64 / 111
香りで風景を描く
絶対日帰り主義
しおりを挟む
「香水斗……?」
「あのさぁ、俺、他人の匂い苦手なんだよね」
香水斗は苦手と言いながら、首筋の匂いを嗅いでくる。その行動の矛盾に戸惑いながら、僕は香水斗の身体を押し返した。それでも分厚い胸板はびくともしない。
「だから、地方に出張行く時は絶対日帰り主義だし」
香水斗は強引に僕の鎖骨から首筋にかけて舐めた。ふと、目が合い、キスをされるのかと口を強張らせれば鼻でフッと笑われる。期待してしまったことが恥ずかしくて顔を背ければ、顎に手を添えられた。
「ちゃんと、俺の話聞いてよ」
香水斗の眉が少し下がる。だけど、僕はまともに話しを聞ける状態じゃない。
「話できる状況じゃないだろ……」
口をすぼめて言い返せば、服の上から強弱をつけて乳首を摘ままれる。もどかしい快楽に身体がビクビクと反応した。直接、触れよ、とは言えなくて拒否するフリをして、着ていた服をまくしあげてしまう。
「えっろ……」
香水斗は躊躇うことなく、僕の乳首を咥えた。舌先で弄られ、舌から伝わる熱が僕の乳首を敏感にさせていく。すぐに、疼いて硬くなっていた。
なにがエロいのか、とは聞かない。聞こえないフリをしているが、顔は真っ赤に染まっているだろう。とにかく、顔が熱い。
「んぁっ……」
わざと立てられる舌の音に合わせて動いてしまう。
「お前以外と同室なんてありえない」
香水斗の言葉で一気に体温が上がった。香水斗の手が僕の手に触れる。同じぐらい熱かった。香水斗は僕の手を握ることなく、下半身へと移動する。
「それって……」
もっと甘い言葉を聞きたかった。大人になればなるほど、そういう言葉は聞こえなくなってしまう。傍にいるのは当たり前で、お互いの気持ちはわかっている前提で、言葉にするのはダサいという風潮。
「今日は、これ以上言わない。言ってほしかったら啓明から言えよ」
香水斗は僕の陰茎を下着越しにやわやわともみ始めた。
「ちょっ……落ち着けって……お風呂入ったばっかだし……下着の替えが……ぁああ!」
先走りが下着を濡らしてしまう。下着が濡れてしまえば、どうでもよくなってしまった。そうやって理由をつけて、理性を取り払う。昔は欲望に忠実だったのに。
「下着ぐらいコンビニで売ってるだろ」
香水斗は僕の精液で濡れた指を見せつける。暗くて見えなくても、下着はしっとりと濡れているだろう。僕は諦めて下着を脱いだ。
「香水斗のお金で買えよ。汚したのはお前なんだから……」
口元を手で隠して照れ隠し。香水斗は僕の手を掴み、隠した唇にキスをした。
「買うよ。その代わり絶対穿けよ」
ふにふに、と後孔をつついていた香水斗の指先が一本ゆっくりと入り込んできた。香水斗の指がぬめっているのは、僕の精液だ。するする、と後孔を抜き差ししている。
あと、二、三度強めにしごいてくれたら軽くイけそうだったのに。どうして、と香水斗を睨めば香水斗も僕を見ていた。口元が笑っている。
「今の顔、超かわいかった」
見られていたことが恥ずかしくて、手近にあった枕をつかんだ。だけど、つかんでいた枕を取り上げられてしまう。
「手はこっち」
やり場のなくなった手は香水斗の背中に回された。照れ臭さを感じながら汗で湿った背中に縋り付く。顔を見られないように、香水斗の肩に額を押しつけた。
「いれるよ」
香水斗の問いかけに小さく頷く。身体は仕事で疲れているはずなのに、香水斗の陰茎を包み込むように受け入れた。
香水斗の体温を感じて、陰茎がさらに上を向いた。密着したことで繋がりも深くなり、香水斗の陰茎がさらに奥深くへ進んでいく。もうパンパンで入りきらないと思った先にまで、香水斗の陰茎は進んで行った。
「え、……あ、あぁっ……」
「触ってみろよ、めちゃくちゃ熱い」
香水斗は僕の手を掴み、硬くなった陰茎に触らせる。触れさせられた自分の陰茎の熱さに手を引っ込めたくなった。
「ほら、熱いだろ」
香水斗の手が僕の手に覆いかぶさる。節ばった長い指が逃がしてくれない。手のひらから、ぷるぷると打ち震えている陰茎の熱さが伝わってくる。一人でしている時とは違う。中には香水斗の陰茎が入っている。
意識をすれば、下腹部に力が入ってしまった。香水斗の陰茎を中で感じつつ、香水斗が小さく息を漏らす。その吐息が耳にかかった瞬間、びゅるるっと吐精してしまった。手のひらに熱い精液が飛んでくる。そして、お腹の中も熱くなったような気がした。
「同時だったな」
ふにゃり、と香水斗はゆるんだ笑顔を見せる。珍しい表情に、胸の鼓動が速くなった。
「あのさぁ、俺、他人の匂い苦手なんだよね」
