第8回空色杯【500文字以下/以上の部】

儀仗空論・紙一重

文字の大きさ
上 下
2 / 2

TWILIGHT

しおりを挟む
 黄昏時は、誰そ彼時。

 何もかも、酸いも甘いも、人も獣も妖も、朱に染まって夜になるまで混ざり合う。

 あなたは誰で、わたしはアナタ?

 後ろの正面、泣いてるキミはさっきのだぁれ?

 狐面が打ち鳴らす囃子は、どこかの血祭り?

 さっきのあの子の貌がないのは三人目だから。

 あの黄泉橋をさあさ通りゃんせ、決して振り向かなければいきて帰れる。

 笑いましょ、笑いましょ、少女たちはもう迷子。

 戯言騙りはもうたくさん、言霊狩りは神にお任せ。

 夢が醒めたら素敵なことね、夜はすぐそこ、朝は来ない。

 集めて願いし羅刹卜骸、今はそれらと踊れや踊れ。

 螺旋が渦巻く不夜迷宮に、閉じ込められて、百鬼夜行もお気の召すまま。

 首吊りの正体見たり枯れ狸、ゆらゆらとゆらゆらと。

 さては赤い靴の少女は寫眞機拾肆號を使ったな?

 昏き眼差し、隣の隣の隣のだぁれ?

 三叉路の二又猫を追いかけて、いひひ、さようなら。

 掠れた放送が鳴り響く、夕焼け小焼けまた明日、どこに行ってもまた此処に。

 さあさ夜はもうすぐ、二人目置いて早くお帰り。

 鴉と一緒に真っ黒け、あの子はまだまだかくれんぼ。

 黄昏時なんて怖くない、さっぱり何にも起きやしないもの。

 だって、わたしは最初から一人きり独りきり。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...