幸福サーカス団

復讐したい白戸さん

　復讐したい白戸しらとさん
公園でコーヒーを飲みながらメガネを掛け直す一人の男。
「畜生あのやろうまじ許せねぇ」
彼白戸勇気はある男を許せずにいた。

思い浮かぶは女性のようにふわふわした男性。

「虎原とらはらのせいで俺は……」

虎原とは白戸の同級生だった。
彼は正義感が強く人気が高い男子でありしかもヤンキーを打ち負かすほどの強さを兼ね備えている。

白戸は彼のせいでスクールカーストが低くなり
同級生から無視されるようになった。

「あいつマジで消えねぇかな」
「もしもし」

そう話しかけてきたのは黒い肌の道化師だった。

「なんなんだよいきなり」
「君何かお悩みだね？顔の色も悪いし」

道化師は名刺を一枚白戸に渡す。

「申し遅れたね　ボクはこういうものだよ」
名刺には幸福サーカス団クラウン　ジョーカー
あなたの願い叶えますと描かれている。

「ふん…」

白戸は名刺を見つつ、冗談混じりで願いを言う。

「なら～俺の大嫌いな人間を不幸にしてくれねぇか？あいつのせいで俺は同級生からそうスカん受けてんだ」

「それは可哀想に…それならいい物があるよ」

そういうとジョーカーは一つのアイテムを渡した。

「幸せ奪い証のキャラメル　これを憎い人を思いながら舐めると相手は一つずつ不幸になっていくんだ　ただし一気には食べちゃだめ1日一個だよ」

「キャラメルを舐めるだけ…わかった」

白戸はもうなんでもよかったのだ…あいつに復讐できるならなんでもよかったのだ。

白戸はキャラメルを手に取る。

その夜　キャラメルを一つ舐めたその味は香ばしく甘い…思わずもう一つ食べてしまいそうだが
グッと我慢した。

翌日
「虎原くん大丈夫？」
クラスメイトが虎原は手に包帯を巻いていた。
「うっかり転んじゃってさ」

虎原は笑っているが白戸はニヤリと笑っていた。

（キャラメルの効果だな……よしよし）

その後白戸はキャラメルを食べ続けるたびに虎原は不幸になっていく。
車にぶつかったり、万引きを疑われたり……
それでも虎原はめげなかった。

（なんでだよ…）
白戸は頭を抱えていたが虎原の隣にいる金色の髪をした女…

（あいつは確か虎原の彼女…そうかあいつがいるから……）

白戸はニヤリと笑った。

「あいつごと不幸になれば…復讐できる…」

白戸は二人を不幸にすべく前から言われていたキャラメルを二つ食べた。

（これで…奴らを不幸に…）

その瞬間　白戸の頭上から鉄パイプが落ち白戸を貫いた。

虎原とその彼女だけでなく周りも集まった。

ジョーカーはふふっと笑いながら血の付着したキャラメルを見ていた。

「だからいったでしょ一つしか食べちゃダメって…まぁ人を呪えば穴二つということわざがあるからいずれはああなる運命だったんだね　つくづく人間の因果とは不思議でたまらないね」

「そうだな…彼もそんな運命だったのだろう」
小さな団長はそう呟いた。