香水斗は苦手と言いながら、首筋の匂いを嗅いでくる。その行動の矛盾に戸惑いながら、僕は香水斗の身体を押し返した。それでも分厚い胸板はびくともしない。
「だから、地方に出張行く時は絶対日帰り主義だし」
香水斗は強引に僕の鎖骨から首筋にかけて舐めた。ふと、目が合い、キスをされるのかと口を強張らせれば鼻でフッと笑われる。期待してしまったことが恥ずかしくて顔を背ければ、顎に手を添えられた。
「ちゃんと、俺の話聞いてよ」
香水斗の眉が少し下がる。だけど、僕はまともに話しを聞ける状態じゃない。
「話できる状況じゃないだろ……」
口をすぼめて言い返せば、服の上から強弱をつけて乳首を摘ままれる。もどかしい快楽に身体がビクビクと反応した。直接、触れよ、とは言えなくて拒否するフリをして、着ていた服をまくしあげてしまう。
「えっろ……」
香水斗は躊躇うことなく、僕の乳首を咥えた。舌先で弄られ、舌から伝わる熱が僕の乳首を敏感にさせていく。すぐに、疼いて硬くなっていた。
なにがエロいのか、とは聞かない。聞こえないフリをしているが、顔は真っ赤に染まっているだろう。とにかく、顔が熱い。
「んぁっ……」
わざと立てられる舌の音に合わせて動いてしまう。
「お前以外と同室なんてありえない」
香水斗の言葉で一気に体温が上がった。香水斗の手が僕の手に触れる。同じぐらい熱かった。香水斗は僕の手を握ることなく、下半身へと移動する。
「それって……」
もっと甘い言葉を聞きたかった。大人になればなるほど、そういう言葉は聞こえなくなってしまう。傍にいるのは当たり前で、お互いの気持ちはわかっている前提で、言葉にするのはダサいという風潮。
「今日は、これ以上言わない。言ってほしかったら啓明から言えよ」
香水斗は僕の陰茎を下着越しにやわやわともみ始めた。
「ちょっ……落ち着けって……お風呂入ったばっかだし……下着の替えが……ぁああ!」
先走りが下着を濡らしてしまう。下着が濡れてしまえば、どうでもよくなってしまった。そうやって理由をつけて、理性を取り払う。昔は欲望に忠実だったのに。
「下着ぐらいコンビニで売ってるだろ」
香水斗は僕の精液で濡れた指を見せつける。暗くて見えなくても、下着はしっとりと濡れているだろう。僕は諦めて下着を脱いだ。
「香水斗のお金で買えよ。汚したのはお前なんだから……」
口元を手で隠して照れ隠し。香水斗は僕の手を掴み、隠した唇にキスをした。
「買うよ。その代わり絶対穿けよ」
ふにふに、と後孔をつついていた香水斗の指先が一本ゆっくりと入り込んできた。香水斗の指がぬめっているのは、僕の精液だ。するする、と後孔を抜き差ししている。
あと、二、三度強めにしごいてくれたら軽くイけそうだったのに。どうして、と香水斗を睨めば香水斗も僕を見ていた。口元が笑っている。
「今の顔、超かわいかった」
見られていたことが恥ずかしくて、手近にあった枕をつかんだ。だけど、つかんでいた枕を取り上げられてしまう。
「手はこっち」
やり場のなくなった手は香水斗の背中に回された。照れ臭さを感じながら汗で湿った背中に縋り付く。顔を見られないように、香水斗の肩に額を押しつけた。
「いれるよ」
香水斗の問いかけに小さく頷く。身体は仕事で疲れているはずなのに、香水斗の陰茎を包み込むように受け入れた。
香水斗の体温を感じて、陰茎がさらに上を向いた。密着したことで繋がりも深くなり、香水斗の陰茎がさらに奥深くへ進んでいく。もうパンパンで入りきらないと思った先にまで、香水斗の陰茎は進んで行った。
「え、……あ、あぁっ……」
「触ってみろよ、めちゃくちゃ熱い」
香水斗は僕の手を掴み、硬くなった陰茎に触らせる。触れさせられた自分の陰茎の熱さに手を引っ込めたくなった。
「ほら、熱いだろ」
香水斗の手が僕の手に覆いかぶさる。節ばった長い指が逃がしてくれない。手のひらから、ぷるぷると打ち震えている陰茎の熱さが伝わってくる。一人でしている時とは違う。中には香水斗の陰茎が入っている。
意識をすれば、下腹部に力が入ってしまった。香水斗の陰茎を中で感じつつ、香水斗が小さく息を漏らす。その吐息が耳にかかった瞬間、びゅるるっと吐精してしまった。手のひらに熱い精液が飛んでくる。そして、お腹の中も熱くなったような気がした。
「同時だったな」
ふにゃり、と香水斗はゆるんだ笑顔を見せる。珍しい表情に、胸の鼓動が速くなった。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
淫愛家族
箕田 悠
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる