闘えホワイト君

karon

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憂鬱な学園生活

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 学校のカリキュラムはごく普通だった。数学や史学文学などの基礎教養と各種専門分野の勉強に分かれている。僕は法律をとっていた。
 公務員志望だったからだ。
 ずっと安定志向だった。もう過去形だ。この街に住む限り僕に安定はない。そして、僕の兄弟を呼び寄せるような真似は決してすまいと。
 僕は昼食を学校の庭園に学校にある売店で買ったサンドイッチを片手に出た。
「あのラリー君、航空隊ってどこ所属になったの?」
 栗色の髪の少女が親し気に声をかけてきた。僕と同じ航空隊だそうだったか。彼女の手にも小さなランチボックスが握られていた。
「ファルコンだけど」
「ああ、そうなんだ。私はコンドルで後衛だね、ファルコンは先頭切って敵に突入するから離れたところだね」
 そうか、次の戦闘開始が僕の命日か。短い一生だった。
 今まで一度も空を飛んだことのない奴に戦闘までこなせとかどんな無茶だ。
「大丈夫よ、これはちゃんとできる人を選ぶの」
 少女はこともなげに言意ながらブレスレットを空にかざした。
「へえ、そうなんだ」
 僕としてはそれを信じる理由はない。
 もそもそと味のしないサンドイッチを口にする。もしかしたら美味しいのかもしれないが今の僕は味を感じる余裕がない。
「君は戦うことに疑問はないのか? ええと君の名は」
「マリア、だよ、だけどそんなことを言っても闘わなければ世界が滅ぶんだよ、世界が滅んで生きていけるわけ?」
 それは確かに難しいだろうけど。
「そう言えば、生徒会の偉い人がイーグルに所属しているよ」
 イーグルが何をするのかわからないがあっちも相当すごい危なそうだ。
「僕はわからないな」
 僕はそう言ってマリアを見た。
 マリアの目はスカイブルーだった。疑うことを知らない澄んだ瞳。
 僕は迷いだした。
「ああ、あんなところに」
 あの二人組は初日に僕に絡んできた犯罪者な人たちだ。
「あれ、ドウとキュンだ。久しぶりに学校に来たね」
 そう言って手を振っていた。
 ああ、同じ学校だったのか。僕はこれからさらに暗雲が立ち込める生活にため息をついた。
 
 僕はそのまま教室に戻ることにした。
 僕は午後の授業の準備をしていた。これから体育の授業がある。
 僕は支給された体育服に着替えて再び校庭にでた。
 この学校は随分と体育に力を入れているようで今日は体育は二コマある。
 それでは最初の一コマは持久走だった。
 僕は軽くめまいがする。宗だこの街は戦場だ。そして僕たちはそこで戦う戦士だ。だとすれば当然体育はひたすら体を鍛えることに終始する。運動不足解消なんてぬるい子とは言わないのだ。
 僕が身も心も折れた頃最初の一コマが終わった。
 次の二コマ目が待っている。僕はそのまま倒れた。
 
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