悪役令嬢はブラック企業の社畜に転生したが持ち前の魔性で逆ハーレムを築き同僚を奴隷化していく

第4話

4-2

「小鳥遊さん……、セクハラですよ」

「えっ！？す、すみません……」

小鳥遊さんは慌てた様子で謝ってきた。私は俯く。恥ずかしくて顔を上げられない。小鳥遊さんは申し訳なさそうに項垂れた。

「……」

「……」

沈黙が訪れる。私は黙り込んだまま、ちらりと小鳥遊さんの様子を窺う。彼は困り果てたような表情をしていた。

私は勇気を出して、彼の手に自分の指先を絡める。すると、小鳥遊さんは驚いたように目を丸くした。

「し、篠宮さん……？」

「冗談ですよ♪」

私は悪戯っぽく微笑んだ。小鳥遊さんは呆気に取られたようにポカンと口を開けて固まった。

「あはは……。篠宮さん、酷いなぁ」

苦笑する小鳥遊さん。私はクスリと笑みを零すと、彼に身を寄せる。肩に頭を預けると、小鳥遊さんはビクッとして身体を大きく震わせた。

「え、あの……、し、篠宮さん……？ど、どうしたんですか……？」

「嫌でしたか？」

「い、いえ……」

「じゃあ、このままでいてくださいね」

私は小鳥遊さんの腕をぎゅっと抱きしめると、瞼を閉じる。トクントクンと鼓動が聞こえる。温かい。とても安心できる。

小鳥遊さんは戸惑いながらも受け入れてくれた。私たちはそのまま目的地に着くまで寄り添っていた。