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4.GAME 0.ver.
その後の破滅を楽しめるか
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『――ランク21位、ナンバー・コーデックスvsランク32位、ルジネ、さあ、配置について!』
そう。
デメリットしかないかもしれない魔剣の機嫌を損ねないうちに。
不本意に訪れたこの平穏が破滅してしまうかもしれない、その前に。
正体不明の不気味な魔剣を使う無敗の新人ランカー。
自分がそんな大層なもんになるなんて思ってもみなかったけど、どうやらそういうのは話題になりやすいらしい。
そして、そのチームメイトには上位ランカーが2人と謎のバニーガール。
ああ、悪目立ちが過ぎるな。
あの心臓の魔剣は何なのか、日夜考察班が捗っているらしい。別に隠しているつもりはない、どっちかというとこれが何なのか解明してくれた方が助かるまである。どちらかというとこれを手に入れた経緯を知られる方がまずい。まあ、攪乱魔法を使っていたし大丈夫だとは思うけど。
(グラムじゃと? あんな野蛮な奴と一緒にされるとは!)
(ストームブリンガー? そんな奴知らぬ)
(カラドボルグ!? 美しきわらわのどこを見ればそう思うのじゃ!)
こっちの唯一の手掛かりかつ情報源は文句ばかりで役に立たん。
図書館の解放を条件にカグラ先生も調べてくれてはいるみたいだけど、ただのミーハーコスプレ先生に過度な期待はやめておこう。
「ファンタズム・セットアップ、」
そう、今は目の前の敵を倒すことだけに集中しよう。
「魔剣、アウラ」
いつだってこの剣を引き抜くときは死んだような気分になる。いや、最低最悪なバッドコンディションってことじゃなくて。
心臓のど真ん中をゆっくり通過する刃の冷たさが。
オレ自身から噴き出すどす黒い血の生臭さが。
そうやって死の恐怖に苛まれるオレを高らかに嘲笑うアウラの振動が。
その全てが。
不快で不快で仕方がない。
いつもせりあがってくる吐き気を催しては寸前で必死に飲み込む。公衆の面前でゲロ吐かないだけマシだろうか。
「よろしくね、魔剣士、ルジネくん」
「よろしく、おねがいします」なんとなくぶっきらぼうに。
今回のルールは、1対1の決闘スタイルだ。
互いに背中合わせで聖遺物を顕現させて、5歩歩いたらゲームスタート。振り向いて先にどちらかの身体に一撃を入れたら勝ちだ。
だから、この前みたいにいきなり対戦相手と相まみえることはない。こうしてほんの少しだけど相手と話す時間もある。
「キミは知ってるかい? かつて機械に自我を持たせたことがあったという歴史を」
「知らねえっすね。ただ、機械に自我を持たせるなんて正気の沙汰じゃないってことはわかる」
「そこは僕も同意するよ。ただ、学生のときに勉強はしっかりやっておいた方がいいと思うな」
お互い軽めの握手。右腕の籠手が威嚇のつもりだろうか、ガチャリと軽々しい金属音を鳴らす。
ナンバー・コーデックスとコールされた物腰のやわらかな好青年。
オレよりも少しだけ年上、大体20歳くらいか。端正な顔に戦うことなんてしなさそうな柔和な笑顔。少し狭めの仮想フィールドに吹く風になびく長めの茶髪。いかにも万人受けするモテそうな感じだ。
すらりとした長身にぴったりと黒いボディスーツを身に着けている。そして、その背中や肩からはいくつものケーブルがだらりと地面まで垂れ下がっていた。でも、これはきっと聖遺物じゃない。このケーブルはこの対戦相手の身体の一部か。
「当時の人間達の愚かな判断によって自我を持った機械は創造主に反旗を翻した。そう、それこそが第一次機械大戦の始まりだ」
「歴史の講義助かります、だけど、機械大戦のことは知ってるんで、というか知らないやつなんていないって」
「そう、この大戦はこの星の運命さえ変えるような出来事だったからね。機械の侵攻は外殻だけに及ばず、箔殻、そして、内殻にも伸びようとしていた」
ナンバー・コーデックスはまだ聖遺物を顕現させない。もう、ゲームは始まる。
「つーか、それがどうしたんすか、戦わねえならリタイヤしてくれない? オレだって丸腰で講釈垂れてるやつなんて切りたくないし」
「おや、そうだったね、ごめんごめん。僕はこの聖遺物がお気に入りでね、つい誰かと話したくなっちゃうんだよね、」
オレの失礼極まりな物言いなんて全く気にせず、ナンバー・コーデックスは申し訳なさそうに頭の後ろを掻く。良く見たら、その右手の先は背中のそれらと同じように無数の短いケーブルがより合わさっていた。もしかしたら、こいつの身体はケーブルでできているんじゃないだろうか。
「それじゃあ、最後に、これだけ語らせてくれ」
そうして、ナンバー・コーデックスはその柔らかな表情のまま不敵な笑みを浮かべるという器用な芸当をきっと無意識に披露しながら。
「機械の反乱を止めたのはたった0.5秒の電磁パルスだった」
オレの予想通り彼の身体を形成しているであろうケーブルがさらに増え、ショートした電線のようにバチバチとのたうち回りながら魔力をまき散らす。
「――ファンタズム・セットアップ、ピースブリンガー」
彼が全身に纏う無数のケーブルが電荷を帯びながら空中に浮遊する。
「僕は電装響度、ナンバー・コーデックスだ、よろしく、魔剣士くん」
「なあ、ひとつ訊いてもいい?」
「なんだい?」
「その二つ名っていつから名乗れんの? あんた、21位でしょ? そんなんでも名乗ってオーケーなの? ならさ、オレにも何かかっこいいの考えてくれよ」
「……さあ、知らないね」
きっと機嫌を損ねたんだろうな。彼はそう素っ気なく言うとふいっと振り返る。
そうだ、これから決闘だった。
クソつまらねえ相手の自分語りはようやく終わり。
オレも彼に背を向ける。
『さあ、両者1歩目!』
勝ち進めばギャラリーも増えて、そのリングアナウンサーの高らかな宣言に歓声が上がる。
それが死のカウントダウンか、はたまた栄光の勝利への歩みなのかは、そう、互いにまだ知らない。
2歩目。相手の靴音がまだ聞こえるかと思ったけど、聞こえたのはオレ自身の足音と高鳴らない心音だけだった。
『3歩目!』
張り詰め始めた決闘の予感に、いつもなら喚き立ててやかましいはずの空気が読めない歓声すら息を飲む。
4歩目。(いひひ、男子ったらこんなのが好きなんて信じられないのぉ。わらわには理解不能じゃ)手の内でぬるりと振動する魔剣の戯れ言すら鬱陶しく。
そして。
『5歩目! 決闘の始まりだ!』
最後の一歩を踏み入れた瞬間勢い良く振り返る。
垣間見た相手は。
「クソッ……」
思わず悪態。
あいつ、浮いてやがったな!
オレが振り返るより遥かに速く。
足下に電磁フィールドを展開、ドローンじみたなめらかな転回。
ナンバー・コーデックスを形作る無数のケーブルの先端がオレへと向けられている。
「この聖遺物は全ての機械や魔法攻撃を無効化する。たとえどんな強敵だって、無防備で動けなかったら降参するしかないだろ?」
「知るか!」
ほとんどやけくその突貫、なんだっていい、あいつに一撃当てればいいだけだ!
バチバチとナンバー・コーデックスの周囲が激しくそして、荒々しく光り輝く。ケーブルと電磁パルスが形成する巨大な魔法陣となり、仮想フィールド全体を覆い尽くす。
右腕の幻想籠手が必死の抵抗むなしくバンッと弾け飛ぶ。もう、使い物にならない。
「止まれ、止ま、止ま、止ま……らない!?」
魔法陣の中にバカみたいに正面から突っ込んで。……ん?
何事もなく、魔剣を振り下ろす。
お互いに、そう、ギャラリーやリングアナウンサーすら何が起きたのか分からず、フィールドの全てがぽかんと静寂に包まれる。
この対戦の結末を信じられない、という眼差しをオレに向けながらゆっくりと倒れ込むナンバー・コーデックス。
しばらくの意味不明な静寂の後。
『……せ、聖遺物消失、ナンバー・コーデックス再起不能! 勝者、ルジネ!』
ようやくコールされた勝利宣言は、完全に熱狂のタイミングを逸していて、ほんの少しのどよめきとわずかな拍手の音だけを鳴らしただけだった。
毎回、オレの対戦はマジで盛り上がらねえな。
(あれは何だったのじゃ? ちょっとピリッとしたかの?)
「オレはお前がピンピンしてる方が不思議でならねえよ」
オレの身体に機械部分ない、完全な生身だからあいつの聖遺物が無効だったのはわかる。
だけど。
オレの不信が観客にも伝わってしまったかのような、かすかな気配を感じて。
オレは逃げるように仮想フィールドをログアウトした。
そう。
デメリットしかないかもしれない魔剣の機嫌を損ねないうちに。
不本意に訪れたこの平穏が破滅してしまうかもしれない、その前に。
正体不明の不気味な魔剣を使う無敗の新人ランカー。
自分がそんな大層なもんになるなんて思ってもみなかったけど、どうやらそういうのは話題になりやすいらしい。
そして、そのチームメイトには上位ランカーが2人と謎のバニーガール。
ああ、悪目立ちが過ぎるな。
あの心臓の魔剣は何なのか、日夜考察班が捗っているらしい。別に隠しているつもりはない、どっちかというとこれが何なのか解明してくれた方が助かるまである。どちらかというとこれを手に入れた経緯を知られる方がまずい。まあ、攪乱魔法を使っていたし大丈夫だとは思うけど。
(グラムじゃと? あんな野蛮な奴と一緒にされるとは!)
(ストームブリンガー? そんな奴知らぬ)
(カラドボルグ!? 美しきわらわのどこを見ればそう思うのじゃ!)
こっちの唯一の手掛かりかつ情報源は文句ばかりで役に立たん。
図書館の解放を条件にカグラ先生も調べてくれてはいるみたいだけど、ただのミーハーコスプレ先生に過度な期待はやめておこう。
「ファンタズム・セットアップ、」
そう、今は目の前の敵を倒すことだけに集中しよう。
「魔剣、アウラ」
いつだってこの剣を引き抜くときは死んだような気分になる。いや、最低最悪なバッドコンディションってことじゃなくて。
心臓のど真ん中をゆっくり通過する刃の冷たさが。
オレ自身から噴き出すどす黒い血の生臭さが。
そうやって死の恐怖に苛まれるオレを高らかに嘲笑うアウラの振動が。
その全てが。
不快で不快で仕方がない。
いつもせりあがってくる吐き気を催しては寸前で必死に飲み込む。公衆の面前でゲロ吐かないだけマシだろうか。
「よろしくね、魔剣士、ルジネくん」
「よろしく、おねがいします」なんとなくぶっきらぼうに。
今回のルールは、1対1の決闘スタイルだ。
互いに背中合わせで聖遺物を顕現させて、5歩歩いたらゲームスタート。振り向いて先にどちらかの身体に一撃を入れたら勝ちだ。
だから、この前みたいにいきなり対戦相手と相まみえることはない。こうしてほんの少しだけど相手と話す時間もある。
「キミは知ってるかい? かつて機械に自我を持たせたことがあったという歴史を」
「知らねえっすね。ただ、機械に自我を持たせるなんて正気の沙汰じゃないってことはわかる」
「そこは僕も同意するよ。ただ、学生のときに勉強はしっかりやっておいた方がいいと思うな」
お互い軽めの握手。右腕の籠手が威嚇のつもりだろうか、ガチャリと軽々しい金属音を鳴らす。
ナンバー・コーデックスとコールされた物腰のやわらかな好青年。
オレよりも少しだけ年上、大体20歳くらいか。端正な顔に戦うことなんてしなさそうな柔和な笑顔。少し狭めの仮想フィールドに吹く風になびく長めの茶髪。いかにも万人受けするモテそうな感じだ。
すらりとした長身にぴったりと黒いボディスーツを身に着けている。そして、その背中や肩からはいくつものケーブルがだらりと地面まで垂れ下がっていた。でも、これはきっと聖遺物じゃない。このケーブルはこの対戦相手の身体の一部か。
「当時の人間達の愚かな判断によって自我を持った機械は創造主に反旗を翻した。そう、それこそが第一次機械大戦の始まりだ」
「歴史の講義助かります、だけど、機械大戦のことは知ってるんで、というか知らないやつなんていないって」
「そう、この大戦はこの星の運命さえ変えるような出来事だったからね。機械の侵攻は外殻だけに及ばず、箔殻、そして、内殻にも伸びようとしていた」
ナンバー・コーデックスはまだ聖遺物を顕現させない。もう、ゲームは始まる。
「つーか、それがどうしたんすか、戦わねえならリタイヤしてくれない? オレだって丸腰で講釈垂れてるやつなんて切りたくないし」
「おや、そうだったね、ごめんごめん。僕はこの聖遺物がお気に入りでね、つい誰かと話したくなっちゃうんだよね、」
オレの失礼極まりな物言いなんて全く気にせず、ナンバー・コーデックスは申し訳なさそうに頭の後ろを掻く。良く見たら、その右手の先は背中のそれらと同じように無数の短いケーブルがより合わさっていた。もしかしたら、こいつの身体はケーブルでできているんじゃないだろうか。
「それじゃあ、最後に、これだけ語らせてくれ」
そうして、ナンバー・コーデックスはその柔らかな表情のまま不敵な笑みを浮かべるという器用な芸当をきっと無意識に披露しながら。
「機械の反乱を止めたのはたった0.5秒の電磁パルスだった」
オレの予想通り彼の身体を形成しているであろうケーブルがさらに増え、ショートした電線のようにバチバチとのたうち回りながら魔力をまき散らす。
「――ファンタズム・セットアップ、ピースブリンガー」
彼が全身に纏う無数のケーブルが電荷を帯びながら空中に浮遊する。
「僕は電装響度、ナンバー・コーデックスだ、よろしく、魔剣士くん」
「なあ、ひとつ訊いてもいい?」
「なんだい?」
「その二つ名っていつから名乗れんの? あんた、21位でしょ? そんなんでも名乗ってオーケーなの? ならさ、オレにも何かかっこいいの考えてくれよ」
「……さあ、知らないね」
きっと機嫌を損ねたんだろうな。彼はそう素っ気なく言うとふいっと振り返る。
そうだ、これから決闘だった。
クソつまらねえ相手の自分語りはようやく終わり。
オレも彼に背を向ける。
『さあ、両者1歩目!』
勝ち進めばギャラリーも増えて、そのリングアナウンサーの高らかな宣言に歓声が上がる。
それが死のカウントダウンか、はたまた栄光の勝利への歩みなのかは、そう、互いにまだ知らない。
2歩目。相手の靴音がまだ聞こえるかと思ったけど、聞こえたのはオレ自身の足音と高鳴らない心音だけだった。
『3歩目!』
張り詰め始めた決闘の予感に、いつもなら喚き立ててやかましいはずの空気が読めない歓声すら息を飲む。
4歩目。(いひひ、男子ったらこんなのが好きなんて信じられないのぉ。わらわには理解不能じゃ)手の内でぬるりと振動する魔剣の戯れ言すら鬱陶しく。
そして。
『5歩目! 決闘の始まりだ!』
最後の一歩を踏み入れた瞬間勢い良く振り返る。
垣間見た相手は。
「クソッ……」
思わず悪態。
あいつ、浮いてやがったな!
オレが振り返るより遥かに速く。
足下に電磁フィールドを展開、ドローンじみたなめらかな転回。
ナンバー・コーデックスを形作る無数のケーブルの先端がオレへと向けられている。
「この聖遺物は全ての機械や魔法攻撃を無効化する。たとえどんな強敵だって、無防備で動けなかったら降参するしかないだろ?」
「知るか!」
ほとんどやけくその突貫、なんだっていい、あいつに一撃当てればいいだけだ!
バチバチとナンバー・コーデックスの周囲が激しくそして、荒々しく光り輝く。ケーブルと電磁パルスが形成する巨大な魔法陣となり、仮想フィールド全体を覆い尽くす。
右腕の幻想籠手が必死の抵抗むなしくバンッと弾け飛ぶ。もう、使い物にならない。
「止まれ、止ま、止ま、止ま……らない!?」
魔法陣の中にバカみたいに正面から突っ込んで。……ん?
何事もなく、魔剣を振り下ろす。
お互いに、そう、ギャラリーやリングアナウンサーすら何が起きたのか分からず、フィールドの全てがぽかんと静寂に包まれる。
この対戦の結末を信じられない、という眼差しをオレに向けながらゆっくりと倒れ込むナンバー・コーデックス。
しばらくの意味不明な静寂の後。
『……せ、聖遺物消失、ナンバー・コーデックス再起不能! 勝者、ルジネ!』
ようやくコールされた勝利宣言は、完全に熱狂のタイミングを逸していて、ほんの少しのどよめきとわずかな拍手の音だけを鳴らしただけだった。
毎回、オレの対戦はマジで盛り上がらねえな。
(あれは何だったのじゃ? ちょっとピリッとしたかの?)
「オレはお前がピンピンしてる方が不思議でならねえよ」
オレの身体に機械部分ない、完全な生身だからあいつの聖遺物が無効だったのはわかる。
だけど。
オレの不信が観客にも伝わってしまったかのような、かすかな気配を感じて。
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