お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon

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ぼっちな俺のボッチな仲間たち

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 俺の周りにいるのは俺と同じ訳ありのすねに傷持つ連中のみ。
 公爵家出身だが当主がメイドを押し倒してできたレオナルド・フォックステリア、俺の母親と同じ野心を持っていたメアリアン・キャリコ、そして身分的には最低の準男爵家のルーファス・サーヴァル。
 俺は金髪碧眼だが、整った顔をしていると言われるが印象が薄くあと少しの男とよく言われた。俺の陰口なんて誰でも叩く。いまさら泣いたりしない。
 兄は俺とよく似ているのだが、印象の点で大違いだ。俺よりちょっと濃いめの顔をしているのだがそれではっきりとした美男子と言われる。むろん女子受けはすこぶるいい。
 レオナルドははっきり言って妖艶と言ってもいい美貌の持ち主だ。金髪は俺よりやや薄いが極上のエメラルドの瞳はくっきりとしてとんでもない目力を発揮している。母親似というがどう考えても母方の親族はこれを狙って貴族の家に奉公に出したとしか思えない。
 結構な慰謝料を払うことになったらしいが、ああ金は怖い。
 そしてメアリアンは繊細な美貌の持ち主だ、やや赤いクルクルの巻き毛といたずらなキャッツアイ黙ってさえいれば。口をきいたら終わりな女。だが俺たちのように悪口に慣れている人間はどうでもいい。
 その美貌で玉の輿を狙っていたが俺は自分の母親のことを説明した。メアリアンは神妙に聞いていて、そして何やらすべてをあきらめたようだ。
 いや、そういう危ない玉の輿狙いでできた俺がつまはじきのボッチという段階で自分の目指していた路線があまり明るくないということを悟ったのだろう。そのあたりは決して馬鹿ではないようだ。
 論より証拠というわけだ。
 そして準男爵家のルーファスはこの中では一番平凡な顔立ちをしている。茶色い髪に灰色の瞳、埋没するために存在するような、いるかわからないかで俺とためを張れるただ一人の人間だ。
 まあこんな外れ者同士で俺たちの学園生活は続いている。
 俺たちのようなグループは各学年に一つか二つは常にある。弱いものは寄り集まるというのも一つの処世術だってことだ。
 このグループ、それなりに交流がある。まともには入ってこない裏情報もこうした波久礼グループには入ってくるということもある。
 俺としては知りたくもないことを知る羽目になることも多いが、情報は力という昔からの格言もある。時としては有効活用できないかなと思っていたりする。
 だが俺たちが集まって何をしているかというと。
「ちょっと、ルーファス年表はどこよ」
「あ、使ってるのレオナルドだぜ」
「あ、俺の貸すよ」
 俺は自習用に用意したオリジナル年表を出した。
「何このマニアックなまとめ」
「ほっとけや」
 まじめに勉強をしている。いざというときあてになるのは実力。凡人なりに努力しなければならない。
 運だけで人生は回らないからな。
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