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ターゲットは知り合い
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「M君。ちょっとバイトしない?」
斎藤さんがこう言ってくるときテレビの仕事かそれとも裏の仕事かわからない。さて今回はどっちだろう」
すでに殺しかもしれないとおびえる気持ちも無くなった。
すれたってことなんだろうな。
「斎藤さん、でお仕事って?」
斎藤さんから渡されたのは写真だった。舞台仲間の敦の。
「あ、敦テレビの仕事あるって言ってたんですけど、俺も手伝いに行くんすか?」
何だ表の仕事か、ちょっと安心したが。
「ああ、それじゃなくて、ちょっと敦君消してくれない?」
斎藤さんはちょっと申し訳なさそうな顔をしていた。
俺はたぶん表情が消えていた。敦を消すってどういうことだ。
「ちょっとまずいところに突っ込んじゃったのよ、で、消えてもらうことにしたの」
俺はしばらく考え込んでいた。
「まずいことって何やらかした?」
俺は今まで依頼のあったターゲットが何をやらかしたかなんて聞いたことは無い。だけど今回ばっかりは聞かなければならない。
「あのね、やらかした結果やばい筋に命を狙われているのよね、それでそっちに消されたらこっちもやばいの、その前にまあトカゲの尻尾切って感じで」
斎藤さんはそう言ってちょっとうつむいた。
「じゃあ、どっちにしろ敦の奴寿命はそれほど残ってないってことっすね」
一応顔見知りだ。というか敦が変死して俺が疑われる要素ってあるだろうか。
並べてみたところ。俺より劇団で人気がある。むしろ俺より人気のない奴の方が少ない。そして金銭トラブルはない。
後の利害関係はいったいなんだろうな。
役を取り合ったことは無いし。あいつが死ねばいい思いをするってことは無い。
俺は真剣に敦を殺した後のことを考えていることに気づいて笑った。
あんまり敦のこと俺は好きじゃないな。そして敦が殺されたとしてもおれへの疑いは最小限だろう。
だとすると敦を殺した場合の報酬は。
「とりあえず聞くけど、いくら?」
「やってくれるの?」
斎藤さんが手を打って喜んでくれた。
「時間がないって、タイムリミットはどんくらい?」
敦の行動パターンは大体だが知っている。しかし知らないことも多い。今特定の彼女がいないことは知っているけれど、それも確定情報じゃない。
調べなおさないとならない、それに場所も選ばなければならない。
顔見知りをやるのは初めてだ。だからこの場合どういう状況を作らなければならないか。そのあたりも考えておかないと。
「あんまり安いと困るんだよね、いろいろと困ることも多いから」
敦が何をやらかしたのか知らないけど、まあ、俺の小遣い稼ぎになってもらうことにした。
「もちろん、こうなったら今までの分より色を付けるつもりよ、タイムリミットは、テレビの撮影が始まる前、一週間ってところね」
「了解」
それだけで俺たちの会話は終わった。
斎藤さんがこう言ってくるときテレビの仕事かそれとも裏の仕事かわからない。さて今回はどっちだろう」
すでに殺しかもしれないとおびえる気持ちも無くなった。
すれたってことなんだろうな。
「斎藤さん、でお仕事って?」
斎藤さんから渡されたのは写真だった。舞台仲間の敦の。
「あ、敦テレビの仕事あるって言ってたんですけど、俺も手伝いに行くんすか?」
何だ表の仕事か、ちょっと安心したが。
「ああ、それじゃなくて、ちょっと敦君消してくれない?」
斎藤さんはちょっと申し訳なさそうな顔をしていた。
俺はたぶん表情が消えていた。敦を消すってどういうことだ。
「ちょっとまずいところに突っ込んじゃったのよ、で、消えてもらうことにしたの」
俺はしばらく考え込んでいた。
「まずいことって何やらかした?」
俺は今まで依頼のあったターゲットが何をやらかしたかなんて聞いたことは無い。だけど今回ばっかりは聞かなければならない。
「あのね、やらかした結果やばい筋に命を狙われているのよね、それでそっちに消されたらこっちもやばいの、その前にまあトカゲの尻尾切って感じで」
斎藤さんはそう言ってちょっとうつむいた。
「じゃあ、どっちにしろ敦の奴寿命はそれほど残ってないってことっすね」
一応顔見知りだ。というか敦が変死して俺が疑われる要素ってあるだろうか。
並べてみたところ。俺より劇団で人気がある。むしろ俺より人気のない奴の方が少ない。そして金銭トラブルはない。
後の利害関係はいったいなんだろうな。
役を取り合ったことは無いし。あいつが死ねばいい思いをするってことは無い。
俺は真剣に敦を殺した後のことを考えていることに気づいて笑った。
あんまり敦のこと俺は好きじゃないな。そして敦が殺されたとしてもおれへの疑いは最小限だろう。
だとすると敦を殺した場合の報酬は。
「とりあえず聞くけど、いくら?」
「やってくれるの?」
斎藤さんが手を打って喜んでくれた。
「時間がないって、タイムリミットはどんくらい?」
敦の行動パターンは大体だが知っている。しかし知らないことも多い。今特定の彼女がいないことは知っているけれど、それも確定情報じゃない。
調べなおさないとならない、それに場所も選ばなければならない。
顔見知りをやるのは初めてだ。だからこの場合どういう状況を作らなければならないか。そのあたりも考えておかないと。
「あんまり安いと困るんだよね、いろいろと困ることも多いから」
敦が何をやらかしたのか知らないけど、まあ、俺の小遣い稼ぎになってもらうことにした。
「もちろん、こうなったら今までの分より色を付けるつもりよ、タイムリミットは、テレビの撮影が始まる前、一週間ってところね」
「了解」
それだけで俺たちの会話は終わった。
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