幸福サーカス団

動画絵師 鈴木さんの場合

パソコンを見ながらイラつく1人の男性
（ああっ全然伸びねぇ）

彼の名は動画絵師　鈴木くみひろ

くみくみチャンネルという都市伝説を中心に
活躍している動画絵師だが最近は動画再生数に伸び悩んでいた

最近はスカッと系などにも手を出したが全く伸びない　ネタ探しにネット掲示板などを漁るがどれも他の動画がやっているものばかりだ。

「今までにないネタねぇかな…」

都市伝説関連で調べ上げるとあるまとめ記事を見つけた。

都市伝説　幸福サーカス団のまとめ記事

「幸福サーカス団？？なんでも願いが叶う？？これだ！」

くみひろは幸福サーカス団関連のまとめ記事を
丸パクリし　動画にした。

動画内容は

〔案内人のクミヒロです　今回は幸福サーカス団の怖い話についてお話ししたいと思います〕

すると100万再生という動画内で初めてバズりにくみひろは興奮した。

「やったぜ」

そして　くみひろは幸福サーカス団のキャラクターを勝手に捏造した。

特にジョーカーのキャラクター設定はファンアートなどが大量に描かれる人気キャラクターになった。

「ジョーカーさえいれば俺の動画の人気は鰻登りだなー」

くみくみチャンネルは人気動画になり、書籍化までされたがネタのマンネリ化が深刻化していた。

（ネタがマンネリ化してきたな…どうしよう）

またネットを漁り　丁度いいキャラクターを見つけた。

（海外の都市伝説キャラクターのJack the Hunter…これをジョーカーのライバルキャラクターに）

そして海外の都市伝説サイトから盗作した
Jack the Hunterはジョーカーのライバルキャラクターとしてたちまち人気になり　2人のカップリングが大量に描かれるようになった。

（再生回数伸びてる伸びてる）

くみひろは動画の再生回数の伸び具合から次々に　海外の都市伝説サイトからキャラクターを盗作し　自身のキャラクターとして私物化したのだった。

さらにそれには飽き足らず個人のスカッと漫画のサイトからそのネタを丸々パクリ　自身の動画にし　皮肉にも再生回数は伸びていき　熱狂的なファンまでついてきた。

（これで俺は超人気動画絵師だぜ…）


場所は変わり
幸福サーカス団のテント内
金髪の道化師の少女がジョーカーとシルクハットの女性にくみくみチャンネルの動画を見せた。

内容は自分によく似たキャラクターが知らないキャラクターにボコられるというもの

「…つまらないコメディだね」
笑顔でそう言った。

シルクハットの女性は怒りの表情を見せた。

「ジョーカー　我々サーカス団をこんなつまらないコメディにしたこのお客様に特別仕様のおもてなしを」

ジョーカーはその言葉を聞きニヤリと笑う
「この動画主様に最高のおもてなしをですね」

サーカス内は笑い声でいっぱいになった。



くみひろが盗作した動画を大量投稿してから数日後

くみひろの動画のコメント欄やSNSが大炎上した。

Jack the Hunterのファンや盗作した都市伝説サイトのファンさらにはスカッと系で使用したネタのファンがくみひろの動画に抗議

さらにはJack the Hunterの作者のCharles氏や都市伝説サイトの作者さらにはスカッと系でネタ使用した漫画の作者がくみくみチャンネルを法的起訴すると発表する自体まで発展した。

「なんなんだよ　パクリじゃねえよオマージュ
だオマージュ」

そんな言い訳が通用する訳がなく　くみひろは完全にファンや作者を敵に回したのだった。

「クソ！」

くみひろは壁を殴った。

「俺は悪くない　俺は悪くねぇんだ」

すると　自身のSNSからあるメッセージが
届いた。

その恐る恐るメッセージを開く。

［くみくみチャンネルの案内人のくみひろ様へ動画を拝見させて戴きました　我々幸福サーカス団を動画にして戴き　ありがとうございます
動画作成にお疲れでしょう　今から貴方様に素敵なおもてなしをさせて頂きます］

くみひろはアンチの悪戯だと思い　そのアカウントをすぐにブロックし　水を一口飲んだ

（幸福サーカス団なんて都市伝説だろ　存在する訳が…）

マグカップの水面を見ると黒い顔が写っていた。

驚きマグカップを割ってしまったくみひろ

「きっと疲れたからに違いない…」

動揺しふらふらし　ソファーに座る。

「ふぅ…こんなの悪戯だ悪戯にちが…」

そう自分に言い聞かせている途中　お尻からソファーに吸い込まれていく。

「なん…あっが」

ソファーに吸い込まれてた先は　サーカスのテント内のような場所の空中に投げ出された。

「ぎゃぁァァァ」

下には地面がある　このままでは落下死してしまう。

「お客様大丈夫ですか？」

黒い肌をした道化師は指を鳴らし　空中で一旦止まると　綿毛のように着地した。

くにひろは腰を抜かし　道化師を見ていた。

「あんたは…ここは」

道化師は丁寧にお辞儀をしながら自己紹介した

「えっ？君の動画の主役的存在のジョーカーだよ　動画内のボクはやばいやつっぽく描かれているからわからなかったかな？」

ジョーカーがにっこり笑うとくにひろは震え上がる。

「じょ…ジョーカー！？」

ジョーカーはくにひろに顔を近づけた

「ボクは怒らないけど　君の動画ないでかませ犬化しているsilkとボコり枠のMaryはかなり怒っているようだから」

ジョーカーは指をパチンとし　くにひろを椅子のようなものに拘束した。

「幸福サーカス団のルールの一つに団員に暴力を振るったりすることは禁止なんだ　君の場合は幸福サーカス団の信頼を汚す悪しきことなんだ　特にsilkと動画内でJackに酷いことされたMaryは特に…さてあとはMaryと silkがおもてなしするから…ボクはこれで」

ジョーカーは去ろうとするが…

「ジョーカー！助けてくれよ！あんたは願いを叶えてくれるんだろ！！不幸な俺…」

ジョーカーは真顔で返答する

「ボク　君のことを助けたくない」

そう言って去っていく

くにひろの後ろから隠し刀を持つMaryと猛獣のsilk

くにひろは今までのことを懺悔の言葉を叫ぶが全てが遅すぎた。


その後　くにひろは行方不明　シロネコチャンネルの動画は全て削除された。

Jack the Hunterの作者とサイト内の関係者は
ガイドラインを設け　くにひろがスカッと系で
使用した漫画ネタ元の作者はこれを機に自身の漫画関連の全ての創作を禁止した。

くにひろが居なくなっても傷跡は残るのだから…