鬼のセンチネル

弓葉

文字の大きさ
上 下
27 / 57
陰陽寮の存在

陰陽道は深く濃く重たい

しおりを挟む
「はぁ、はぁ……」

 藤はベッドに寝転がる。異常な汗が止まらない。身体が熱っぽい。

「薬を塗っておくね」

 深浦は卑猥な玩具が並ぶ机から、小さなマッチ箱のようなものを取る。中には塗り薬が入っていた。

 藤は着ていた服を脱ぎ、膝を立てた。ひんやり、とした深浦の指が藤の後孔に入ってくる。ぐちゅぐちゅ、と赤く腫れた藤の中を指が進んでいった。自分では怖くて差し込めなかった場所まで、深浦の指が入り込んでくる。

「今ならコレも怖くないかもね」

 深浦は卑猥な玩具にローションを垂らした。ぬめぬめに光った玩具が藤の入り口に当てられる。ヒクヒク、と入り口が玩具に吸い付いているのが嫌でも藤は分かった。

 とぷん、と飲みこむ音がした。待ちきれなかった快感が藤を襲う。ビクビク、と自分の中がキュウっと締まった。それと同時に変な感覚に陥る。

「ふ、ふかうらさん……なんか、へん」

 藤は玩具を持つ深浦を見る。深浦は玩具を動かしながら藤の陰茎を掴んだ。

「ひぐっ……」

「漏らしそうでしょ? 白鹿飲んだもんね」

 藤の陰茎を根元から刺激する深浦。ムズムズと何かが藤の中で沸き起こる。高級そうなベッドの上で粗相をするわけにはいかない。お手洗いに行こうとした。

「深浦さん?」

 だが、深浦は玩具を動かす手を止めない。藤の陰茎も掴んだままだ。

「経費は陰陽寮が持つから漏らしていいよ。つうか、漏らして」

 深浦の鷹のような目が光る。藤の陰茎を両手で強く刺激した。玩具は藤の後孔に刺さったままだ。深浦は片手で陰茎を掴み、鈴口の先を掌で摺り合わせる。藤を短時間で絶頂へと追い詰めた。

「も、がまんがっ……」

 藤の腰が引いた。藤の陰茎から大量の尿が放出された。ボタボタとシーツに尿が染みこんでいく。

「あー……」

 藤は力無くベッドに寝転がった。下半身がビチョビチョに濡れている。放尿感が気持ちいい。

「陰陽道はもっと深く、濃く、重たい」

 深浦はボソリ、と呟いた。藤は顔を上げる。言葉の意味を知りたかった。

「どういう意味ですか?」

 藤が問うと、深浦は玩具をゴミ箱に捨てた。物音にビックリした藤は身体を震わす。

「藤、覚えときな。ここの連中は可笑しい」

 濡れていないシーツで深浦は手を拭いた。

「それ、自分で言いますか?」

 深浦も陰陽寮の人間だ。自分が所属する組織のことを可笑しいだなんて言っていいものか。

「まぁ、藤には長生きして欲しいんだよ」

 深浦は棚からタオルを取りだす。それを藤に渡した。

「ありがとうございます」

 長生きして欲しいとは、どういう意味だろうか。もしかしたら、特殊なセンチネルに殺されるかもしれない未来を指しているのか。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない

薗 蜩
BL
テオドア・オールデンはA級センチネルとして日々怪獣体と戦っていた。 彼を癒せるのは唯一のバティであるA級ガイドの五十嵐勇太だけだった。 しかし五十嵐はテオドアが苦手。 黙って立っていれば滅茶苦茶イケメンなセンチネルのテオドアと黒目黒髪純日本人の五十嵐君の、のんびりセンチネルなバースのお話です。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

「優秀で美青年な友人の精液を飲むと頭が良くなってイケメンになれるらしい」ので、友人にお願いしてみた。

和泉奏
BL
頭も良くて美青年な完璧男な友人から液を搾取する話。

処理中です...