26 / 35
京編
雨の中の戦い
しおりを挟む桃太郎一行は急いで最上階に向かっていた。孫悟空の如意棒に捕まりつつ上まで急ぐ。
「ねぇもう少し急げないの!!」
「これでも全速力だ!てかエレベーターの穴から突撃するとかかなりイカれた考えだな桃」
桃太郎は「ああっ」と言いながら笑っていた。
「待ってろよにいちゃん今行く」
桃太郎は上を見上げていた。
――――――――――――――――
一方その頃後ろを向くと小さな童が立っていた……ただその童はただならぬ気配を感じていた。
「共工君の様子を見てみたら…まさかこんな所で三男に会うなんて思わなかったよ……」
童はてくてくと近くまで歩いていくと金時に無邪気に近寄る。
「うちは鯀よろしくね~長男はどこなの?」
鯀の名前を聞きチュウスケは警戒するが金時は鯀に聞く。
「…なあ聞いていいかさっきから三男とか長男とかなんのことだ?」
鯀は金時の言葉にキョトンとなる。
「ええっ知らないの??君にはね…」
鯀の言葉を遮るように河辺が現れた。
「邪魔だどけ!!」
河辺は鯀に襲い掛かろうとするがその瞬間片腕をもぎ取られてしまった。
「おっさん!!お前!!」
金時が斧を抜き取る瞬間にニコニコしながら
「ごめんね うちが戦いたいのは長男君なんだいないなら帰るじゃあね」
と言いながら消えた。
「クソ…おっさん」
「大丈夫だ……ムギ…」
よろよろとした体で扉に向かい、足で開けるとそこにはムギの後ろ姿…
「ムギ……」
金太郎とチュウスケは後ろをゆっくり向かったその時前から共工が現れ一朗の心臓を抜き取った。
「!!」
「ここまで来てくれてありがとうさすが俺の見込んだ男だ…さて儀式を完成させよう」
その瞬間ハスの花のように開いた遊楽亭……その天候は雨……共工は心臓をムギがいる円の近くに心臓を置いた。
「さあ準備は整ったムギ歌え!!」
ムギは雨に打たれる中琵琶を鳴らした瞬間縁から闇が溢れ一朗の心臓を取り込んだ。
「うううっ」
その声は邪悪にまみれた声……ムギはそれでも歌い続けた。
「なんかやばくねぇか」
チュウスケが雨に打たれるなか叫ぶ。
「あははは」共工は狂ったように笑い出したそのとき…ドォーンという音と共に現れた桃太郎とその一行……
「!!桃太郎!!何故男に戻っている!?」
桃太郎は自分の体を見るといつの間にか男に戻っていた。
「知らねえよ!!それよりにいちゃんは!?」
ふと見るとにいちゃんの亡骸が雨に打たれているのを見つけ桃太郎は怒りに震える。
「よくもよくもにいちゃんを!!」
二つの刀を抜き、共工の首を刎ねようとするが共工は余裕そうな顔をしていた。
「ふっ俺はお前には倒せないんだよ!!」
そう叫んだ瞬間何かが共工を食べたそれはドロドロとした人の姿をしていた。
「なんだあれ!!」
共工はドロドロと融合し羽の生えた魔王に変貌し仲間達に攻撃を仕掛ける。
「あひひゃ!おレ最強!鬼とアラハバキの融合体お前に倒せない首取れないざま~!!」
桃太郎はデカブツの共工にイラッとくる
「なんかムカつくな」
「オイラも同感」その隣には金時がいたが熊の毛皮なしの顔を見るのはこれが初めて…その顔は自分にそっくりな顔立ち……浦島の時と同じ感情を抱いた。
「えっ?お前…」
「話はあとだまずはあいつを倒すぞ……桃太郎」
金時の真剣な表情になる。
「ああっ」
その瞬間 金太郎と共に走る。
共工の素早い攻撃が炸裂するが二人は避け続けた。
「!!ムギ」
ムギは共工の心臓の部分で歌い続けていた。
「桃太郎!!ここはオイラが囮になるその間にムギを取り出せ!!」
「りょかい!」
二人は二手に分かれた。
金時囮になり攻撃を避け続け、桃太郎はデカブツの共工の背中に乗り刀で傷をつけていた。
「ぎゃぁぁぁ」という声と共に暴れ回り滑り落ちそうになるが孫悟空が分身で桃太郎をサポートする。
「桃いけぇぇ!!」
