかのように腰を動かしながら、香水斗はほんの少し身体を起こす。
香水斗と向き合い見えたのは、たくましい男の身体だ。血管の浮いた太い腕や彫刻のような胸板と腹筋に、僕の心臓が一気に速まる。
上品な顔をしている香水斗が白衣の下に立派な身体を隠しているだなんて誰が想像するのだろう。本当の姿を知っているのは僕だけだ。すると、幼少期に忘れたはずの独占欲が芽生えてきた。
「香水斗……」
僕はおそるおそる香水斗の首に腕を回した。香水斗の肌は思っていたよりも熱かった。汗をかいてはいないが、快感で火照っているのがわかる。
「啓明」
香水斗の広い胸板に乳首をこすられると、自分との体格差を思い知らされてしまう。硬い腹筋に僕の陰茎がぶつかり、頬がかあっと赤くなった。
「んっ……」
香水斗と再会するまでは休日に外出なんかしなかった。それなのに香水斗はとにかく誘ってくる。香水斗に誘われて外出を繰り返すたびに、僕の日常が一気に変わったような気がした。正直、めんどくさいなと思う時もあるけれどそれすらも楽しいと感じるようになっている。
過去にもグイグイと誘ってくるやつはいた。だけど、『行けたら行く』と生返事をして断ってきた。香水斗だけだろう、断ったことがないのは。
香水斗に言われて僕は目を大きく開く。なんて言ったんだ、この男は。それで、なぜデート前に抱くとか言う。これから、どうデートをやり過ごしたらいいのかわからなくなったじゃないか。
何も言わないでいる僕の表情を観察するかのように、香水斗は顔を覗き込んでくる。
「こっち見んな」
香水斗の顔を押しやると、クスクスと笑い声が聞こえてくる。
「抱かれるのを想像して期待しちゃうか」
香水斗は僕の髪の毛をくしゃっとして、先に進んだ。今日のデートは香水ショップ巡り。休日だが仕事を兼ねているようなデート。そして、デートの後が……
ボン、と一気に顔が赤くなったような気がした。
「俺がオススメしてた香水つけてきたご褒美な」
香水斗が言う通りオススメしてもらってつけている香りはサヴォン系の香りだ。今まで気に入った匂いがなく、縁がなかったのだが香水斗がオススメしてくれたこの香水だけは相性がよくて気に入っている。
しばらく続いた自粛気分から気持ちを外の世界に後押ししてくれる香り。香水斗が言うには今までにない新名香らしい。男女問わずつけていると好印象な香りだ。
「ご、ご褒美って……」
「その香水、嗅がせて」
香水斗は僕の肩を引き寄せた。香水は近づかないと匂わない程度につけている。だから、香水斗の行動は至極自然なのだが、今の僕は変に意識をしてしまった。また心臓の音が早くなっていく。
「やっぱ、啓明から嗅ぐのはいいな」
香水斗との距離が近くなったことで、今度は香水斗から香水の匂いがした。途端、香水斗と再会した時と同じように下半身が痛くなってくる。
「香水斗、嵌めたな」
僕がこうすると勃つのがわかっていて、香水斗は香水の匂いを嗅いだのだろう。
「意識してるところを観察するのも楽しいと思ったが、待てなかった」
念入りに立てたはずの予定は香水斗によって崩された。
***
「あ……あ、あ……あぁぁ……んっ」
勢いよく快感を放ち、意識が飛びそうになる、背後から抱きしめられながら、僕はまた射精した。吐き出した精は香水斗の手のひらに飛散している。
生々しい脈動をなかで感じながら、キュッと股を引き締める。すると、今度は気を失うかというほど強く打ちつけられ、香水斗が射精した。
なかをかき混ぜるかのように腰を動かしながら、香水斗はほんの少し身体を起こす。
香水斗と向き合い見えたのは、たくましい男の身体だ。血管の浮いた太い腕や彫刻のような胸板と腹筋に、僕の心臓が一気に速まる。
上品な顔をしている香水斗が白衣の下に立派な身体を隠しているだなんて誰が想像するのだろう。本当の姿を知っているのは僕だけだ。すると、幼少期に忘れたはずの独占欲が芽生えてきた。
「香水斗……」
僕はおそるおそる香水斗の首に腕を回した。香水斗の肌は思っていたよりも熱かった。汗をかいてはいないが、快感で火照っているのがわかる。
「啓明」
香水斗の広い胸板に乳首をこすられると、自分との体格差を思い知らされてしまう。硬い腹筋に僕の陰茎がぶつかり、頬がかあっと赤くなった。
「んっ……」
香水斗と再会するまでは休日に外出なんかしなかった。それなのに香水斗はとにかく誘ってくる。香水斗に誘われて外出を繰り返すたびに、僕の日常が一気に変わったような気がした。正直、めんどくさいなと思う時もあるけれどそれすらも楽しいと感じるようになっている。
過去にもグイグイと誘ってくるやつはいた。だけど、『行けたら行く』と生返事をして断ってきた。香水斗だけだろう、断ったことがないのは。
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