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第十七話
芽生え
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マリセウスの祝福は、一族でも珍しい自然を操るものだ。
海神が意図して選んだものではなく、魂の波長から読み取って授けられるもの故に祝福を与えるまで当人達も神もどのような力なのかはわからない。
歴代王族のほとんどが『人の能力を知るもの』『人の本質を見抜くもの』、変わり種で『気候の変動がわかるもの』『数秒先の未来が視えるもの』などが挙げられている。
マリセウスは『水脈を見つける事と水を自在に操るもの』の祝福は、あまり国政の為にはなれない変わったものだったが曽祖父からは使えて損はないだろうと助言を貰い、今日に至るまで人知れず使いこなせるように努めていた。
「まさかこんな形で、披露するとは思わなかったよ……。」
子供の頃にシグルドとはこれで遊んで怒られて以来、早々に人前でやることはなくなったとの事。そう苦笑いしながらマリセウスは話してくれた。
それを聞いているヘルメスは、冷静さを取り戻したといえども中々頭に入ってこず、簡単な相槌しか打てていない。魔法石や俗にいう科学とは縁遠い現象を体感したおかげで、不思議すぎてよくわからないと言った顔だ。
神海王国ハンクスの王族は人智では収まりきれない神秘を有している、その一端に触れたのだ。すぐに理解するのは難しいだろう。
「叔父様!ヘルメス様!」
と自分達を呼ぶ声が広場に響き、その発声源である上を見上げてみると、屋上の鉄格子の隙間からターニャが顔を覗かせていた。さすがにここからでは表情が見て取れないが、きっと心配しているに違いない。ヘルメスは両手を大きく振って「大丈夫ですよーっ!」と元気よく返事をした。
その姿がまた愛らしく、同時に助けられてよかった安堵感からマリセウスも微笑み暫くはヘルメスの動きを見つめていた。全身を水で濡らしてしまったが、日光が差していることもあり、振っている両手や髪から落ちる雫が輝いているから余計に釘付けになってしまう……そう見惚れているが、重大なことに気がついた。
(……ん?)
ヘルメスはいつも動きやすい服装をしている。ブラウスに足首が見えるほどの丈の長さのスカート。外出するときはジャケットを羽織ってはいるが、ターニャがリングに上がってエキサイティングしているときは暑かったのか羽織っていなかった。ので、今の格好はいつもの姿。
(な……っ、)
ブラウスもずぶ濡れで肌に張り付いてしまっている。彼女の背中に、そりゃあもうピッタリと。ブラウスの中に着ているインナーキャミソールの色までバッチリわかるほど透けている。スカートも同様に濡れているし多少は張り付いてしまっているせいで体のラインがなんとなく……いや、本当になんとなくではあるがわかってしまう。
(み、見えている……だと!?)
恋愛初心者にして女性との交流がほぼ皆無のマリセウスにとってはかなり衝撃的な姿、ならびに刺激が強すぎて言葉を詰まらせてしまった。
まるで我が事のように内から湧き上がった羞恥心のあまり、乙女の如く両手で顔を覆い自ら視界を遮る。が、王太子も人間。本能的に指の隙間から見てしまい、それを戒めて目を瞑るもまた見てしまう……そんな些細な行動を繰り返していると、静かになっているマリセウスに気がついてヘルメスが向き直って声をかける。
「どうしましたか、マリス様?」
「へっ!?や、なん…………。」
なんでもない、と答えたいが肌が間接的に見えてしまっている婚約者をこのまま放置していいわけがない。それに、これだけの騒動を起こしてしまったのだからその内騎士達もやってくるに違いない。人目に肌を晒させたくはないが、羽織るものもないし自身のシャツも濡れてしまっているから着せても意味がない。……ならいっそのこと、彼女に『ブラウスが透けている』と直接言うしかあるまい。
女性経験ゼロの中年は、果たして伝えることが出来るのだろうか。しかし、それをストレートに伝えようと一歩踏み出す勇気がなかなか出なかったせいで、
「殿下ーっ!!」
「マリセウス殿下ーっ!ご無事ですかぁーっ!?」
「先程、すごい音がしましたけど大丈夫ですか!?」
最悪のタイミングで先程の若手騎士三人組がやってきた。
なんてこった、自分以外の男にヘルメスの肌が見られてしまう。なるべく彼女を自分の後ろに隠して見せないように努めなくては……と思っても、行動派の婚約者。
「あ、もしかして追われているときに助けてくれようとしてた……。」
マリセウスがまるで隠すようにして立ちはだかっていたので、その脇からひょっこり出てきて彼らにお礼を言おうと飛び出してしまった。自身の現状を理解していない行動だったため、出て来た彼女を見て小さな悲鳴をあげてしまった。
柔肌を晒すわけにはいかない、焦った王太子はもはや選択の余地はなかった。
「ヘルメスっ!」
「ほわっ!?」
本当に咄嗟だった。腕を引いて自分の背に隠すつもりだったのに、勢いそのまま彼女を抱擁してしまっていた。
思わぬアクションを起こしてしまったが、見せなければよいのだと覚悟を決めてヘルメスの背に腕を回して抱きしめた。
若い騎士三人はその光景を見たので当然驚いて、うち一人は「なんだ自慢か?」とちょっとリア充に嫉妬していたのは言うまでもなく。そりゃあ二人は恋仲だし、婚約をしているし安堵の喜びで抱き合うなんてことをしてもおかしくはないだろうが……。
「すまない、君達。何か羽織るものを持ってきてくれないか?」
「あ……はい、只今!」
少し呆気に取られていたが、よくよく見れば二人ともずぶ濡れであった。一人は詰め所内へと走って戻り、残された二人は破壊された人形がもう動作しないか、他に不安全な場所がないか確認して回ることとなった。
一方、突然抱擁されたヘルメスは落ち着いたはずなのにまた動揺してしまった。落下しているときは意識していなかったが、彼の体温を全身で感じてしまい、胸が緊張か何かで高鳴り出して落ち着きがなく速くリズムを刻む。
なんでこんな大胆なことをやるのだろう?手を繋いだだけで甘いイチゴ以上に顔を赤くするのに、抱擁なんてしたら血圧が上がって倒れてしまうのではなかろうか?ヘルメスは彼のことが少し心配になり顔を上げて問いかけようとするも、
「す、すまない。嫌かもしれないけど我慢していてくれ。」
恥ずかしくて離れたいと思われたらしく、再度腕の中に収められてしまう。異性からこんなに熱い行為をされるのも初めてだったから、このまま大人しくしていればいいのかどうやって返せばいいのかわからなくて、いつも照れている彼のように熱が顔に現れて赤く染まっていくばかりだ。
そうバクバクとしていると、自分以外の鼓動を感じた。自身の頬がマリセウスの胸板に当たっているから、その正体が彼の心音だとすぐに気がついた。……そう、気がついてしまった。
(……ん?)
頬に当たっている感触は明らかに衣類のそれではない。温かくてスベスベしていて、弾力があるのだ。
(…………ま、ま、まさか、)
恥ずかしさのあまりに目を閉じていたヘルメスは薄らと瞼をあげた。
彼の逞しい大胸筋、それに対してシャツの布地が足りなかったのかボタンが止められずに肌けてしまっている。つまりだ、……彼の素肌に直接触れてしまっている。
「は、はわわ…………っ!」
その正体がわかると、一気に胸が跳ね上がり自分の心臓の音が聴覚を支配した。緊張というのか恥じらいというのか……細胞がジリジリ焼けるような、そのせいか妙に体の芯が『きゅう』と音を立てて震えているようにも……今まで経験したことがない体感が次から次へと流れ込んでくる。頭がおかしくなりそうだ。
このまま押し除けようと思ってもみたが、意外にもきっちりホールドされてしまっている。これでは離れるのは難しいだろう。せめて拘束を緩めて欲しくて、懇願しようとするが舌が上手く回らない。
「ああっ、あの、あのぉ~……。」
しかし、マリセウスはその懇願が『人に抱擁されている所を見られて恥ずかしい』と思ってしまい、腕にいるヘルメスにどう説明しようかと悩んだ。また少しずつ騎士らの増援がくるだろう、今は二人以外に騎士が二人だけ。それでも周りに気を遣ってポツリと伝えることにした。
マリセウスは彼女の耳元に顔を近づけて手短に伝えた。
「あのね……君、服が透けているよ?」
「!!」
途端、ヘルメスは爆発した。
服が透けていた事の羞恥心ではなく、耳元で彼の優しい声を囁かれて一気に全身がビリビリと駆け巡って……人生で初めて『甘美』を味わったのだ。
「ぁ……ひゃぁ……。」
そしてその熱が頭を完全に溶かしてしまい……ヘルメスは顔を赤くしてそのまま倒れ込んでしまったのだ。幸い、マリセウスに抱きしめられていたので怪我をすることはなかったが、突然の事に彼は驚いて何度も彼女の名前を呼んだのだった。
「……本当、危なっかしい二人ですわね。」
彼らのやり取りを屋上から見ていた、座り込んでいるターニャは笑いながら目元の涙を拭い、救援にきた騎士たちに無事保護されていったのだった。
海神が意図して選んだものではなく、魂の波長から読み取って授けられるもの故に祝福を与えるまで当人達も神もどのような力なのかはわからない。
歴代王族のほとんどが『人の能力を知るもの』『人の本質を見抜くもの』、変わり種で『気候の変動がわかるもの』『数秒先の未来が視えるもの』などが挙げられている。
マリセウスは『水脈を見つける事と水を自在に操るもの』の祝福は、あまり国政の為にはなれない変わったものだったが曽祖父からは使えて損はないだろうと助言を貰い、今日に至るまで人知れず使いこなせるように努めていた。
「まさかこんな形で、披露するとは思わなかったよ……。」
子供の頃にシグルドとはこれで遊んで怒られて以来、早々に人前でやることはなくなったとの事。そう苦笑いしながらマリセウスは話してくれた。
それを聞いているヘルメスは、冷静さを取り戻したといえども中々頭に入ってこず、簡単な相槌しか打てていない。魔法石や俗にいう科学とは縁遠い現象を体感したおかげで、不思議すぎてよくわからないと言った顔だ。
神海王国ハンクスの王族は人智では収まりきれない神秘を有している、その一端に触れたのだ。すぐに理解するのは難しいだろう。
「叔父様!ヘルメス様!」
と自分達を呼ぶ声が広場に響き、その発声源である上を見上げてみると、屋上の鉄格子の隙間からターニャが顔を覗かせていた。さすがにここからでは表情が見て取れないが、きっと心配しているに違いない。ヘルメスは両手を大きく振って「大丈夫ですよーっ!」と元気よく返事をした。
その姿がまた愛らしく、同時に助けられてよかった安堵感からマリセウスも微笑み暫くはヘルメスの動きを見つめていた。全身を水で濡らしてしまったが、日光が差していることもあり、振っている両手や髪から落ちる雫が輝いているから余計に釘付けになってしまう……そう見惚れているが、重大なことに気がついた。
(……ん?)
ヘルメスはいつも動きやすい服装をしている。ブラウスに足首が見えるほどの丈の長さのスカート。外出するときはジャケットを羽織ってはいるが、ターニャがリングに上がってエキサイティングしているときは暑かったのか羽織っていなかった。ので、今の格好はいつもの姿。
(な……っ、)
ブラウスもずぶ濡れで肌に張り付いてしまっている。彼女の背中に、そりゃあもうピッタリと。ブラウスの中に着ているインナーキャミソールの色までバッチリわかるほど透けている。スカートも同様に濡れているし多少は張り付いてしまっているせいで体のラインがなんとなく……いや、本当になんとなくではあるがわかってしまう。
(み、見えている……だと!?)
恋愛初心者にして女性との交流がほぼ皆無のマリセウスにとってはかなり衝撃的な姿、ならびに刺激が強すぎて言葉を詰まらせてしまった。
まるで我が事のように内から湧き上がった羞恥心のあまり、乙女の如く両手で顔を覆い自ら視界を遮る。が、王太子も人間。本能的に指の隙間から見てしまい、それを戒めて目を瞑るもまた見てしまう……そんな些細な行動を繰り返していると、静かになっているマリセウスに気がついてヘルメスが向き直って声をかける。
「どうしましたか、マリス様?」
「へっ!?や、なん…………。」
なんでもない、と答えたいが肌が間接的に見えてしまっている婚約者をこのまま放置していいわけがない。それに、これだけの騒動を起こしてしまったのだからその内騎士達もやってくるに違いない。人目に肌を晒させたくはないが、羽織るものもないし自身のシャツも濡れてしまっているから着せても意味がない。……ならいっそのこと、彼女に『ブラウスが透けている』と直接言うしかあるまい。
女性経験ゼロの中年は、果たして伝えることが出来るのだろうか。しかし、それをストレートに伝えようと一歩踏み出す勇気がなかなか出なかったせいで、
「殿下ーっ!!」
「マリセウス殿下ーっ!ご無事ですかぁーっ!?」
「先程、すごい音がしましたけど大丈夫ですか!?」
最悪のタイミングで先程の若手騎士三人組がやってきた。
なんてこった、自分以外の男にヘルメスの肌が見られてしまう。なるべく彼女を自分の後ろに隠して見せないように努めなくては……と思っても、行動派の婚約者。
「あ、もしかして追われているときに助けてくれようとしてた……。」
