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家族の形
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俺は今家出を考えているが。貯金はそれほどたまっていないし、内職で生活できるもんでもない。
そういうわけで絶賛追い込まれ中。
ルーファスがシュナウザー家の弱みなんかを探してくると言っていた。それに期待するしかないのか。
シュナウザーの家は基本的に厳格。とにかく貴族として正しいということをモットーにしており、ふつう、女三人しか生まれていないなら男の子を生む妾を置いたとしてもそれほど迫られるようなことではないんだが、当主は断固としてそれを拒否している。いわゆる清廉潔白にとにかくこだわる家風なんだと。
ディアナ嬢が俺に対して飾当たりが強いのもそのあたりに原因があるんじゃないかとルナ嬢は言っていた。
そんな家に付け込める隙があるかどうか大いに怪しい。
いや、待てよ、あることを俺はひらめいてしまった。
別にシュナウザー家だけを調べる必要ないんじゃないか?
うちの親父の弱みを掴んでも結果は同じなんじゃねえの。
取り敢えず家を継ぐ継がないはともかく、兄貴のお古なんかと結婚できるかっていう要求だけ通してもらえばいいんじゃねえの。
叩けば確実に埃が出るわ、うちの親。
はっきり言って清廉潔白? 何それな人間だし、その意味ではお似合いの夫婦なんだろうな。
しかしよくこんな父親のいる兄貴とくっつこうと思ったよなディアナ嬢。
もちろん俺はあの父親に脅しをかけることに何のためらいも覚えていない。
そうと決まればルーファスとレオナルドに相談しよう。
そんなことを口走った後、ルーファスはあきれたように俺を見た。
「まあ、デイビッドがよければそれでいいけど」
「いや、俺はデイビッドの気持ちはわかるぞ、家の相続問題をはたから見ているとちょっと痛い目にあってもらった方が面白いという気になるしな」
レオナルドが俺に援護射撃をしてくれた。
「あのさ、君のお父さんがいろいろやらかしたことが表ざたになったら、お兄さんとシュナウザー家との縁談もぽしゃるんじゃないの?」
厳格なシュナウザー侯爵が、汚職なんぞに手を染めた男の息子と娘を結婚させたがるわけがないとルーファスは言っていた。
「それに関しては気にしないよ、別に兄の縁談がどうなろうと俺には何の関係もないし」
俺は兄に対して積極的に危害を加える気はない。だからと言って兄の安全を守ろうと思っているわけではない。俺の知らないところで幸せになろうと不幸になろうと知ったことじゃないが、俺が割を食う事態になったら迷わず兄貴の幸せはぶち壊させてもらう。それだけだ。
「お前の兄貴もいい弟を持ったな」
レオナルドがあきれたように言った。もっともいざとなったらレオナルドも俺と同じ判断をすると分かっているので言わせておく。
ちょっと痛い目に会ったら面白いとか言った口でしゃあしゃあというやつだし。
「まあ、恋愛は障害が多いほど燃えるっていうしねえ」
父上の反対を押し切って頑張るといいよ。
ルーファスも最終的に俺の意見に賛同した。
「まあ、いろいろと調べ買いがあるよね、友達の父親だからちょっと手を引いていたところがあるけど、許可が出たなら遠慮はいらないか」
ルーファスがにんまり笑う。
そういえばこいつだけは確実に将来家を継ぐことが決まっていたな。不意に頭をよぎったが特に気にしないことにした。
そういうわけで絶賛追い込まれ中。
ルーファスがシュナウザー家の弱みなんかを探してくると言っていた。それに期待するしかないのか。
シュナウザーの家は基本的に厳格。とにかく貴族として正しいということをモットーにしており、ふつう、女三人しか生まれていないなら男の子を生む妾を置いたとしてもそれほど迫られるようなことではないんだが、当主は断固としてそれを拒否している。いわゆる清廉潔白にとにかくこだわる家風なんだと。
ディアナ嬢が俺に対して飾当たりが強いのもそのあたりに原因があるんじゃないかとルナ嬢は言っていた。
そんな家に付け込める隙があるかどうか大いに怪しい。
いや、待てよ、あることを俺はひらめいてしまった。
別にシュナウザー家だけを調べる必要ないんじゃないか?
うちの親父の弱みを掴んでも結果は同じなんじゃねえの。
取り敢えず家を継ぐ継がないはともかく、兄貴のお古なんかと結婚できるかっていう要求だけ通してもらえばいいんじゃねえの。
叩けば確実に埃が出るわ、うちの親。
はっきり言って清廉潔白? 何それな人間だし、その意味ではお似合いの夫婦なんだろうな。
しかしよくこんな父親のいる兄貴とくっつこうと思ったよなディアナ嬢。
もちろん俺はあの父親に脅しをかけることに何のためらいも覚えていない。
そうと決まればルーファスとレオナルドに相談しよう。
そんなことを口走った後、ルーファスはあきれたように俺を見た。
「まあ、デイビッドがよければそれでいいけど」
「いや、俺はデイビッドの気持ちはわかるぞ、家の相続問題をはたから見ているとちょっと痛い目にあってもらった方が面白いという気になるしな」
レオナルドが俺に援護射撃をしてくれた。
「あのさ、君のお父さんがいろいろやらかしたことが表ざたになったら、お兄さんとシュナウザー家との縁談もぽしゃるんじゃないの?」
厳格なシュナウザー侯爵が、汚職なんぞに手を染めた男の息子と娘を結婚させたがるわけがないとルーファスは言っていた。
「それに関しては気にしないよ、別に兄の縁談がどうなろうと俺には何の関係もないし」
俺は兄に対して積極的に危害を加える気はない。だからと言って兄の安全を守ろうと思っているわけではない。俺の知らないところで幸せになろうと不幸になろうと知ったことじゃないが、俺が割を食う事態になったら迷わず兄貴の幸せはぶち壊させてもらう。それだけだ。
「お前の兄貴もいい弟を持ったな」
レオナルドがあきれたように言った。もっともいざとなったらレオナルドも俺と同じ判断をすると分かっているので言わせておく。
ちょっと痛い目に会ったら面白いとか言った口でしゃあしゃあというやつだし。
「まあ、恋愛は障害が多いほど燃えるっていうしねえ」
父上の反対を押し切って頑張るといいよ。
ルーファスも最終的に俺の意見に賛同した。
「まあ、いろいろと調べ買いがあるよね、友達の父親だからちょっと手を引いていたところがあるけど、許可が出たなら遠慮はいらないか」
ルーファスがにんまり笑う。
そういえばこいつだけは確実に将来家を継ぐことが決まっていたな。不意に頭をよぎったが特に気にしないことにした。
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