21 / 32
勇者殺しの機械4
しおりを挟む
「うぃるんずおうこく、いまからせめおとしにいく」
自分の剣を拾い上げて腰に据えるメェルアー。
「メェルアー、ダメよ?ウィルンズ王国に行くにはカー帝国を渡る必要があるし」
アーフェリアが諭すが聞かずに支度を始める。
「その通りだ。肝心のカー帝国に関しても国境付近では戦争が続いている。到底行けたものではない」
ムリアスも同様に声をかけるがメェルアーの目に灯る闘志は燃えたまま。
「アラミシアがアイツらに拐われてるのにそんなこと気にしている暇ある?」
「カナール嬢が?!そういえば寮長からも行方がわからない生徒がいるとあったが」
ドタバタと生徒会長は走って消えていく。
「カー帝国、おおきさによるけど魔力を全て使って滅ぼせる」
ポーションを飲み干し、瓶を握りつぶすメェルアー。
「だめよ!アルバート第二王子がいるのよ」
涙ながらに訴えるアーフェリア。
「せんそうに情けはいるの?そのせいで人は死ぬんだよアーフェ」
笑顔でアーフェリアの肩に手を乗せそのまま残骸回収をしている生徒会の元に向かった。
「むりあすのぶかたち、カー帝国はどの辺にある?」
メェルアーの問いに疑問を覚えつつも答える生徒会のメンバー達。
「これはいつぞやの。カー帝国は僕らの国がこの辺で、その隣にムリアス会長の国、その隣にあるのがカー帝国」
「ありがとう。それからムリアス会長に闘技祭じたんつうち?をだして」
「え、辞退するの?とりあえず一度会長と話してからのほ、もういない」
メェルアーは走って王宮に向かった。
「だいじん、国を滅ぼすきょかを」
学校での騒動があった為か入り口に大臣含む護衛が沢山並んでいた。
「な、お前は。突然現れたと思ったら国を滅ぼす許可?世界平和を誓っただろ。国民に公表できないような悪事に加担するな勇者」
大臣は何を言って居るんだお前は、と言わんばかりにメェルアーを睨む。
「お前の真面目さはむかつく、アラミシアが拐われてるのに」
「アラミシア?あー、お前といた勇者2人目か。それは確かにまずいな」
一瞬表情が曇るが大臣は動かない。
「ウィルンズ王国に行くにはカー帝国が邪魔。更地にしたい」
「それはダメだ。戦争中とは言え我が国や他国の国民がカー帝国にはいる。それに戦争というのは謂わば軍同士の衝突であり、市政を巻き込むようなものではない」
「こんかいのうごきは明らかにみんかんをまきこんだ」
「それなら悪いのはウィルンズ王国だ。あくまでもカー帝国との間では大義名分を持った戦争をしている」
「なら高威力の魔力砲かして、国宝のじゅぎょうでならったから。あれをつかってここから一直線に穴を開ける」
「駄目だ。子供の発想で闘えるほど世の中は甘くない。それに勇者の力は人の道を外れることに加担するのか?」
「それは、でもアラミシアがしんぱいだから。やっぱいく、おおさまにじかだんぱんする」
そのまま王宮へ向かおうと兵士たちを押し退ける。
「誰も止めるなよ、普通に死者が出る。あと見るなよ?炎の魔力よ、我が力に呼応して肉体を強化せよ」
大臣が服の袖を破り、火炎を纏いながらメェルアーの前に降り立った。
「大臣なんのつもり。わたしをとめてもむだだよ」
「無駄かどうかはやってみなければ分からないだろ」
大臣は軽いステップで接近し、体術を浴びせてきた。
「魔剣!うそ、こわされた」
「その程度で魔剣とは片腹痛い、本当に友人を救う気はあるのか?」
周りの兵士たちは見ぬフリをしているが小声で話し合っている。
「さすが大臣、アンチスペルマスター」「くっそぉ元剣術学園主席の力見たいけど、みたら殺される」
メェルアーは腰の剣を抜いた。
「はぁぁ!!!!通さないならこのまま斬る!」
「落ち着け、勇者の力は確かに強い。だがそれは復讐や報復の力じゃないだろ!」