マリセウスがまるで隠すようにして立ちはだかっていたので、その脇からひょっこり出てきて彼らにお礼を言おうと飛び出してしまった。自身の現状を理解していない行動だったため、出て来た彼女を見て小さな悲鳴をあげてしまった。
柔肌を晒すわけにはいかない、焦った王太子はもはや選択の余地はなかった。
「ヘルメスっ!」
「ほわっ!?」
本当に咄嗟だった。腕を引いて自分の背に隠すつもりだったのに、勢いそのまま彼女を抱擁してしまっていた。
思わぬアクションを起こしてしまったが、見せなければよいのだと覚悟を決めてヘルメスの背に腕を回して抱きしめた。
若い騎士三人はその光景を見たので当然驚いて、うち一人は「なんだ自慢か?」とちょっとリア充に嫉妬していたのは言うまでもなく。そりゃあ二人は恋仲だし、婚約をしているし安堵の喜びで抱き合うなんてことをしてもおかしくはないだろうが……。
「すまない、君達。何か羽織るものを持ってきてくれないか?」
「あ……はい、只今!」
少し呆気に取られていたが、よくよく見れば二人ともずぶ濡れであった。一人は詰め所内へと走って戻り、残された二人は破壊された人形がもう動作しないか、他に不安全な場所がないか確認して回ることとなった。
一方、突然抱擁されたヘルメスは落ち着いたはずなのにまた動揺してしまった。落下しているときは意識していなかったが、彼の体温を全身で感じてしまい、胸が緊張か何かで高鳴り出して落ち着きがなく速くリズムを刻む。
なんでこんな大胆なことをやるのだろう?手を繋いだだけで甘いイチゴ以上に顔を赤くするのに、抱擁なんてしたら血圧が上がって倒れてしまうのではなかろうか?ヘルメスは彼のことが少し心配になり顔を上げて問いかけようとするも、
「す、すまない。嫌かもしれないけど我慢していてくれ。」
恥ずかしくて離れたいと思われたらしく、再度腕の中に収められてしまう。異性からこんなに熱い行為をされるのも初めてだったから、このまま大人しくしていればいいのかどうやって返せばいいのかわからなくて、いつも照れている彼のように熱が顔に現れて赤く染まっていくばかりだ。
そうバクバクとしていると、自分以外の鼓動を感じた。自身の頬がマリセウスの胸板に当たっているから、その正体が彼の心音だとすぐに気がついた。……そう、気がついてしまった。
(……ん?)
頬に当たっている感触は明らかに衣類のそれではない。温かくてスベスベしていて、弾力があるのだ。
(…………ま、ま、まさか、)
恥ずかしさのあまりに目を閉じていたヘルメスは薄らと瞼をあげた。
彼の逞しい大胸筋、それに対してシャツの布地が足りなかったのかボタンが止められずに肌けてしまっている。つまりだ、……彼の素肌に直接触れてしまっている。
「は、はわわ…………っ!」
その正体がわかると、一気に胸が跳ね上がり自分の心臓の音が聴覚を支配した。緊張というのか恥じらいというのか……細胞がジリジリ焼けるような、そのせいか妙に体の芯が『きゅう』と音を立てて震えているようにも……今まで経験したことがない体感が次から次へと流れ込んでくる。頭がおかしくなりそうだ。
このまま押し除けようと思ってもみたが、意外にもきっちりホールドされてしまっている。これでは離れるのは難しいだろう。せめて拘束を緩めて欲しくて、懇願しようとするが舌が上手く回らない。
「ああっ、あの、あのぉ~……。」
しかし、マリセウスはその懇願が『人に抱擁されている所を見られて恥ずかしい』と思ってしまい、腕にいるヘルメスにどう説明しようかと悩んだ。また少しずつ騎士らの増援がくるだろう、今は二人以外に騎士が二人だけ。それでも周りに気を遣ってポツリと伝えることにした。
マリセウスは彼女の耳元に顔を近づけて手短に伝えた。
「あのね……君、服が透けているよ?」
「!!」
途端、ヘルメスは爆発した。
服が透けていた事の羞恥心ではなく、耳元で彼の優しい声を囁かれて一気に全身がビリビリと駆け巡って……人生で初めて『甘美』を味わったのだ。
「ぁ……ひゃぁ……。」
そしてその熱が頭を完全に溶かしてしまい……ヘルメスは顔を赤くしてそのまま倒れ込んでしまったのだ。幸い、マリセウスに抱きしめられていたので怪我をすることはなかったが、突然の事に彼は驚いて何度も彼女の名前を呼んだのだった。
「……本当、危なっかしい二人ですわね。」
彼らのやり取りを屋上から見ていた、座り込んでいるターニャは笑いながら目元の涙を拭い、救援にきた騎士たちに無事保護されていったのだった。
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