社畜サラリーマンの優雅な性奴隷生活

時と場合

視線を感じる。


（セックス……したいんだろうなぁ…）

授乳をしながら、龍之介は背後からのレイノルドの視線をビンビンに感じ取っていた。
つい先日、エルヴィンからセックス解禁のお知らせを受けたレイノルドはそりゃもうハッスルした。ハッスルし過ぎて好き放題遠慮もなしに龍之介を犯した。
そう、あれは抱かれたなんてもんじゃない。ほぼレイプだ、あんなのは！！　

解禁したとはいえ、龍之介はまだ腹を切ったばかりである。回復魔法はかけてもらったが、出産のダメージは未だ残っていた。

（ま、通常のお産に比べたら驚異的な回復スピードなんだろうけど）

だから文句は言うまい。これで文句を言ったら世のお母さん方に申し訳ない！


だがまあそれを差し引いても、龍之介の体調は万全ではなかった。赤ん坊は昼夜問わずおっぱいを欲しがるし、よく泣くし、よくぐずった。

妊娠で増えた体重も、なんやかんやでごっそりと減っていた。おっぱい吸われ続けるのってめちゃくちゃ消耗する。それで気付けばげっそりやつれていた龍之介であった。所謂育児疲れというやつだろう。

しかしそんな龍之介の疲労やストレスもお構いなしにレイノルドが押し倒し好き勝手していったものだから、ついに堪忍袋の緒が切れた。


「次、また同じことしたら家出してやる…！」

勿論、この子を連れて、と龍之介が凄むと流石のレイノルドもやり過ぎたと思ったのか、以降、龍之介の許可なしには行為に及ばなくなっていた。





そして、話は冒頭に戻るわけだが…




（あー～～！！正直鬱陶しい！！）

一言も喋らないのに視線がねっとり絡みついてくるこの不快さを、いったいなんと表現すればいいのだろう！？

（あーウザい、マジでウザい、なんでこうも極端なんだよ…）

誘うなら、もうちょっとスマートにやってくれればそれでいいのだ。こっちだってしたくないわけじゃない。ただ翌日の育児に響くような激しいセックスを望んでいないというだけなのだ。

（思えばムードとか、全く気にしない奴だったよな…）

あれは過ぎたイケメンが故の空気の読めなさかと思っていたが、実のところレイノルドはかなり衝動的な性格なのかもしれない、と龍之介は思う。今更だけど。

衝動的、だからこそこっちからすると脈絡もなく突然押し倒された！となるわけである。今までならそれも仕方ないと許容してきたが、子供が出来た今、それはもう罷りならない。空気はきちっと、読んでもらわねばなるまい。

（じゃないと俺、いつか我が子の前で犯されちまうもん…）

親のセックスを見せて子供にトラウマを与えるなんて以ての外である。龍之介だって我が子にアンアン喘いでる姿なんて見られたくない。男の沽券に関わる。



……なんてことを赤ちゃんをあやしながら考えていると、ふとレイノルドが隣に腰かけてきた。
お、漸く口を開く気になったのか？と思いきや、突然唇を塞がれた。ぬるっと長い舌が歯列をゆっくりとなぞってから口内を犯してくる。不意打ちだったせいもあり、ンンッと思わず声を漏らすと赤ん坊がふえっ、と鳴き声をあげた。

最悪だ、早速目の前で犯されかけとる…！