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始まり
化け蟹退治
しおりを挟む嵐の日
ある旅人が無人寺に雨宿りをしている時そこに奇妙な声が聞こえた
「両足が八つ腕が二つ方向自在にして目は天を向いている この生き物の名は」
「はぁ何言ってんだ」
旅人が雑に問いかけると大きな何かが現れ旅人を闇に飲み込みバキバキと音が響いた。
「たりぬ」と言い残し姿を消した。
山に封じられていた孫悟空を仲間にし旅をしている桃太郎鬼の一人である饕餮を討伐しに行くために道無き道を歩いていた。
孫悟空はどっかからの盗賊から強奪した赤い服を桃太郎に見せていた。
「どうだかっこいいだろ」
桃太郎はパチパチと手を叩いたが何かを思いついたかのように手荷物から帽子を取り出し孫悟空の頭にかぶせた。
「狩人からもらった帽子だ 少し直したがなかなかだろ」
孫悟空は桃太郎からもらった帽子を手に取りニコニコと笑った。
その時 しとしとと雨が降りやがて強く降ってきた。桃太郎は近くの無人寺を見つけ、孫悟空と共に中に入る。
「オレ 雨嫌いなんだよ」
ブルブルと体をゆらす悟空とお堂の中を見る
桃太郎。
「……このお寺の中やな感じですね」
リツがつぶやくが桃太郎はお寺の中にある生きている蟹に注目していた。孫悟空はテクテクと横歩きする蟹をひょいっとつかみバリバリと食べた。
「うんま」
桃太郎は蟹のがいた場所をよく見るが目立った穴はなく、まるで無から出現したようにまた蟹があわられるのだ。
すると孫悟空は鼻をくんとにおいをかいだ。
「かすかに妖怪クセェな……」
如意棒を持ち警戒する孫悟空。桃太郎も刀を近くに置く。
嵐の風で外を吹き荒れる夜
二人は日の出が出るまでその寺に泊まることに嵐で軋む音で眠れない桃太郎ふと暗闇の方に目をやると声がきこえた。
「両足が八つ腕が二つ方向自在にして目は天を向いている この生き物の名は」
その声を聞き桃太郎は飛び起き刀を手に取る。
「両足が八つ腕が二つ方向自在にして目は天を向いている この生き物の名は」
声はどんどん強くなる。
(なんだ……なぞなぞか……)
桃太郎はなぞなぞの答えについて考えていた。
「両足が八つ腕が二つ方向自在にして目は天を向いている この生き物の名は」
また強くなる。
(両足が八つ?腕が二つ?方向自在にして目は天を向いている……そんな生き物って…あっ)
桃太郎はあの生物の名前を思い出した。
「その生物の名は………
蟹だ」
桃太郎が刀の鞘を投げつけると鞘から鈍い音が聞こえ 叫び声をあげ声の主が現れた。
お寺を半分を占めるほどの大きさの蟹だった
その叫び声を聞き孫悟空も飛び起きた。
「なんだ」
「説明はあとだ あの化け蟹を退治するぞ」
桃太郎は蟹に刀を抜いた。
蟹は桃太郎の鞘を後ろから抜き取り投げつけるが孫悟空が如意棒で防ぐと蟹は言う。
「セッカクノゴチソウ……ニガサナイ」
蟹は大きなハサミを振り上げた、二人は軽く避けたがその反動でお寺が壊れ、下から髑髏と蟹が大量に出てきた。
「こいつ人間をこんなに食ってやがったのか
クソが蟹の分際でなめやがって」
孫悟空は怒りの表情で如意棒を向けたが子蟹が二人に襲いかかった。子蟹を払い除けたがそのたびに大蟹の大きなハサミが襲い掛かる。
桃太郎は考えたこの状況を打破する方法。
「そうだ」桃太郎は昔じいちゃんに教えてもらった刀の形を再現する。
「孫悟空 今から熱くなるぞ」
桃太郎は刀を強く握り大蟹に向けた。
「日の丸流 日の丸旋風」
そう叫ぶと刀が赤くなり目にも、止まらない早業で大蟹を切った。
大蟹は炎に焼かれながら断末魔を上げて生き絶えた。子蟹はその光景を見ておそれをなして逃げていった。
「なんとか倒せたな…」
その時二人はお腹が鳴った。
孫悟空は蟹の亡骸を見てニヤリと笑う。
朝日が昇る頃 蟹を一通り食べた一行はまた旅に出るのであった。
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