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第04章 王族近衛騎士団
No.79ㅤ酒場
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王都一画を騒然とさせた王立銀行支部局立てこもり事件だが、その経過について記載する。
銀行を占拠した賊は計十二名。うち六名は死亡、残りの六名は捕縛された。
また、この事件における被害者は人質となった銀行職員七名で、うち負傷者は軽傷が二名のみにとどまった。二名の怪我については賊に拘束される際に抗って殴られたもので、騎士団の制圧時には一切被害がなかった。
また、立てこもり事件は王都内でもまれな事象で、今回のような十名を超える規模のものは過去二十年に一度しか起きていなかった。
その一例では盗賊団「北の狼」十五名が貴族邸を占拠。住民である伯爵とその他八名を人質にし、二日間に亘って交渉が行われた。しかし一向に要求をのむ様子が無い騎士団側に痺れを切らした「北の狼」リーダーは見せしめに伯爵の子息を殺害し、見せしめに首を騎士団側に投げつけるという悲劇に発展した。また、突入の際にも人質複数名の負傷、「北の狼」構成員による捨て身の魔法攻撃によって騎士団側も二名死亡・四名重軽傷の大損害を受けた。結果として事件は解決したとはいえ様々な被害を出し、騎士団にも多くの課題点が残った。
今回の事件は「北の狼」人質事件とは打って変わって非常に華麗な解決だったといえる。今回の騒動を聞いた国王はこれを宣伝に用いるよう指示を出し、国内各所に設置されている掲示板に事件の詳細を記した記事と騎士団の強さを示す内容の張り紙をした。当然、今回の事件解決に大いなる貢献をしたシュティーア夫妻の名は大々的に報道され「国民金庫を守った英雄」とまで書かれることとなった。
それに対し二人は、人から称賛を受けるような事には慣れないので記事の内容に関してむずがゆい反応を示していた。
さて、時計の針を少しだけ戻し、事件解決のすぐ後のこと。アルバート、イレーナ両名は直属の上官であるイリヤ・マリアと彼女が懇意にしているという酒場に来ていた。
身長一八〇センチメルカ近いアルバートをして顔半分ほど余る巨躯で頭をがしがしと撫でる彼女に半ばむりやりに連れてこられた二人は、テーブル席に肩を並べて座るやいなやエールを飲まされている。それも普段飲むようなものよりも飛びぬけて高い高級酒だ。
「今回はアタシの奢りさ。酔いつぶれるまで飲んでいいからな、遠慮したらアタシが飲ませてやる」
ガハハと豪快に笑うイリヤは度の強いワインを煽りながら言った。アルバートは彼女が酒豪としても有名なのを思い出して、ひきつった愛想笑いをしながら、ちらとカウンターの方にあるセラーを見た。「自分ではとても手が出せない」というわけではないが、どれも高級な品だ。酒豪と高級酒、この組み合わせには思わず財布の中が心配になった。自分が払うわけでもないのに。
「二人とも、今回はお手柄だった。王陛下もお喜びになるだろうから、また勲章やら褒賞やらをお与え下さるだろう」
彼のいらぬ心配ごとを振り払うように、イリヤが重要なことを言う。これには思わずアルバートも真剣になった。
「勲章、ですか」
「ああそうさ、入団一年にして勲章だ。名誉なことさね──いや、そういやアンタらはもう既に一個持ってたか」
イリヤは呆れ交じりの苦笑をして、またワインを煽る。わずか二口にしてグラスが空になり、また臙脂色の液体をとくとくとグラスに注いで飲む。
「このラーグルド(王国東部にある有数のワイン産地)ワインはずいぶん度が高いですね」
イレーナが香りを楽しむようなしぐさをしながら言った。
「おんや、高いのは苦手だったかい?別のにしておくか」
「いえ、むしろ好物です」
アルバートは酒は嗜む程度だったがイレーナは違った。(アルバートの勝手なイメージであるが)前世ロシア人だけあって酒好きだ。普段は訓練に影響が出ないよう少しに抑えてはいるが、休日前夜はかなり飲む。アルバートも当然付き合うが彼女の半分飲むかどうかだった。幸いなのは彼女が酒に強い事だった。もしかしすると女神様が彼女を酒に強くしてくださったのかもしれない、とアルバートは思っていた。
「そうかい、好物かい。そいつぁイイね」
イリヤは「やった」と言わんばかりに嬉しそうな表情をしていくつか酒を追加で注文した。どれも度数の高さで有名なものだ。
「古今東西の高度数で有名な酒だ、アタシとアンタで『飲み比べ』といこうか。飲んだことないヤツはあるかい?」
イレーナは並べられたいくつかのボトルを手に取りラベルを見る。普段表情の起伏が乏しく、アルバートや長く付き合っている者でないと感情を顔から読み取ることの難しい彼女だったが、ことアルバートか酒が関わることにはその他の者にも分かる程度に感情が出る。それをイリヤはにやにやとして眺めていた。アルバートもそれに同じだ。
「シュネーリアのウォッカは飲みました。これは、フーリアのリキュールですか。これは初めてです」
「なら最初はそいつからだね──」
もともと、アルバートのデートプランに酒屋は入っていた。イレーナに一本プレゼントしようと思っていたのだが、楽しげな彼女をみると、今飲むか後で飲むかの些細な違いでしかなかった。
イリヤとイレーナの闘酒の勝敗についてだが、残念ながら決着しなかった。
二人とも快調に飲み干し、財布の金も快調に飲み干したからだ。最終的にイリヤの手持ちだけでは足りなくなったのでお開きとなってしまった。
帰り道、イレーナを心配したアルバートは彼女の背と足を持って抱え上げ──いわゆるお姫様抱っこをして寮舎まで帰った。
書き忘れていたが、彼女は酔うと感情の起伏が激しくなる(とはいっても常人のそれよりもやや少ない程度だが)。その影響か、やたらアルバートに愛の言葉を投げかけてくるので彼は「惚気上戸」などと呼んでいた。
今回も例に違わず、彼女を抱くアルバートの首に腕を回して微笑んだ。
「アル。──アルバート、愛していますよ」
耳へのキスと、零距離で囁かれるイレーナの美声のツーコンボには、ただ頬を照らすしかなかった。
銀行を占拠した賊は計十二名。うち六名は死亡、残りの六名は捕縛された。
また、この事件における被害者は人質となった銀行職員七名で、うち負傷者は軽傷が二名のみにとどまった。二名の怪我については賊に拘束される際に抗って殴られたもので、騎士団の制圧時には一切被害がなかった。
また、立てこもり事件は王都内でもまれな事象で、今回のような十名を超える規模のものは過去二十年に一度しか起きていなかった。
その一例では盗賊団「北の狼」十五名が貴族邸を占拠。住民である伯爵とその他八名を人質にし、二日間に亘って交渉が行われた。しかし一向に要求をのむ様子が無い騎士団側に痺れを切らした「北の狼」リーダーは見せしめに伯爵の子息を殺害し、見せしめに首を騎士団側に投げつけるという悲劇に発展した。また、突入の際にも人質複数名の負傷、「北の狼」構成員による捨て身の魔法攻撃によって騎士団側も二名死亡・四名重軽傷の大損害を受けた。結果として事件は解決したとはいえ様々な被害を出し、騎士団にも多くの課題点が残った。
今回の事件は「北の狼」人質事件とは打って変わって非常に華麗な解決だったといえる。今回の騒動を聞いた国王はこれを宣伝に用いるよう指示を出し、国内各所に設置されている掲示板に事件の詳細を記した記事と騎士団の強さを示す内容の張り紙をした。当然、今回の事件解決に大いなる貢献をしたシュティーア夫妻の名は大々的に報道され「国民金庫を守った英雄」とまで書かれることとなった。
それに対し二人は、人から称賛を受けるような事には慣れないので記事の内容に関してむずがゆい反応を示していた。
さて、時計の針を少しだけ戻し、事件解決のすぐ後のこと。アルバート、イレーナ両名は直属の上官であるイリヤ・マリアと彼女が懇意にしているという酒場に来ていた。
身長一八〇センチメルカ近いアルバートをして顔半分ほど余る巨躯で頭をがしがしと撫でる彼女に半ばむりやりに連れてこられた二人は、テーブル席に肩を並べて座るやいなやエールを飲まされている。それも普段飲むようなものよりも飛びぬけて高い高級酒だ。
「今回はアタシの奢りさ。酔いつぶれるまで飲んでいいからな、遠慮したらアタシが飲ませてやる」
ガハハと豪快に笑うイリヤは度の強いワインを煽りながら言った。アルバートは彼女が酒豪としても有名なのを思い出して、ひきつった愛想笑いをしながら、ちらとカウンターの方にあるセラーを見た。「自分ではとても手が出せない」というわけではないが、どれも高級な品だ。酒豪と高級酒、この組み合わせには思わず財布の中が心配になった。自分が払うわけでもないのに。
「二人とも、今回はお手柄だった。王陛下もお喜びになるだろうから、また勲章やら褒賞やらをお与え下さるだろう」
彼のいらぬ心配ごとを振り払うように、イリヤが重要なことを言う。これには思わずアルバートも真剣になった。
「勲章、ですか」
「ああそうさ、入団一年にして勲章だ。名誉なことさね──いや、そういやアンタらはもう既に一個持ってたか」
イリヤは呆れ交じりの苦笑をして、またワインを煽る。わずか二口にしてグラスが空になり、また臙脂色の液体をとくとくとグラスに注いで飲む。
「このラーグルド(王国東部にある有数のワイン産地)ワインはずいぶん度が高いですね」
イレーナが香りを楽しむようなしぐさをしながら言った。
「おんや、高いのは苦手だったかい?別のにしておくか」
「いえ、むしろ好物です」
アルバートは酒は嗜む程度だったがイレーナは違った。(アルバートの勝手なイメージであるが)前世ロシア人だけあって酒好きだ。普段は訓練に影響が出ないよう少しに抑えてはいるが、休日前夜はかなり飲む。アルバートも当然付き合うが彼女の半分飲むかどうかだった。幸いなのは彼女が酒に強い事だった。もしかしすると女神様が彼女を酒に強くしてくださったのかもしれない、とアルバートは思っていた。
「そうかい、好物かい。そいつぁイイね」
イリヤは「やった」と言わんばかりに嬉しそうな表情をしていくつか酒を追加で注文した。どれも度数の高さで有名なものだ。
「古今東西の高度数で有名な酒だ、アタシとアンタで『飲み比べ』といこうか。飲んだことないヤツはあるかい?」
イレーナは並べられたいくつかのボトルを手に取りラベルを見る。普段表情の起伏が乏しく、アルバートや長く付き合っている者でないと感情を顔から読み取ることの難しい彼女だったが、ことアルバートか酒が関わることにはその他の者にも分かる程度に感情が出る。それをイリヤはにやにやとして眺めていた。アルバートもそれに同じだ。
「シュネーリアのウォッカは飲みました。これは、フーリアのリキュールですか。これは初めてです」
「なら最初はそいつからだね──」
もともと、アルバートのデートプランに酒屋は入っていた。イレーナに一本プレゼントしようと思っていたのだが、楽しげな彼女をみると、今飲むか後で飲むかの些細な違いでしかなかった。
イリヤとイレーナの闘酒の勝敗についてだが、残念ながら決着しなかった。
二人とも快調に飲み干し、財布の金も快調に飲み干したからだ。最終的にイリヤの手持ちだけでは足りなくなったのでお開きとなってしまった。
帰り道、イレーナを心配したアルバートは彼女の背と足を持って抱え上げ──いわゆるお姫様抱っこをして寮舎まで帰った。
書き忘れていたが、彼女は酔うと感情の起伏が激しくなる(とはいっても常人のそれよりもやや少ない程度だが)。その影響か、やたらアルバートに愛の言葉を投げかけてくるので彼は「惚気上戸」などと呼んでいた。
今回も例に違わず、彼女を抱くアルバートの首に腕を回して微笑んだ。
「アル。──アルバート、愛していますよ」
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