5 / 18
第1話 深夜残業
1-5
しおりを挟む
「……もう」
私は頬を膨らませた。
「ごめんごめん。……あ、そうだ、何か飲み物とか買って来ればよかったな……」
「発泡酒ならありますけど飲みますか?」
「うん、じゃあそれでお願いしようかな」
私は冷蔵庫の中から発泡酒を取り出すとテーブルの上に置いた。
「はい、どうぞ、私は薬飲むので……」
「ありがとうございます」
彼は缶ビールのプルタブを引く。プシュッという音が部屋に響いた。私は錠剤を一粒口に含む。そしてコップに入れた水でそれを流し込んだ。御手洗さんは一口飲んで、美味しいと言って微笑む。それからしばらく二人で他愛もない話をした。
「……そういえば御手洗さんって、彼女とかいるんですか?」
私はふと思いついて聞いてみた。
「え?どうして急に?」
御手洗さんは驚いた表情をする。
「いや……、別に深い意味はないですけど……気になっただけで」
私は目を逸らす。
「う~ん……、彼女はいないですね」
「そうなんだ……。モテそうなのにもったいないなぁ~」
「そんなことないですよ。僕なんて全然……」
「そんなことあると思いますけど……。まぁいいですけどね」
私はフゥと息をつくとベッドの上に寝転がる。
(私には関係ない話だし……)
「……ねぇ、篠宮さん」
「何ですか?」
私は寝返りを打つ。
「今日はここに泊まってもいいですか?」
「はぁ?!何を言って……」
私は驚いて起き上がる。
「いいでしょう?明日休みですし」
「それはそうだけど……」
「大丈夫ですよ。何もしませんから……」
御手洗さんはニコッと笑う。
「何もしないんですか……?それはそれでムカつくんですけど」
私はジト目で彼を見る。
「ふふっ、篠宮さんは面白いなぁ」
「もう……」
「じゃあさ、一緒に寝ようよ」
「……はい?」
私は頬を膨らませた。
「ごめんごめん。……あ、そうだ、何か飲み物とか買って来ればよかったな……」
「発泡酒ならありますけど飲みますか?」
「うん、じゃあそれでお願いしようかな」
私は冷蔵庫の中から発泡酒を取り出すとテーブルの上に置いた。
「はい、どうぞ、私は薬飲むので……」
「ありがとうございます」
彼は缶ビールのプルタブを引く。プシュッという音が部屋に響いた。私は錠剤を一粒口に含む。そしてコップに入れた水でそれを流し込んだ。御手洗さんは一口飲んで、美味しいと言って微笑む。それからしばらく二人で他愛もない話をした。
「……そういえば御手洗さんって、彼女とかいるんですか?」
私はふと思いついて聞いてみた。
「え?どうして急に?」
御手洗さんは驚いた表情をする。
「いや……、別に深い意味はないですけど……気になっただけで」
私は目を逸らす。
「う~ん……、彼女はいないですね」
「そうなんだ……。モテそうなのにもったいないなぁ~」
「そんなことないですよ。僕なんて全然……」
「そんなことあると思いますけど……。まぁいいですけどね」
私はフゥと息をつくとベッドの上に寝転がる。
(私には関係ない話だし……)
「……ねぇ、篠宮さん」
「何ですか?」
私は寝返りを打つ。
「今日はここに泊まってもいいですか?」
「はぁ?!何を言って……」
私は驚いて起き上がる。
「いいでしょう?明日休みですし」
「それはそうだけど……」
「大丈夫ですよ。何もしませんから……」
御手洗さんはニコッと笑う。
「何もしないんですか……?それはそれでムカつくんですけど」
私はジト目で彼を見る。
「ふふっ、篠宮さんは面白いなぁ」
「もう……」
「じゃあさ、一緒に寝ようよ」
「……はい?」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました
かたつむり
恋愛
主人公の本条 まつりはある日目覚めたら男女比が40:1の世界に転生してしまっていた。
「日本」とは似てるようで違う世界。なんてったって私の推しキャラが存在してない。生きていけるのか????私。無理じゃね?
周りの溺愛具合にちょっぴり引きつつ、なんだかんだで楽しく過ごしたが、高校に入学するとそこには前世の推しキャラそっくりの男の子。まじかよやったぜ。
※この作品の人物および設定は完全フィクションです
※特に内容に影響が無ければサイレント編集しています。
※一応短編にはしていますがノープランなのでどうなるかわかりません。(2021/8/16 長編に変更しました。)
※処女作ですのでご指摘等頂けると幸いです。
※作者の好みで出来ておりますのでご都合展開しかないと思われます。ご了承下さい。
変態王子&モブ令嬢 番外編
咲桜りおな
恋愛
「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」と
「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」の
番外編集です。
本編で描ききれなかったお話を不定期に更新しています。
「小説家になろう」でも公開しています。
異世界転生先で溺愛されてます!
目玉焼きはソース
恋愛
異世界転生した18歳のエマが転生先で色々なタイプのイケメンたちから溺愛される話。
・男性のみ美醜逆転した世界
・一妻多夫制
・一応R指定にしてます
⚠️一部、差別的表現・暴力的表現が入るかもしれません
タグは追加していきます。
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です
6年間姿を消していたら、ヤンデレ幼馴染達からの愛情が限界突破していたようです~聖女は監禁・心中ルートを回避したい~
皇 翼
恋愛
グレシュタット王国の第一王女にして、この世界の聖女に選定されたロザリア=テンペラスト。昔から魔法とも魔術とも異なる不思議な力を持っていた彼女は初潮を迎えた12歳のある日、とある未来を視る。
それは、彼女の18歳の誕生日を祝う夜会にて。襲撃を受け、そのまま死亡する。そしてその『死』が原因でグレシュタットとガリレアン、コルレア3国間で争いの火種が生まれ、戦争に発展する――という恐ろしいものだった。
それらを視たロザリアは幼い身で決意することになる。自分の未来の死を回避するため、そしてついでに3国で勃発する戦争を阻止するため、行動することを。
「お父様、私は明日死にます!」
「ロザリア!!?」
しかしその選択は別の意味で地獄を産み出していた。ヤンデレ地獄を作り出していたのだ。後々後悔するとも知らず、彼女は自分の道を歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる