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4章:荳也阜縺ッ繝ッ繧ソ繧ッ繧キ縺ァ蜃コ譚・縺ヲ縺?k?

――わたしだけレベルアップしないのに、新異世界最強ギルドマスターのハーレムの一員に!?――①

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「きゃ、きゃー、助けてー」

「ねえ、もっと感情込めて、キティ」ジーナ、小声で。

「だって、わたし、演技派で売ってないんで」

「それを自信満々で言わないで、大根役者」

「がうー?」

 遠くからでも見えるように周りの木々よりも巨大な姿へと変身して、白い猛獣みたいになったメルトは、両腕を振り上げて今にもわたし達に襲い掛からんとする体勢のまま、ぴたりと静止。口を大きく開けたままなんとなく困ったような眼差しをこそこそ言い争いしてるわたし達に向けている。……安心して、わたしも困惑してるから。

 ジーナが考えた作戦はこうだ。

 まず、冒険者になりたてのわたしはジーナの案内で薬草摘みとかそんな感じのいたって平和な低ランクのクエストを受注、開始する。

 が、ここでまさかの超強い魔獣に遭遇。頼りの綱のジーナは負傷し、ピンチになったところをたまたま近くでクエストに挑んでいたマナカが颯爽と助けてくれて、わたし、そんなマナカの勇姿に胸キュン、一生ついていくわー、というわけ。……反吐が出るわね、特に最後のくだり。

 そして、わたしの溢れ出る魅力にメロメロになったマナカが油断したところで、背後からズバッと暗殺! ……そんなに上手くいくのかなあ、わたしにそんな魅力あります?

 女たらしのマナカなら絶対にわたしをハーレムの一員にしようとする、というジーナの言葉になんとなく気持ち悪さを覚えながら、確かに他にいい潜入作戦は思い付かなくて渋々妥協。

 結局、力こそパワー、ゴリゴリのゴリ押しじゃい、というわたしの提案はあっけなく却下され、とても不本意ながら、いたって穏便にマナカに接触する作戦になった。いや、穏便か、これ?

「いやー、アタシがついていながら不甲斐ないなー、膝に矢を受けてしまってなー」

「ジーナだって超棒読みじゃんか」

「ちょ、黙ってて!」

「わおーん」メルト、それ、なんか違う。

 見た目だけでも新人っぽく、集会所の物置にあった安っぽい革の盾と小剣、それに革の胸当てをいつもの黒いワンピースの上から装備。お、なんかちょっと冒険者っぽくて楽しいかも。

 あ、ちなみにジーナは結構露出度高めな服装で、防具も何も持っていない。ガチの手ぶら。

 でも、まあ、それもそのはずで。

 ジーナってこんなにも真っ先に最前線に飛び出していきそうなのに、なんと! 魔法使いなの! 全身のピアスやらタトゥが魔法陣になっていて、杖の代わりなんだって。確かに良く見たらピアスにもなんか不思議な文字やら紋様が彫ってある。「雷魔法が得意なんだ」「すごい強そう!」

「ワタシワクエストチョットデキル」

「あんただって急にカタコトになるじゃん。それに、それは習熟度の最高峰だからあんたにはまだ早い」

「ばうーん?」

 傍目から、いや、やっている当事者達から見たってあまりにもお粗末な茶番劇だ。やっぱり演技とか無理すぎる。というか、乗り気じゃないんよな、これはもうモチベーションの問題かも。

 だって、わたしは今、突然の魔物の出現に腰を抜かして動けない、そんな情けない感じを演じてるんだもの。ちょっと納得いかない。え、だって、カッコ悪いじゃん。

「いたいけな方がマナカの食い付きがいいんだって」

「それもなんかイヤ」
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