異世界転生したらΩでした！

エロス座

　空を見上げると、冬の大三角形じゃない星が空に浮かんでいた。見たことがない星を見て、ここが異世界だと感じてしまう。

「なんだあれ」

　人差し指を上げて見たことがない星と星を線で結んでいく。魔法陣のような歪な形。不思議に思いながらなぞっていれば、空が光った。

「え？」

　目の錯覚かもしれないけど、魔法陣が浮かびあがってくる。水色の光で浮かび上がった魔法陣は僕の身体を包み込んだ。

「もしかして魔法陣発動させた？」

　現代世界から来たし、獣人だしで自分にはそういった魔力がないと思っていた。しかも、何の魔法かわからないものを発動させてしまった。

「あれはエロス座だな」

　キョウイが焼いた肉を持ってくる。香ばしくていい匂いにしっぽが揺れた。

「えろすざ？」

　僕はキョウイから焼いた肉を受け取った。肉を口いっぱいに頬張る。星の名前に嫌な予感がした。

「ああ、魔法陣が降りてきたろ？」

　キョウイはもう肉を食べ切ったのか、骨を僕に向けてくる。

「ん、あ、そうだな……」

　水色の光でできた魔法陣は僕の身体を包み込んだ。あれはやっぱりまずいものなのか。

「あれをなぞると媚薬効果が出てくる」

「媚薬効果？！」

　僕は食べかけてた肉を変に飲み込んでしまった。むせそうになって、肉の塊を無理やり喉に通す。慌てて僕は顔や身体に異変を感じないか、ぺたぺたと手で確認をした。