桃太郎はムギのところまで飛びむぎを掴みそのまま空中に二人投げ出された。
「バカな…このおれ…ぐぁぁぁ」
苦しみ出した共工……「キヨミ!ムギを頼む」
空中でムギを離したあとキヨミがキャッチをしその瞬間二つの刀を交差させ刀が桃色に光りそして共工の首を切った。
「そんな…このオレが……」
首がない状態の体がドロドロと溶けていきやがて消え河辺の心臓が桃色の光に包まれて元の場所に帰っていく……
「……」
河辺が目覚めたあと愛娘のムギと成長した桃太郎……そして仲間たちが自分を囲っていた。
「終わったのか??」
「終わったよ 一朗にいちゃん鬼は俺が倒した」
河辺はほっとしたような顔をしムギを見た。
「父上………ただいま」
その頭上は朝日でオレンジ色に光っていたそれはまるで
ムギの髪色のように…………
そして……戦いを終えた ムギと河辺は京をこっそりと出る事になったまだ珍選組が自分たちを探しているから………
「オレらはとりあえずオヤコドンに戻る……鬼退治終わったら酒飲もうぜ」
「そうだな一朗にいちゃん」
二人はくすりと笑うとオヤコドン行きの荷車に乗り込みその場から去っていく。
「オイラは江戸に戻ります…たんまり仕事あるので」
「じゃあな……ヒカリ姫によろしく頼めよ」
金時も江戸まで帰っていくがその道中密かに言う「また会いましょう……… 」
そして桃太郎一行はというと共工に誘拐された女性たちを解放した功績によりたんまりと褒美をもらった。
「いやーいい事ってやるもんだね」
「呑気にそう言っている暇があるならオレを助けろ!」孫悟空が叫んでいる理由は蛇の髪をした少女だったその少女はあの美女の本来の姿……玉の力により大人になっていたのだ…
「気に入られたんだな愉快愉快」
「愉快じゃねぇーよ!」
二人はそう喋っていたがシノとサスケは神妙な顔をしていた。
「あの子…たぶんヤマタノオロチですよね」
「オソラクだが悪意はいっさい感じないきっと生まれ変わりなんだろう」
少女は二人と絡んでいるとチュウスケとキヨミと水蓮が参戦しカオスなことになってしまった。
「そうだ 桃太郎様 仏様のお告げで次はどこにいくとかありませんか??」
「えっつぎ??あーり…いや仏のお告げでつぎいくところはな……えっと確か隣国の花月ノ国だっけな」
「花月ノ国???」
その言葉に孫悟空は反応する。
「花月ノ国……オレの生まれ故郷だ」
一方その頃……日の国隣国
花月ノ国では………
華やかな球内に一人佇む黒髪の少女その目は虹色に輝き空を見上げる。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

78~運命のカード
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
一流の占い師を目指すダニエルは、ある時、おかしな老人に一組のカードをもらった。
それは、ダニエルの人生を大きく変える世にも珍しいカードだった…
※表紙画は、蓮冶様に描いていただきました。

悪女と名高い聖女には従者の生首が良く似合う
千秋颯
ファンタジー
これは歴史上で一番血の似合う聖女が不死身の従者と共にいくつもの国を巡る話。
社交界の悪女と呼ばれる公爵家次女、クリスティーナ・レディング。
悪い噂が付き纏うということ以外は至って普通の令嬢であった彼女の日常は、ある日を境に一変。
『普通』であった彼女は『規格外』となる。
負傷した騎士へ近づいたクリスティーナは相手の傷を瞬時に癒してしまったのだ。
この世界で回復魔法を使えるのは『聖女』と呼ばれるただ一人の存在のみ。
聖女の力に目覚めたクリスティーナの日常はこの日を境に失われた。
――ところで、どうして私は従者の生首を抱えて走っているのかしら。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる