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第五話
主役不在で進む劇のような
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マリセウスがサンラン国から出立した翌日の午前中、あっさりと神海王国ハンクスに帰国していた。サンラン国からハンクスまでは最短でも一週間はかかる旅路のはずだが、彼は王族特有の裏ワザを持っている。
帰国してすぐに両親のいる宮殿には帰らず、王都の端にあるグリーングラス商会事務局に顔を出す事にした。サンラン国にはヘルメスに逢いに行っただけではなく取引も数件こなしており、さらに物流の細かい指示も伝えるなどの仕事も作ってきた。
これからさらに執務に仕事に家庭に忙しくなるが、やる気が満ち溢れている。先の日々に高揚感を覚えているせいもあってか、心なしか街並みも明るく輝いているように見えた。自分が如何に浮き足立っているのかもわかる。
そんな心を弾ませたままに事務局に顔を出そうと扉を開き、「おはよう」と一言を発するとデスクワークをしていた商会職員達がマリセウスと認識した途端、起立をする。「おはよう」と言われたのなら挨拶が返ってくるかと思いきや……。
「ご結婚、おめでとうございます!」
「おめでとうございます、会頭。」
「おめでとう!」
「おめでとう!!」
「……え?」
職員たちは眩しいばかりの笑顔で拍手をしつつ、お祝いの言葉をかけてくる。
パチパチパチパチ――パチパチパチパチ――
気がついたら、事務局にいる全員に、祝福と拍手によって包囲されていた。ぽつんと立ち尽くすマリセウス、「これ何かの最終回で見たことがある」とうっすら思ったが、その何かは思い出せないし思い出したらいけない気がするのですぐに忘れた。
「あ、ありがとうございます?」
「なんで疑問系なんですか。」
「いやだって……今朝帰ってきたばかりだし、公式の発表はまだなんだが。一体、うちの誰が伝えたんだい?」
一応王都の商会従業員の一部、副会頭、そしてここの職員たちはマリセウスが王太子殿下である事は知ってはいる。
さらに言うなら、ヘルメスに逢いにサンラン国まで赴いた事も既に話しているので大体の事情も知ってはいる。
グリーングラス商会はサンラン国の都心部にも店舗は構えているが、そこの従業員たちはマリセウスの正体を知っているわけがない。飽くまで創業者、会頭なのは認知されてはいるが。
王太子としての従者達も商会経営は知っている、なんせ国王陛下の許可をもらっての経営だから。だが彼ら……商会の従業員とは別に繋がりはないはず……。
一体誰がここにいる彼らに伝えたのだろう?と、自分の周囲の人間の顔を思い出しながら耽っていると、中堅職員がそれを遮るように言った。
「王室公式のアナウンスならありましたよ。会頭がサンラン国に行った直後に発表されましたから。」
「…………は?」
「え、婚約者連れてきて四月……今月中に結婚式を挙げるのでしょう?」
「今年に入って少ししてからお触れが回ってたものねぇ。」
「国を挙げてのお祝いだから、ここら辺も飾り付けが始まったし。」
「四月になるまでは飾り付け禁止だったから、ようやくって感じ。」
「会頭に根掘り葉掘り聞いてみたかったけど、いつも通り生真面目にお仕事してたから『あたしらが浮かれちゃいけないわね~』って思いながら仕事してたんだけど、さっきの浮かれ具合でようやくこっちも素直にお祝い出来たってもんよ!」
「待て、待って?お触れって何?結婚式を今月中に?いやさすがに冗談が……。」
と何気なく窓の外の光景が視界に入り、それに視線を移すとここらの管轄であろう憲兵がやってきた。
「すみませーん!ここは王太子殿下夫妻のお披露目パレードのルートになりますのでー!飾り付けはなるべく壁に寄せてくださーい!」
自分が浮かれてキラキラしていると錯覚していた街並み、あれは本当にキラキラしていた。古くなって使えなくなった魔法石を細かく砕いて『ご結婚おめでとう!』の看板に散りばめて、太陽の反射だけでキラキラさせているもの。聖誕祭のツリーにでも飾り付けるモールのようなもの、国旗、まだ蕾のままの花など……店や住宅など沿道沿いの家々は様々な飾り付けが施されていた。
事態が飲み込めないマリセウスの顔から妙な汗が流れ落ちていくのを見た職員たちはさすがにおかしいと思い始めたのか……いやもはや「まさか」の域に到達してしまったのだろうか、先程一声を発した中堅職員が勇気を出して問いかけた。
「あの、会頭……まさかとは思いますが、ご存じなかったのですか?」
「……存じませんよっ!」
何を存じないかと言われたら、全部だ全部!と付け足して放った言葉。
困惑と混乱と、これをやらかしたであろう首謀者に対する僅かな怒りを混ぜながらマリセウスは声をあげてしまう。
しかし本能的に「確認せねば」と思い立ったのか、事務局から飛び出すとこの地区でお触れ書きが掲示されている掲示板へと駆けて行った。
通り過ぎ様に「ようやく殿下が結婚するのかー!」「お嫁さんはどんな人かしら?」「花嫁と花婿の衣装が楽しみね」などの会話が耳に入ってくる……浮かれていたときは全く気にも留めていなかったが、本当に結婚式があるみたいだ。
色々と思い返してみたが、そういえば両親には「春あたりにカートン伯爵令嬢にお会いしてきます」と新年の挨拶のあとに話していた記憶はある。まさか、「婚約のお披露目しないですぐ結婚しますよ!」という意味に解釈をされたのだろうか?そんな早合点があってもいいはずはないと言い聞かせるも、「殿下たちのパレード、どこで見物しようかダーリン?」と腕を組み合うカップルの声が耳に入る。イベントじゃねぇんだよ!と吐き捨てたいが、民に取っては王族のやる事はイベント感覚なのだろう……。
ある程度走ると、広場の噴水の近くに出てきた。大きめの掲示板には衛兵が二人ほど配属されている。自治体なら自警団か、些細な事ならそんな警備もない。つまり『王室公式のお触れ書きが掲示されている』決定的な証拠だ。
いやでも、お触れ書きと言っても実は私の事じゃあるまい?きっとそそっかしいご近所さんが間違えたに違い、きっと良い所の令息がここで結婚式を挙げるだけさ、と言い聞かせるも、現実は無情だった。
「触れ書きの警備、ご苦労。」
「はっ!王太子殿下!」
「王太子殿下、おはようございます!」
姿勢を整えて敬礼する衛兵に簡単な挨拶を済ませて、恐る恐る掲示板を確認する。厚みのある照り返しの少ないマットコート加工をした上に、金銀の蔦のような模様で枠を作っているひときは大きなそれは、間違いなく王室から国民に宛てた触書きだ。
冒頭の挨拶文はいつもの定型文だから読み飛ばそう。大体重要なことは真ん中に書いてあるからなー!と同じように読んでいた子供も適当に目を通していた。
――この度、我が国の王太子であるマリセウス・ハンクス・エヴァルマーが十五年という長き年月をかけて婚約しているとある令嬢と、目出たく婚礼を挙げる事となりました。
つきましては神海王国ハンクス国民と王家一族と共に、二人の新しい門出を見届けるのを兼ねて、是非とも祝福をしていただきたいと思います。
なお、挙式につきましては王族と親族のみの参加ではありますが、挙式後は王都でお披露目パレードを予定しております。――
……がっつり、書いている。間違えるはずもない、自分の名前ががっつり書いてあるし、その下には王命の証である印もはっきりと押されている。挙式は自分とヘルメスの親族のみの参列となるとも書かれている、日程も勝手に決められて勝手に書かれている。不幸中の幸いは、ヘルメスの名前を書かれなかったことだろう。下手をしたら新聞記者がカートン伯爵家に駆け込んでしまう展開は阻止されたわけだ。
そんな掲示板の前で呆然と立ち尽くしていると、道行く人々がマリセウスの存在に気づいたらしく、
「あ!殿下じゃん!」
「王太子殿下、ご結婚おめでとうございます!」
「十五年も一途だったんだな殿下!」
「憎いねこのイケオジ!!」