飛び上がり剣を振り下ろすメェルアーの腹に拳を当てる大臣。
「風の魔力よ、ウィンドストーム!」
殴る力と風の力が入り混じり抉るように回転する拳がメェルアーを吹き飛ばした。
「我が力に呼応せよ、ライトニングスピアー……」
吹っ飛ぶ隙に撃ったメェルアーのライトニングスピアーが大臣の頬を掠る。
「っ、流石と言うべきか。だがまだ子供だな。闇の魔力よ、我が力に呼応して敵を捕縛しろ。ゴセイフウイン」
地面に倒れたメェルアーの四肢と首に闇の魔力で作られた枷がはめられる。
「我々とて自国民が危険に瀕しているのに何もしないわけが無い。だが、それより先に単身で危機に瀕しそうな者がいたら助けるのがこの国の在り方であると、私はそう思う」
袖の破れた服を脱ぎ、シャツ姿のまま王宮の中へ消えていく。
「あたまがさめた。けいびのみんなじゃました」
枷をそのまま力で破壊してメェルアーは立ち上がる。
「音だけしか無理だったけど大臣の力がみれて感動だよ」
「大臣相手によくやったんじゃ無いか?俺ら止めに入らなくてよかったー」
打ち上げムードの警備兵達に再度誤りその場を後にした。
「マリアスいるでしょ。アラミシアがあんぜんかだけでもしらべて、げんぽんかすから」
「きおくがあるのか無いのか不思議なんだけど。私が原本読んでるのよく知ってるね」
少し入った森、木の上から声が響く。
「私の妹なら読んでいると思ったから」
「なるほど。でもいい報酬だよ、私のいる魔王軍にもバレないようにウィルンズ王国の方をゆさぶる」
「ありがとう、やっぱ魔王軍なんて向いてないよ」
「ふふ、ありがとう。お姉ちゃんはそのまま大会で勝ち進んでね」
「うん。魔剣闘技祭にはでる、その上でアラミシアもすくう」
自分の剣を拾い上げて腰に据えるメェルアー。
「メェルアー、ダメよ?ウィルンズ王国に行くにはカー帝国を渡る必要があるし」
アーフェリアが諭すが聞かずに支度を始める。
「その通りだ。肝心のカー帝国に関しても国境付近では戦争が続いている。到底行けたものではない」
ムリアスも同様に声をかけるがメェルアーの目に灯る闘志は燃えたまま。
「アラミシアがアイツらに拐われてるのにそんなこと気にしている暇ある?」
「カナール嬢が?!そういえば寮長からも行方がわからない生徒がいるとあったが」
ドタバタと生徒会長は走って消えていく。
「カー帝国、おおきさによるけど魔力を全て使って滅ぼせる」
ポーションを飲み干し、瓶を握りつぶすメェルアー。
「だめよ!アルバート第二王子がいるのよ」
涙ながらに訴えるアーフェリア。
「せんそうに情けはいるの?そのせいで人は死ぬんだよアーフェ」
笑顔でアーフェリアの肩に手を乗せそのまま残骸回収をしている生徒会の元に向かった。
「むりあすのぶかたち、カー帝国はどの辺にある?」
メェルアーの問いに疑問を覚えつつも答える生徒会のメンバー達。
「これはいつぞやの。カー帝国は僕らの国がこの辺で、その隣にムリアス会長の国、その隣にあるのがカー帝国」
「ありがとう。それからムリアス会長に闘技祭じたんつうち?をだして」
「え、辞退するの?とりあえず一度会長と話してからのほ、もういない」
メェルアーは走って王宮に向かった。
「だいじん、国を滅ぼすきょかを」
学校での騒動があった為か入り口に大臣含む護衛が沢山並んでいた。
「な、お前は。突然現れたと思ったら国を滅ぼす許可?世界平和を誓っただろ。国民に公表できないような悪事に加担するな勇者」
大臣は何を言って居るんだお前は、と言わんばかりにメェルアーを睨む。
「お前の真面目さはむかつく、アラミシアが拐われてるのに」
「アラミシア?あー、お前といた勇者2人目か。それは確かにまずいな」
一瞬表情が曇るが大臣は動かない。
「ウィルンズ王国に行くにはカー帝国が邪魔。更地にしたい」
