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香りの設計図
好む香り
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「じゃあさ、香水斗の精液が入った香水を嗅がせてよ。それで僕がいい匂いと判断したら僕のあれを使ってもいい」
正直、香水斗の精液を組み込んだものに興味があった。甘い匂いになるのか爽やかな匂いになるのか、ミステリアスな匂いになるのか匂いフェチである以上想像してしまう。
「言ったな。男に二言なしだぞ」
香水斗はデスクの引き出しから小さな小瓶を取りだした。中には少量の液体が入っている。精液特有のどろっとした粘着した液体ではなく、ごく一般的な香水に見えた。たとえ、香水斗にこの香水には精液が入っていると言われても先ほどの物的証拠を見なかったら気づかないレベルだろう。
「ああ、だけど厳しくいかせてもらうからな」
僕は息を飲みこみ、香水を手首にシュッとつけた。日本では梅雨があるため、香水の本場であるヨーロッパと比べると湿度が高く香水の香りが強くなってしまう。日本で海外の香水をつけると匂い疲れしてしまうこともあった。だけど、香水斗に渡された香水は違う。
「石けんか……」
多くの日本人が好む香りだ。営業時代に見た商品の統計グラフでも石けん系フレグランスは常に上位に位置していた。梅雨時期でもくどくなく、つけ心地の良さからも親しみやすい香り。少しでも揚げ足をとってやろうと思ったのに文句の一つも言えなかった。
正直、香水斗の精液を組み込んだものに興味があった。甘い匂いになるのか爽やかな匂いになるのか、ミステリアスな匂いになるのか匂いフェチである以上想像してしまう。
「言ったな。男に二言なしだぞ」
香水斗はデスクの引き出しから小さな小瓶を取りだした。中には少量の液体が入っている。精液特有のどろっとした粘着した液体ではなく、ごく一般的な香水に見えた。たとえ、香水斗にこの香水には精液が入っていると言われても先ほどの物的証拠を見なかったら気づかないレベルだろう。
「ああ、だけど厳しくいかせてもらうからな」
僕は息を飲みこみ、香水を手首にシュッとつけた。日本では梅雨があるため、香水の本場であるヨーロッパと比べると湿度が高く香水の香りが強くなってしまう。日本で海外の香水をつけると匂い疲れしてしまうこともあった。だけど、香水斗に渡された香水は違う。
「石けんか……」
多くの日本人が好む香りだ。営業時代に見た商品の統計グラフでも石けん系フレグランスは常に上位に位置していた。梅雨時期でもくどくなく、つけ心地の良さからも親しみやすい香り。少しでも揚げ足をとってやろうと思ったのに文句の一つも言えなかった。
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