とフランクに祝福して行ってくれた。
本来なら嬉しい、人生で最も大きな行事。なのに、何故こんな事になっているのだろう。
「…………あんの、クソ親父ィイイッ!」
歯を食いしばって怒るマリセウスを見た衛兵は、凄まじい恐怖を覚えたという。
帰国してすぐに両親のいる宮殿には帰らず、王都の端にあるグリーングラス商会事務局に顔を出す事にした。サンラン国にはヘルメスに逢いに行っただけではなく取引も数件こなしており、さらに物流の細かい指示も伝えるなどの仕事も作ってきた。
これからさらに執務に仕事に家庭に忙しくなるが、やる気が満ち溢れている。先の日々に高揚感を覚えているせいもあってか、心なしか街並みも明るく輝いているように見えた。自分が如何に浮き足立っているのかもわかる。
そんな心を弾ませたままに事務局に顔を出そうと扉を開き、「おはよう」と一言を発するとデスクワークをしていた商会職員達がマリセウスと認識した途端、起立をする。「おはよう」と言われたのなら挨拶が返ってくるかと思いきや……。
「ご結婚、おめでとうございます!」
「おめでとうございます、会頭。」
「おめでとう!」
「おめでとう!!」
「……え?」
職員たちは眩しいばかりの笑顔で拍手をしつつ、お祝いの言葉をかけてくる。
パチパチパチパチ――パチパチパチパチ――
気がついたら、事務局にいる全員に、祝福と拍手によって包囲されていた。ぽつんと立ち尽くすマリセウス、「これ何かの最終回で見たことがある」とうっすら思ったが、その何かは思い出せないし思い出したらいけない気がするのですぐに忘れた。
「あ、ありがとうございます?」
「なんで疑問系なんですか。」
「いやだって……今朝帰ってきたばかりだし、公式の発表はまだなんだが。一体、うちの誰が伝えたんだい?」
一応王都の商会従業員の一部、副会頭、そしてここの職員たちはマリセウスが王太子殿下である事は知ってはいる。
さらに言うなら、ヘルメスに逢いにサンラン国まで赴いた事も既に話しているので大体の事情も知ってはいる。
グリーングラス商会はサンラン国の都心部にも店舗は構えているが、そこの従業員たちはマリセウスの正体を知っているわけがない。飽くまで創業者、会頭なのは認知されてはいるが。
王太子としての従者達も商会経営は知っている、なんせ国王陛下の許可をもらっての経営だから。だが彼ら……商会の従業員とは別に繋がりはないはず……。
一体誰がここにいる彼らに伝えたのだろう?と、自分の周囲の人間の顔を思い出しながら耽っていると、中堅職員がそれを遮るように言った。
「王室公式のアナウンスならありましたよ。会頭がサンラン国に行った直後に発表されましたから。」
「…………は?」
「え、婚約者連れてきて四月……今月中に結婚式を挙げるのでしょう?」
「今年に入って少ししてからお触れが回ってたものねぇ。」
「国を挙げてのお祝いだから、ここら辺も飾り付けが始まったし。」
「四月になるまでは飾り付け禁止だったから、ようやくって感じ。」
「会頭に根掘り葉掘り聞いてみたかったけど、いつも通り生真面目にお仕事してたから『あたしらが浮かれちゃいけないわね~』って思いながら仕事してたんだけど、さっきの浮かれ具合でようやくこっちも素直にお祝い出来たってもんよ!」
「待て、待って?お触れって何?結婚式を今月中に?いやさすがに冗談が……。」
と何気なく窓の外の光景が視界に入り、それに視線を移すとここらの管轄であろう憲兵がやってきた。
「すみませーん!ここは王太子殿下夫妻のお披露目パレードのルートになりますのでー!飾り付けはなるべく壁に寄せてくださーい!」
自分が浮かれてキラキラしていると錯覚していた街並み、あれは本当にキラキラしていた。古くなって使えなくなった魔法石を細かく砕いて『ご結婚おめでとう!』の看板に散りばめて、太陽の反射だけでキラキラさせているもの。聖誕祭のツリーにでも飾り付けるモールのようなもの、国旗、まだ蕾のままの花など……店や住宅など沿道沿いの家々は様々な飾り付けが施されていた。
事態が飲み込めないマリセウスの顔から妙な汗が流れ落ちていくのを見た職員たちはさすがにおかしいと思い始めたのか……いやもはや「まさか」の域に到達してしまったのだろうか、先程一声を発した中堅職員が勇気を出して問いかけた。
「あの、会頭……まさかとは思いますが、ご存じなかったのですか?」
「……存じませんよっ!」
何を存じないかと言われたら、全部だ全部!と付け足して放った言葉。
困惑と混乱と、これをやらかしたであろう首謀者に対する僅かな怒りを混ぜながらマリセウスは声をあげてしまう。
しかし本能的に「確認せねば」と思い立ったのか、事務局から飛び出すとこの地区でお触れ書きが掲示されている掲示板へと駆けて行った。
通り過ぎ様に「ようやく殿下が結婚するのかー!」「お嫁さんはどんな人かしら?」「花嫁と花婿の衣装が楽しみね」などの会話が耳に入ってくる……浮かれていたときは全く気にも留めていなかったが、本当に結婚式があるみたいだ。
色々と思い返してみたが、そういえば両親には「春あたりにカートン伯爵令嬢にお会いしてきます」と新年の挨拶のあとに話していた記憶はある。まさか、「婚約のお披露目しないですぐ結婚しますよ!」という意味に解釈をされたのだろうか?そんな早合点があってもいいはずはないと言い聞かせるも、「殿下たちのパレード、どこで見物しようかダーリン?」と腕を組み合うカップルの声が耳に入る。イベントじゃねぇんだよ!と吐き捨てたいが、民に取っては王族のやる事はイベント感覚なのだろう……。
ある程度走ると、広場の噴水の近くに出てきた。大きめの掲示板には衛兵が二人ほど配属されている。自治体なら自警団か、些細な事ならそんな警備もない。つまり『王室公式のお触れ書きが掲示されている』決定的な証拠だ。
いやでも、お触れ書きと言っても実は私の事じゃあるまい?きっとそそっかしいご近所さんが間違えたに違い、きっと良い所の令息がここで結婚式を挙げるだけさ、と言い聞かせるも、現実は無情だった。
「触れ書きの警備、ご苦労。」
「はっ!王太子殿下!」
「王太子殿下、おはようございます!」
姿勢を整えて敬礼する衛兵に簡単な挨拶を済ませて、恐る恐る掲示板を確認する。厚みのある照り返しの少ないマットコート加工をした上に、金銀の蔦のような模様で枠を作っているひときは大きなそれは、間違いなく王室から国民に宛てた触書きだ。
冒頭の挨拶文はいつもの定型文だから読み飛ばそう。大体重要なことは真ん中に書いてあるからなー!と同じように読んでいた子供も適当に目を通していた。
――この度、我が国の王太子であるマリセウス・ハンクス・エヴァルマーが十五年という長き年月をかけて婚約しているとある令嬢と、目出たく婚礼を挙げる事となりました。
つきましては神海王国ハンクス国民と王家一族と共に、二人の新しい門出を見届けるのを兼ねて、是非とも祝福をしていただきたいと思います。
なお、挙式につきましては王族と親族のみの参加ではありますが、挙式後は王都でお披露目パレードを予定しております。――
……がっつり、書いている。間違えるはずもない、自分の名前ががっつり書いてあるし、その下には王命の証である印もはっきりと押されている。挙式は自分とヘルメスの親族のみの参列となるとも書かれている、日程も勝手に決められて勝手に書かれている。不幸中の幸いは、ヘルメスの名前を書かれなかったことだろう。下手をしたら新聞記者がカートン伯爵家に駆け込んでしまう展開は阻止されたわけだ。
そんな掲示板の前で呆然と立ち尽くしていると、道行く人々がマリセウスの存在に気づいたらしく、
「あ!殿下じゃん!」
「王太子殿下、ご結婚おめでとうございます!」
「十五年も一途だったんだな殿下!」
「憎いねこのイケオジ!!」
とフランクに祝福して行ってくれた。
本来なら嬉しい、人生で最も大きな行事。なのに、何故こんな事になっているのだろう。
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