「それはダメだ。戦争中とは言え我が国や他国の国民がカー帝国にはいる。それに戦争というのは謂わば軍同士の衝突であり、市政を巻き込むようなものではない」
「こんかいのうごきは明らかにみんかんをまきこんだ」
「それなら悪いのはウィルンズ王国だ。あくまでもカー帝国との間では大義名分を持った戦争をしている」
「なら高威力の魔力砲かして、国宝のじゅぎょうでならったから。あれをつかってここから一直線に穴を開ける」
「駄目だ。子供の発想で闘えるほど世の中は甘くない。それに勇者の力は人の道を外れることに加担するのか?」
「それは、でもアラミシアがしんぱいだから。やっぱいく、おおさまにじかだんぱんする」
そのまま王宮へ向かおうと兵士たちを押し退ける。
「誰も止めるなよ、普通に死者が出る。あと見るなよ?炎の魔力よ、我が力に呼応して肉体を強化せよ」
大臣が服の袖を破り、火炎を纏いながらメェルアーの前に降り立った。
「大臣なんのつもり。わたしをとめてもむだだよ」
「無駄かどうかはやってみなければ分からないだろ」
大臣は軽いステップで接近し、体術を浴びせてきた。
「魔剣!うそ、こわされた」
「その程度で魔剣とは片腹痛い、本当に友人を救う気はあるのか?」
周りの兵士たちは見ぬフリをしているが小声で話し合っている。
「さすが大臣、アンチスペルマスター」「くっそぉ元剣術学園主席の力見たいけど、みたら殺される」
メェルアーは腰の剣を抜いた。
「はぁぁ!!!!通さないならこのまま斬る!」
「落ち着け、勇者の力は確かに強い。だがそれは復讐や報復の力じゃないだろ!」
飛び上がり剣を振り下ろすメェルアーの腹に拳を当てる大臣。
「風の魔力よ、ウィンドストーム!」
殴る力と風の力が入り混じり抉るように回転する拳がメェルアーを吹き飛ばした。
「我が力に呼応せよ、ライトニングスピアー……」
吹っ飛ぶ隙に撃ったメェルアーのライトニングスピアーが大臣の頬を掠る。
「っ、流石と言うべきか。だがまだ子供だな。闇の魔力よ、我が力に呼応して敵を捕縛しろ。ゴセイフウイン」
地面に倒れたメェルアーの四肢と首に闇の魔力で作られた枷がはめられる。
「我々とて自国民が危険に瀕しているのに何もしないわけが無い。だが、それより先に単身で危機に瀕しそうな者がいたら助けるのがこの国の在り方であると、私はそう思う」
袖の破れた服を脱ぎ、シャツ姿のまま王宮の中へ消えていく。
「あたまがさめた。けいびのみんなじゃました」
枷をそのまま力で破壊してメェルアーは立ち上がる。
「音だけしか無理だったけど大臣の力がみれて感動だよ」
「大臣相手によくやったんじゃ無いか?俺ら止めに入らなくてよかったー」
打ち上げムードの警備兵達に再度誤りその場を後にした。
「マリアスいるでしょ。アラミシアがあんぜんかだけでもしらべて、げんぽんかすから」
「きおくがあるのか無いのか不思議なんだけど。私が原本読んでるのよく知ってるね」
少し入った森、木の上から声が響く。
「私の妹なら読んでいると思ったから」
「なるほど。でもいい報酬だよ、私のいる魔王軍にもバレないようにウィルンズ王国の方をゆさぶる」
「ありがとう、やっぱ魔王軍なんて向いてないよ」
「ふふ、ありがとう。お姉ちゃんはそのまま大会で勝ち進んでね」
「うん。魔剣闘技祭にはでる、その上でアラミシアもすくう」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
神機妙算の神々
AGE・小説家となるもの
ファンタジー
全ての神が集まる天界
神機妙算な神々達は神の意義を問い分からず人間に転生することによって答えを求めようとした
が悪魔達はそれをチャンスとし神々共を殲滅しに動き出す!!
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる