14 / 26
疑惑
しおりを挟む
僕は遺体の発見された現場に向かった。
前日の雨で遺体のそばには何も残されていないと言われた。
何故かドウとキュンも駆けつけていた、そしていろいろと好奇心丸出しであたりの人に聞いて回っている。
「何しに来たんだ」
思わず僕は聞いてしまった。
「ええ、何初めて起きたことだから興味あんだろ」
ドウがふざけたことを口にした。
「でも、さ、普通に殴る蹴るでミランダさんから聞いたような死体になるとは思えないんだよね」
だから凶器の目星を探しに来たのだが、見事に何も残っていない。
「お前としてはどんな凶器だと思うんだ」
「思った感じでは」
そして僕の最初に浮かんだのは巨大な蛇に絡みつかれたような状態だった。
「普通に人間では無理だよね」
「だからと言って敵の攻撃とも思えないが」
ドウの言う通り、敵襲ならこちらも即戦闘態勢に入る。それがどういう状況なのかは初陣を済ませたばかりの僕にはよくわからないけれど。
「死体もみておくか? あっちに一応保存してあるらしいぞ」
特に死体が見たいわけでもないが僕は頷いた。
そして、少々温かくなってきている季節柄、しばらく経った遺体は当然臭いだす。
ポケットから出したハンカチで僕は自分の口と鼻を覆った。
僕のようにハンカチの持ち合わせがなかったドウとキュンの二人は自分の手のひらで顔の下半分を覆っていた。
右腕と左足が曲がるべきではない方向に折れていた。胴体もいびつに歪んでいる。
「人の身体をこんな風にするにはどうやればいいと思う?」
「こんな広範囲に胴体をへこませるのは素手じゃ無理だろ」
ドウがそう答えた。
「凶器ってもな結構大きいもんだし普通の体格の男じゃ無理じゃね」
二人は胴体に注目しているようだ。
「僕はものすごく丈夫な太いベルトを身体に巻き付けて両側から締め上げればッて思うけど普通の状態でそんな風にベルトに巻かれてくれないよね」
僕がそう言うとそのまま三人で頭を抱えた。
「他の人にも相談するべきかな」
僕はたぶんこの人を殺したのは人間じゃないと思ったのだがこの街は常に人間じゃない生き物に襲われている状況にあるがそれが起きた気配はない。
「どういうことなんだか」
「そういえば、昨日も雨だったよね」
僕は軽く頭を振った。
ふとしばらく前の雨の日に見たあの灰色の男だ。だがあれも普通の人間の形をしていたんだしできるかどうか。
「三人ともこんなところで何をしているんだ」
いつの間にかアンソニーさんが来ていた。
「どうしてこんなことを気にしているんだ」
僕はしばらく考えた末に聞いた。
「これ、人間ができると思いますか」
アンソニーさんは真顔になった。
前日の雨で遺体のそばには何も残されていないと言われた。
何故かドウとキュンも駆けつけていた、そしていろいろと好奇心丸出しであたりの人に聞いて回っている。
「何しに来たんだ」
思わず僕は聞いてしまった。
「ええ、何初めて起きたことだから興味あんだろ」
ドウがふざけたことを口にした。
「でも、さ、普通に殴る蹴るでミランダさんから聞いたような死体になるとは思えないんだよね」
だから凶器の目星を探しに来たのだが、見事に何も残っていない。
「お前としてはどんな凶器だと思うんだ」
「思った感じでは」
そして僕の最初に浮かんだのは巨大な蛇に絡みつかれたような状態だった。
「普通に人間では無理だよね」
「だからと言って敵の攻撃とも思えないが」
ドウの言う通り、敵襲ならこちらも即戦闘態勢に入る。それがどういう状況なのかは初陣を済ませたばかりの僕にはよくわからないけれど。
「死体もみておくか? あっちに一応保存してあるらしいぞ」
特に死体が見たいわけでもないが僕は頷いた。
そして、少々温かくなってきている季節柄、しばらく経った遺体は当然臭いだす。
ポケットから出したハンカチで僕は自分の口と鼻を覆った。
僕のようにハンカチの持ち合わせがなかったドウとキュンの二人は自分の手のひらで顔の下半分を覆っていた。
右腕と左足が曲がるべきではない方向に折れていた。胴体もいびつに歪んでいる。
「人の身体をこんな風にするにはどうやればいいと思う?」
「こんな広範囲に胴体をへこませるのは素手じゃ無理だろ」
ドウがそう答えた。
「凶器ってもな結構大きいもんだし普通の体格の男じゃ無理じゃね」
二人は胴体に注目しているようだ。
「僕はものすごく丈夫な太いベルトを身体に巻き付けて両側から締め上げればッて思うけど普通の状態でそんな風にベルトに巻かれてくれないよね」
僕がそう言うとそのまま三人で頭を抱えた。
「他の人にも相談するべきかな」
僕はたぶんこの人を殺したのは人間じゃないと思ったのだがこの街は常に人間じゃない生き物に襲われている状況にあるがそれが起きた気配はない。
「どういうことなんだか」
「そういえば、昨日も雨だったよね」
僕は軽く頭を振った。
ふとしばらく前の雨の日に見たあの灰色の男だ。だがあれも普通の人間の形をしていたんだしできるかどうか。
「三人ともこんなところで何をしているんだ」
いつの間にかアンソニーさんが来ていた。
「どうしてこんなことを気にしているんだ」
僕はしばらく考えた末に聞いた。
「これ、人間ができると思いますか」
アンソニーさんは真顔になった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
皇帝はダメホストだった?!物の怪を巡る世界救済劇
ならる
ライト文芸
〇帝都最大の歓楽街に出没する、新皇帝そっくりの男――問い詰めると、その正体はかつて売上最低のダメホストだった。
山奥の里で育った羽漣。彼女の里は女しかおらず、羽漣が13歳になったある日、物の怪が湧き出る鬼門、そして世界の真実を聞かされることになる。一方、雷を操る異能の一族、雷光神社に生まれながらも、ある事件から家を飛び出した昴也。だが、新皇帝の背後に潜む陰謀と、それを追う少年との出会いが、彼を国家を揺るがす戦いへと引き込む――。
中世までは歴史が同じだったけれど、それ以降は武士と異能使いが共存する世界となって歴史がずれてしまい、物の怪がはびこるようになった日本、倭国での冒険譚。
◯本小説は、部分的にOpen AI社によるツールであるChat GPTを使用して作成されています。
本小説は、OpenAI社による利用規約に遵守して作成されており、当該規約への違反行為はありません。
https://openai.com/ja-JP/policies/terms-of-use/
◯本小説はカクヨムにも掲載予定ですが、主戦場はアルファポリスです。皆さんの応援が励みになります!
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
視点
Nagi
ライト文芸
中堅客室乗務員梨花と、若年客室乗務員の鈴。
初めて一緒にフライトをしたのに、なぜか鈴は梨花に好意を
持っている。
仕事終わりに鈴に誘われていった先で、鈴は梨花から
全く気づかなかった視点を学ぶ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる