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僕の戦い
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僕はいったい何を見ているんだろう。
ここはごく普通の港街、僕はこの街で穏やかなごく普通の生活をしていくはずだった。
どこからか湧いて出た不気味な怪物たち、そしてそれを迎え撃つ謎の集団。
ここはいったい何なんだ。
そして僕は舌打ちをする。ああそうだ美味しい話には大体裏があるんだ。
遠方に引っ越すから自分の住んでいる建物をすべて僕に寄贈する。それなりの資金もそしていい学校もあるからそこに進学するといいと僕に進めてくれた大伯父。
この至れり尽くせりの理由を大伯父は生涯独身で子供を持ったこともない、甥孫か姪孫を選んで我が子として扱いたい。
その言葉に両親は涙を流して感謝していた。
僕は大伯父の住んでいた僕一人が住むには分不相応なくらいの一軒家に引っ越してきた。
そしてこの場所でこれから素晴らしい日々が待っていると信じていたのに。
僕はこの街の真ん中にあるこのあたりを支配する領主の執務室にいた。
目の前にいるのは体格のいい初老の男性だ。灰色の髪と髭は白髪になっているんだろう。
恰幅はいいが太っているわけではない、骨格と筋肉のせいだ。
僕は信じられないものを見た後へたり込んでいたら僕が閉じ込められていた建物の持ち主と思しき初老の男性にここに連れてこられたのだ。
「君は何も知らされずにここに越してきたのかい?」
まず間違いなく彼が領主なのだろう。光沢のある灰色のスーツは結構な高級品に見えた。
僕はただ力なく頷いた。
「あれが何か知らないのだろう。だがこの街に住み続けるなら知らなければならない」
彼は僕の両肩をきつくつかんだ。
「あれは、この世界の滅びそのものだ」
せかいのほろび。
その意味が僕の脳みそに到着するには結構な時間がかかった。
「われらはこの街を守って戦う。それこそがこの世界を守ることにつながるのだ」
どれほどの握力がこもっているのか僕の肩の骨がきしんだ。
そのまま僕は彼に手を引かれた状態で建物の地下に連れていかれた。
地下には僕の想像を超える広い空間があった。
磨き抜かれた大理石のような光沢のある壁や床。天井は淡い燐光を放っていた。
「あら、ラリー君?」
そう僕に声をかけたのは隣家の奥様だった。
「ああ、彼女が砲手のミランダさんだ」
砲手ってあの物凄い轟音はこの奥様がやったんだろうか。
「この世界を守るためにこの街を守らなければならない、だから、この街に住んでいる十五歳以上の者は全員戦士だ」
「あの、僕は一体」
僕は猛烈に嫌な予感がした。
「戦士たる役割を終えるときは死ぬ時か、後釜を連れてきてその存在と変わるしかない」
大伯父さん、僕を生贄にしたんですか。
「こちらに」
領主はそう言って僕を手招く。
猛烈に生きたくない、しかし奥様は輝くような笑顔で僕を後押ししてきた。
そして僕の手に何かが絡みつく。まじまじとそれを見て僕は見覚えがあることに気づく。
僕に絡んできたいかにもチンピラな二人組が身に着けていたブレスレット。
「それが戦士たるあかしだ。そして君の武器は」
僕の前にちょっとした馬車くらいの大きさのものが現れた。それは鳥の形をしていて。
「高速飛行隊ファルコンに配属か」
領主はそう言って僕に握手をしてきた。
しかし僕はそれを握り返すこともできず。
「いいいやあああだああああっ!!」
僕の絶叫が僕の喉を切り裂いた。
ここはごく普通の港街、僕はこの街で穏やかなごく普通の生活をしていくはずだった。
どこからか湧いて出た不気味な怪物たち、そしてそれを迎え撃つ謎の集団。
ここはいったい何なんだ。
そして僕は舌打ちをする。ああそうだ美味しい話には大体裏があるんだ。
遠方に引っ越すから自分の住んでいる建物をすべて僕に寄贈する。それなりの資金もそしていい学校もあるからそこに進学するといいと僕に進めてくれた大伯父。
この至れり尽くせりの理由を大伯父は生涯独身で子供を持ったこともない、甥孫か姪孫を選んで我が子として扱いたい。
その言葉に両親は涙を流して感謝していた。
僕は大伯父の住んでいた僕一人が住むには分不相応なくらいの一軒家に引っ越してきた。
そしてこの場所でこれから素晴らしい日々が待っていると信じていたのに。
僕はこの街の真ん中にあるこのあたりを支配する領主の執務室にいた。
目の前にいるのは体格のいい初老の男性だ。灰色の髪と髭は白髪になっているんだろう。
恰幅はいいが太っているわけではない、骨格と筋肉のせいだ。
僕は信じられないものを見た後へたり込んでいたら僕が閉じ込められていた建物の持ち主と思しき初老の男性にここに連れてこられたのだ。
「君は何も知らされずにここに越してきたのかい?」
まず間違いなく彼が領主なのだろう。光沢のある灰色のスーツは結構な高級品に見えた。
僕はただ力なく頷いた。
「あれが何か知らないのだろう。だがこの街に住み続けるなら知らなければならない」
彼は僕の両肩をきつくつかんだ。
「あれは、この世界の滅びそのものだ」
せかいのほろび。
その意味が僕の脳みそに到着するには結構な時間がかかった。
「われらはこの街を守って戦う。それこそがこの世界を守ることにつながるのだ」
どれほどの握力がこもっているのか僕の肩の骨がきしんだ。
そのまま僕は彼に手を引かれた状態で建物の地下に連れていかれた。
地下には僕の想像を超える広い空間があった。
磨き抜かれた大理石のような光沢のある壁や床。天井は淡い燐光を放っていた。
「あら、ラリー君?」
そう僕に声をかけたのは隣家の奥様だった。
「ああ、彼女が砲手のミランダさんだ」
砲手ってあの物凄い轟音はこの奥様がやったんだろうか。
「この世界を守るためにこの街を守らなければならない、だから、この街に住んでいる十五歳以上の者は全員戦士だ」
「あの、僕は一体」
僕は猛烈に嫌な予感がした。
「戦士たる役割を終えるときは死ぬ時か、後釜を連れてきてその存在と変わるしかない」
大伯父さん、僕を生贄にしたんですか。
「こちらに」
領主はそう言って僕を手招く。
猛烈に生きたくない、しかし奥様は輝くような笑顔で僕を後押ししてきた。
そして僕の手に何かが絡みつく。まじまじとそれを見て僕は見覚えがあることに気づく。
僕に絡んできたいかにもチンピラな二人組が身に着けていたブレスレット。
「それが戦士たるあかしだ。そして君の武器は」
僕の前にちょっとした馬車くらいの大きさのものが現れた。それは鳥の形をしていて。
「高速飛行隊ファルコンに配属か」
領主はそう言って僕に握手をしてきた。
しかし僕はそれを握り返すこともできず。
「いいいやあああだああああっ!!」
僕の絶叫が僕の喉を切り裂いた。
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