58 / 99
第03章 休暇
No.57 帰郷
しおりを挟む
No.54
アルバート達の学園生活はその後大きな問題もなく平穏に流れていった。
問題以外で言えば何も無かった訳ではない。
例えば、シャルゴが王族近衛騎士団に入団したり、2、3年時で再び行われた(と言うよりは恒例と化した)決闘大会が特待生組 対 他生徒の闘いの場となったり、アルバートとイレーナの二人が新しい魔法や魔法具を開発したり、その影響で二人共に特別首席されたり等、話題に飽きない学園生活が送られた。
因みに、あれだけの騒ぎの火種となったサドンは名目上「決闘の決着後に背後から攻撃を加えた」として一週間の停学処分をされるに至った。しかし、停学中に両親(以前述べたように平等主義者の政府大臣である)から大層叱られたようで、復学後は心を一新して真面目な生徒として勉学に励んでいたため元から生真面目であったガルムとも打ち解けてそのうち仲良くなっていった。
アルバートの学年は彼とイレーナを筆頭に、特待生の他3人やその他の生徒が目覚しい成長を遂げ(原因としてはアルバート達が行っていた早朝の訓練を真似する者が増えた事が挙げられるだろう)、一部ではアルバート達の学年を「黄金の豊作世代」とまで呼んだほどだ。
そんな彼らも遂に卒業を迎えた。
学園で生活する生徒の殆どは在学中に成人となる(例外として成人以降に入学した者が居る。アルバートとイレーナの様に、いわゆる『飛び級』で入学する者はまず居ないのだ)。しかし、成人してもその時に成人式を開かず、卒業直後に合同で成人式を開催するのがこの学園の伝統であった。
今年も成人式は行われた。しかし、規定年齢前に入学したアルバートとイレーナはまだ成人を迎えておらず、成人はまだあと3ヶ月先だったのだ。
それでも、学年筆頭である二人には参加してほしいとの事であったから参加した。式は賑やかなもので学園長のウォーデンの音頭の元で生徒達が一斉に酒(二人は紅茶であった)を一口煽り、初めて踏み入れる大人の世界に困惑していた。
初めて飲んだ酒の味に、ガルムは「思ったより苦いね」と、アンリは「もっと美味しいものと思っていましたわ」と、リーフェは「そう?私は結構いけるなー」と、それぞれ感想を漏らした。対してアルバートとイレーナは過去の古い記憶を呼び起こして、ああそう言えば前世で成人したばかりの時は似た感覚だったなぁ、と懐古心をくすぐられた。
成人式が済んでしまうと、いよいよもって学生としての生活は終わりを告げる。寮の部屋からは私物が片付けられ、人が住んだ面影は無くなってしまう。寮の元持ち主エルゲイは「またここも寂しくなりますなぁ...」と心底残念そうであった。
結局、アルバート達の今後はどうするのかと言うと、なんと見事に特待生組の5人全員が王族近衛騎士団へ入団する事になっている。
勿論、全員ピトムニクに推薦状を書いてもらった。約束は約束である。
入団までには結構な時間があった。入団する前に帰省する為らしいので、アルバートとイレーナは両親達の住む故郷『極西のモアルド』へ一度帰郷する事にした。
両親と会うのは実に3年ぶりで、これまで手紙でのやり取りは多々あったが、それでも久々の再会には心が踊っていた。
「あれ、おやっさん!」
帰省の旅路を共にしてくれる御者は奇遇にも3年前王都に向かった時と同じ男であった。
「ああ、坊ちゃん方!お久しぶりですな!そうか、今回の仕事は坊ちゃん方の送迎か、こりゃあ安心だ、盗賊も竜も怖くないわい!」
男は以前と同じ快活な様子で3人は旅のあいだ思い出話で会話を弾ませた。今回の旅は3人だけである。
そんな旅も以前のようにアクシデントに見舞われることなく、平穏にモアルドに到着した。
馬車を屋敷の前に止めると、中から人が出てくる。アルバートの両親達だ。
「アル、お帰り!!」
「ただいま──」
彼らの帰省は、盛大な祝賀会をもって迎え入れられた。
祝賀会は卒業と近衛騎士団への入団を祝うもので、身内だけだがその分遠慮なく騒ぐ事が出来た。──もっとも、騒いでいたのは主に両親達であったが。
祝賀会で話題になった事といえば、やはり土竜の討伐や、神様から力を賦与された事や学園生活の話などであったが、アルバートはかねてより気になっていた事を聞いた。
「父さん、6ヵ年戦争の話を聞かせてくださいよ!」
6ヵ年戦争、ピトムニクや本で知ったこの戦争はオンスらが深く関わったものだと言うのは既に知っていた。だからオンス本人からその話を聞きたかったのだ。
「はっはっは!もうそんな事まで知っているのか!ピトムニクめ、言いよったな!」
オンスは既に酒も効いて赤く染まった顔に満面の笑みを携えて豪快に笑う。そして「良いとも、よぉく聞いておけよ!」と言って席を立つ。
アルバートこんなにも子供っぽいオンスを見たのは初めてだった。
「時は遡ること200年前!」
「わあ、懐かしい!」
シャルルも酒が回っていて機嫌が良さそうだ。勿論、アルバートとイレーナは飲んでいない。
「この極西のモアルドから更に北西にある砦があった!」
「要塞アラモ砦!」
「その通り!」
今度はイレーナの父、ハンクが合いの手を打つ。対して母のアイナはやれやれと言った顔で、どうやらこの両親エルフ4人組の中で酒に呑まれないのは彼女だけらしかった。
「当時そこには近衛騎士団からの派遣でこのハンクとアイナの二人がいた──何で行ったんだったか?」
「地方兵士の教育訓練よ」
「そうだったな──まあ、そんな時だ!王都にいた俺の元に伝令が、死に物狂いの様子で転がり込んできた。聞けばアラモ砦に帝国軍が大群で攻め込んで来たらしい!
当時の陛下はお止めになったが俺は構わずシャルルを連れて二人でアラモに馬を走らせた。1ヶ月かかる道のりを夜も休まず走らせ続け10日でたどり着いた時、そこにはなんと未だ帝国兵と闘う砦の兵と二人の姿があった!」
「お前達が来るまでは地獄のようだったぞ!」
「そう、まさに地獄!砦の兵が300だったのに対して帝国は2千近い兵を率いていた!俺たちが着くまで持ちこたえられたのは、ひとえに二人の力あってこそだ。
しかし!既にもう食糧は尽きかけ、兵の疲労も限界に近かった、時間はなかった。そこで俺は遊撃隊を編成して一転攻勢、敵の大将首を狙いに行った!」
「たった4人で部隊とはよく言ったものだ」
等と、途中からはアルバートとイレーナを置き去りにして思い出話を楽しんでいた。
まあ、それも両親達の知らなかった一面ということで、アルバートは面白く感じていた。
楽しい時間と言うのはいつもあっという間に過ぎてゆく。
アルバート達の学園生活はその後大きな問題もなく平穏に流れていった。
問題以外で言えば何も無かった訳ではない。
例えば、シャルゴが王族近衛騎士団に入団したり、2、3年時で再び行われた(と言うよりは恒例と化した)決闘大会が特待生組 対 他生徒の闘いの場となったり、アルバートとイレーナの二人が新しい魔法や魔法具を開発したり、その影響で二人共に特別首席されたり等、話題に飽きない学園生活が送られた。
因みに、あれだけの騒ぎの火種となったサドンは名目上「決闘の決着後に背後から攻撃を加えた」として一週間の停学処分をされるに至った。しかし、停学中に両親(以前述べたように平等主義者の政府大臣である)から大層叱られたようで、復学後は心を一新して真面目な生徒として勉学に励んでいたため元から生真面目であったガルムとも打ち解けてそのうち仲良くなっていった。
アルバートの学年は彼とイレーナを筆頭に、特待生の他3人やその他の生徒が目覚しい成長を遂げ(原因としてはアルバート達が行っていた早朝の訓練を真似する者が増えた事が挙げられるだろう)、一部ではアルバート達の学年を「黄金の豊作世代」とまで呼んだほどだ。
そんな彼らも遂に卒業を迎えた。
学園で生活する生徒の殆どは在学中に成人となる(例外として成人以降に入学した者が居る。アルバートとイレーナの様に、いわゆる『飛び級』で入学する者はまず居ないのだ)。しかし、成人してもその時に成人式を開かず、卒業直後に合同で成人式を開催するのがこの学園の伝統であった。
今年も成人式は行われた。しかし、規定年齢前に入学したアルバートとイレーナはまだ成人を迎えておらず、成人はまだあと3ヶ月先だったのだ。
それでも、学年筆頭である二人には参加してほしいとの事であったから参加した。式は賑やかなもので学園長のウォーデンの音頭の元で生徒達が一斉に酒(二人は紅茶であった)を一口煽り、初めて踏み入れる大人の世界に困惑していた。
初めて飲んだ酒の味に、ガルムは「思ったより苦いね」と、アンリは「もっと美味しいものと思っていましたわ」と、リーフェは「そう?私は結構いけるなー」と、それぞれ感想を漏らした。対してアルバートとイレーナは過去の古い記憶を呼び起こして、ああそう言えば前世で成人したばかりの時は似た感覚だったなぁ、と懐古心をくすぐられた。
成人式が済んでしまうと、いよいよもって学生としての生活は終わりを告げる。寮の部屋からは私物が片付けられ、人が住んだ面影は無くなってしまう。寮の元持ち主エルゲイは「またここも寂しくなりますなぁ...」と心底残念そうであった。
結局、アルバート達の今後はどうするのかと言うと、なんと見事に特待生組の5人全員が王族近衛騎士団へ入団する事になっている。
勿論、全員ピトムニクに推薦状を書いてもらった。約束は約束である。
入団までには結構な時間があった。入団する前に帰省する為らしいので、アルバートとイレーナは両親達の住む故郷『極西のモアルド』へ一度帰郷する事にした。
両親と会うのは実に3年ぶりで、これまで手紙でのやり取りは多々あったが、それでも久々の再会には心が踊っていた。
「あれ、おやっさん!」
帰省の旅路を共にしてくれる御者は奇遇にも3年前王都に向かった時と同じ男であった。
「ああ、坊ちゃん方!お久しぶりですな!そうか、今回の仕事は坊ちゃん方の送迎か、こりゃあ安心だ、盗賊も竜も怖くないわい!」
男は以前と同じ快活な様子で3人は旅のあいだ思い出話で会話を弾ませた。今回の旅は3人だけである。
そんな旅も以前のようにアクシデントに見舞われることなく、平穏にモアルドに到着した。
馬車を屋敷の前に止めると、中から人が出てくる。アルバートの両親達だ。
「アル、お帰り!!」
「ただいま──」
彼らの帰省は、盛大な祝賀会をもって迎え入れられた。
祝賀会は卒業と近衛騎士団への入団を祝うもので、身内だけだがその分遠慮なく騒ぐ事が出来た。──もっとも、騒いでいたのは主に両親達であったが。
祝賀会で話題になった事といえば、やはり土竜の討伐や、神様から力を賦与された事や学園生活の話などであったが、アルバートはかねてより気になっていた事を聞いた。
「父さん、6ヵ年戦争の話を聞かせてくださいよ!」
6ヵ年戦争、ピトムニクや本で知ったこの戦争はオンスらが深く関わったものだと言うのは既に知っていた。だからオンス本人からその話を聞きたかったのだ。
「はっはっは!もうそんな事まで知っているのか!ピトムニクめ、言いよったな!」
オンスは既に酒も効いて赤く染まった顔に満面の笑みを携えて豪快に笑う。そして「良いとも、よぉく聞いておけよ!」と言って席を立つ。
アルバートこんなにも子供っぽいオンスを見たのは初めてだった。
「時は遡ること200年前!」
「わあ、懐かしい!」
シャルルも酒が回っていて機嫌が良さそうだ。勿論、アルバートとイレーナは飲んでいない。
「この極西のモアルドから更に北西にある砦があった!」
「要塞アラモ砦!」
「その通り!」
今度はイレーナの父、ハンクが合いの手を打つ。対して母のアイナはやれやれと言った顔で、どうやらこの両親エルフ4人組の中で酒に呑まれないのは彼女だけらしかった。
「当時そこには近衛騎士団からの派遣でこのハンクとアイナの二人がいた──何で行ったんだったか?」
「地方兵士の教育訓練よ」
「そうだったな──まあ、そんな時だ!王都にいた俺の元に伝令が、死に物狂いの様子で転がり込んできた。聞けばアラモ砦に帝国軍が大群で攻め込んで来たらしい!
当時の陛下はお止めになったが俺は構わずシャルルを連れて二人でアラモに馬を走らせた。1ヶ月かかる道のりを夜も休まず走らせ続け10日でたどり着いた時、そこにはなんと未だ帝国兵と闘う砦の兵と二人の姿があった!」
「お前達が来るまでは地獄のようだったぞ!」
「そう、まさに地獄!砦の兵が300だったのに対して帝国は2千近い兵を率いていた!俺たちが着くまで持ちこたえられたのは、ひとえに二人の力あってこそだ。
しかし!既にもう食糧は尽きかけ、兵の疲労も限界に近かった、時間はなかった。そこで俺は遊撃隊を編成して一転攻勢、敵の大将首を狙いに行った!」
「たった4人で部隊とはよく言ったものだ」
等と、途中からはアルバートとイレーナを置き去りにして思い出話を楽しんでいた。
まあ、それも両親達の知らなかった一面ということで、アルバートは面白く感じていた。
楽しい時間と言うのはいつもあっという間に過ぎてゆく。
11
お気に入りに追加
2,622
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
異世界複利! 【1000万PV突破感謝致します】 ~日利1%で始める追放生活~
蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。
中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。
役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
神になった私は愛され過ぎる〜神チートは自重が出来ない〜
ree
ファンタジー
古代宗教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教…人々の信仰により生まれる神々達に見守られる世界《地球》。そんな《地球》で信仰心を欠片も持っていなかなった主人公ー桜田凛。
沢山の深い傷を負い、表情と感情が乏しくならながらも懸命に生きていたが、ある日体調を壊し呆気なく亡くなってしまった。そんな彼女に神は新たな生を与え、異世界《エルムダルム》に転生した。
異世界《エルムダルム》は地球と違い、神の存在が当たり前の世界だった。一抹の不安を抱えながらもリーンとして生きていく中でその世界の個性豊かな人々との出会いや大きな事件を解決していく中で失いかけていた心を取り戻していくまでのお話。
新たな人生は、人生ではなく神生!?
チートな能力で愛が満ち溢れた生活!
新たな神生は素敵な物語の始まり。
小説家になろう。にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる